最新の観てきた!クチコミ一覧

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後ろに近づく淋しさ以外は

後ろに近づく淋しさ以外は

排気口

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/03/05 (土) 18:00

価格3,000円

以前より高評価を聞いていたが今回が団体初見。思いのほかコメディ寄りでナンセンスな展開。ある意味、小劇場演劇らしい。一見、よくありがちな芝居をするように見せかけて全く明後日の方向への会話にするという、観客を翻弄し続けるところが人気の秘密なのかもしれない

ネタバレBOX

配信をしていないようだが、確かに配信向きではなく現場で観たほうがよい作品のようである
 、恋をする

 、恋をする

肉汁サイドストーリー

荻窪小劇場(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/03/05 (土) 15:30

価格3,200円

やはり肉汁サイドストーリーらしい、ラブストーリーと言っても一筋縄ではいかない。
人間の業というか性(さが)というものを見せつけられる、辛い世界

ネタバレBOX

ノンナが一体、何をしている人なのか最後まで謎であった。
トヨキとハリマのエピソードは生の舞台よりも映像に向いているであろう。
透き間

透き間

サファリ・P

京都府立文化芸術会館(京都府)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/05 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

はじめてサファリ・Pのお芝居を観劇する前に、佐々木ヤス子さんのスペースを聞いていたおかげで楽しめました(^^)
京都と東京での座席の見え方、あらすじは読んでおく、演劇というよりも美術鑑賞のような舞台…
セリフの掛け合いをする演劇ではないです。
まさにその通りで、役者さんのしなやかな体の動きが「キレイ」で、怖くて悲しくて、こんな舞台がある事をはじめて知りました(^^)
東京公演も無事に公演出来ますように!

ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】

ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】

劇団肋骨蜜柑同好会

小劇場 楽園(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/05 (土)

価格3,700円

5日19時半開演回(110分)を拝見。

肋骨蜜柑にしては珍しく、わかりやすい筋立て・人物設定。
コロナウイルス的な厄難「怪鳥」に振り回される人々の有り様が快調なテンポで描かれ、110分の上演時間、アッという間に過ぎていった。
ヒトによって見え方が異なる「怪鳥」の”正体(=真実)”については、途中で大方読めたものの、その出現のメカニズムは…ホンマ、よう、あんな理屈、考えつくもんやなぁ!と感心しきり。

という訳で、殆ど”完成品”だと思っていた肋骨蜜柑同好会が、実はまだ変わっていく可能性を秘めた肋骨”未完”だと認識させてくれた本作、誰に対しても、素直に面白かったと言い切れる快作だった。

ネタバレBOX

【配役】
<田瓶(たがめ)市役所農林整備課有害鳥獣対策室>
森末欽二(優柔不断だが、心優しき管理職の室長)…吉田覚(よしだ・かく)さん
郷田留美子(全てに前向きな、神社の娘)…小島望さん
若瀬和人(赤羽美鳴の入院先を訪ねていくうち、いつしか恋に?)
…水口昂之(みずぐち・たかゆき)さん
<株式会社ハッピーライフ>
湊本真弓(亡くなったテキヤの親分の、愛娘)…永田佑衣さん
隼田猪四郎(亡くなったテキヤの親分の、配下)…室田渓人さん
<山根生物学研究所>
神宮寺恭平(主任研究員。平田とは若い頃からの因縁が…)…安東信助さん
<第一発見者>
赤羽美鳴(平田の大家。夫はハッピーラインの顧問弁護士だが失踪中)…嶋谷佳恵さん
<元大学教授>
平田久一郎…フジタタイセイさん
おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

めっちゃ楽しかった!みんな可愛いくてかっこよくて、でもそれだけじゃない!演技もなかなかのもの!お話も良かったし、良い時間をありがとうございます♪

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 板上はかなり込み入った舞台構成になっている。

ネタバレBOX

下手手前側壁に短辺を並行にしたL字型の一段高い踊り場が設えられこの踊り場にはバーカウンターと手前の円椅子。この上手に葬儀屋家族の居間。居間の奥にはかなり大きな水屋箪笥が置かれている。白、黒で下手の踊り場付設備や葬儀屋の平台が塗り分けられているのは、無論今作は生死の問題を中心の1つに生計と夢実現の鬩ぎ合いの2つを大きなテーマとした作品であり、丁度楕円の数学的解を求める作業に近い問題を扱っているからである。この住環境は1階部分を為すがホリゾントと1階部分の間には2階が作られており、下手から2階へは観客席に平行に、葬儀屋の居間から2階へは垂直方向に梯子型階段が設えてある。2階部分の出捌けは左右1ヶ所ずつ。1階はバーカウンター奥、葬儀屋の家との間等を区切り、場面転換に応じて出捌け箇所をその場に応じた設定に変更して用いている。方法は吊るす布、ショー等で用いるキラキラしたスパンコール仕立ての垂れ幕等の位置移動、隠す場所の変更で対応。
 その他側壁面、ホリゾント壁面に張られた鉄筋様のパイプが、登場人物各々の綾なす人間関係を表しているようでもあり、後半飛び出してくる保険会社渉外担当者との保険金支払い関係の交渉場面での利害考証関連問答等をも示唆していよう。
 幼少時から思春期に複雑な家庭環境で育った経験を持つ者には、基本的に心に沁み入る物語であり、深い共感を誘うことは間違いない作品であろう。役者陣の演技力の高さも特筆すべきものがあった。
 ただ、多少気になったのは序盤の台詞で聴き取りにくい台詞が若干あったこと(これは自分の年齢のせいかもしれないが)。また昌太の死因が自死なのか事故死なのかを巡っての保険会社渉外担当者と弁護士との論戦では、昌太が小笠原さんに送ったラインの送信時刻から撮影時の時刻は特定でき写真も小笠原さんの証言で特定できる、更に遺体発見箇所と発見時刻、潮流との関係と往時の天気などから送られた写真と撮影場所との関係は相当正確に特定できるハズである。保険会社の利害があるから渉外担当は、自殺としたい訳だし、保険金殺人事件の場合、保険会社が事件性を立証できずに保険金を一旦支払い、その後事件が立証されたケースはいくらでもある。そういったことが弁護士サイドからは問題視されなかった。無論、弁護士サイドがそういうことを言って昌太がひまりの為に残した保険金が支払われてしまえば、今作は不幸な中にも救われる場面がある作品になってしまうので作家はそれを避ける為に姉の発言を入れたのだろうが、自分にはイマイチシックリこない感覚も残った。焦点が2つある楕円だからだろうが。
おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

比較的淡々としているので、もう少し舞台演出があると良いかな。個人的には、軍曹殿(寿さん)の新しい可能性が見れて満足です。カッコ可愛いところは、さすが、PrettyAsh。今後も役者として、期待出来ます。
ピンクのサイリウムは、2つがお勧めです。ヲタクネタ面白いですよ。

新平和

新平和

烏丸ストロークロック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

広島発、作演出をストロークロックの柳沼氏に委託した合同公演の格好だが、一言でその特徴を言うならローカルな、リージョナルな、である点。チエ子という老人が介助担当の青年を伴って平和公園を散策しながら、生い立ちから戦争、原爆、戦後を丁寧に回想し再現していく構成。原爆投下、被爆者の存在、非核三原則といった従来全国区のイシューであったものが今、地方の生活圏域から、郷土史的視線から、光を当てられる時代なのだと思わされた。風化の現実を感じる反面、この舞台の目線が持つ強度は、人が想像し得る「時と場所」がある事に拠り、「具体」が持つ底力に釘付けになる。それでいて「抽象」即ち歴史を俯瞰する視野が確保され、安易に物語に回収させず物語を超えて迫って来るものがある。

甘い傷

甘い傷

一般社団法人横浜若葉町計画

WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)

2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

5年前龍昇企画で上演された作品で配役も重なっている(7人の内3人)。とは言うものの演出西沢栄治、今回出なかった俳優に外波山文明、藤井びん、様変わりと言える。
コロナの間に様々な描き手が白壁に絵を描き込んだ若葉町wharfの企画公演として、参与の龍昇が持ち込んだと思しい本作には横浜縁りの中山朋文(ヨコハマヤタロウに出てた人ネ)やTOKYOハンバーグ舞台で目に馴染みの小林大輔、若い役は若いのが演じ、オールメイルで女役二人も本域で演じ、しっとりと趣きある芝居であった。個人的にハマったので星5つ。

三年王国

三年王国

人格社

新宿眼科画廊(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

荒削りだが、そこは若さの魅力であり、伸び代だろう。冒頭の緩い会話が、物語の底流を成していようとは…。上手い展開だ。

高校生活の甘酸っぱさを感じるが、描いている内容は深い。それは「自分という存在の確認、後悔のない生き方の模索」といったところ。物語(脚本)は、色々な場面を点描するが、それらを収斂していく怒濤の終盤が凄い!演出は何となく つかこうへい の「熱海殺人事件」の冒頭を思わせる圧倒するような大声+音楽(「白鳥の湖」ではないが)。

説明で興味を惹く「アレ」は、高校での部活動に起因している。自分にはピンとこないが、人にはそれぞれ大切にしているもの、気になるものがあろう。公演でも「アレ」は最後にやっと明かすが、途中で主人公・小田川の大切にしているものを「アレ」と勘違いさせる、そんな誘い方も巧い。
ただ演技は「演じている」といった力みが観えたので、もう少し自然体であれば…勿体ない。
(上演時間1時間10分)

ネタバレBOX

舞台美術は、低い平台をいくつも合わせ、学校(部室)内の板張りをイメージさせる。中央にテーブルと椅子、その後ろにスクリーンがある。状況に応じてテーブルを搬出し、換わりに授業机を搬入する等、状況に応じて光景を変える。

地方の進学高・新聞部が舞台。冒頭、部室で部員(2年)の小田川と写真部の間宮(2年)が自己紹介に関する無駄話。新聞部は旗田が卒業し今では薮(3年)と二人だけ。そこに新入生の権田原が入部し、物語は動き出す。中学まではそこそこ頭が良かったが、進学校では目立つこともない。自己紹介では、自分自身を表現出来ない。制服を着て腕章をしていれば高校新聞部と外見から分かるが、具象的なものがなければ自分をどう表すか?表向きには緩い部活動は楽、一生懸命に活動する必要なし。

何故 廃部寸前の新聞部へ入部したのか、真の目的は自分の存在アピールのため。順繰りに行けば、薮先輩が引退すれば私・小田川が新(第73代)部長になれる。新聞部以外は、傍観というか諦念にも似た虚無に近い高校生活。だから小さな世界でもお山の大将になりたい。しかし権田原は強かな新入生で、新部長へ立候補し…。
小田川が尊敬する旗田も同じような自己主張の気持だったことが分かる。2人して花火をする際、魂を燃やす=ポジティブではなく、焼失=ネガティブという意らしく、怠惰、諦念、無常といった高校生活が浮かび上がる。笑うに笑えないリアルさが垣間見える。

小田川が大切にしている物ーー黒板拭きクリーナー。人に知られず憤まんを大声で発散する時に大音を重ねる。大切に持ち歩くところから「アレ」と思わせるが、実は違う。

高校(生活)はシンフォニー、色々な生徒がいる。それを第九交響曲の合唱団に準えるが、自分は指揮者になりたい。そこに自我・自存を見ることができるが、その期間は3年間だけ。まさにタイトル「三年王国」(3年生のことではない、と思う)である。スクリーンに合唱団映像を映し曲を流す演出は、臨場感があり上手い。
終盤、各人が思い思いに絶叫する場面は、つかこうへいイメージ。さて、気になる「アレ」が分かるが、それは新聞部らしいものとだけ…。
次回公演も楽しみにしております。
クリキンディの教室

クリキンディの教室

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/03/05 (土) 13:00

あまりにも面白かったので、2度目の観劇。確かに面白い。観るべし!118分。
 筋が分かって改めて観てみることで、巧妙な脚本の台詞の構造がしっかり見える。無駄がない。昔話の辻褄を現代の基準に合わせる、というスタイルの演劇やコントはいっぱいあるが、これほど成功しているものは滅多にない。辻褄があっているという意味ではなくて、笑わせるものとして、ということだが…。SDGsを謳っているが、必ずしもそれに準じているわけでなく、それぞれの個人(教員)が思うこと/できることを積み上げると何かが生まれる、という趣旨だと思う。役者陣の技量に基く芝居作りは、とにかくスゴイ。一言で笑わせる台詞もいっぱいある。とにかくスゴイ。こんなに笑いっぱなしの電夏は初めて。

キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

私事ですが、二月に母を亡くしました。コロナのせいで長々会えなかったせいか、冷たい体に触れても、どうにも死を感じられず、今に至るまで、実感のないまま、涙ひとつ流せずにいました。
そんな私でしたが、作品に込められた子の想い、親の想い、妻や夫、友の心。丁寧に個々の心を描いたこの作品は、ようやく私に母を想う涙を流させてくれました。そして何もしてあげられなかったという想いを少し軽くして頂いたように感じています。有難うございました。

I

I

休みなくおやすみ

大阪大学(豊中キャンパス)(大阪府)

2022/03/05 (土) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

満足度★★★

制作の心遣いは良かったけど、内容が…。彼女死んでも、思い続ける男と、その男を思っている女友達の話。ブラトニックだけでは人生…

クラブ・ハルシネイト

クラブ・ハルシネイト

劇団在りが欲し

大阪大学豊中キャンパス2F 大集会室(大阪府)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/05 (土)公演終了

満足度★★★★

振り付けも良く、僕の好きなミステリー系でもあり、楽しめました。第二段があっても良い感じ。演劇でシリーズモンがあっても良いかも❗

裸の町

裸の町

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場付属養成所

青年劇場スタジオ結(YUI) (東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/03/04 (金) 19:00

座席1階

「小劇場企画」と銘打っているが、休憩を挟んで2時間の本格的な会話劇だ。

時は戦前、お人好しの男性が金貸しに大金をかすめ取られ路頭に迷うという筋書き。舞台からは当時の庶民の生活、夫婦の力関係などが「こういう感じだったんだな」と思われる。パンフレットによると、作者の真船豊は「意識的に『人間』だけを描いた」というが、舞台から受けた印象は人間の本質というよりも「庶民の生活」や当時の空気だった。

金貸しを信頼して大金を預けるという、かいしょのない亭主に付き従ってきた妻。冒頭、この妻が凛として正座をしている姿が印象的だ。身ぐるみはがされて路上に出るしかない状況を招いたことに、妻は怒り心頭で夫に罵詈雑言を浴びせる。しかし、その激しい罵りもどこか最後は「また付き従うのではないか」という、何だか優しさのようなものが感じらる。こんな情けない男とは、今ならとっくに三行半で離婚というところだが、簡単にそうならないところに、もどかしさすら感じた。
この「凛としている」という表現がぴったりの女性が「もう実家に帰ります」という場面で、なぜかずっと沈黙をしてしまうというところに、昭和初期の夫婦の生活感というか、男と女のつながりのようなものを感じる。「今ならとっくに逃げられている」という状況でも、時代が夫婦の最後の糸をつないでいる、というふうに思われるのだ。

この妻を演じた八代名菜子の演技がすばらしい。当時の「日本の妻」の姿を十分に表現できているのではないか。さらに言えば、今回の舞台はこうした演技を十分に発揮できるこの女優のためにあるような筋書きだ。そういう視点で見ると、この長い会話劇も別の風景が開けて楽しめるのだと思う。

裸の町

裸の町

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場付属養成所

青年劇場スタジオ結(YUI) (東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/15 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

お人好しで破産した夫富久(岡山豊明)と、歯がゆい思いの妻キヨ(八代名菜子)を軸に、金貸しの増川(星野勇二)と、憐れっぽいその妻(藤代梓)も絡む。各々の言い分、生き方がくっきりと浮かぶ舞台だった。

増川の「3000円貸したから、3000円かえしてもらうのは当然。そのうち2000円は戻すなんて話を間に受けるとは」という話は至ってまっとう。増川を信じている富久の世間知らずのおぼっちゃまぶりが痛々しいほど。富久は自分の虫の良さがわかるから、信じたいということも自覚している。
ついには海辺で純白のペルシャネコが縁起が悪いから、商売も失敗したと言い出す夫の責任転嫁は、素晴らしく滑稽だった。

なんの商売が潰れたのか、海辺に来てやっとわかる。クラシック専門のレコード屋という、浮世離れした商売だったとは、人物像の駄目押しだ。このレコードが、最後の明るさをもたらす伏線になる

1富久の夜逃げ先の部屋、2同差し押さえ後、3金貸し増川の家、4近くの路上、5海辺の崖の上、6停車場側の支那そば屋、と場所がどんどん変わる。美術と小道具をうまく使って、それぞれリアルな雰囲気を見せている。とくに海辺のバックいっぱいに真っ青な空の布をかけたのは、パッと雰囲気が変わって見事。

この戯曲が変わっているのは、二人舞台にいても、一方だけがずっと話して、相手はほとんど答えないシーンが続くこと。独白、傍白ではなく、相手に聞かせる対話なのだが、ほぼ一方通行。これでも舞台が成り立つのは、発見だった。
1場では増川、2場の冒頭はキヨ、最後の6場は富久のほぼ独演会。とくに6場はずっと黙ってあらぬ方を見ているキヨが、何を考えているのか、セリフはないのに、その内心が非常に気になる場面だった。

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

おとし屋 -SEDUCTRESSES- EPISODE2

SMASH ENTERTAINMENT

上野ストアハウス(東京都)

2022/03/04 (金) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

楽しかったぁ~。
現代の勧善懲悪ものらしいが、内閣府直轄の組織、女性人権救済機構「WHRRO」の”闇”組織が活躍することから完全な正義とは言えないが…。娯楽要素たっぷりにミッションを遂行していく面白可笑しさをしっかり味わせてくれる。現代女性の仕置き人は、お色気あるボンテージ コスチュームを身に着け、それぞれ得意とする(特)技でターゲットを陥れる。
さぁ肩の力を抜いて、舞台で繰り広げられる物語を楽しもう。
(上演時間1時間30分)

ネタバレBOX

舞台美術は、ほぼ素舞台。平行に段差を設け、上段の左右に大きな衝立があり中央が出捌け口。WHRROの1人、ピーチ(コードネーム)の表の顔はアイドルで、劇中ライヴでは観客も歌に合わせてケミカルライトを振る。アイドルの時だけ、上手に簡易テーブルと椅子が出され、オタク3人が賑やかにゲームに興じたり喋っている。

物語はチラシや説明のとおり、篠山ファンド社長を落とすこと。彼は女性を騙し金を引出させ、集めた金でファンド運用して儲けている。しかし内実は苦しく粉飾決算をしているらしい。WHRROの5人は、彼に近づき、証拠集めをするが…。展開はそれほど複雑ではなく、寧ろ その過程で繰り出す特技などを観て楽しむといったところ。

物語は、登場人物をグループ分けした描き方。メインの5人は、グルメライター・OL・アイドルといった表の顔と裏(落とし屋)の顔を持ち、夫々違ったキャラ設定。WHRROスタッフは、演出担当でジョー(宮澤賢司サン)を始め、ジェット、チーフは真面目キャラ、そしてオタク3人は道化役として面白可笑しく掻き回す。一方、篠山ファンドの3人は敵役であるが何故か憎みきれない愛嬌のようなものがある。そして、おとし屋のリーダーの妹、またOL同僚は脇役として支える。カテゴライズした設定で人物像を破綻させない工夫が観られる。

公演の魅力は、何といっても5人のおとし屋ー星宏美サン、雪乃しほりサン、水野ふえサン、寿 春歌サン、有川結女サンーの得意(技)をもって演じる姿。暗号解読・破錠をする時の凛とした姿、誘惑する時の色香など要所要所を楽しませる。舞台そのものがショー的要素を漂わせ、客席を巻き込んだ一体感が心地良い。一方、物語の根幹である おとし屋の5人が何故WHRROの闇組織に加わることになったのか、その背景が描かれていない。また組織の設立経過の説明が弱く、活動の概観が伝わり難いのが少し残念。敢えて、おとし屋 対 敵役という対立構図で娯楽劇に徹した観(魅)せ方であろうか。
本公演はシリーズ化も可能で、前提を深堀しておくと観応えが増すと思うのだが…(星宏美サンが2代目ハニーであることから前作〈今作はEpisode2〉があるのだろうか?)
次回公演も楽しみにしております。
キミガミテタ明日

キミガミテタ明日

TEAM 6g

萬劇場(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

一石を投じられた様に心の内から波紋広がってくる作品。
ニュアンスこそ違いますが若くして同じ事があったので尚更。
何故彼は・・・とことん紐解いていくその結果が吉とでるか凶とでるかは置いておいて・・・友人達の真っ直ぐさがかなり羨ましい。
(一番羨ましかったのは作品内容ともオーバーラップする座組全体の連帯感だったかも)

理屈を吹き飛ばす肉親ならではの言葉、そして更に更にと想いの交差するシーンが折り重なってもう見応え充分!と思っていたらなんと2時間越えの大作。
高揚感や失望感、観進んでいくほどに引き込み力が更に更にと強まっていくので、これはむしろ有難かった(良作であれば長時間歓迎派)
何より哀しいストーリーでありながら心の栄養剤にもなり得るTEAM6gさんの持ち味がしっかり効いているのが良かった!

サブジェクション【初日延期・3月2日初日】

サブジェクション【初日延期・3月2日初日】

リブレセン 劇団離風霊船

雑遊(東京都)

2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

面白かったです。舞台装置も「おお!こんな風になっていたのか!!」
ちえさんは今まで見たことのなかった感じで笑えました。

ネタバレBOX

役が抜けないということばを聞いたことがありますが、そんな感じだったのでしょうか。
カーテンコールは微妙でしたが、あそこで拍手して目を覚まさせてあげないといけなかったのかな。
ロボット・イン・ザ・ガーデン

ロボット・イン・ザ・ガーデン

劇団四季

京都劇場(京都府)

2022/02/23 (水) ~ 2022/04/16 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

原作を読んでいないし、チラシのかわいいロボットのイラストを見て、子ども向けかなと思っていましたが、子どもは見なくてもいいんじゃないというくらい大人向けです。タング(ロボット)が愛らしくて、動いている姿に感動します。文楽の人形遣いに似ていなくもない。歌、ダンス、言葉、どれも力強くて、劇団四季の良さをあらためて感じました。
嵐の二宮くん主演で映画化されるそうです。

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