
あたらしい朝
うさぎストライプ
アトリエ春風舎(東京都)
2020/10/27 (火) ~ 2020/10/31 (土)公演終了
満足度★★★★
夢と現実、生者と死者がドロドロのスープになって舞台上でグツグツしてるいつものうさぎストライプの世界観
過去と未来も現在も誰かと出会い別れて、なんかそれらが綿々と繋がってるこの世界がとても愛おしいと思った

野外劇 NIPPON・CHA!CHA!CHA!
東京芸術祭
池袋西口公園野外劇場 グローバルリング シアター(東京都)
2020/10/18 (日) ~ 2020/10/25 (日)公演終了
満足度★★
意思のない人形を置いて見せ物にするような
演出の意図はわかるけど、とても露悪的な趣味だなと
計算されたギャップというものの
浮き立つような寒暖差
なんだか凄い現実に突き落とされた気分だった

ののじにさすってごらん
やしゃご
こまばアゴラ劇場(東京都)
2020/10/22 (木) ~ 2020/11/01 (日)公演終了
満足度★★★
ある場所の時間を切り取って僕らは眺めるだけ
現実はそれぞれ個別にあって重なりや事情など考慮してくれないし物語は必ずしも収斂しない
言葉を持った人が発するものが放射状に飛び散ってたまにぶつかる
轟々と流れ込んできて爆発して出ていく作品

みんなの捨てる家。
アナログスイッチ
駅前劇場(東京都)
2020/10/21 (水) ~ 2020/10/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
芯のしっかりした善い作品だった
歳をとって思い出が増えているせいか普通に泣いてしまった
みんなが集まると、とりあえずお茶を出すようなあの光景は故郷なんてない自分にも帰ってきた気にさせる
なんかなんとなく両親の顔が見たくなった
本当に良い物語だった
思い出とは懐かしさを心に擦り付けるものか
過去に縛りつけるものなのか
明日を生きるために必要なのか
いつか生きてた自分によって今の自分は出来上がってて
そこには必ず誰かがいて
僕にもきっと忘れてる人がいる
忘れてた時間がある
少しだけ思い出そうかな

『ぬれぎぬ』『ジョシ』『ウィンドミル・ベイビー』
アマヤドリ
シアター風姿花伝(東京都)
2020/10/14 (水) ~ 2020/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
いやあ、凄い良い作品だった
口語劇とは違った意味で、作品中の人物の会話におけるリアルさってのがあって
それはその人がそこでそれを言う必要性みたいなものでもあって
とにかくこの作品は会話と言葉がリアルで素晴らしかった
特に門田役の沼田さんが完璧
作中の主な会話は議論でもあり
理を詰めれば詰めるほど言葉が軽くなったり
表面だけなのが浮き彫りになったり
論理がずれていったり
議論としての教科書のような流れが含まれていて
議論好きがくすぐられる要素の応酬
理路整然としているゆえに人間の感情のバグが露出する作品

アポフェスひとり芝居博覧会
銀色天井秋田企画
APOCシアター(東京都)
2020/10/10 (土) ~ 2020/10/11 (日)公演終了
満足度★★★
宮村『粧自記』
本当の自分を伝えたくて一瞬一瞬の自分を並べてみたらそこにいるのは誰なんだ?
とてもストレートで正直な作品という印象
だからこそ最後はもっと曲げても良かったのかなとも
宮村さんは感情の方向性が多い時の表情の方が面白い
静と動だと動が映えてた
須藤正三「アルモノ」
緩やかに繋がっている短編オムニバス
オチが必ずある安心感
ちょっと全体的に淡々としてたのでもう少し波が欲しいとも思った
瀬尾さよ子「シェイク屋さんのソネット」
比喩的な場面や断片で小さな世界と大きな世界を繋ごうとしてると思うのだけど、正直なところわかりにくかった
もう少し頭の中の世界を表や観客に示してほしいなと
特に誰かに語りかける場合はそこが客に見えないとキツい

世界も三角、土俵も三角/特殊になれなかった者たちへ
マチルダアパルトマン
インディペンデントシアターOji(東京都)
2020/10/07 (水) ~ 2020/10/11 (日)公演終了
満足度★★★★
『世界も三角、土俵も三角』
緩くて拍子の少しズレた会話と日常系四コマみたいな短いシーンの連続で作られる物語
見慣れた安定の池亀さんの作品世界だなあと
笑の中から情を炙り出すのが松本さんは上手い
聖さんは元々良いのに見るたびに良くなってく
『特殊になれなかった者たちへ』
この作品好きだな
特殊清掃員たちの仕事と会話と言う特殊性の中でそれぞれの特別な普通があって
池亀さんの世界は会話の柔らかさとは逆に死や暴力が隣り合わせの場合が多くてそれが上手くハマってる
大垣さんは本当に娘溺愛しそう

売春捜査官
今生酔いどれ喫茶
シアター711(東京都)
2020/10/08 (木) ~ 2020/10/12 (月)公演終了
満足度★★★
何度見ても強い戯曲だよなあと
怒号と罵声と暴力と差別的な言葉が投げ散らかされているようにみえて、しっかりと全てが収束していく
それぞれのキャラにドラマが有ってそれを体感できる
役者も演出も本の強さにどうしても飲み込まれてしまう
勝手に出来上がってしまう

線路沿い獣道
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2020/10/08 (木) ~ 2020/10/11 (日)公演終了
満足度★★★★
どんなに時間があっても探せないものがあって
何度人生をやり直しても出会えない人がいて
世界のテッペンに行ったら否が応でも上を向かなきゃいけなくなった
重くてぶっ刺してくる言葉が高い天井から降ってくる
輪郭が綺麗な演劇がライトに浮かび上がった

WATCH THE WATCHMEN(we put on masks)
コンプソンズ
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2020/09/29 (火) ~ 2020/10/18 (日)公演終了
満足度★
猫町の如く演劇しかない町に迷い込んでしまった男の話
意図的で恣意的な失敗作だなと
でもコンプソンズってこういうもんだったよなという原始の海の命のスープを飲んだ感じ
メタまみれで小ネタまみれ
コンプソンズ版「劇場」も演劇人と観劇者でみえ方が違うかも

広くてすてきな宇宙じゃないか
キャラメルボックス俳優教室
オメガ東京(東京都)
2020/09/30 (水) ~ 2020/10/04 (日)公演終了
満足度★★★
感傷のエーテルに満たされた、味わい慣れた物語
もはや一つのディファクトスタンダード
スピードとパワーで展開も何もかも捻じ伏せるよなあ本当に
役者さんだと、米村さん、環さん、櫻井さんが良くみえた

2作目が書けない。
「欠点」
シアター711(東京都)
2020/09/24 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★
劇団も作演も出演している役者も全然知らないけれど良い作品だった
きちんと感想を文章で書き上げたいと思わせる作品
20代前半のルサンチマンやゴールに向かって走っているはずなのにゴールのわからない不安感
ずっと苦しさを感じながら観てた
シーンや言葉の軽さ重さのバランス感覚がとても良い作家だと感じた
あとメインの役者の演技は良かった
彼らの辛さや苦しさも大人になってしまうと娯楽として消費してしまう、消費したら終わりだと思ってしまう
ゴールテープは自分で切りたいよなあと
ぜひ次回作に期待したい←

脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。
オフィス上の空
シアタートラム(東京都)
2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了
満足度★★★
世界には許容が必要だけど
人との関係性を許容で区切る事は醜い
趣味趣向はそれぞれ尊重されるべきだけど
そこに性欲という他者に向けられるものが入ると尊重なんて言葉は消えてなくなる
結局パワーの強い人が勝つんだねとなる
それぞれの秘密は一昔前なら笑いのオチになっていた
今はこれは笑いにするもんじゃ無いときちんと心がモードを変える
彼らはとても未熟だ
だから見ている僕らも考える
自分にとってのそれを壊されないように考える

『夜鷹と夜警』(よだかとやけい)
東京No.1親子
ザ・スズナリ(東京都)
2020/09/11 (金) ~ 2020/09/22 (火)公演終了
満足度★★★★
やっぱり福原充則さんが書くモノローグの台詞は泥のように綺麗で目の前に破れ目のある情景が広がって、アスファルトに膝をついたようなじんわりとした感覚が伝わってくる
そこに色を付ける安藤聖さんもまた上手いなあと
全体にパンチラインの筋がある作品で楽しめた

オトコ・フタリ
東宝
シアタークリエ(東京都)
2020/12/12 (土) ~ 2020/12/30 (水)公演終了
満足度★★★★★
深くて重い内容をコミカルにわかりやすく表現する手法に敬服いたします。
感動しました。ベートーヴェンのミサ・ソレムニスがとても効果的でした。

「女がつらいよ」「パンダが降る日」
MCR
OFF OFFシアター(東京都)
2020/12/02 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了

両国花錦闘士(りょうごくおしゃれりきし)
東宝/ヴィレッヂ
明治座(東京都)
2020/12/05 (土) ~ 2020/12/23 (水)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2020/12/13 (日)
価格12,000円
13日13時半開演回(途中休憩30分込み3時間)を拝見。
独特の作風の原作をビッグコミックスピリッツの連載で知っていたこと
小劇場系の舞台でお馴染みの橘花梨さんが出演なされること
の2つの理由から足を運んだ公演だったが、ミュージカル仕立てのパロディー込みな150分、サービス満点過ぎて途中で単調に感じる時間帯もあるにはあったが、観終わってみての感想は…充分愉しめた♪
なお、ナマでは、映画『姉妹坂』(1985)の公開イベント以来となる紺野美沙子さんの演技をその目で見れたのはラッキーだった。

「女がつらいよ」「パンダが降る日」
MCR
OFF OFFシアター(東京都)
2020/12/02 (水) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2020/12/13 (日) 14:00
『女はつらいよ』を観劇。いつもながら刺激的で笑わせて考えさせてくれる芝居だった。
2011年に上演された作品の再演だが、初演は観てない。深夜2:30にサエを訊ねて来たのは恋人のヤスアキだが、血だらけ。どうもヤスアキは殺し屋をやっているらしいのだが、一方でサエは検診で癌で余命半年と宣告されてしまい……、という、ありえないけど、もしかしたらありうる、いや、ヤッパリありえない展開である。サエの同僚やら、弟とその恋人やら、はてはヤスアキの「上司」まで登場させる展開は笑わせてくれるのだが、その中に切ないものを感じさせてくれるのがMCR(櫻井)らしい作りになっている。間の取り方も抜群で、演出の力も光る。堀靖明のハイテンション芝居が活きる。100分弱。

ミセス・クライン Mrs KLEIN
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2020/12/04 (金) ~ 2020/12/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
大好きな女優3人が風姿花伝で見れて、とても至福な時間でした。精神分析という難解な舞台も、飽きることなく集中して見る事が出来ました。

おじいちゃんとけものたち
遊気舎
八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)
2020/12/11 (金) ~ 2020/12/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
とても面白い芝居 重たい背景にお爺ちゃん孫、動物と重なる親戚と同窓生
前半から殺される運命の動物で涙ボロボロでした。
羽曳野じゃない伊藤 久しぶりのキャラ、やっぱり最高。近藤ヒデシさんの昭和のものまね、小川十紀子さんの犬山かおり形態変化の演技、フェアリー米澤百奈さんの綺麗なダンスは、死を予感し生きている今を讃えているように感じた。重い背景にネタがいいっぱい 時間を越えて通じた爺ちゃん孫 後味が爽やかな芝居は大好きです。観れてよかった。