
Ultimate Fancy Ojisan
MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)
インディペンデントシアターOji(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

風がつなげた物語
グッドディスタンス
新宿シアタートップス(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/04/01 (金) 14:00
座席1階
今日は「月と座る」を観た。舞台中央にバス停。「珠子」と同じバス停だが、この舞台ではバス停が主役だ。バス停に次々と現れる女性たちはいずれも人生に問題を抱えている。舞台が進むと、その全貌が明らかになってくる。
このバス停は東京・幡ケ谷に実際にある。住む家を失った女性が未明、終バスが出てから始発が通るまでの間、小さなベンチで体を休めていた。ところが、近所の男に邪魔者扱いされ、撲殺される。この事件は注目を集めた。生まれ育った広島では劇団員として舞台に立っていた女性だ。亡くなる前はスーパーの試食販売の仕事をしていたというが、このコロナ禍で仕事を失っていた可能性が高いという。一つ間違えば簡単に路上に放り出される現実。「彼女は私だ」とプラカードを掲げての追悼デモも行われた。
舞台でも、この亡くなった女性について語られるところがある。彼女は行き場がなくてこのバス停に来ていたのではなく、この場所を見つけて「生きようとした」のだ、と。このせりふが「月と座る」を貫く重要なひと言である。未明にバス停に訪れた女性たちも、けして人生をあきらめているのではなく、もがきながらも生きようとしているのだ、と。
この舞台を観て、この登場人物たちの来歴や人生を考え出した劇作家の豊かな創造力に脱帽する。ラストシーンに近づいて明かされる、ある意味で衝撃的な展開が秀逸だ。「珠子」でも語られたが、家族の介護を当然のように女性に担わせるという世間的な空気に、この両舞台は異議申し立てをしている。
この二作は観る価値がある。

舞台『千と千尋の神隠し』【5月17日~19日12時、22日12時、25日12時、6月25日~7月3日の公演中止】
東宝
帝国劇場(東京都)
2022/03/02 (水) ~ 2022/03/29 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
橋本環奈さん、夏木マリさんなどのキャスト回を拝見。
基本、良い意味で映画をそのまんま完全再現。
舞台を観慣れた身としては、お金がある団体がどんな演出、
映像や照明などで新しい世界を観せてくれるかと期待していましたが、
これまた超良い意味で「アナログ」「人力」で魅せていて、
初めて舞台を観た人にはとてもすんなりと楽しめる気がしました。
唯一、事前に私自身が期待していた部分で叶わなかったのが、
「いつも何度でも」が歌唱や、音楽で使われる事も無かったのが残念でした。
ここまで完全再現してるのだから、どこかで使って欲しかったな…
「舞台だから」と足されたセリフも幾つかありましたが、
99%は映画通りのセリフで、ある意味で舞台を観られなかった人に
「いや、映画通りだったから観なくても良かったと思ったよ」という
感想を伝えても、恐らく全く不思議じゃない作品でした。
「チケットが非常に取り辛かった」という点を除けばたぶん、
観た人から大きな批判は出ない作品だったな、と思いました。

風がつなげた物語
グッドディスタンス
新宿シアタートップス(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「月と座る」を拝見。可成り衝撃的な作品だが、役者陣の熱演が素晴らしい。話が微妙なので詳細は更に考えてから書く。(追記後送)

ながいながいアマビエのはなし
劇団 枕返し
小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
タイトルこそ「ながいながいアマビエのはなし」だが、上演時間は60分とコンパクト。その時間で描くアマビエの物語は、相当の想像力を要するが、それでも分かり難い。「人生大逆転ツアー」に参加した人々。途中でバスが故障し、何かに追われるように森へ。森の中へ行く人、止まりバスに戻ろうとする人、そんな選択から物語は始まる。
(上演時間60分)

オロイカソング
理性的な変人たち
アトリエ第Q藝術(東京都)
2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
当初予定の2020年から漂流の果てにようやく上演となった公演。先日の「彼女たちの断片」と同じく女性作家、演出家と女優のみによる舞台で、性暴力・被害、性の多様性を扱う舞台、ではあるが、三世代四人の家族と一人の他人の人間模様にとってその要素は「特殊」であるよりは、濃密な人間関係の中に立ち現れて来る要素=Xとして他に置換可能、つまり誰しもが持つ傷と重ねながら観る事が可能な、普遍性あるドラマになっている。人物たちの関係図と心の来歴が次第に現われて来る手触りは秀逸だった。
最後に「事件」という部分に収斂していく所、千秋楽という事もあってか罪責に苛む二人(母と祖母)が健気に生きる子たちを見ながら涙でボロボロだったが、個人的には役人物の「日常」を維持して踏み留まって欲しく思った。
性虐待事件は「性」の本質において通底しながらも形は多様で、実際に為された具体的行為、その状況、その感受のされ方(心理的な影響)にも違いがありそうである。この作品で扱われたものは小学生におフェラまでさせた事件とされ、被害者である双子の「姉」への影響は思春期以降の挑戦的な異性関係に表われ、一方姉を慮る妹には異性への頑なな態度として表れる。
話は失踪した姉を探しに姉と一時期交際した女性を妹が訪ねてくる場面に始まり、折々の出来事が回想される。観客の関心に沿って順次、過去に分け入っていく手順が優れ、一つの家族の歴史と現在に立ち会う事となる。
広く共感を持ち得る物語になった事がこの作品のレベルを一段押し上げていると感じた事が、ラストの「その場にいない」母と祖母の感情露出を抑制してほしく思った理由だが(出来事の「特殊性」を強調する要素は抑えたい)、少し醒めた見方すぎだろうか。
特典として送られた映像も観た。十数分のが2作で、まりの女史の筆が画面上で色を自在に塗りこめるのだが、最初スピーカの無いPCで視たため(背後でピアノが流れているらしい事はチラっと別媒体で覗いて判っていたが)、一つの絵画作品の完成に至るまでの試行錯誤に見え、凄く面白かった。が、音声を聞くと物語の朗読になっており、その物語に呼応して絵筆が動いたのだった。
最初の印象の方に関係する話だが・・、先日ある配信で障害を持つ人のアート製作の現場を撮った20年以上前のドキュメント映画を観た。アーティスト達が「やり直し」をせず一本線の道を行く如く作って(描いて)行くらしいのを見て、(障害者に限らずだろうが)「降って来るんだな」と感じた事と、その一つの作品完成までのプロセスがユニークで、完成形のイメージに向かうなら通るだろう道を必ずしも通らない紆余曲折の謎に眩惑した。完全に「自分には判らない」世界だが、しかし自分もその道を通ってみたい。創造=生み出す営為の中で。そこはどんな道行なのか、風景を見たいと思ったんである。毎回視覚的な快さを与えてる荒巻まりの作画にもある種の「謎」を感じていたので、私は大変興味深く見せていただいた次第。

ちろうに検診
Peachboys
サンモールスタジオ(東京都)
2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
童貞のカオスじゃ、これはカオス祭りじゃ~(笑)
今まで抑えるようにしてきたけれど今日はPeachboysこれはもう仕方ない、思いっきり笑うしかない!
と劇場に行って、も~期待通り、思う存分笑えるという幸せ。(いや、コロナが無かったら全然もっといけたなぁ。飛沫の心配が無くなる日が待ち遠しい)
地上波じゃコンプライアンス的に色々と難しいギャグもここでは華麗にOK(笑)
いいではないか笑いは世界を救う。
この下ネタとセットになった面白さは世間でちょっとした評判になっても
ぜひ評判になって、演劇をあまり観たことが無い人にもこの未知なる悶絶笑いワールドがあるって事を知って欲しい。
そうすれば同時に演劇人の半端ない熱量も感じ取ってもらえるし。
仲良し童貞3人組が巻き起こす、というか巻き込まれる、このPeachboysスタイル。
初見のファーストインパクトも良かったけれど、回数を重ねた面白味も中々イイ。
そして今回は本編の後にレビューショーまで
ってレビューショー、10分しか無いんか~い(笑)
そうして冒頭の感想へと戻るのでした⤴

風がつなげた物語
グッドディスタンス
新宿シアタートップス(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初日観させてもらいました。
バス停のところだけで女性4人が繰り広げる芝居。女性は知らない人でも直ぐに話しかけられるので、展開したんですね。若し男性だったら、あーはいかないかなと思いました。
とても良かったです。有難うございました。 #月と座る

ながいながいアマビエのはなし
劇団 枕返し
小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/31 (木) 18:00
恐ろしいクオリティのアマビエが登場します。
ドンキ○ーテから抜け出してきたような。
アマビエの位置付けや目的が中々読み取れず、少し複雑だったかも。
ただ上演1時間程度なので、気楽に見る事ができました。

ちろうに検診
Peachboys
サンモールスタジオ(東京都)
2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/03/31 (木) 19:00
価格3,800円
2日目を観劇。毎回同じことやってるのに笑える。次に何が起こるかわかってるのに笑える。これはもはや落語のようで、古典芸能に近づいているのか。お正月の寅さん映画のような安心感。
ただ今回はちょっと違って第二部、何故かレビュー・ショウがある。これは凄まじい破壊力。なにやってんだこの人たち?と呆れる120分。

ながいながいアマビエのはなし
劇団 枕返し
小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
鑑賞日2022/03/31 (木) 18:00
タイトルは謎めいた雰囲気で、
イラストも劇の展開が読めない感じに惹かれて、多少期待して観に行った。
しかし実際には、非常に残念なことに、劇の内容も展開も、あらすじとほとんど変わらず、単調で、捻りがなく、それぞれのキャラクターが一部を除いて、それを演じる役者も含めて際立たず、私の予想を良い意味で裏切ることをせず、想定内どころか、想定内以下過ぎて、がっかりだった。
また、役者の演技も、2、3、4人の役者を除いて、演技が上手だとか、下手だとかいう以前のレベルで、学生演劇以下に見え、失望した。
ただ、2、3、4人の役者に関しては、役によって、しっかりと演じ分け、時に豹変した演技に魅入ってしまうぐらい、申し分なく、素晴らしく、これからも期待できる逸材に思えた。
演出の都合だか、それともコロナの自粛期間のあたりがメインテーマになっているからか知らないが、劇全篇のほとんどを、途中の一瞬の例外を除き、演者がマスクを付けたまま演技をしているのは、いかがなものかと思った。周りの状況がどうとか、そういうことではなく、演劇というのは観客に虚構を観せせるものであるので、それに役者は身体の動きとともに表情の変化も大事なので、マスクをするぶん表情が読み取りづらく、笑える場面でも、付けずに演じるときほど素直に笑いづらいし、観客側が反応しづらくなるので、絶対にマスクはなしで演じたほうが良いともう。それに行政も演劇を行うことにおいて、絶対にマスクを付けて公演してくださいと入ってないはず。演劇を演る人間が世の中の流れに過剰反応するのはどうかと感じた。
演出も全然なっていないし、一部を除いて、役者も見込みゼロだと感じたが、そもそも、脚本が一人一人の役者の個性と向き合ってあて書きすることをしていないと感じ、脚本内容と脚本家が一番言いたいことがあまりにもあけすけに出過ぎていて白けてしまい、かなり落胆した。
アマビエ役の人たちの格好が奇抜で、特に劇中でお兄ちゃんと言われたほうのアマビエ役の俳優は濃く、見た目はかなり不気味で怖さを感じさせるメイクをしていて、人目を引くが、実際に話をしだしてからとの演じているキャラクターのギャップに意外性を感じ、驚いた。

ながいながいアマビエのはなし
劇団 枕返し
小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
開演前SEで繰り返された槇原敬之の『PENGUIN』がめちゃくちゃ良い曲。開幕するとこの曲を使う意味が解けた。
「人生大逆転ツアー」と銘打ったバスツアーの参加者達。車の故障の為、下車すると深い森が眼前に広がっている。森に行ってみようとする者達とそれを拒否する者達に分かれる。そこに現れるのが皆さんお待ちかねアマビエ兄妹。人間大のペンギンの姿形に河童のルックス。驚愕した残りの皆も森へと走って行くのだが・・・。
アマビエとは江戸時代(1846年5月)熊本県の海に出現した謎の妖怪。夜ごと海に怪異な光が発生、役人が小舟で調査に赴いた処、人語を解する化物が出現。「今年より六年の間、豊作が続くが同時に疫病も発生す。私の姿を描き写し、その絵を人々に見せよ。」とのお告げ。絵心のない役人は海上でせっせとアマビエをデッサン。その絵を江戸に送った。数度の清書の段階でアマビコがアマビエになった説もある。
全国民に見せるべく、絵なんてろくに描けない男が代表してアマビエを描かせられる災難。「何で俺が・・・?」と身の不運を呪ったことだろう。その苦渋のアマビエの絵が200年近く経ってブレイクする面白さ。多分本物は全くこんなんじゃなかった筈。
今回のコロナ騒動でマニアック妖怪アマビエが大注目。妖怪掛け軸専門店の「大蛇堂(おろちどう)」のツイートから、このブームが始まったとされる。アマビエの絵を掲げることでコロナの災厄から逃れようと。
御利益があるかも知れないので、是非アマビエを拝みに足を運んでみては如何だろうか。

風がつなげた物語
グッドディスタンス
新宿シアタートップス(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
一番感激したのは、モロ師岡さんを目の前で観れたこと。
コメディアンでもあるので、いろいろ笑えておもしろかった。
もう、個人的にはこれがとても満足。
最後は、かなり衝撃的だった。
まさか、こういう展開に...
しかし、モロ師岡さん、いいですねー。
かわいいお父さんという感じ...
ますます、好きになった。

ちろうに検診
Peachboys
サンモールスタジオ(東京都)
2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
この日のために京○大火篇まで予習しましたがその必要は全くありませんでした。。。
開始1分で考えることをやめました!懐かしいものから最近の時事ネタまで!誰がわかるんだ?というマニアックなものからニュースでよくみるようなものまで網羅しております!
ほぼ満員!結構きゃぴきゃぴとした方もいました(女優さんのお友達かな?)
題名が題名なだけに、パロディAV作品のアダルト要素を軟らかめにした者だと思っていたのですが、〇ろけん要素はほぼ皆無でした。申し訳程度にコスプレしてくれましたが、、、。
学生時代に授業受けないで演劇ばっかりやってていい、お金の心配もそんなにしなくていいっていわれた子たちが全力を尽くしたらこうなるのかなと思いました。終わらない学生生活のノリ、上下関係も3年間という縛りもなし、、、そう思うとなんだかしんみりとしました。
前説で出てきた方が座長かと思ったら劇団員ですらなし!
不謹慎で全力でぶん殴って来るスタイル!
関係者にバレたら全方位謝罪必須の映像化不可の超スペクタル!
4月3日まで。なんでも許せる方はぜひ。

赤き方舟
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/03/20 (日) 14:00
座席D列11番
連合赤軍の実在したメンバー5人に創作人物1名を加えて描く事実を基にしたフィクション。
「半世紀ほど前の事実を下敷きに現代を描いた」と言われたら信じてしまいそう。もちろんあの当時だから、な部分もありつつそのまま今に通ずる台詞もあり愕然。
が、考えてみるとドキュメンタリーや評伝芝居ではないのだから創作要素も多分にあるワケで、書き下ろし新作であるからには作家は現代の人であって、劇中人物が交わす会話がイマの情勢を反映したものになるのはむしろ当然ではないか?……なんてことも考えた。
また、「今の世の中を少しでも良くしたい」という理想の下に結集しながらも結果的に人殺し集団になってしいまうことに新撰組との共通項を見出したりも。とはいえ、あの若さで社会のことを真剣に考えていたと思うと隔世の感ひとしお。
あと、「(自分が思うところの)より良い社会にする」という理想を掲げて活動するも、思うように進まない苛立ちやストレスがひしひしと伝わってきて、その気持ちに共感したりも。

風がつなげた物語
グッドディスタンス
新宿シアタートップス(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/03/31 (木) 14:00
座席1階
「珠子がいなくなった」をまず、鑑賞した。
女三人姉妹の家族。父(モロ師岡)も含め喪服姿で、葬儀を終えて疲れた顔をしているところから始まる。2番目の珠子は結婚していて、その夫の姿も。珠子は母の遺骨をずっと抱えている。「何か食べた方がいいね」と財布をバッグから出そうとするのだが、抱えた遺骨を離さないため、財布を出すのに苦労している。この場面が、劇作の縦糸として最後まで物語を決定づける。
母の遺骨を抱えた珠子と夫は自宅に帰るためにバス停に寄る。バスはなかなか来ず、夫はタクシーを探しに行く。その間に、遺骨とともに珠子は消えてしまった。どこへ行ったのか。ネタバレになるので書かないが、ここから物語はどんどん展開を始める。このバス停というのが、同時上演の「月と座る」で劇作のモチーフになっているバス停だ。舞台の構造は2段になっていて、手前が父が住むこたつのある家、奥がバス停で、舞台は両方で切れ目なく進行する。なかなかの演出だ。
珠子の言動がとても興味を引く。設定では「小学生の時に牛乳瓶を職員室に投げつけるなど、奇行癖がある」とされるが、奇行ではなく、単に正直に行動しているだけではないかと思われる。その謎を解くヒントが、珠子が持って離さない遺骨にある。きょうだいたちもそのヒントを知らない。だから、「珠子は昔から変わっているから」で片づけられ、父や姉妹は珠子がいなくなっても特段探そうともしない。
こんな家族、ないだろうと思われるかもしれないが、自分にはすぐ隣にいるような人間関係だとも思える。少しだけ書くが、父親がぼけ始めたとか、ぼけた父親を介護するのは誰なのか、とか。片方の老親を見送った子どもたちの間に、よくある話だ。
また、父親は「子供には迷惑を掛けない」と言って施設にでも入ると考えているが、「それではお父さん、かわいそうすぎる」と介護を拒否する姉を妹が非難する。そうしたよくある話を体現する会話劇に、客席は自分の身近な物語としてどんどん引き込まれていく。
居なくなった先の珠子の行動に、共感できる部分がある。遺骨をわきに置いての行動は奇行ではない。珠子と亡き母親の会話劇というように感じる。
秀作だ。見ないと損するかも。明日の「月に座る」の観劇ががぜん、楽しみになった。

風がつなげた物語
グッドディスタンス
新宿シアタートップス(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/06 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「珠子が居なくなった」…可笑しみの中に、じわっとくる温かみ 滋味ある好公演。お薦め。
前作「風吹く街の短篇集(第五章)」の「朝、私は寝るよ」は55分、二人芝居で素晴らしかったが、この公演は少し時間軸を長くして、家族の物語を紡ぐ。
常識という概念からズレているような主人公・珠子の思考や行動、それに振り回される周囲の人々の可笑しみ。表層的にはシニカルな感じもするが、ラスト 父との会話によって滋味溢れる物語へ変転させる上手さ。珠子も その家族もどことなく変な人達だが、全否定できない微妙な感覚のズレを見事に表している。少し変わっている家族に対し、珠子の夫を常識人(対比)として描くことによって、一層変なズレを際立たせる。家族であるが、家族になりきれない夫の歯がゆさ、苛立ちは観客の共感を得るところ。しかし家族には家族にしか分かり合えない絆・繋がり、そして歴史がある。それがラストシーンに…。
(上演時間1時間35分)

謳う女Pt.Ⅱ
青山学院大学竹内ラボ
浅草リトルシアター(東京都)
2022/03/27 (日) ~ 2022/03/28 (月)公演終了

ひび割れの鼓動-hidden world code-
OrganWorks
シアタートラム(東京都)
2022/03/25 (金) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
役者が語る言葉は、自分の内側へと落とし込まれて、自分の経験に戻ってきて、気持ちが忙しくて嬉しくもなる。
ダンサー、コロスはその他大勢でなく個で、個性で、可愛らしい
全ては理解できないけど
没入する時間はしあわせで
かっこいい。
また見たい。

変身
江戸糸あやつり人形 結城座
「劇」小劇場(東京都)
2022/03/26 (土) ~ 2022/03/30 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「変身」のドラマ(ストーリー)を直截に表現して不条理を噛みしめる舞台になっていた。若干構成が原作と異なる部分もあるが、小説を立体化した感覚が大きい。ラストは原作とニュアンスが異なったと思えたが、演出なりのかみ砕き方と理解。