最新の観てきた!クチコミ一覧

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The last night recipe

The last night recipe

iaku

AI・HALL(兵庫県)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

沁みました、とても。
良かったです。会話劇やっぱり好きです。

はかりしれない光をもつもの

はかりしれない光をもつもの

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/11/03 (火) ~ 2020/11/10 (火)公演終了

満足度★★★★

Venus Ver.を拝見。前半の各人の芝居の上滑り感が結構なレベルで落胆しかけてたら、後半の展開ではそれがいい方に逆転してくれてホッとした。上滑り感というよりも、あの頃の気恥ずかしさに近かったのかもしれないけど、狙いだとしたら、してやられたということか。

桜の園 四幕の喜劇

桜の園 四幕の喜劇

劇団つばめ組

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2020/11/05 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

意外と普通にチェーホフ。

くちづけ

くちづけ

タクフェス

サンシャイン劇場(東京都)

2020/10/29 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきました☆ 笑えて泣けて とても素敵な舞台でした☆

忖度裁判

忖度裁判

ワンツーワークス

シアターX(東京都)

2020/10/31 (土) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/11/05 (木) 14:00

社会派劇のワンツーワークスの新作なので期待して出掛けた。裁判員裁判で何を忖度しているのだろうというところが最大の焦点だったのだが、そのあたりは少し分かりにくかったような気がする。
裁判員裁判で、裁判官と裁判員の関係は微妙だ。訴訟指揮という点では裁判官が行うので、裁判官の敷いたレールに乗っかって裁判員が判断するというのが大方の裁判員裁判である。この制度ができたときに、裁判所が求めたのは「司法に市民感覚を入れる」。では、裁判所に市民感覚はなかったのか。舞台ではそのあたりもチクリと描かれる。
強気の検察にそっと援軍するという裁判長の訴訟指揮が描かれる。そういうことは現実にあるのかもしれない。そのままいったら無罪判決になりかねず、そういう意味では世間の支持を得られない判決を書いたという法廷として非難されることになるからだ。
自分としては、評議の場面だけでなく実際の法廷も描いてほしかった。そして、検察と弁護側の論理もきちんと書いた方がよかったと思う。評議の場面と、裁判員の私的な葛藤のクロスオーバーは成功しているとは言えないのではないか。

JACROW#29「闇の将軍」シリーズ第3弾

JACROW#29「闇の将軍」シリーズ第3弾

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2020/10/22 (木) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/11/04 (水) 19:30

座席1階

第一話と第二話を見ているので、第三話の「常闇、世を照らす」を拝見した。安倍一強の独裁政治に辟易していると、金権政治といわれながらも田中角栄の人間的な側面、有権者への熱意などがとても新鮮に感じる。もちろん、刑事被告人となり有罪判決を受けた田中角栄をその面では評価できるものではないが、この舞台は、田中政治の人間くさいところをうまく表現していると思う。
舞台に登場する自民党の派閥の領袖たちもおもしろい。諸悪の根源と言われた派閥政治だが、今の自民党が安倍独裁で萎縮してしまい、さらなる独裁者管首相の強権的な振る舞いなどを見ていると、当時の方がよっぽど民主主義的だったと言えなくもない。
田中角栄、娘の真紀子、山東昭子はとてもよく似ている。大平首相は「あーうー」という物言いはまねしているものの、もう一歩かな。でも、似ているとかどうとかいう問題ではないのだ。それぞれの持ち味がよく出ていると思った。
このシリーズは日本の政治の権謀術数を描いている。今も当然そういうことは政治の一部としてあるのだが、やっぱり登場人物たちの力がそこそこ均衡していないと、舞台やドラマにしにくいだろう。そういう意味では、今の自民党政治はドラマにもなりにくい、つまらないものだと言えるかもしれない。劇場を出てそんなことを考えた。

Rights, Light ライツ ライト

Rights, Light ライツ ライト

劇団フライングステージ

OFF OFFシアター(東京都)

2020/11/02 (月) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2020/11/05 (木) 15:00

座席1階A列3番

価格3,500円

いや、よかった!
フライングステージさんの公演は、まちまちにしか観ませんが、
僕が観た中では、最高!
皆さん、コリッチ活用しましょうよ。
フライングステージさん、最高でしたよ!

忖度裁判

忖度裁判

ワンツーワークス

シアターX(東京都)

2020/10/31 (土) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

 普段全く知らないで暮らしてきた裁判官と検察、裁判長と右陪席・左陪席との関係。恐らくこのようであろう裁判員の在り様がその所作、台詞、ストップモーション、効果的な照明や音響によって表現されており、この日本という社会の悍ましさのリアルが良く表現されている。

ネタバレBOX

 日本という「国」には民主主義等無論無い。矛盾を承知で敢えて日本の政治体制を表現するのであれば、それは“奴隷民主主義”とでも名付けざるを得ないものだ。この表現の矛盾は奴隷根性を持たない者であれば即座に正解を出す類の矛盾である。そしてその根本的責任は、主権者たる我ら国民にこそ帰せられなければなるまい。今更言う迄もないことではあるが、徴用工問題や従軍慰安婦問題に対する嫌韓本やネトウヨの言説の的の外し方をみても、民主主義の根本原理の1つである三権分立を理解していないのが明らかだ。日本政府は、この問題で韓国政府に抗議をしている、等がメディアで流布されているが、この全く意味の無い表現は何なのだ! 司法が独立している以上、行政の判断と異なる場合があることは民主主義の必然であるから、行政府に抗議をしても意味が無い。そう考えるのが論理的思考というものだろう。
 ところで今作は、実際に起こった音羽幼女殺人・死体遺棄事件を下敷きにしている。事件は1999年11月22日に文京区音羽で起こった。当時、自分は西アフリカから帰国したばかりであったから、日本の異様さには、酷く敏感であった。それもあって直ぐNYへ飛んだ。尤もNYは単なる旅行であったが。こうして海外を飛び回っていた間にも“公園デビュー”だの“お受験”だのという表現に込められた日本人及び日本社会の異様・異常でグロテスクな階層意識には頗る付きの悍ましさを覚えた。今作の背景にあるのは、この悍ましさを感じさせる社会の歪みのような気がしてならない。無論、忖度もその歪みの1つである。劇中何度も繰り返される裁判官の独立性については、ハッキリ言って茶番という方が多くの裁判官の実際を表しているのではないか? 実際裁判長は人事権を握っており、そのような地位に就く為にも検察の主張を基本的に正当とする判決を積み重ねることによってしかその地位が得られないのであれば、単なる秀才の選択肢は1つあるのみである。即ち検察の主張を基本的に通す判決を下すことだ。そこに正義等あろうハズも無い。或るのは出世主義と打算、名誉欲と金欲、正義とは真反対の欲望の充足のみである。こんな連中に真っ当な判断等下せる訳が無い。彼らの下す判決とは即ち詭弁によるアリバイ作りでしかない。茶番だ! だからこそ、全く実感の無い被害者の親の痛み等を根拠とすることができるのであろう。偽善の最たるものではないか!
コロス県自殺市呪い村四丁目

コロス県自殺市呪い村四丁目

U-33project

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/10/30 (金) ~ 2020/11/03 (火)公演終了

満足度★★★

何か中途半端でした。

ネタバレBOX

狙いとしては、お通夜の一晩を通して、意識無意識に関わらず関係者が故人に対して精神的に追い込んだ要因を暴き出そうとする遺族の話的な。

とすれば、中途半端でした。
Rights, Light ライツ ライト

Rights, Light ライツ ライト

劇団フライングステージ

OFF OFFシアター(東京都)

2020/11/02 (月) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/11/04 (水)

感染症は怖い、それ以上に無知は怖い、偏見も怖い。どちらも目には見えない。
まず他人や皆のためにと思う前に自分のためにを考えることが大事だと気付かされた。すると良い気流が出来大きい波となる。
HIVに関して今ではあまり報道されることもなく投薬で済むこともあまり知らされないまま知らないままでいる人が多いと思う。
そして偏見が生まれる。新型コロナウィルスもそうだけど病気・ウィルスに対する人の感情のが偏向しないようにしなければならないと思う。

The last night recipe

The last night recipe

iaku

座・高円寺1(東京都)

2020/10/28 (水) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/30 (金)

イラッとしましたね。何だかね、都合よすぎるというか。でもねそんなものなんですよね、人生きっと。何がなんだかな要因が芋づる式に釣れてくる。演劇だからね。うん。演劇なんだね。観ていて色んな感情が渦巻き涙もこぼれました。きっとハッピーエンドだね…n

獣道一直線!!!

獣道一直線!!!

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2020/10/06 (火) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/27 (火)

ずっと観続けているものは欠かしたくない。で、今回チケット取れた。改修後初のパルコ劇場。後ろから2列目の席だったけどすごく良く見えました。内容は、もちろん間違いなく可笑しい。池谷のぶえさんと山本美月さんが素晴らしく、もう本当に可笑しい。また次絶対に観たい!!何が可笑しいって…。うふふ

世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ

世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ

マチルダアパルトマン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2020/10/07 (水) ~ 2020/10/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/10/08 (木)

どちらの作品も雰囲気が好き。何とも言えずふわふわとでも重く。特に「特殊になれなかった者たちへ」は、身近に感じてしまった。ああ。久しぶりの王子小劇場での観劇でドキドキしました。

ブルーストッキングの女たち

ブルーストッキングの女たち

劇団青年座

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2020/09/26 (土) ~ 2020/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/09/28 (月)

ラストの二人の衣装が印象的。世知辛いとうか、ここまで奔放にできたのは何なのだろうと思う。きっと生まれながらに持っているものなのかも。女性として先導してきた著名な方々が出てきてそんな面白みもあった。いやぁなんかすごいものを観ました。これぞ新劇といっていいのかな?

The last night recipe

The last night recipe

iaku

座・高円寺1(東京都)

2020/10/28 (水) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

この日高円寺駅に総武線しか停まらぬとは知らず、走ったが冒頭3分見逃した。帰宅後台本で確認。演出は分からないが恐らく、この作家(+演出)は気の利いた会話としてこの始まりの夫婦の会話を提示したろうと推理。そうなると私の目が追ったこの芝居の相貌が変わって来るような来ないような。。私の観劇後の感想は、「足を滑らすとどちらかへ滑落する切り立った尾根を行く」劇をよく書いたな...というもの。
突如、彼女(ヨリ)は死ぬ。それを告げられた母、母からそれ聴いた父の戸惑い。暗転し、ドラマは時を遡る。暗転を挟んで時系列的には順不同の場面が淡々と連なり、徐々に出来事の展開順序が分ってくる。そして謎の幾つかが黒い斑点のように点在する一枚の絵となって行く。そしてその黒の部分に何が隠れているかによって全貌が変わって見えてくる。最後にそれは「見える」のか・・そこが微妙である。冒頭3分を見返したのはそのためだ。この芝居をミステリーとして観たのである。
この物語のミステリーたるポイントは、急死したヨリの死因で、もっと狭めれば年下の夫である男が殺したのではないか、という疑念だ。そうではないという判断材料も積み上がるかに見えるが、男は最後に嘘をつく。彼女が死んだ夜、3月3日の彼女の(夕飯紹介の)ブログには彼が死ぬほど嫌いな(だが彼には最も縁の深い)ラーメンを食べた、とアップされた(3月3日がそれを食した日付なのか単にアップした日付で・・というあたりが不明(ここが不明である事は話をややこしくするので作者は単に注意がここに及ばなかっただけ、との推測もできるのだが)。
だがラーメンには曰くがあり、彼の祖父が原因不明の死を遂げた、という男の家族史の一つの証言がそこだけあって、その死に関わったと仮にすれば男かその父かしかおらず、疑惑は残る。そしてラーメン屋を続け、息子を仕込みや皿洗いの手元で使い、毎日ラーメンしか食わせていない、という父親の虐待疑惑がこの珍事のそもそもの始まりなのだが、「人は殺さない」と観客にも分かる父を消去法で除けば孫である男が浮かび上がる。
死んだ女はルポライターを目指す雑誌記事や雑文を書くライターだった。新ワクチンの治験レポートを書く依頼を受け、ワクチンを打ったその夜に突然死をする。ここから、彼女と懇意であった先輩ライターが薬害の線を追うことを決意するが、これを告げた相手、ヨリの元カレでコンサルティング会社の社長は薬害の可能性を否定する。私にはこれは彼が新薬を扱う会社が顧客である事からの利害から言っているとは見えず(この記者とはきちんと議論をする相手として描かれているので)、薬害追及がそう甘くない現実を告げていると見た。が、先輩記者はかつてヨリが訪れた郊外のラーメン屋を訪れ、取材を始める。
この店のマスターが店を手伝う息子に虐待を加えていると確信したヨリが、父のいない時間を狙って取材を続ける中、あるやり取りがきっかけで、何とヨリは男に結婚を申し出るのである。もう一つの謎があるとすれば、このヨリの決断、又は彼女の人格についてだろう。
私はヨリがある種の発達障害を想定して描かれていると感じたが、この「取材対象と住む方が早い」「早く本を出したい」と利己的な言葉を平然と相手に投げるヨリと、男との内的なコミュニケーション、そして男の内部で起きていた感情、考えに暗い影が落ちている、そんな風景を見るのである。
ヨリが取材対象に投げる質問、求める答えが返ってこない苛立ちを相手にぶつける取材のやり方・・彼女が尊敬する先輩記者(若いころカンボジアに滞在してルポを書き話題になった)を形だけ模倣する姿が、その先輩記者が彼女と同じくラーメン屋を訪れた時の取材姿勢と比べ、いかに稚拙だったかが痛恨に浮き彫りとなる。
そんな「痛い」彼女は(文章はうまいがルポとなると)ある種の人間性、普通の感情や感覚をもっているかが問われるのだが、彼女は到底その「普通」に辿り着く気配がない。。と見える。だが、終盤で現れる夫との会話の場面では、彼女が自分なりに壁にぶつかり、その結果考えた結論を夫に告げ、「ゆっくりやってこうと思うてる」、と言う。男の方は「折り入っての話」と聞いて自分が離婚を言い渡されるのでは、と恐れたがそうではなかったと安堵する。これが式も挙げずに行った結婚一周年の会話で、その1か月後に彼女は死ぬ。
ところで最後の夜のレシピが、実は「チラシずしでした。3月3日だったんで」と、男は先輩記者に告げる。作劇上は、先輩記者が男に対して抱いている何等かの疑いを晴らす意味を持ったが、芝居も大詰めの場面で、ブログを読む時に登場する「声」だけのヨリは3月3日、ラーメンを食べた。やっと彼が作ってくれた・・と綴られた文を読む。やはり、最後に食べたのはラーメンだった・・というのが殺人への疑惑を抱いていた観客にとってはその仄めかしになるのである。
それでも男は、この「何を考えとんのか父親の俺にもさっぱり分からん」と父(役の緒方晋)に言わしめる男が、彼女との生活を「よき日々」として思い出すように、独白する。「初めてブログを見たら、びっくりした。あったんや、と思った。」「何が?」 「確かにここには生活があったんやて。毎日365日、食べて、食べて、暮らしてたんや・・(みたいな台詞)」。
彼女は人を「利用」し、それを指摘されれば不機嫌になり、単純な技術的なアドバイスさえも、他人の忠告は聞かない、そういう人物である。だがそれでも「精一杯生きてる」と、見る眼差しを、彼女が死んだ今、男はもっている。だが「現在形」であった当時、男は別の感情にも支配されなかっただろうか。。
人にはさまざまな側面があり、様々に欠陥を持つ。だが人は人を欲し、利己的な理由であれ必要とし、否応でも繋がらざるを得ない。ヨリは元より限界を抱え、男はそのヨリに対する自分のあり方に限界を覚えた。そして今男は死せる「彼だけの彼女」と繋がり、50年後には誰も思い出さなくなる対象へ、特別な思いを寄せる一人である。その確信を彼は語っているようにも見える。ヨリ以上に男の人格もブラックボックス。いろんな想像を掻き立てる。
もう一つには、台詞では一言も触れられないお金の事。ブログの中身がますます貧相になる、とのブログ評価はあるが。男を自分が食わせて行くと約束し、周囲にも宣言した彼女の食生活は収入のために細り、その結果ワクチン治験にまで手を出す事になった・・。この事に考えが及びそうにもなるが、彼女の突拍子の無い言動は、この感傷を吹き飛ばす。

シャンドレ

シャンドレ

小松台東

こまばアゴラ劇場(東京都)

2020/11/04 (水) ~ 2020/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

小松台東らしい痛い人間模様を摘出する解剖劇が、こまばアゴラという劇場で理想的に実現していた。今の時世、巷の泥臭い人間関係や醜悪さを見るよりキレイなものを見たい・笑いたいと、乾いた喉が水を欲するように「疲れ」に侵されている。ゆえに小松台東の芝居を観るという時間が実は不安でもあったが、杞憂であった。宮崎弁をフィルターに、笑いをまぶして酷薄な場面と台詞を浴びる時間は心地よかった。またアゴラ劇場という小サイズで色気の無い劇場は小松台東に「合う」のかも一抹の懸念があったがこれも杞憂、大胆な抽象美術が美的に、ドラマの色調的に、また機能的にも良い仕事をしていた。登場人物4名、芝居はほぼ2名時たま3名の場面で構成、どちらかと言えばじっくり進む会話の言葉一つ重ねるごとに独特な人間味が滲み出るのが、醍醐味。

農園ぱらだいす

農園ぱらだいす

劇団匂組

駅前劇場(東京都)

2020/10/14 (水) ~ 2020/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★

昨年知ったばかりの匂組の2作目は、配信で見た。
前作は大逆事件で処刑される事となる女性を扱ったドラマであったが、今回は現代劇。女性目線のより濃い出戻り女性の集うある関東圏の農村でのお話。「アマゾネス」と自らを喩える台詞があり、傷を持つ者同士の健気な連帯の世界観もみえるが、その彼女らも若いイケメンの芸大建築学者が「都市近郊家屋の研究」と称して物件巡りに訪れるや一様に目の色を変えるという(女性目線的には)「自虐」表現もあり。
台詞が危うく感じたのは台本の上りが遅かったのか、千秋楽に映像配信で固くなったか。確かに説明的なくだりの多い台本ではあったが、瑕疵を拭って余る清々しい劇であった。

ネタバレBOX

ドラマの軸は、ネギ作りで成果を上げる(農村では稀少な)30代後半の男性と、夫を亡くした母の元に戻った会社勤務の「行き後れ」(男性と高校時代の同級生)の二人の恋愛?である。二人を取り巻く状況や人物との絡みが微妙に効いている。また東京直通の電車が通った最近の交通事情もリアルに反映されていたり、映画好きの女性(高校時代の部活は映画部)は夢遂げて映画会社に勤めるも事務部署では意味があるのかと揺らいでいたり、大半が高齢者の村人は二人を村の行事(祭礼)の準備係と巫女役にあてがい、結ばせて村に定着させようとしているといった噂等、珍しくもない話が折り重なり「乗っかれる」素地を作る。終始物分かりよい「聞き役」だった女性が最後にむきになる場面が、リアルの図を完成させる最後のピースとなる。女性は高校時代から実はこの男性に惹かれているが別の同級生を好いている、だから(その相手は既婚)独身を通している位に思っている。その既婚女性は明るく社交的で男も味方にする、その手管を作者は開陳してもいるが、種を明かせば男
性はわが主人公たる女性を思う人なのであった。この男性が本腰を入れてアプローチを掛けようしたその時、30代後半のこの女性はそれを敏感に感じ取り、馬鹿じゃないのと拒絶し何故か捲し立てる。ここには社会経験のある女性の色恋沙汰に浮かれる愚かさへの実感や、プライドや、孤独や破綻に耐えた半生を安易に慰撫される事への拒絶等々が滲み、唖然とする周囲の者らの反応とは別に観客は裏の表情を見てとる。その後のゆったりとした二人の会話のシーンで幕は閉じるが、アラフォーらしい距離感の台詞もうまい。
忖度裁判

忖度裁判

ワンツーワークス

シアターX(東京都)

2020/10/31 (土) ~ 2020/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2020/11/04 (水) 19:00

115分。休憩なし。

はかりしれない光をもつもの

はかりしれない光をもつもの

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2020/11/03 (火) ~ 2020/11/10 (火)公演終了

満足度★★★★

大学時代を過ごした方々の半分くらいはきっと感じたことのある、あの謎のノリと勢いとエモーショナル。それらが詰め込まれた作品だと思いました。ちょっと、前半が勢いに欠けるので換気休憩を迎えた時、「あれ、まだ半分か…」なんて思いましたが、最後まで見た時の満足感は約束されています。(と、私は思いました。笑)ただ、小劇場の良さが前面に出ている作品なので、舞台に見慣れている方向けかな。見慣れていない方だと、ちょっと途中で飽きるかもしれません。

ネタバレBOX

MARSver.を見ましたが、アリムラさん役のかた、初めてお見かけしたのですが、物語が進むにつれてどんどん味がじわぁっと出てきましたねぇ!とても好きでした。最後の良いシーン、きたー!でたー!ほしかったー!と思っていました。笑
あと妹のお姉さん役、ただただイケてる…ちょいワル感も最高。なんか、乙女ゲーに出てきそうなくらい完成されたキャラクター作りでしたね。好きでした。
大学生って、お酒飲んだ勢いで、寝過ごしたわけでもないのにそれこそ勢いだけで電車の終点まで行ったりしますよね。大洗はやばい…。笑
茨城の大仏、見に行きたくなりました。GoToしようかな。笑
かくありき!

かくありき!

演劇ユニット 少年cycle

鶴瀬公民館 ホール(埼玉県)

2020/10/31 (土) ~ 2020/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

価格2,500円

6人の登場人物はそれぞれキャラクター性が巧みに作り上げられており、彼女らの放つ持ち味が要所要所でとても心地の良いエッセンスとなって物語に彩りを加えていた。

セリフや構成についても緻密な推敲が行われていると感じるこの作品は、一度観るだけではもったいないと思わせる魅力をも併せ持った作品である。

少年cycleの脚本・演出家NOMUさんの作品は「幸せ芝居」と評されているという前情報どおり、観劇後には心が温まる仕上がりとなっていたことも感想として欠かせない。

「かくありき!」は、私が観劇に興味を抱く入り口を作ってくれたかけがえのない作品であることも最後に申し添えておきたい。

ネタバレBOX

文藝部の伝統がきっちりと受け継がれている様子がラストで味わえるし、物語のキーワードである「創造の翼」を起点とした遥と佳奈の信頼関係の構築もしっかりと味わえる仕上がりとなっている。
ラストの佳奈のセリフ、
「未来はきっと希望に溢れている」
これは、今回の演者さん達の現実世界にも当てはまると感じた。
今後の活動において、「どこまでも高く、どこまでも自由に」羽ばたいて行かれることを願ってやまない。

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