
野良豚 Wild Boar
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2025/09/09 (火) ~ 2025/09/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
7月に文学座アトリエで観た文学座附属演劇研究所研修科発表会『天保十二年のシェイクスピア』が最高だった。2000円でこんな凄いものを観せて頂いて申し訳ない程。御礼に次ここで演る作品を観ようとチケットを買った。
8月に『5月35日』を観て、今作の作者が同じ莊梅岩(そうばいがん)さんと知って期待大。香港の現在進行形反骨作家。今作『野良豚〈いのしし〉 Wild Boar』は2012年に香港で初演されたもの。もう香港では上演出来ない。莊梅岩さんは今も香港で政府の締め付けと戦っている。母校・香港演芸学院に宛てた公開書簡が話題に。政府が「ソフトな抵抗」への警戒を呼び掛け、呼応した者達は重箱の隅をつつくように行動発言作品への監視を強めた。自主規制の名の下に阻害分断孤立を迫られるアーティスト達。それは芸術の殺戮だ、と。
演出のインディー・チャンさんは香港出身の文学座の演出家、今作が文学座デビュー作。この二人が上演後にステージに上がった!
高度に管理された都市。
ある日、高名な都市工学の大学教授モナムが失踪する。事件性があるニュースなのにマスコミは何処もそれを報じない。「モナム教授に認知症の恐れ」など同じ方角に読者を誘導する情報操作の記事ばかり。大手新聞編集長ユン(清水明彦氏)はモナム教授とその日会う約束があった為、拉致されたと直感。だが書いた記事は空白にされた。義憤に駆られたユンは会社を辞め、自ら新しい新聞社を設立しようとする。妻でカメラマンのトリシア(上田桃子さん)はかつて有能な記者だったジョニー(山森大輔氏)に協力を依頼。ジョニーは相棒のハッカー(相川春樹氏)を呼び寄せ、モナム教授が告発しようとしていた事柄について調査する。そしてかつての女友達(下池沙知さん)とも彼女がウェイトレスとして働く店で再会。
ロバート・アルトマンの『ロング・グッドバイ』のようなハードボイルド風味。主演の山森大輔氏は俗なチンピラ・キャラからフィリップ・マーロウの苦味まで幅広く表現しとても魅力的。陽気な遊び人と信念に殉じる義士の同居した胸の裡。
そしてMVPは下池沙知さんだろう。『廃墟』では若きパンパン役だったが今回は全くの別人。可愛くキュートな女からゾッとするもう一つの冷たい素顔まで。高層テラスでのデート・シーンは映画的。第一幕ラストの遣り取りこそ今作の心臓部になる。
ある意味、『ブレードランナー』的なニュアンスも感じる作品。
是非観に行って頂きたい。
※今の内に観といた方がいいぞ。もうこういうのは日本でも観られなくなる。ネパールの報道で確信した。

カサブランカ
株式会社スタイルオフィス
博品館劇場(東京都)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/09/07 (日) 16:00
劇中何度かリック役の口から「君の瞳に乾杯」等の映画『カサブランカ』に出てきて、今や映画の中を飛び越えて、その台詞があまりにも有名になり過ぎた名言の数々が、あまりにもさり気なく朗読劇の中に丁寧に織り込まれていて、演出家の遊び心を感じて、楽しむことが出来た。
ただ、カーテンコールで出てきて感想を最後に述べた時の時のリック役の廣瀬智紀さんは、大人の色気があって「君の瞳に乾杯」と言うようなキザな台詞が似合う雰囲気と違って、責任感があって真面目で優しいが、どこか着眼点等が変わっていて、劇中とのギャップが面白かった。

nitehi:kedo
こわっぱちゃん家
Route Theater/ルートシアター(東京都)
2025/09/10 (水) ~ 2025/09/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
すごいお話だった!!
観れて良かったとしか言いようがないくらい良かったのでまだ間に合うから観れる人は、見たほうがいいと思えるくらい良かった。
本当に沢山泣きました。
ありがとうございました。

CONSTELLATIONS
劇団スポーツ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2025/09/10 (水) ~ 2025/09/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
劇団スポーツの新シリーズ《NOWHERE》第一弾。これまで観てきた本公演とはまったく違うテイストの作品で、一組の男女をそれぞれ3人ずつの俳優が入れ替わり立ち替わり演じる。「星座」というタイトルに相応しく、無前の宇宙的広がりを感じさせてくれた。
それはそうと、出演者欄の田島さんが「甲島」、スタッフ欄の内田さんの名前が「修史」になっているのはなんで……。

われわれなりのロマンティック
いいへんじ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「規範意識を問う群像劇」
一組の男女の恋愛とも友情ともつかない十余年にわたる交流から、多様な人間関係を提示する秀作である。

カサブランカ
株式会社スタイルオフィス
博品館劇場(東京都)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/09/07 (日) 16:00
かの有名な名作映画『カサブランカ』を朗読劇として演るということで、どんな感じになるものか、想像もできなかったが、実際に観てみて、そんな長時間の劇ではなかったのにも関わらず、そのどこかほろ苦さも感じさせつつ、不穏な戦争の影響も描かれ、愛憎絡み、最後まで誰の言葉を信じて良いのか予測のつかない展開となり、お互いの思惑から、互いに騙し合い、利用し合うといった感じで、物語に深みが与えられ、ただの恋愛物語と言うよりも、終始サスペンスな要素も強かったので、知らぬうちに緊迫した感じに集中させられ、劇に没入していた。
朗読劇な筈なのに、男女のすれ違い
や主人公のリックの過去と向き合うこと、戦争の影が色濃く忍び寄ってきて、ナチスドイツのシューラッサー少佐のナチスドイツに忠誠を誓い、威圧的な態度で、地元警察等に対して接してきて、中立を謳う酒場を経営するリックも密売人でリックと顔馴染みのギレルモ・ウガーテが自身が経営する酒場で捕まり、そのウガーテが国外に出るためのビザ手続きのために関わった亡命者でレジスタンスのリーダーヴィクター·ラズロがかつてリックと惹かれ合ったイルザの夫だと知った。
そのことによって、リックは信念と愛との間で激しく揺られ、ある重要な決断をするに至るまでを丁寧に描いて、リックに関わる人たちの様々な思惑が絡みあっていくのがサスペンス仕立てにされていて、とてもドラマチックで、途中でシューラッサー少佐がウガーテに対する尋問場面で、ウガーテ役の台本を取り上げ、自分の台本を見ずに、堂々と台詞を言う場面や、リックの独白場面で、リックが過去の思い出したくないイルザとの別れのことや現在イルザがラズロの妻だということに思い悩むところで、リック役の役者がそれまでの表情一つ変えず、冷淡ささえ見て取れる無表情で淡々とした物腰や表情から一転し、ボロ泣きして、汗を大量に流し、鼻水を大量に垂らし、啜っては激しく動揺しながら、胸の内を吐露する感じが、人間味を感じ、非常に共感できた。
戦争に運命を引き裂かれ、3角関係に悩まされ、イルザをリックが思う気持ちと、イルザと、その夫でレジスタンスのリーダーのラズロを無事にアメリカに送り届けてあげたい、もう間もなくこのカサブランカも危ないというような思いの間で最後のほうまで決断しきれないリックの歯切れの悪さが人間味があって良かった。
朗読劇ならではの出てくる人物も最小限にして、色濃い人間ドラマ、場所も主にはリックが経営する酒場、ホテルが舞台となり、観ている側も、登場人物たちの様々な思惑を台詞やちょっとした細かい言動を注視しながら、恋愛要素もありつつもサスペンスふるで予測も付かない展開に、息を呑みながら、集中して観れて、途中余りの緊迫感に身体が身動き取れないほどだった。
ここまで、笑いがなくて、観客に良い意味で集中力を強いる劇もなかなかないと感じた。
なので、逆に私は映画の『カサブランカ』は今まで観る機会がなかったが、これを気に観てみたくなった。
朗読劇との細かい違いなど知れる楽しみもあると感じた。

チャランポラン・トランポリン
東京演劇アンサンブル
吉祥寺シアター(東京都)
2025/09/03 (水) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

カサブランカ
株式会社スタイルオフィス
博品館劇場(東京都)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

カサブランカ
株式会社スタイルオフィス
博品館劇場(東京都)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
生演奏,歌ありの朗読劇でありながら、ストレートプレイのようで、素晴らしかったです。
80年以上前の名作映画を観ていても、新たな感動がありました!

Belleville
spacenoid
すみだパークシアター倉(東京都)
2025/09/03 (水) ~ 2025/09/09 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
本がイマイチ。原作、日本語台本、演出、の何が悪いのか、そのへんはわからないが、前半に無駄があってだれてしまい、場面が同じパターンの繰り返しに感じられ、100分の上演が長く感じる。俳優たちは良く演じているが、台本の浅さのせいかワンパターンに見えてしまう。

ハムレットマシーン
サブテレニアン
サブテレニアン(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/08/29 (金) 16:00
2018年にフェスティバル絡みで11団体による上演を観て演出によって変えることができる「余白」たっぷりと悟った戯曲、7年ぶりに観る本作は特に今の情勢を取り込んだというか揶揄したというかそういう感じ。
冒頭で作者ハイナー・ミュラーの生涯などに関するパフォーマンスがあり、時々「今も似た状況があるのでは?」と思ったことも影響しているかも。
娯楽性とは程遠い作品だが、今後折に触れ様々な演出で観てみたいと改めて思った。

夏の夜の夢
theater 045 syndicate
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2025/08/21 (木) ~ 2025/08/24 (日)公演終了
実演鑑賞
横浜の劇団045 syndicate がシェイクスピア・夏の夜の夢をがっつり上演。KAAT神奈川芸術劇場 大ホール 8月24日まで。130分。
https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/09/post-03744b.html

ANDO
松竹
新橋演舞場(東京都)
2025/09/05 (金) ~ 2025/09/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ミュージカルとはまた違う、音楽とストーリーの融合。長らく演劇鑑賞から離れてきた身としては新しいジャンルだったので新鮮で楽しかった。
歌あり、バンドあり、ダンスあり...盛りだくさんの演出で、特に事務所の音楽が好きな人は退屈しないはず。勿論歌を知らない人も純粋に歌も演奏もダンスも上手いので観てて楽しいと思う。
セットの転換もスムーズで面白い舞台美術だったのでそういった面でも引き込まれる舞台だった。
個人的には物語のキーともいえる「アンドウ」役の川﨑星輝くんの演技が良かった。
彼が喋るとずっと泣きそうな気持ちになるというか琴線に触れる訴え方、表現をしていたので、ぐっと心を掴まれた。
バンドに関わらず、自分にとって大切な「あなた」の事、その人(たち)がいる事によって自分の人生がどう彩られているのか、そんな事を考えさせられる舞台だった。

第14回名古屋学生演劇祭
第14回名古屋学生演劇祭
うりんこ劇場(愛知県)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/08 (月)公演終了

TEXAS KILLERS FOURTEEN
大統領師匠
駅前劇場(東京都)
2025/08/27 (水) ~ 2025/08/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
とても面白かったー
筋がしっかりしたお話しにちょっと吹っ飛んだ出来事もあって、どうなるだろうーと最後までワクワクで見終わりました。

コーラスライン 日本特別公演
TBS/読売新聞/ぴあ/ローソンエンタテインメント/tsp
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2025/09/08 (月) ~ 2025/09/22 (月)公演終了

XXXX(王国を脅かした悪霊の名前)
お布団
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2025/03/08 (土) ~ 2025/03/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今でも、新田佑梨の
「めーーーー めーーーーー」
という断末魔が、忘れられない。
観劇直後のツイートをここに残しておこう
「お布団「XXXX(王国を脅かした悪霊の名前)」。法と混沌。性と無性。合理と神話。マダミスと「新中世」たる今。全てが噛み合い、なんのてらいもなくド真ん中を突く。あのRPGが出来なかった景色すら平然とやり遂げた。岸田戯曲賞作品? もうこの作品の前では興味はない。」

われわれなりのロマンティック
いいへんじ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
26年の歴史をもつ、若手団体のショーケース企画「MITAKA “Next” Selection」。今年の1団体目にあたる「いいへんじ」の新作公演。時系列は大学時代から始まり、やがて就職し、それぞれが社会生活に翻弄されながら、自分たちの内面と向き合っていく青春群像劇、という印象でした。現代口語会話劇では割とたっぷりめと言える120分スケールで、作家の、そして団体の、本気度が伺える一作。会場内を埋め尽くす客席。静かに、かつ前のめりでステージを見つめる観客たちも相まって、とても良い上演に立ち会えたことに感謝します。

カサブランカ
株式会社スタイルオフィス
博品館劇場(東京都)
2025/09/06 (土) ~ 2025/09/07 (日)公演終了

伝票と弾丸
遊気舎
布施PEベース(大阪府)
2025/08/22 (金) ~ 2025/08/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初めての遊気舎さんでした!
いんや~おっもしろかったぁ!!
あらすじがだいぶカオスなのですけれども、やっぱりまんまカオスでした(笑)
とても達者な役者さんばかりなので、きっとオフィススキャンダルだけで描いたとしても、それはそれはヒリヒリとする見ごたえのある舞台になってたと思うのです。
でもそこにね、西部劇を混ぜ込んでくる、それもちょっと様子のおかしい西部劇。
初手、飛び出てくるなりグラスをダン!カシャーン!とマイムだけでなく擬音を全部口で言ってこられた瞬間に、すっかり撃ち抜かれました(笑)
以後、ご丁寧に擬音全部口で言うし、アクションが無駄に派手だし、でも拳銃は持ってなくて握りしめた拳で擬態するし。
だいぶ面白過ぎた。。。
オフィスパートと西部劇パートは、シームレスでくっきり場面を分けてない。
ぬるっと切り替わる、それが如何にも白昼夢らしくて。
いくら白昼夢とはいっても、本当に拳銃撃ち合ってる中に居るのは生命の危機で恐怖だろうけれども・・・。
主人公の台詞からしても、芝居の中の彼女が見てる白昼夢でも拳銃は本物ではなくて、にぎり拳。
つまりは彼女の見てる風景と、観客である我々が見てる風景は同じというわけで。
しまいにどこから現実でどこから白昼夢なのか分からなくなっていく彼女の混沌を、オフィスと西部劇の境がシームレスで分からなくなっていく私たちも追体験できるという粋。
初めての遊気舎さん、最高満足でした!