
藤原さんのドライブ
燐光群
座・高円寺1(東京都)
2022/11/04 (金) ~ 2022/11/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
社会全体の利益を考え一部の人びとを「集団隔離」することは許されるか?と言うテーマで、すでにナチスのユダヤ民族問題は糾弾されつくした感じもあるが、なかなかどうして、ことあるたびに、人間は繰り返す。今回はコロナ騒動がきっかけで、わが国でも、市中、マスク警察や、劇場検温警察はあっさり許される。ここから邪教問題の統一教会問題はほんの一歩先の同じ根元だ。今は良心的と澄ましかえっている新宗教の中には数十年前には同じことをしていた教団は幾つもある。なかなか治らない。
坂手洋二戯曲は、あまり直接的でなく、メルヘン的にも見える芝居つくりだが、こういう近未来SF風は難しい。一応全部の世界を作らなければ世界が成立しないが、どこかほころびが出る。出ないようにすると嘘っぽくなる。そこで、芝居つくりのうまい坂手は時代を旅するロードムービーにした。なるほど、気持ちよく見られはするが、焦点はボケてしまう。問題点集中の抗議ドラマは、一般はウザイ!と見ないから宣伝にしか使えなくなった。難しい時代になった。観客ほぼ7分。善戦だ。

UTOPIA
coconkukanunity
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2022/11/09 (水) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

オーガッタジャ!
発条ロールシアター
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
感想遅くなりましたが、とても面白かったです。
廃墟で現在と過去のお話というか、土地の記憶と言いたいですが、それをうまく交流させて。
なんとなく悪いことも混じっているけど、みんな憎めないキャラクターで、前向きな、ラストとてもよかったです。

『黄泉の国でも愛してる』
縁劇ユニット 流星レトリック
ザ・ポケット(東京都)
2022/11/09 (水) ~ 2022/11/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
初日観劇。
物語は感動系であるが、その設定は 何となく演劇や小説等で既視感や既読感があり、新鮮味はない。一方公演の魅力は 生演奏で心の内、その想いや情況など、言葉で表わし難い情景を表現して(奏でて)いる。そしてアイドル系の若いキャストが溌剌と、そして情感豊かに演じているところであろう。小説ならば視覚情報がなく、想像力が働くが、演劇となれば観せる(演技)力が必要だ。「泣ける内容」といっても、恋愛ものや余命を描いたものなどジャンルは様々ある。この物語はタイトル「黄泉の国」とあるから、あの世とこの世を紡ぐものであることは容易に想像がつく。
さて、生演奏は音楽としての魅力は感じるものの、演出としては少し気になることが…。
スタッフ対応について、当日は長蛇の列で 人気公演であることは分かった。観客が全員入場していないにも関わらず、(当たり前だが)開始時間には上演を始めた。そのため 途中入場者が多く、前列席へスタッフが案内する際の 人影や物音が気になった。何より途中入場者は、物語の肝の(黄泉の国へ逝った)原因・理由が解らず、面白さが減じたのではないか。スタッフ対応の不手際は、カーテンコール後に謝罪したほどだ。残念。
(上演時間2時間 途中休憩なし)

アイラボ
充実夜祭
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2022/11/09 (水) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

第75回「a・la・ALA・Live」
a・la・ALA・Live
角筈区民ホール(東京都)
2022/11/09 (水) ~ 2022/11/09 (水)公演終了

〜風刺コメディ オ・セヒョク特集〜
SORIFA そりふぁ
OFF・OFFシアター(東京都)
2022/11/07 (月) ~ 2022/11/08 (火)公演終了

アイラボ
充実夜祭
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2022/11/09 (水) ~ 2022/11/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
早めに劇場に行くと凄い占い師に直接占ってもらえるかもしれない。自分の感覚では、この占い師、一流。記憶力が凄まじく良く、瞬時の観察力、論理的思考能力、イマジネーション能力、得た情報を基に判断する能力、何れもピカイチ。
というオープニングを裏切らない今作。感嘆文で観たい投稿をしたことは裏切られなかったのだ。面白い。作家は可成り賢い。自分の好みである。恐らく理科系。文科系の方々、こう言ったからとて心配する必要は全くない。キチンと匙加減を知り実践しているし当を射ている。既にレビュー原稿は書き上がっているが(24時60分頃に。少し寝かす。寝かした上で発表する。兎に角、観るベシ! シナリオは、相当レベルで深読みできるから、現代物理学の根本を本質的に理解していると考えている人には極めて面白く、深い。同時にだからこそ、載せられやすい人々の盲信とは次元の異なるレベルでの神学問題にも扉を閉じては居ない作品である。初めて拝見した劇団だが、今後にも期待したい。役者陣も単に賢いのみならず発展的素養を感じる役者が居る。(追記11.10)

アイランド
ミュージカル座
光が丘IMAホール(東京都)
2017/01/19 (木) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

今、僕たちに出来る事。あと、出来ない事。from 2001 to 2018。
シベリア少女鉄道
赤坂RED/THEATER(東京都)
2018/05/03 (木) ~ 2018/05/13 (日)公演終了

コンクリートジャングル・エクスプローラー
しむじゃっく
劇場HOPE(東京都)
2015/02/26 (木) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

藤原さんのドライブ
燐光群
座・高円寺1(東京都)
2022/11/04 (金) ~ 2022/11/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
燐光群が最近続けている「記録劇?」と、物語性のある演劇の中間を行くような芝居。朝ドラ準レギュラー?の円成寺あやの知的な舞台回しが、誤れるハンセン病回復者隔離政策の過去にタイムトラベルさせてくれる。特効薬ができてハンセン病は治り、社会復帰も可能だった。そのときに自ら療養所に残る選択をした人が多くいたことを捉えているのは、この劇の功績だと思う。
近未来の未知の強力な感染症の感染者が、「名前を選ぶこと」を勧められてから、かつてのハンセン病患者隔離の島に送り込まれる。舞台には5メートルの高さの青い四角い柱が3本立つだけ。裸舞台に近い空間に、藤原さんが運転するスカイラインが現れる。ハンセン病患者の境遇は、既知の範囲で新しい発見に乏しかった。近未来の感染症の話はどうもリアリティーが薄い。休憩なし1時間45分

ことばにない【京都公演中止】
ムニ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/11/03 (木) ~ 2022/11/13 (日)公演終了

猫、獅子になる
劇団俳優座
俳優座劇場(東京都)
2022/11/04 (金) ~ 2022/11/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
引きこもりの子が50を過ぎて、親が80になり、自分の死後の子供が心配ー80−50問題が軸。50過ぎた姉が引きこもる原因となった中学時代の演劇に、現在の20代の孫娘の演劇活動がつながる。宮沢賢治の「猫の事務所」に日系ブラジル人へのいじめ問題も重ねるという、重層的な構造の芝居だ。横山拓哉らしい快調でユーモアのある会話のやり取りから、次第に、かつての演劇活動で何があったのか、引きこもりの理由がわかってくる。引きこもるしかない状況に追い込まれた姉が、どうやって外に出るきっかけを掴むのか。こちらの予想の上を行く展開だった。ラストは気持ちのいい解決で、心が暖かくなるいい芝居だった。
いじめを批判したと読める宮沢賢治「猫の事務所」がうまく使われていて、奥行きを増した。私は未読だが、舞台上の説明で、内容はわかった。俳優陣も好演。特に姉を演じた清水直子の中学生ぶりや、やつれた焦燥がよかった。

ラビットホール
劇団昴
Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)
2022/10/28 (金) ~ 2022/11/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/11/09 (水) 14:00
座席1階
「ラビットホールに落ちる」という英語表現は「別世界に行く」「本筋から外れる」「抜け出せない道にはまる」という意味なのだそうだ。この戯曲を見て、タイトルの意味を知る。
劇団昴はこの小劇場でこれまで、チャレンジングな舞台を設計している。今回の舞台は半円形で、客席もそれを囲むような形に並べられた。舞台と客席は2メートルほどと近く、舞台の片側にダイニングテーブル、もう片側にソファという形にして食事をしながら、あるいはリビングルームでくつろぎながらのシーンをうまく展開した。
4歳の息子を交通事故で亡くした夫婦。妻は息子のおもちゃや服などを捨て続け、夫は時折、息子の写ったビデオを見るなど思い出に浸ろうとしている。だが、どうみても心の傷は妻の方が深い。同じような体験をした自助グループから妻は抜けてしまい、自由奔放に生きる妹が妊娠したことなどに攻撃的になるなど、心の揺れを制御することができない。夫はそんな妻に前を向かせようと「子どもをつくろうか」と向けてみたりするが、妻の態度は変わらず、夫婦の亀裂は広がっていく。まさに、ラビットホールに落ち込んでいくのだ。
もう一つ、劇中にパラレルワールドについて語られる場面が出てくる。ラビットホールは息子がいる世界といない世界を結ぶトンネルでもあった。
客席の心を揺さぶる物語が展開していくのだが、こう言っては何だが結末が今ひとつぐっとくるものがなかった。映画とは少し違う物語展開のようだが、このあたりはどうなんだろうか。
妻を演じたあんどうさくらが見事だった。愛する息子を失った母親としての激しい感情の起伏、抑えられない激情。見ている方が恐ろしく感じるような、まさに「感情」に支配された演技を見せてくれた。

第75回「a・la・ALA・Live」
a・la・ALA・Live
角筈区民ホール(東京都)
2022/11/09 (水) ~ 2022/11/09 (水)公演終了

捌く–Sabaku
akakilike
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2022/10/29 (土) ~ 2022/10/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
男性の女性に対する性的な加害が表現されていてリアルな意味で気分が悪くなる時があった。電車の中で一人で叫んでいるヤバい男を見ているような気持ちにもなった。また男が集団を形成した際の「オレの方がヤバいぜ」「オレのほうがバカなことできるぜ」といったリスキーシフトな態度に危うさと愚かさを感じた。
騒がしい男たちの中心で簡素な会議机の上にじっと横たわる生贄(且つ女神)のような女性の存在が、もしかしたらバカで欲深い男の起動スイッチの役割を果たしているのかも、とも思えた。ずっとあそこに居続けるの、地味に身体にダメージありそう。
観終わった後もゾワゾワとした感触が残り心に妙なダメージを負ったような気分。安易に「よかった」とは言えないけど、今の時代にこそ「見るべき」作品だと思った。

『雨の世界』
ウテン結構
サブテレニアン(東京都)
2022/10/14 (金) ~ 2022/10/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/16 (日) 15:05
大雨にたたられてどうにか人家を見付た旅行者に家の主が語る話……な物語。
このサイズの会場……というかサブテレニアンならではの雰囲気にまさにピッタリな語り口に酔うよう。(逆にこの作品をもっと大きな会場で上演するとどうなるのか想像したりもして)
また、序盤で芝居(など)のお約束を茶化したような部分が個人的に大ウケ。(笑)(「何をしているんですか?」「部屋を広げるんです」とか「こういう状況では老婆がお決まりでしょ」とか(ともに大意))

サド侯爵夫人
遊戯空間
銕仙会能楽研修所(東京都)
2022/11/05 (土) ~ 2022/11/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
4月の劇団あはひ「光環(コロナ)」に続く能仕立てだったが、あの時いろいろ仕入れた知識が役に立った
観世榮夫に師事した役者が中心だけにキャストは違和感なく演じたのだろう
サド公爵夫人ルネは主宰・演出の篠本賢一が能面を被って演じる、つまりシテ
最初はワキ(誰がワキツレなのかアイなのかは分からないが・・・ワキは母のモントルイユ夫人なのかな)であるサン・フォン伯爵夫人とシミアーヌ男爵夫人の掛け合いから始まるが、いずれも橋掛かりから登場し、シミアーヌは基本的に笛柱、サン・フォンは角柱中心の四辺と対角線での動き
これは全員最後までといった具合に完全に能の動き
発声その他はさすがと思わせ、凄いものを観たという印象は残ったが、ずっと緊張を強いられるし正直疲れた
ここでやることに意義があったのだろうが、逆にこうした形でやらなければならないのかという疑問は残った
各幕の最初と最後に入る二十五弦筝は場面に合っていて良かった

イヌの仇討
こまつ座
紀伊國屋ホール(東京都)
2022/11/03 (木) ~ 2022/11/12 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/11/08 (火) 18:30
座席1階
赤穂浪士の討ち入りを、討たれる吉良上野介側から描く、井上ひさしの名作。桟敷童子の劇作家東憲司の演出が光った。休憩を挟んで2時間半だが、目を離すいとまもなく終幕までなだれ込んだ。吉良役の大谷亮介らの熱演にも導かれた。
赤穂浪士は大石内蔵助も含め、声や物音だけで登場しない。吉良らが側近と隠れた炭焼き小屋を舞台に物語は展開する。
「吉良のひどいいじめと言うべき仕打ちが発端となって江戸城内で吉良を切りつけるという刃傷沙汰を起こし、その責任を取って浅野内匠頭が切腹を命じられた。一方の吉良側には何のおとがめもなく、赤穂浪士がその仇討ちとして吉良を討ち取った」
この一般的に描かれる物語を吉良の視点で見つめ返していく。とても新鮮な展開だ。
タイトルにもなっているお犬様が結構、いいところでほえたりかみついたり、主役のような動きをするのがおもしろい。綱吉が出した生類憐みの令で庶民が翻弄されたという背景をうまく引っ張ってきている。これぞ井上ひさしの戯曲のおもしろいところか。
桟敷童子で主役級を務める大手忍が女中役で登場するが、彼女のよく通る高い声が今回の舞台でもとても印象的。脇役がそれぞれきっちり仕事をして舞台を盛り上げている。
一見の価値がある「忠臣蔵」である。