最新の観てきた!クチコミ一覧

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超ではない能力

超ではない能力

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

旗揚げとのこと。とてもまとまっていてよかったと思います。皆さんの演技も熱演で、良かったです。次回も期待してますね。
こんな時ですが、頑張ってください

ネタバレBOX

全てのことに意味があるというメッセージは、響きましたよ。
ライライライ!

ライライライ!

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2021/05/12 (水) ~ 2021/05/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

とても好きな劇団です。今回もとてもよかった❗心が暖まるいいお話でした。それぞれのお話がちゃんと最後に繋がる計算された内容もですが、久しぶりに見る役者の皆さんの演技も素晴らしかったです。次回も楽しみです。

超ではない能力

超ではない能力

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

微妙な能力を持った若者達の奮闘を描いたストーリーでしたが、それぞれのキャラクターを役者さん達が熱演し、どんどん惹き込まれました。登場人物の成長、仲間、恋愛、笑い、感動・・色々な事が詰まった舞台で、短時間でも見応えを感じました。面白かったです!

超ではない能力

超ではない能力

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了

実演鑑賞

面白かったです。

夜から夜まで

夜から夜まで

劇団競泳水着

駅前劇場(東京都)

2021/05/12 (水) ~ 2021/05/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

表層的には身近にもありそうな恋愛劇。といっても優柔不断で曖昧な関係で満足している、もしくは進展を望んでいない男女の不器用な恋物語といった方がピッタリとくるか。この公演、恋愛話が淡々と展開していくだけのようだが、不思議と観入ってしまう魅力がある。
一方、どことなくコロナ禍を意識した描写があり、これも世相を反映させているのであろうか?物語は男女の感情や社会状況について、それぞれの憤懣やる方ない思いをしっかり伝えたいというメッセージが込められているかも。「劇団競泳水着、5年ぶりの本公演」…面白かった!
(上演時間2時間 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術はシンプルで、その意味では男女の関係性の変化を際立たせる観せ方になっており、理に適っている。舞台を一段高くし、中央に横長椅子、上手側に円形カウンターテーブル、下手側に丸椅子が2つ。段差を設け、その上下の動作によって場面(情景)の変化を観せる。

梗概(説明から)…曖昧な関係(セフレ状態)を続ける祐平と咲。咲は、結婚3年目の友人・朋子から不倫していることを打ち明けられる。朋子の不倫相手・陸と知り合った咲は、陸に惹かれていくが、必死にその気持ちを抑える。やがて朋子は陸との不倫を終わらせる。それを知った咲は、祐平との関係を解消し陸と付き合う。一方、咲に去られた祐平は、元恋人やデリヘルで出逢った女性らと関係を結ぼうとするが、空回りを繰り返す。ある日、祐平、咲、朋子の三人は、延期となっていた知人の結婚パーティーで顔を合わせることになったのだが……。

どこかシャイで不器用な20歳半ば~30歳代半ばの男女、彼ら彼女らのどこか虚ろで鬱屈した思いが愛の決定打に欠け、真の”愛”を求めて彷徨している。そんな雰囲気が漂う少し切ない青春群像劇は、遥か昔の自分を見るようで甘酸っぱい気持にさせる。たびたび出てくる「東京は広い」という台詞は、多くの人が住んでいる割には、自分の心を満たしてくれる人との出会いが少ない。
コロナ禍の状況下にあっては、なおさら会って話をする機会が減っていることを表している。インターネットを通じた会話は、現代風とも思えるが、東京という大都会の中でのある種の”孤独”をも思わせる。何となくタイトル「夜から夜まで」に寂寥感を覚えてしまうのもそのためであろうか。

コロナ禍は、先に記した憤懣やる方ない思いを吐露する場面において、わざわざマスクを着けて叫ぶ。そこに本音を叫ばずにはいられない苛立ちが見える。かと言って暗く重い展開ではなく、どちらかと言えばカラッと乾いた雰囲気である。そこが淡々とした日常を思わせる。
もどかしい恋愛事情にコロナ禍という閉塞感を重ね合わせた物語(展開)は、観客を今状況に上手く取り込んだ会心作といえるだろう。
次回公演も楽しみにしております。
超ではない能力

超ではない能力

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 役者全員、熱延!

ネタバレBOX

 この絶妙なタイトルセンスに惹かれた訳だが、無論この設定自体が笑える。但し今作は、それだけに留まらない。チャラついたこの国の可成り多くの表層しか見ない人々の悪弊は相も変わらない。井の中の蛙でしかない彼らが、ある主長や言明の拠って立つファクトの確認もなしに独善的な判断を下し、而も批判する際には殆どが実質的匿名で批判するので極めて無責任な攻撃になりがちである。だが、このような状況を逆用して今作は、人間の本質に切り込んでゆく。死を意識することによって際立つ生きることがその根底を為し、そこで超ではない彼ら・彼女らの能力の成長も描かれるのである。設定自体が日本では余りまともに考えられていないエスパーに関するものなので、役者陣の一所懸命な役創りが勝負の分かれ道だが、出演者全員が懸命に役を生きようとする姿勢に好感を持つと同時にピンチをチャンスに切り替える有様をキチンと描くことで、アホ政治屋とアホ官僚共が牛耳るこの情けない「国」の塗炭の苦しみを日々余儀なくされている庶民を何とかフォローしようとの熱いエールも感じられる。
終わりよければすべてよし【6月12日~6月13日公演中止】

終わりよければすべてよし【6月12日~6月13日公演中止】

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2021/05/12 (水) ~ 2021/05/29 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/05/14 (金) 13:00

座席1階I列2番

上演が少ないとの指摘や、問題劇として分類するとか、話題作りをしようとすればできるけれど、ごくごく単純に、シェークスピアを上演しようとするのに、敢えてこれを選ぶ必要がないから上演が少ない、それだけでしょうね。

そして、このシリーズですから、この金額で観ましたが、そうでなくてもこの出演者でこの作品観たか、と問われれば観なかったろうなというのが正直な感想。やはり、戯曲が面白くない。主人公は設定を支えているだけなので、誰でもよいし。

 この話の大モトは「デカメロン」らしいですけれど、終始「処女」だ「処女」だとうるさいのですが、当時のイギリスでも処女性とかうるさかったのですかねえ。

 見どころは、正名僕蔵と横田栄司の掛け合い、諍いの場面含め計3カ所ほどあるのですが、とにかく2人が楽しんで演じているのがよく伝わってきました。舞台も3日目で、コツがつかみかけてきたところなんでしょうね。きっとこの掛け合いではこの先、いろいろな工夫が施されそうです(特に、横田さんが浮浪者然としてー何と段ボールを持ち歩いている(笑)ー出てくる終盤での掛け合いは、まだまだ突っ込みどころがありそうです)。

正名さんはテレビだと、小役人のような役に縛られていますが、結構オールマイティに演じ切れる方ではないですかね。このシリーズでは、とても新味でした。(もし彼がいなかったらと思うと、、、)

ネタバレBOX

正名さんと横田さんを観るためだけに、「お薦め」
みえないランドセル

みえないランドセル

演劇集団 Ring-Bong

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/14 (金) 14:00

 児童虐待を扱った演劇、と簡単には言えないリアルさを持った作品。いいモノを見せてもらった。
 シングルマザー遥を取り巻く人々の造型や、遥の生い立ち・児童虐待の実際など、丁寧に描いて見応えある作品になっていたが、笑える場面もあり、堅苦しくなりすぎず、バランスが取れているのがいい。良い脚本と演出と役者が良い舞台を作る、良いパターンの芝居を見せてもらった。赤ちゃんの泣き声は人間にとっては嫌な音に聞こえる(ので、気づいて見てもらえる)という話を聞いたことがあるが、赤ちゃんの泣き声が続くシーンで、そんなことを思い出してしまった。

パンドラの鐘【4月25日~5月4日の東京公演中止】

パンドラの鐘【4月25日~5月4日の東京公演中止】

東京芸術劇場

兵庫県立芸術文化センター 中ホール(兵庫県)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/15 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

上演時間2時間弱なので集中して観ようと気合を入れていましたが、やはり野田作品、難しかったです。自分の理解力、想像力のなさのせい。時々入るおちゃらけ(ではないかもしれないが、そのように感じらる)のシーンにも深い意味があったのか、少々受け入れ難いシーンもありました。門脇麦ちゃんから目が離せず。美しい。緒川たまきさんもかっこよい。やっぱり好きです。

夜から夜まで

夜から夜まで

劇団競泳水着

駅前劇場(東京都)

2021/05/12 (水) ~ 2021/05/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

客席半分の冷え込んだ劇場に入ると、電子ピアノでメロディを作ったいい感じの客入れの音楽がかかっている。春らしい日和の午後。久しぶりに30歳前後の大人前期の観客が60人ほど。舞台は5年ぶりの公演と言う初見の劇団競泳水着である
劇の中身は30歳前の世代の世間への出発の風俗劇で、約十人の同年代の男女が性と職業をめぐってこの難しい年代を暮らしていくドラマである
漫画家、ライター、セラピスト、トレーナー、デリヘル嬢などといかにも現代風を身にまとった男女の登場だが話の中身はお泊りと結婚の意外によくある古いお馴染の話だ。物語を貫く大きな話が弱いのでつなぐエピソードで運んでいく。シュニツラー「輪舞」の趣向。一つ一つは、笑いながら楽しんでいられるが、ではどうだ、と言うところがない。
そのどこにでも転がっている身の上相談のようなところがいいという人も多いだろうが三浦大輔風でも平田オリザ的でもない作風でパンチに欠ける。俳優も十人も出ていれば、一人くらいは目につく人がいるものだが、皆収まるところに収まっていて個性に欠ける。演出も、役者も少し羽目を外したら面白かったかもしれない。
2時間。休憩なし。

Same Time, Next Year【4月30日~5月11日公演中止/5月23日まで上演期間延長】

Same Time, Next Year【4月30日~5月11日公演中止/5月23日まで上演期間延長】

株式会社atlas

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/04/30 (金) ~ 2021/05/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/05/14 (金) 14:00

人間の成長や変化だけでなく、それを通して見えてくる社会の変化も表現しているステージ。

ネタバレBOX

1965年でビートルズのヘルプが流れるのはいいんだけど、ヒッピーの流行はその1〜2年後じゃないかなあ。
「母 MATKA」【5/17公演中止】

「母 MATKA」【5/17公演中止】

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

祖国のため、名誉のため、信念のため、自由と平等のため、科学の進歩のためと、「何かのため」に死んでいくのを良しとする男たちと、自分が産み育てた息子の命と小さな幸せを大事にする母の対立を描。熱量のある分厚い議論と、観念的で体裁にこだわるな男たちに対し母親の地に足のついた心からの言葉が素晴らしい。

歴史が個人に犠牲を求めるとき、どうするかという問題はフランスレジスタンスでサルトルも考えた問題。サルトルは「投企=あんがーじゅまん」するしかないと、個人個人の選択の問題としたが、チャペックこの作品では…。戯曲自体は当時の時代の中で、意外な結論を出すが、その答えは一例に過ぎない。大事なのはこの問題を掘り下げる議論の厚み、葛藤の深さなのである。その点で見事な舞台だった。

舞台は亡き夫の書斎。机やテーブルの上にはチェスや旧式ラジオ、アフリカのお面(足元に蓄音機もあると、後で分かる)。三方にフェンシングや、本屋、ライフル・猟銃が吊り下げられている。下手に夫の肖像画があるが、大谷亮介本人が額縁の中でポーズを撮っており、妻(役名はない。普遍性を示す)だけになると、額から出てきて、思い出を語り始める。

次の場では、かつて伝染病研究で死んだ長男、いま飛行機が墜落したばかりの次男も現れて、生者の母と対話する。この死者たちとの議論のばが、皆死者が現実から開放されて楽しげで、面白い。大谷氏の憎めないエエカッコぶりを始め、長男オンドラの米村亮太朗の情けない長男ぶり、次男イジーの富岡晃一郎の陽気な茶目っ気ぶりがいい。

そして戦争が始まり、母はひとり生き残った末っ子のトニを義勇軍に必死に行かせまいとする。死んだ男たちも、祖国のために戦うのが男だ、トニのためだ、隣近所に何を言われるか、と母を説得する。母は「そんなことしかいえないの!」「大きなことばかり言って、私は些細なことでしか家族の役に立たないの」と反論し、「一人ぼっちにしないで」と哀願する。高く低く、叫んだりつぶやいたり、緩急自在に心情を表す母の増子倭文江がすばらしい。

最後、もっと前に死んだ父親もあらわれて、議論に加わる。「私の時代は戦争などほんの中にしかなかった。おとぎ話じゃ」と語りだしたときは、今の日本と同じだとハッとした。1938年、ナチスの鬼気迫る中のチェコの作品だが、視野の届く射程は非常に広い。ただ、父は「しかし、戦争で死ぬのが名誉じゃと教わった」と続けるので、そこは現代日本の特殊性を考えさせる点でもある。

超ではない能力

超ではない能力

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了

実演鑑賞

自由席だったにもかかわらず、選ぶ席を間違ったため、残念な観劇になってしまいました。

「母 MATKA」【5/17公演中止】

「母 MATKA」【5/17公演中止】

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

原作はチェコのカレル・チャペック、それを文学座の稲葉賀恵女史が演出した本公演は、大変観応えがあった。原作は1938年に書かれたらしいが、現代でも普遍的と思えるし説得力ある会話劇。もちろん原作の良さはあるが、それを演劇的に観せる巧みさ、その観点から言えば脚本・演出・演技そして舞台美術・技術のどれもが素晴らしかった!
内容は、女と男という性別はもちろんであるが、母としての思いをしっかり描き込んだという印象である。それは特別なことではなくごく当たり前な感情であるが、社会というか状況が異常(非国民的扱い)へと煽るような…。家族の会話を通して、根底にある不条理を浮かび上がらせる重厚な公演。

(上演時間2時間 途中休憩なし)

ネタバレBOX

舞台は亡き夫の書斎。中央に両袖机、上手側にはミニテーブルが置かれている。また上部から銃やフェンシング剣が吊り下げられている。下手側には本が積まれ、上手側と対を成すように本が吊り下げられている。小物としての当時のラジオ、蓄音機、複葉機模型、チェス等がある。これらは物語の中ですべて使用され無駄がない。後方はカーテン(紗幕)で、後々重要な演出効果を果たす。
下手側に亡き夫の軍服姿の肖像画があり、本人(大谷亮介サン)が額縁の中でポーズを撮っている。そして妻(増子倭文江サン)だけになると、額を跨いで出てきて、互いに思いを語り始める。この跨ぐ行為によって来世と現世の違いを表すが、物語の展開上あまり重要ではない。何しろ末息子を除く男(父親、夫、息子4人)は全て亡くなっているが、何の違和感もなく幽霊となってたびたび現れ議論(男の立場は議論であるが、母の思いは会話)する。ここに演出上の奇知を感じる。

梗概…母には5人の息子がいた。長男は戦地に赴き医学(黄熱病)研究に、次男は飛行機乗りとして技術開発に、そして双子の三男と四男は体制側・革命側に別れ戦うことになり、各人が名誉、社会的な立場、信念を貫き死んでいく。末息子は夢見がちで、他の兄弟とは違っていた。国では内戦が激しくなり、またラジオからは隣国からの侵略防衛するため国民に戦争参加を呼びかけるアナウンスが続く。隣国の敵も間近に迫る中、母はトニ(田中亨サン)だけは戦争に行かせまいと必死に守ろうとするが・・・。
さてラストは、観客の考え方次第で異なるだろう。

男は祖国、名誉、医学・科学発達、自由・平等といった信念など、何らかの大義のために死ぬ、そのことに悔いはないという。しかし、母は子を産み育てという感情の中で生きている。そう考えれば、この公演―表層的には、戦時下という状況において、男性の志向は国家などの抽象的な論理的概念、女性の思考は家族などの具体的な感情的概念といった性差の違いを観せているが、根底は「反戦」「生きる」とは? を考えさせる人間ドラマと言える。

さて、妻は夫が立派な軍人であることを誇りに思っているが、現実には戦死してしまい葛藤を抱える。その葛藤の表れが、逃避しても「それでもあなたを愛したわ」という台詞。女性の繊細な感情の機微が見てとれる。また息子(長男)についての語らいでは、なぜ自分の息子が危険な地域で黄熱病に苦しむ人々を救うために死ななければならなかったのか? 長男は「医者の義務」だと言うが、母親は「でも、おまえの義務なのか」と問い返す。一方父は、優秀な者が、先頭に立つべきだと言い、息子を褒める。ここに悲しいまでのすれ違いがある。母親にとっては自分の家族が一番大事なのだ。異なる前提からは、異なる結論が導かれる。男たちも、好きこのんで死んでいったわけではない。(幽霊の)父からは、「もっと生きていたかった」という言葉がこの作品により深みをあたえている。

原作の深みをより演劇的に観(魅)せているのが、演出等の素晴らしさ。まず小道具でフェンシング剣や銃が吊り下げられており、時々にそれを振りかざしたりするが、同じように吊り下げられた本は一度も触らない。そこに「武」と「知」の対比をみる。単純ではないが男(父と息子)と女(母)という本作の会話の食い違いを象徴しているようだ。またカーテンに遠近投影を用いた人影は、家族以外の第三者(群衆)もしくは社会という距離あるものを表現し、物語をより家族内の会話劇として際立たせている。同時に人影に銃声や号砲といった音響効果を巧みに併せることで緊迫感をもたらす。

しかし、重厚な作品であるにも関わらず、常に緊張感を強いるだけではなく、ときどきクスッという笑いというか”間”の妙を入れるあたりは実に上手い。もちろんその間合いの上手さは役者の演技力であることは間違いない。安定した演技力に裏付けされた緩急自在の感情表現は見事だ。コロナ禍にあって、このような公演を観ることができて本当に良かった。
次回公演を楽しみにしております。
「母 MATKA」【5/17公演中止】

「母 MATKA」【5/17公演中止】

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

もう、ただ、ただ素晴らしいのひと言につきる。
戦争を中心にして、話が進む。それでは、全編を通して暗いものだと決めつけていたら、うれしく期待を裏切り、悲惨さが漂うなか、所々で、クスッと笑える。救われる。
幽霊が実際に生きているようで、死んだという悲惨さがないのだ。彼ら自身、後悔などしていないのだろう。
母親役の役者さんの迫力が凄かった。家族を大切に思う気持ち、みんながわかってくれないもどかしさ、必死に訴えているところが、観たあといつまでも残った。
銃声におどろかされっぱなし。そんななか、影絵が慰めてくれた。おもしろい演出だ。
本当良い芝居だった。満席なのも、なるほどと、うなずける。
本当にいい芝居は、だれが観ても素晴らしいと感じるのだろう。

「母 MATKA」【5/17公演中止】

「母 MATKA」【5/17公演中止】

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/05/14 (金) 19:00

エネルギーが凄まじい。
同じ目線にあまり距離なく舞台があり、一緒に世界に佇んでいた感覚がある。影の演出が、目の前の現実以上に得体の知れない脅威に感じさせられたし、砲撃や、一瞬銃口がこちらを向いた瞬間、、震えた。自分達にはどうしようもない世界の中で、思想や想いがぶつかり合っていた。

興奮し、ヒステリックで、感情的な母も、祖国のために戦うとか何かのために命を捧げることの価値や名誉、誇りが母にはどうせ分からないとかいう家族も好きではないけれど、認めざるを得ないリアリティがあった。なんの疑いもなく自分や自分が信じる集団が正しいと言い張る。ただ、お互いを愛しているからこそ、簡単には対話を諦めないのが救いでした。平行線のまま最後のシーンをどう受け止めたら良いのか、考えさせられる。

超ではない能力

超ではない能力

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

フェイスガードを着用しての観劇。(湿気の関係か)序盤はクリアに表情を接することが叶わず、負担はある。しかし、「対話の妙」を構築していき、気が付かないうちにトランス状態にもっていくあたりが秀逸だと思った。

「役に立たない超能力」、拠り所のないイマドキ若者たちの笑って手に汗握る奮闘劇。

Smells Like Milky Skin【5月8日~5月11日公演中止】

Smells Like Milky Skin【5月8日~5月11日公演中止】

MCR

ザ・スズナリ(東京都)

2021/05/08 (土) ~ 2021/05/16 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/05/13 (木) 19:00

100分。休憩なし。

「母 MATKA」【5/17公演中止】

「母 MATKA」【5/17公演中止】

オフィスコットーネ

吉祥寺シアター(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/20 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

“ロボット”の言葉の産みの親であり、手塚治虫に多大な影響を与えたチェコのSF作家の遺作とされる戯曲。ナチス批判を繰り返し、命を狙われ続けていた。
夫と長男を失うも、女手一つで息子四人を育て上げている母親が主人公。夫が戦死したことから戦争と関わることのないよう息子達を教育した筈が、内戦と他国の侵略の危機の中、子供達は自ら戦場に志願していく。
母役の増子倭文江(ますこしずえ)さん始め役者陣の品の高さとぷんぷんする色気が舞台を充満。亡き夫役の大谷亮介氏が三船敏郎っぽくダンディーで格好良い。キーマンでもある末っ子役の田中亨氏がジャニーズ系の美少年。
シリアスな固い話と身構えさせて、実は良質な喜劇でもある。悲劇と喜劇のギリギリの立ち位置で行われる家族対話が痛快。
クライマックスの母と末っ子の遣り取りは『身毒丸』や『毛皮のマリー』を想起させる寺山修司調に。かなりの作家達に影響を与えたであろう古典だ。
非常に味わい深く面白いのでお勧め。

ネタバレBOX

死者と生者が共存する世界観。母親の下に死んだ夫や長男が普通にやって来る。今しがた死んだばかりの次男も、死の報告に訪れる。最終的に末っ子以外みんな死んでしまうのだが、父親含め六人の死者が末っ子の出征を認めるよう説得しに来る。ブラック・ユーモアたっぷりの死者と生者の討論が秀逸。ただその展開がかなり長過ぎてだれてしまいもするが。

前作の戯曲『白い病』では徹底した戦争反対を訴える主人公が群衆に私刑されて無惨に殺されるラスト。今作では小学校への爆撃で沢山の子供が殺されたニュースがラジオから流れ、それを黙って聴いていた母親が末っ子に銃を渡し戦場へと促すラスト。作家の心境の変化なのか、他に何か秘められた意図があるのか?
楽屋 ~流れ去るものはやがてなつかしき~

楽屋 ~流れ去るものはやがてなつかしき~

しむじゃっく

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2021/05/13 (木) ~ 2021/05/17 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/05/13 (木)

価格3,000円

13日19時半開演回(70分)を拝見。

女優A…やまおきあやさん
女優B…米山涼香さん
女優C…片山歩美さん
女優D…白野熊子さん
と、今回は初見の米山さんを除いて、顔と名前が一致する役者さん達の陣容。

さて、過去、何度も観てきた「楽屋…」だが、女優AやBの手の届かなかった大役を、どうして女優Cが掴めたのか、女優C・片山歩美さんの熱演で皮膚感覚で悟ることが出来たのが、今回の収穫か。

ネタバレBOX

それにしても、いろんな団体・ユニットで数多く演じられてきた演目だけあって、演出面で新味を出すのも難しく、役者さん達は過去の上演作の「女優」たちとの比較の目線を免れず…。
演出面では、ナレーションと女優Cのラッシュ&パワーな演技指示がウリなのか。
ナレーションは特段、感想無し。
女優Cへの指示は、女優Cを際立たせることには成功した反面、その後に再登場する女優Dの印象が薄れてしまったようにも感じられた。

【追記】
過去、女優Cの独白中、女優A、Bが舞台上にいるバージョン、いない(あるいは、存在感を消し去った)バージョンをそれぞれ観てきた。
でっ、今回の、”怨念のヒト”女優Cの気迫と、その様子に呆れ・押され気味の”普通のヒト”女優A、Bの表情との対比を拝見する限り、前者のバージョンの方がより効果的かなぁと強く印象付けられた。
勿論、これは女優A・やまおきあやさん、女優B・米山涼香さんの役作りによるアシストあっての効果なのだろうが。

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