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BLOW & JOB

BLOW & JOB

劇団不労社

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2022/06/03 (金) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/04 (土) 14:00

いわゆるハラスメントを題材にした芝居だったが、とても心をえぐられる苦しい芝居だった。
色んな力関係を追っていくのに必死に見た。凄く面白いのだが、もう2度と見たいと思わない芝居だ。それだけ本にも役者にも力があるので、初めての人にはお勧めはできないが、こんな劇団もあって良いのだと帰宅の途で考えながら思った。

ネオンの薬は喋らない

ネオンの薬は喋らない

人間嫌い

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/06/03 (金) ~ 2022/06/07 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い…お薦め。
初見の劇団「人間嫌い」、劇団名とは真逆の人間を愛おしむような優しさがあり、心が温まる物語。ネオン街にある深夜営業の薬局を舞台に、そこに何となくやって来る人々との交流を通して、人の孤独・寂寥といった思いを癒すよう。薬では決して治せない、さり気ない心のケアが観る人の心に響く。

当日パンフに、主宰・岩井美菜子女史が「人間嫌いの問題作だと思っている。『共感』を武器に戦ってきた。今作は『共感しない』ことを主軸にしている。大きな挑戦」とある。その意図は、良い意味で裏切られ、大いに人間讃歌を謳っているようだ。劇団名と違って「好き」になった公演であり劇団である。
(上演時間1時間45分 途中休憩なし)

ネタバレBOX

客席はL字型で、英字の曲がった対角線上に舞台セット。少し高くした変形台の中央に薬局のカウンター、両側に薬剤が並ぶ棚がある。客席側に円柱型(上部の円周部分は電飾)の腰掛が点在している。全体的にオフホワイト、スタイリッシュな印象である。

物語は、ネオン街にある深夜薬局「LUNA」が舞台。この店は19時から翌朝5時まで営業しており、利用客のほとんどが深夜勤務者。店主・水瀬(芦田千織サン)は、薬の販売だけではなく諸々の話し相手になっている。その彼女が交通事故で全治三か月の重傷を負う。仮店主として後輩の前澤(河村慎也サン)がくる。薬剤師の資格はあるが、前職が麻薬取締官でコミュニケーションは苦手のよう。今までの仕事と勝手が違い戸惑う前澤、一方、水瀬との会話で癒されていた常連客?の不安、その両方の気持がどう展開していくのか。序盤のうちに興味を惹かせる巧さ。物語の狂言回しで、事務員・なるみ(高坂美羽サン)は、コミュニケーションもあり上手く立ち回る。前澤は なるみ に𠮟咤激励されながら、何とか仮店主を務めている。

登場人物は、夜の街で勤める女性たち…ラウンジ嬢・かれん(藤崎朱香サン)は、職場内での禁断の恋に悩む。キャバ嬢・トモ(岩井美菜子サン)は、かれんの友人で、仕事の頑張り過ぎで円形脱毛症に悩む。保育士・平石(青山美穂サン)は、深夜の保育園勤務。人手不足・忙しくてトイレに行けず膀胱炎で悩む。かれんの妹・モカ(樋口双葉サン)は、姉の帰りを待って街を歩く。金髪、セーラー服にルーズソックスという姿は、一見不良少女のよう。深夜見回りをするNPO法人「トラブルブルー」の下園(飯野くちばしサン)は、モカに声掛けするが…。それぞれが抱えた問題や悩みを、薬局「LUNA」を介して点描していく。全てが解決する訳ではなく、薬の処方箋もあれば話を聞くだけといった寄り添った対応が、スッーと心に沁み込んでくる。

薬局の近くにある 花屋の柳(川勾みちサン)は対人恐怖症、それでも薬局では話が出来る。唯一会話が出来る場所のようだ。夜働く女性たちの悩みを聞くことは、同時に前澤も心の触れ合いが大切だと気付くことになる。前澤の悩みは、前職が関係しているのか、相手が自分の顔が怖いと思い込んでおり、コミュ二ケーションが苦手だったよう。それが、いつの間にか”マーくん”と親しみを込めて呼んでもらえる、そんな成長した姿も描く。

キャストは、個性豊かで癖のある人物像を見事に立ち上げている。ネオン街という煌びやかな光景とは逆に、人の心は荒んでいる。何となく殺伐とした風景に温かみを漂わす。しっかりした人間関係が在るわけではないが、その場所「LUNA」を通じて緩やかに関わり合う。人情とは少し違うが、それでも人を思い遣る心が感じられる。舞台セットと相まって、マーくんがモカに傘をかざすシーンは抒情的で美しい。演出も上手い。
岩井さんは「共感を放棄しても、客席と繋がることができるでしょうか?」と問い掛けているが、十分楽しんで観ることができた。いいお芝居という妙薬効果かなぁ。
次回公演も楽しみにしております。
貴婦人の来訪

貴婦人の来訪

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

リアリズム劇ではなく、寓話である。大金持ちの夫人が町に10兆の金を寄付する条件として、30年前?自分を裏切った恋人の男を殺せと要求する。うち5兆は町民に分配するという。人口1万なら一人5億? この突飛と言えば突飛な、単純と言えば単純な芝居が何度も上演され、何度も(各国で)映画化されるのはなぜか? おそらく様々な解釈を生み出すからだろう。

金の誘惑に負けていく人々の弱さ、金のためではなく正義のためだと自己弁護する卑小さ、家族も父を見捨てる薄情さ、あるいは大金持ちになびく事大主義。そうみると、井上ひさしの「11匹のネコ」の最後に殺されるにゃん太郎の悲劇に通じる。また、富豪の女が、義足と義手の傷だらけの存在であるところに、強者と弱者の、健常者と障害者の、加害者と被害者の両義性を見ることもできる。
わたしがいちばんあざやかに感じたのは、富豪の女性のかつての恋人への愛。それはヨカナーンの首を望んだサロメの愛に通じる。

終始一貫、秋山菜津子のド派手なキャラクターに圧倒された。「殺されたーって死なないわ/殺されたーって、殺されたーって、し、な、な、い、わ」のテーマソングは、秋山さんが作ったというから驚き。富豪の従者たちのシンボルカラー黄色がド派手。芝居が進むにつれ、町民の服装もどんどん黄色に変わっていく演出も分かりやすかった。新劇から若手劇団まで老若取り混ぜたアンサンブルも、なかなか見られないだけに興味深かった。 3時間(1・2幕:90分 休憩:15分 3幕:75分).

ネタバレBOX

男の処刑を要求しながら、後半、秋山菜津子の男への堂々たる愛の言葉に驚いた。処刑前夜の男に語った、地中海を見下ろす丘の上の霊廟の美しい光景、棺の死んだ男に頬寄せる倒錯した愛。
最後は男を処刑した後、出演者全員の歌で締めくくるとは、人を食ったエンディングである。最後まで非リアリズムで通した。
奇跡の人

奇跡の人

ホリプロ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2022/05/18 (水) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしいの一言。「ウォーター」で遂に言葉をつかむラストは知っているのに、実際その場面を目の当たりにして涙が止まらなかった。平祐奈さんの、渾身の演技に拍手。
初日のヘレンのカギ隠しのいたずら、食事のマナーをめぐって等等、アニーとヘレンの格闘がどこか可愛げがあるのは、やはりヘレンが子供だから。もっと深刻に救いもなくやることもできるが、子どもの現実からはずれるだろう。

高畑充希も素晴らしかった。かつては大竹しのぶの当たり役だったが、高畑は若い分サリバンに近いメリットがある。一途さと一種の無鉄砲さと一抹の不安と、つらい生い立ちの影と、そして最後はとにかく「あきらめない」強さと、すべてを体現していた。(ちなみに30年前、大竹しのぶと荻野目慶子の日生劇場での舞台を見たが、すっかり忘れてしまった。今日は全く先の分からない、初見のような新鮮さだった。)
村川絵梨も大好きな女優さんである。いつもはおてんば的な役が多いが、今回は上流家庭のマダム。スッとした立ち居振る舞いに自然な気品があってよかった。

と、こう見てくるとこの芝居は女で持っている。では男はというと、実は父と子のドラマがサブストーリーになって幅を広げている。強い父とふがいない息子という「セールスマンの死」からジェームズ・ディーン、「スター・ウォーズ」まで繰り返し描かれるアメリカ的主題だ。

アニー・サリバンがハウ博士の報告という「バイブル」に従って実践しているというのは、知らなかった。実際にハウは盲ろうあの女性に言葉を獲得させた実例が先にあったと、プログラムで知った。ただの一生けん命の成果でなく、先人の残した「バイブル」をよりどころにした科学的「奇跡」。

思うのだが、思想の創設者とその継承・実践者の関係は、論語、キリスト教からマルクス主義まで普遍的なものだ。演劇という「メディア」そのものが、作者の思想を俳優という実践者が演じて、観客に伝える構造を持っている。「奇跡の人」もアニー・サリバンという「メディア(仲介者)」の重要性を実証している。(最近、演劇の「メディア」性を考えていたので、自己流の突飛な感想ですいません)

パスキュア

パスキュア

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

本が良くできている。こういう芝居を見ると、人の生と死についてあらためて考えてみたくなる。演出も兼ねる梶原氏の演技が出色。
タイトルがピンと来ないが・・・。

ネオンの薬は喋らない

ネオンの薬は喋らない

人間嫌い

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/06/03 (金) ~ 2022/06/07 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/04 (土)

価格4,000円

4日19時開演回を拝見。

個人的には、まず何より
モデルであろうニュクス薬局のご主人に容姿を似せた?!
河村慎也さんにニタニタ
前回公演「24歳のフォーチュン!ウェディング」からの続投組
樋口双葉さん・青山美穂さん・川勾みちさんの活躍にニコニコ
な105分だった。

内容は、交通事故による3か月の入院のため、不在の店主に代わって、深夜薬局「LUNA」の運営を任された後輩の男性薬剤師・前澤と、繁華街らしい様々な事情を抱えた来店者たちとの交流のスケッチ。
だが、単なるスケッチにとどまらず、主宰・岩井美菜子さんのホンは、前澤や薬局の事務員・なるみとのやり取りを通して、来店者個々のキャラをくっきりと浮き上がらせていた。
結果、従来作品からも感じられた、観客の気持ちをつかんで離さない”握力”が、今回、一層強くなり、とても見応えのある作品に仕上がったなぁと感心しきり。

ホテル・ミラクル6での「ビッチの品格」が気に入って、「フォーチュン!ウェディング」「24歳のフォーチュン!ウェディング」、そして本作と、自分が観て来た岩井さんの作品の中では、「ネオンの薬は喋らない」、ベストの出来だと思われる。

ネタバレBOX

【配役】
前澤(深夜薬局「LUNA」の仮店主。水瀬の後輩。癖のある来店者たちに初めは翻弄されるも、次第に…)
…河村慎也さん
なるみ(本作の狂言回しも勤める「LUNA」の事務員。コミュ力旺盛・立ち回りも上手いが、後に、その素顔を下園に明かされる)
…高坂美羽さん
水瀬(来店者たちからの人望が厚い、本来の「LUNA」の店主)
…芦田千織(あしだ・ちおり)さん
モカ(姉かれんが仕事を終えるまで、夜の街を漂っていた、セーラー服にルーズソックスの少女)
…樋口双葉さん
かれん(モカの姉。ラウンジ嬢。不倫かつ風紀※な恋に、やがて翻弄されていく)
…藤崎朱香(ふじさき・あやか)さん
トモ(かれんの友人。キャバ嬢の仕事に気持ちを入れ過ぎて、ストレスから円形脱毛症にかかる)
…岩井美菜子さん
平石(夜の女たちの子供を預かる、深夜保育所の保育士。人手が足りずトイレを我慢しているうちに膀胱炎に)
…青山美穂さん
下園(NPO法人「ライトブルー」に勤める野球ファン。以前、なるみと同じ職場にいた)
…飯野くちばしさん
柳(「LUNA」近くの花屋さん。対人恐怖症に悩む)
…川勾みちさん

※風紀とは、お店のキャストと男性スタッフが恋愛関係になること。キャバクラ業界最大のタブー。
愉快痛快ってもんよ、ううん、なんでもないわ

愉快痛快ってもんよ、ううん、なんでもないわ

松永企画

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2022/06/04 (土) ~ 2022/06/04 (土)公演終了

満足度★★

題名と演劇の内容がどう絡んでいるのか…。拳銃も割り箸鉄砲だし(割り箸鉄砲が何か意味あるのかは…)、もう一度観ても、よくわからないところが、解消できるとは…。演技はそれなりだったけど、ストーリーが…😓

罪人こぞりて

罪人こぞりて

座・一座

MOVE FACTORY(大阪府)

2022/06/03 (金) ~ 2022/06/04 (土)公演終了

満足度★★

裁判を三人で役を変えながら進めていく。観客に答えを求める形で、今まででにない試みとは思いますが、えー😱って感じ。だから感が強く、何を訴えたいのかは…。

唐人お吉 外伝

唐人お吉 外伝

相州雅屋

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2022/06/02 (木) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

GIRLS TALK TO THE END-vol.3-

GIRLS TALK TO THE END-vol.3-

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/06/04 (土) 13:00

この作品はいつ観ても面白い🤣
みんないい引き出し持ってる!
ダンス最高だった
あぁーー楽しかった!

9人の迷える沖縄人

9人の迷える沖縄人

劇艶おとな団

那覇文化芸術劇場なはーと・小劇場(沖縄県)

2022/05/13 (金) ~ 2022/05/14 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

沖縄を取り巻く50年で何が変わって何が変わっていないのか、を深く考えられさせられる劇でした。

ふすまとぐち

ふすまとぐち

ホエイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/05/27 (金) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2022/06/02 (木) 14:00

本劇団は『喫茶ティファニー』に続き2回目。津軽弁満載の家族劇で、笑わせる部分もあるものの、全体は嫌な話で、私のテイストではなかった。
前説で津軽弁講座3分の後、113分。

ビニール

ビニール

コンプソンズ

シアター711(東京都)

2022/05/25 (水) ~ 2022/05/29 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/05/26 (木) 14:00

外部の作家に委嘱する「別冊コンプソンズ」の第一弾は地蔵中毒の大谷皿屋敷さんを作・演出に迎えて。
登場人物が皆多かれ少なかれ常軌を逸している奇人・変人だが妙に実在感があり、彼らが織り成す物語も単なるドタバタナンセンス劇でなく説得力(?)があるのは脚本・演出・演技の三位一体の賜物であり、それに加えてテーマが実は身近だからではないか?
別冊コンプソンズ、第二弾はどなたと組むのかな?(期待)

心白

心白

ほろびて/horobite

調布市せんがわ劇場(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#加瀬澤拓未 #佐藤滋
#葛堂里奈 #鈴政ゲン
#藤代太一(敬称略)
【初日】大好きな俳優さんが三人も名を連ねた公演は観ないでいられるはずはない。佐藤滋さんの笑顔の破壊力は衰え知らずだ。少しハスキーな声も魅力的。それでいて、今作品ではミステリアスなバックボーンを感じさせる。葛堂里奈さんはオトコを転がす😅突き放しながら割り切って、欲望を相手に商売する。妄想への刺激スイッチが押され、果てしなく広がっていく。いつだって不思議な魅力を纏う。鈴政ゲンさんが視線を虚空に彷徨わせ、感情のダムを決壊させる。存在の不確かさに引き込まれる。
二つの物語が混じり合うような合わないような。
時計の針は14:46で止まっている。戦争のことや震災のことを考えさせられる。
また街を作りましょう。
舞台にはダンボールやら椅子やらテーブルやらが溢れている。それらを使った場面転換が特徴的。キャストみんなで置いたり動かしたりして……時には身体表現も織り交ぜる転換の狙いや必然性について、まだまだ思考を巡らせている。
これまでとは異なる演劇体験ができた気がしている。

GIRLS TALK TO THE END-vol.3-

GIRLS TALK TO THE END-vol.3-

藤原たまえプロデュース

シアター711(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ良かったです。笑ってサイコで。久しぶりに声出して笑ったー

唐人お吉 外伝

唐人お吉 外伝

相州雅屋

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2022/06/02 (木) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 お吉を演じた三野 友華子さんには華を感じた。劇団の志の高さを買う。同時に更に思考を深めて頂きたい。
華4つ☆

ネタバレBOX

 幕末の下田にはアメリカの領事館が置かれた。そこで領事に任命されたのが日米修好通商条約を幕府と結んだタウンゼント・ハリスである。安政年間から万延、文久へ至る幕末激動の時代に5年9カ月を日本で過ごした。ハリスが江戸へ出ると下田の領事館は閉じられハリスも公使に昇進していた。
 By the way,お吉の話に戻ろう。今作の展開は、お吉が亡くなったと伝えられる“お吉が淵”に通い詰める病んだ初老の女性の回想記という体裁を採っている。この女性の名は「ふく」話を聞いているのは看護の女性である。
 板上は奥に1m程の高さへ嵩上げされた土手のような塩梅の舞台、手前が通常の板面である。土手中ほどに階段が設えられ高低それぞれの板上手、下手に出捌けがある。場転に合わせて上手にこの地域で祭られた祭神の祠が誂えられたり、橋の欄干のようなものが設けられたり、或はお吉が切り盛りをしたという『安直楼』の店内が再現されたりする。
 ふくは吉より1つ年下で、一緒にハリスの世話をしたと言う。然しふくは下がって後、世間の偏見を恐れ、他所に越して下田へは戻らなかった。従って世間から誹謗中傷を浴びせられ苦闘したのはお吉独りであったと、その苦悩を彼女独りに負わせたと悔い、吉が亡くなったとされているお吉が淵へ日ごと通っては吉に詫び話し掛けていたのである。吉の凄絶な生涯は作品を観て頂くとして、殆どの人間が事大主義に流され己の保身の為だけにターゲットを定め苛め抜く下劣に対しては腸が煮えくり返る思いがする。一方、そのように醜い世の中に在って唯一の救いは、少数ではあっても矢張り心ある人々もまた連綿と存在し続けていることである。
バケモノの子

バケモノの子

劇団四季

JR東日本四季劇場[秋](東京都)

2022/04/30 (土) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

素直によかった。熊徹と九太の新たなきずなが生まれるラストには心震わせるものがあった。長老の跡目を決める勝負や、九太の修行だけでなく、嫉妬や疑いといった心の闇、メルヴィル『白鯨』を通した自己と世界の関係への洞察、闇に転落した友人と刃を交える辛さ等々、深みのある物語だった。

熊徹・猪王山の巨大モードや、白鯨の化身のパペットも見事。舞台装置も、渋谷と渋天街の異なる雰囲気をよく醸し出していた。音楽、ダンスもよかったのだが、ブロードウェイやディズニーのヒット作に比べると、もう少しパワーアップが欲しい。ダンスの華やかでゴージャスなシーンや、「メモリー」のような心にしみる音楽があれば、文句なしなのだが。

ネタバレBOX

熊徹が自ら転生(死)して九太の力になり、巨大な闇との対決に勝つクライマックスには感動した。熊徹が生まれ変わった剣がぴかっと光った瞬間、思わず涙が出た。
エレファント・ソング

エレファント・ソング

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2022/05/04 (水) ~ 2022/05/22 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

最初は院長が、癖のある患者から、失踪した医師の手掛かりを引き出そうとする話だが、次第に(というよりも、後半のある時点から)青年の生い立ちのトラウマが明らかになっていく。この後半の井之脇海の語りには引き込まれた。映像をこの重要場面に効果的に使った演出も見ごたえあった。ただ、入口と出口がことなるので、それを「意外な展開」ととるか、「ずれた結末」ととるかである。

ほかの人も書いているように、入りは少なかった。中央通路の前のセンターブロックのみが埋まった状態だった。

ネタバレBOX

青年の父は南アフリカにいて、子どもの時に一度だけ遊びに行った。最後の日、サファリに行くと、父は大きな象を目の前で仕留めた。その像の悲しそうな眼が、青年のトラウマになる。
母は世界を公演で回る人気オペラ歌手だった。南アフリカから帰った日、母は青年をやさしく出迎え、傷ついた心を支えてくれた。でもその日限りだった。
数年後、母は自殺する。公演の失敗を悔やんで。帰宅して母が倒れているのを見つけた青年に、母は「愛している」とも「助けて」ともいわず、「三つ音を外した」と言ってこと切れる。
「僕の存在ははずした三つの音以下だった」。青年の深い寂寥の源である。

この少青年期のトラウマ話に私は共感できなかった。自分のふがいなさを親のせい、幼児期の体験のせいにするのは嫌いだ。それが原因で、自殺するとなると、なおさらついていけなかった。
サラサーテの盤

サラサーテの盤

くじら企画

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/06/03 (金) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

これと言ったストーリーは、ない芝居
だけどなんだ この感じは、
シーンで共通に使われる言葉
時間が交錯してる
走馬灯
頭がデカく見える
脈絡がない夢
観終わった後に湧き上がる ぞわぞわ
私は死ぬその時に、自分のこれを観ると思う。

ネオンの薬は喋らない

ネオンの薬は喋らない

人間嫌い

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/06/03 (金) ~ 2022/06/07 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/06/03 (金) 20:00

6/3(金)初日の夜の部を観させてもらいました。まだ5回目公演ということで、興味しんしんでした。作、演出とも岩井美菜子さんのオリジナルということに敬意を評したいです。出演者も若い元気のいい役者ばっかりで、シアターミラクル内は大きな声で弾けてましたね。毎回オーディションをして次回も募集していたので、また観たくなりました。良い芝居有難うございました。 #河村慎也 #高坂美羽 #岩井美菜子

ネタバレBOX

円形ハゲを発症してしまったトモちゃんが岩井さん本人とは、チラシを読んでビックリしました。今後に期待しています。

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