住み込みの女の観てきた!クチコミ一覧

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へんしん(仮)

へんしん(仮)

快快

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/05/09 (金) ~ 2014/05/19 (月)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

快快/FAIFAIの【へんしん(仮)】を観劇。

物語が存在しない演劇でありながら、テーマ主義の下でパフォーマンスを行う劇団である。言葉にしてしまうとかなり堅苦し感じになってしまうが、それほど重くはないようだ。

今作は人類に生きている生き物の同一性について語っており、人間が動物にへんしんするとは?またはその反対は?と同じ生き物ながら、身体の使い方、脳の使い方などの違いなどを演じてみて、始めて分かる同じ生き物としての違いを検証している様でもある。簡単に言ってしまうと同じ生き物同士の違いを身体を使って体感する事によって理解していく事であろう。
劇作家の考えている事はかなり宇宙規模で考えている節があるが、いざ生身の人間が舞台で他の生き物を演じていると「なんとちっぽけで馬鹿馬鹿しい行為なんだ!」という気持ちに落していくのが、今作の面白さであるのではないか?と思ってしまう。
今作の観客の反応は千差万別だと思えるので、感想を述べるのが非常に難しい。

そして今作も物語は全く存在しない演劇である。
殺風景

殺風景

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2014/05/03 (土) ~ 2014/05/25 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋【殺風景】を観劇。

昭和38年の筑豊は、石炭景気と共に街は活気に満ちている。
その中でクニオをもご多分に漏れず、一旗挙げようと躍起になっているのだが、そんな時代も時の流れと共に街は終演を迎えてしまう。
そしてその後、クニオはヤクザとして街を牛耳っていくのだが、やはり既に過去の異物として疲弊してしまった街の風景は、人間関係すら破滅に追い込んでいくのである。

クニオの青年時代~現代までを描いている。
クニオが描いた青年時代の理想的な生活も、ヤクザになってから描いた理想的な家庭生活も全ては地方都市の過疎化によって、何も特徴のない荒涼たる捻じれた風景が、クニオの家族全員が同じ様に捻じれてしまい、いとも簡単に人殺しをしてしまう恐ろしい風景芝居である。
全ては家族の為なら何をしても良い!といとも簡単に陥ってしまったのは、現代の都市中心型に問題あり!という定義である。
時代に取り残されてしまい、ねじれてしまった風景と人間関係の暗部をリンクさせた点は良いのだが、全体の構成がクニオというヤクザの半生記の展開に近いので、地方都市の描く問題点に言及しずらいのが難点だ。
もし市井の人々の半生記あれば、ねじれた風景と人間関係などの疲弊したものがもっと見えてきたではないかと思う。
やはりヤクザという特殊な生き方に殺風景をあてはめるのは無理である。
だから今作は大きな設定ミスである。
うさぎストライプと20歳の国

うさぎストライプと20歳の国

うさぎストライプ

アトリエ春風舎(東京都)

2014/05/01 (木) ~ 2014/05/06 (火)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

うさぎストライプ【学級崩壊】と20歳の国【Dont Be a Stranger !】
の60分二本立てを観劇。

青春時代を回顧するという話で、20歳の国【Dont Be a Stranger !】は高校時代の部活や恋人との関係を描いていて、作家がまだ若いからか、それ程時代性を感じる事もなく、青春の甘さと苦さをすごく身近に感じられる程、若い瞬間を感じる事が出来る作品だ。世代によっては感じ方は違うかもしれないが、誰もが若い頃の震える感覚を思い出させてくれるのは間違いない。
だが話の構成が後半に向かっていくに従って、誰もが知っている安っぽいドラマの展開を真似ているだけというお粗末さには残念だ。
でもそれを除けば、若者の初々しさと作品の新鮮さが見事に合致しているのが見逃せない。


うさぎストライプ【学級崩壊】は青年時代の話しで、生きることに行き詰っている若者達を描いている。だがその若者達は決して苛立っている訳ではなく、うちに秘めてしまっているので、こちらが苛立ってしまうほどだ。
そしてその行き詰りは未来永劫続くのではないか?と思ってしまうほど重いのである。その重さや行き詰りを台詞は勿論の事、身体表現や物を使って描いていくのだが、どうにも的を得てない感じがして、さっぱり分からないのである。そのバランスの悪さを評価するかは否かは感性なのかもしれないが、
この劇団に関してはそれ以前の問題だと思う。前作に続いて同じ事を感じたのは確かである。


迷迷Q

迷迷Q

Q

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/04/24 (木) ~ 2014/05/01 (木)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
決して誰にも勧めないけど、魅力的

ネタバレBOX

劇団Qの【迷迷Q】を観劇。

女性が作・演出している劇団だ。
この劇団は人間と動物との交わりを描いている。
当たり前のように人間と動物とが共存している世界を描いていて、セサミストリートの世界が現存しているかのようだ。
そしてそこで描かれるのは人間と動物のマル秘の部分であり、人間と動物の交尾、交配などを描き、そして生まれてくる生き物の顔は動物、身体は人間、心は動物、いや感情は人間・・・・、
とまぁ、人間と動物は分け隔てなく存在する生き物だという感じだ。
だが決して宇宙規模的な発想ではないのは間違いない。
そしてかなりエログロナンセンスで攻めてくるのだが、やはり女性発想だからか、嫌悪感を感じない辺りが今作の魅力だ。
ポツドールの描くエログロナンセンスより更に濃いいのは確かだ。
決して誰にも勧めないが、かなり魅力的な作品である事は確実だ。

但し、今作には物語は存在しない。
やまとなでしこ-番外編-

やまとなでしこ-番外編-

Theちゃぶ台

アトリエ春風舎(東京都)

2014/04/18 (金) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

リヤカーを引っ張ったお婆ちゃんの登場に、おいおいこれは劇団民芸かい?
何て思ってしまい、ヤバいぞ今作は?と思ったのもつかの間、その後に現れる幽霊とのやり取りから一気に作品世界に没入させてしまう辺りは見事。
そして観客自身も作品のテーマである己の人生とは?について考えさせてしまう辺りは今作が長きに渡り公演されている理由であろう。
観客皆が、己の人生とは?について考えながら、劇場を後にしてしまったようだ。
スリーカードモンテ

スリーカードモンテ

projectDREAMER

小劇場 楽園(東京都)

2014/04/15 (火) ~ 2014/04/20 (日)公演終了

満足度★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

3部構成ながら、最後につながっていく展開は誰もが予想がつくのだが、巧妙な構成が最後に一気に花開く辺りは面白かった。ただ話の一番大事な確信に触れていないのが消化不良と言うべきか。
その消化不良は、観客全員が感じたと確信した。
片腕・少年・水晶幻想

片腕・少年・水晶幻想

台湾・日本国際協同企画川端康成トリロジー

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/04/16 (水) ~ 2014/04/21 (月)公演終了

満足度★★

駄目でした
宮沢賢治についで今作もまたも作品にのれずじまい。

ケンゲキ! 宮沢賢治と演劇

ケンゲキ! 宮沢賢治と演劇

シアターオルト Theatre Ort

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/04/03 (木) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

撃沈
二演目ほど観劇したが、作品の出来、役者の力量、その他もろもろ言う事ないのだが、自分自身が全く宮沢賢治にのれずに撃沈してしまった。
感想が全く書けないというのが正直なところだ。

ひきがね 引いた

ひきがね 引いた

ジソーキッズ

OFF・OFFシアター(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

ジソーキッズの【ひきがね引いた】を観劇。

姉弟の長きに渡る確執を、姉のユニークな提案でその呪縛を解き放とうとする物語。

他人同士の確執よりも、血を分けた家族ほど面倒なものはない!というのが今作のテーマである。
そんな作品の大いなるテーマを紐解いていくには、強硬な手段ではあるが罰ゲームするという大胆な発想には恐れ言ったが、その着眼点はなかなか良いのではないのだろうか。
しかしその発想の良さも展開の不味さと周りの無駄な関係性に難があり過ぎて、ぼやけてしまったのが難点か。
それとテーマと物語の接点がアンバランス過ぎて、描こうとしているテーマが何処かに行ってしまったようだ。
ただそこさえ上手くいけば傑作になっていただろう。
グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory

グローバル・ベイビー・ファクトリー Global Baby Factory

劇団印象-indian elephant-

調布市せんがわ劇場(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

劇団印象の【グローバルベイビーファクトリー】を観劇。

高年齢で未婚の砂子は、結婚と孫というプレッシャーを日々感じながら、どうにかお見合いの末、結婚は出来たのだが、子宮癌の為に子供を産めない身体になってしまう。そして砂子はインドで代理出産という方法を取り、子供を作る決意をするのだが・・・。

代理出産に焦点を当て、代理出産を依頼する側の本人と家族、低所得の為に代理出産を生活の糧にしているインド人、そして精子と卵子の結合と様々の視点から子供を作るという事に対する問いかけの作品である。 内容は大きな社会問題を扱っているのだが、展開の上手さもあってか、どの角度から見ても、この問題の根本は何か?という答えが自ずと導かれるように出来ていて、観客も全員が納得しながら観ていける。
そして最後のオチが作家のメッセージでもあるのだが、これがどうにも分かりずく残念だった。ただそのオチは終演後の作家のトークショーで理解出来たのだが、今作は分かりやすい描き方だけに、劇中で理解出来なければ、傑作も駄作になってしまうなぁ~と感じた次第だ。

場所が千川劇場だからか、観客の年齢層が高かった。
緑子の部屋

緑子の部屋

鳥公園

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2014/03/26 (水) ~ 2014/03/31 (月)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

鳥公園の【緑子の部屋】を観劇。

いなくなってしまった緑子について兄、友人、恋人が語る物語である。
ベケットの【ゴドーを待ちながら】という感じは全くないのだが、それを想起してしまうのが、今作を観劇する上では大きな過ちであるようだ。

緑子という人物の人柄や人格について語りあっているのだが、それが単なる他者とのコミュニケーションを取るための話題であり、道具ではないかと錯覚してしまうほど、緑子とは誰?については深く触れていないのである。
決して不条理ではないのだが、条理ともいえない同じ様な日常を我々は同じ様に過ごしているのかな?とふっと思わせてくれる物語である。
観劇中、観劇後と考え過ぎれば過ぎるほど、迷宮に連れて行ってくれる奇妙な演劇であった。
そして起承転結がある演劇を鑑賞しよう!なんて気持ちを持って客席に座った時点で、観客は撃沈されてしまうのである。

とても他人には勧められないが、観る価値はあると思う。

ヒネミの商人

ヒネミの商人

遊園地再生事業団

座・高円寺1(東京都)

2014/03/20 (木) ~ 2014/03/30 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ


ネタバレBOX

遊園地再生事業団の【ヒネミの商人】を観劇。

田舎の小さな印刷屋では、近所のおじさんが入り浸っていたり、親戚同士の保証人問題、子供たちの学校行事の練習、銀行員の挨拶回りなどの日常的な風景が展開する。
ほぼ【男はつらいよ】の世界に近い感じだ。

だが宮沢章夫が描く日常は決して演劇的ではなく、市井の人々をリアルに描いている。
そのリアルとは何か?
それは何故か?片方の靴をなくしてしまった銀行員、何故か?余分に印刷物を作ってしまった社員、学校行事の練習している子供たちが、練習をそっちのけで、溶けそうなアイスをどうするか困ってしまったり、道に迷ってしまい、同じ道をひたすら往復している人など、物語として観るとちょっと変?だと思える当たり前の日常をクローズアップしながら物語は展開していく。
我々の普段の生活では気がつかない日々は、沢山の無駄と余分の集合体であり、実はそれが非日常的であり、不条理だとも感じさせてくれる。
それを物語に乗せてしまうと不条理演劇だと思いがちだが、そこに日常のリアリティーとして持っていく辺りが今作の狙いと宮沢章夫の世界観なのだろう。
平田オリザの口語演劇であり、城山羊の会の世界観でもあるのだが、
宮沢章夫は、彼らよりもかなり以前からこのような手法を取り入れていたとは驚きである。


シフト

シフト

サンプル

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/03/14 (金) ~ 2014/03/23 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

サンプルの【シフト】を観劇。

チェルフィッチュに次いでの苦手の劇団で、今作で3本目の観劇だが、今後も見続けるか否かで迷っている状態。

ある村に婿に行った青年が、村の風習に無理やり取り込まれてしまう。
そこはダムで沈んだ村民が生き残りをかけて、新しい住人の種を利用して、
白子様という神を再生していこうとするのだが、そんな村民の意地も都会の波にさらされてしまう。

かなり土着的な話で、伝統と慣習を守ろうとする人々と、新たなる文化を植え付けようとする人々との衝突を描いているのだが、今村昌平?寺山修司?などとは全く違うアプローチの仕方で描いている。
作品を自分なりの解釈でひも解いていくのだが、作家の目指している物と観客が解釈していく事に大きなずれが生じてしまうのが苦手になっている要因だ。それは何時も終演後のトークショーで分かるのだが、観客と作家の演出意図が全く交わらない事で、もう観たくない?という事になってしまうようだ。

さて、次回作は観劇するか?どうか?
「彼の地」

「彼の地」

北九州芸術劇場

あうるすぽっと(東京都)

2014/03/07 (金) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
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ネタバレBOX

KAKUTA 【彼の地】を観劇。

今作は北九州芸術劇場のプロデュース公演なので、北九州を舞台にしている。

北九州を舞台に、そこに住んでいる人、東京から来た人、結婚で来た人など市井の人々の群像劇である。
様々な物語が交互に展開するのだが、とりわけ深く各人物同士がつながっている展開にするのではなく、日常的なつながりで、群像劇にしているからか、さらりとした一本線でつながった感じが心地よい。
そしてお祭りをクライマックスに持って行っているので、作・演出の桑原裕子の得意のミュージカルで締めくくるか?と大いに期待したのだが、そこは観客の傲慢さであったようだ。
今作でやけに気になったのは、悩みを抱えている登場人物たちの殆どが、精神疾患だという事だ。
それは精神疾患は今や国家の5大疾病のひとつに入ったからだろうか?
それとも作家の今後のテーマなのだろうか?
空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

松竹

新橋演舞場(東京都)

2014/03/05 (水) ~ 2014/03/29 (土)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
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ネタバレBOX

スーパー歌舞伎Ⅱの【空ヲ刻ム者】を観劇。

スーパー歌舞伎とは、歌舞伎を誰にでも楽しんでもらおうと、分かりやすい台詞、派手な演出、そして歌舞伎のエッセンスを所々に取り入れた作品。
20年くらい前に当時の市川猿之助が仕掛けた話題作。
今作は猿之助を襲名した亀次郎による復活版。
前回と違うところは作・演出にイキウメの前川知大を起用したところだ。

物語は20年前の復活版だけあって、内容と展開はほぼ今までのスーパー歌舞伎を踏襲した感じだ。起承転結が上手く出来ている戯曲の完璧さ、俳優の実力、舞台での派手な見せ方とローリングストーズのコンサートと同じ料金ながら約4時間を堪能させてくれる。やっぱりミックジャガーじゃくて市川猿之助だろう!という感じでもある。
でもあえて苦言を言うなら、20年前の方が激しいアクションが満載だったのが今作の不満のところか。しかししっかりと頬に涙が落ちてくるドラマチックな展開には満足だ。

佐々木蔵之介が見得を切らない?切れない?のには笑ったのだが・・・・。
大きなものを破壊命令(再演)

大きなものを破壊命令(再演)

ニッポンの河川

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2014/03/01 (土) ~ 2014/03/09 (日)公演終了

満足度★★★

小津映画にヒロインか?
ネタばれ

ネタバレBOX

作・演出の福原充則【大きなものを破壊命令】を観劇。

4人の女優が様々の役を演じ分ける芝居。

首絞め犯人獲得に挑む神林君とそれを囲む人々と戦時中の脱走兵4姉妹の脱獄記。
このふたつの展開が交互に入れ替わりながら、物語は進んでいくのだが、
ふたつの話しに関連性があるのか、ないのかは観客の判断次第か?というところだが、物語自体は全く繋がりがないのだが、瞬時に入れ替わっていく物語と4人の女優のみで入れ替わり演じ分けているので、関連性がないように見えて、関連性があるように錯覚してしまうところにこの作品の大きな意図を感じられた。

ちょっとこれはすごい試みをしているようだ。
2014年・蒼白の少年少女たちによる「カリギュラ」

2014年・蒼白の少年少女たちによる「カリギュラ」

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2014/02/15 (土) ~ 2014/02/27 (木)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

さいたまネクストシアターの【カリギュラ】を観劇。

ネクストシアターとは演出家・蜷川幸雄の若手俳優の集合体である。

妹・ドリュジラの死をきっかけにローマを失踪した皇帝ガリギュラは、3日ぶりに人民の前に姿を現すと、市民を恐怖の底に落し入れるほどの政策に転ず始める。
そして屈辱に耐えかねた貴族たちはクーデーターを計画するのだが、本来カリギュラの憎むべき一部の側近たちは、カリギュラの思想を理解し支え始める。だが、クーデーターはすぐそこまで迫ってきていた.....。

過去の蜷川作品の傑作は、抑圧された人民を描き、事を成せずに終わってしまう虚しさを描く事が多かったのだが、今作は事を成せずに終わってしまった指導者の話しである。
指導者の理想と理念が人民との溝を埋めるには、理解と和解ではなく、物事の論理から始めなければいけないとガリギュラはその想いを推し進めようとするのだが、その論理を考えようとしない人民には、理想の国家の形すら見えこないと言っているのだろう。それがローマ帝国から現代まで変わらない指導者と人民の大いなる隔たりと溝であるとカミュと蜷川幸雄が語っている。

荒野の家

荒野の家

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/02/07 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

水素74%の【荒野の家】を観劇。

今時では珍しい不条理演劇を行っている劇団だ。

20年間引きこもっている息子と出戻りの娘に困っている夫婦の話し。
これから息子をどうするべきか?と夫婦で考えているのだが、父としては戸塚ヨットスクールに預けてみようかと提案するが、息子を溺愛しているが為に反対する母、そして兄ばかりで自分を構ってくれないと叫ぶ娘と家族がバラバラの状態。
そして戸塚ヨットスクールが息子を引き取りに来た日に、それぞれの思いが爆発してしまい、家族が崩壊していってしまう。

今作では、理想の家族像とは?を描いているように錯覚しがちだが、息子が引きこもってしまった時、娘が出戻った時、息子を他人に預けてしまう時と、何かを決断しなければならない瞬間に、家族はどのような選択に迫られるのか?について述べている芝居である。
正しい、間違いは別にして、今作の登場人物の選択は、家族の為に正しい事をしたと思い込んでいるだけで、実の処、家族よりもまず自分にとって都合の悪い者は、血縁ですら排除してしまうという人間の闇の部分を焦点に絞っているようだ。
所謂、これこそが不条理ではなく、人間の正しい条理だ!というのが今作の狙いのようだ。

毎作ごとに感じるのだが、永井秀樹の芝居のキャラクター作りは抜群だ。

男たらし

男たらし

ブス会*

ザ・スズナリ(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

今作もたまらん!
ネタばれ

ネタバレBOX

ブス会の【男たらし】を観劇。

今年の期待作品。
チラシから想像する感じだと今回もイヤらしい作品だと誰もが思うのだが・・・。
過去の作品は、ほぼ女性たちだけの出演者で、女性の生態を描いて男性観客をゲンナリさせてくれたのが、今作は女性一人のみで、残りは男性で展開していたようだ。

イケイケ社長の会社に女性(よしみ)が入社してくる。だがどうみても男好きという感じだ。そんなよしみもあっという間に社長の愛人になってしまう。
だがこの会社も社長の放漫経営の為か、借金を抱えながらの経営で、今や火の車状態である。そんな最中、よしみのアイディア商品が会社を立て直し、愛人と社長という立場が少しづつ逆転していく。
そしてよしみも今までの愛人人生から、仕事という生きがいを持ちながら生きて行く決意をする。

おおまかな物語はこのような感じで、男尊女卑を否定してしながら、女性の自立を描いている。そして男性と女性は平等でありながらも、性の部分を抜きには語れないともいえる。この手の女性の活躍を描く物語だと、ほとんどの男性作家は愛と性の部分を省略してしまうのだが、今作はそこに最大の焦点に持って行きながら、女性の生きざまを描いている。
女性にとって仕事と性は別モノではなく、同じ扱いであり、そして多数の恋愛本で言われている男性脳と女性脳の使い方、機能の違いを感じさせてくれる。だから女性脳の使い方を理解出来ない男尊女卑肯定の男性観客は、永遠に彼女のいない人生を送り、そして今作にげんなりして劇場を後にしてしまう。ただ確実に言えるのは、ペヤンヌマキの描く女性像に勃起してしまった男性客が多数いたのは間違いないだろう。

内田慈の代表作になるのは間違いない。
そして古屋隆太の実力のほどを思い知らされる作品でもある。

かなりお勧め!




女装、男装、冬支度

女装、男装、冬支度

FUKAIPRODUCE羽衣

座・高円寺1(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

羽衣の【女装、男装、冬支度】を観劇。

既に3回ほど紹介しているので今更なのだが、妙ージカルと言われているアングラミュージカルを行う劇団である。

今作は劇場の大きさを生かし、得意のミュージカルのオンパレードで攻めてきた。それも墓場から死体が生き返り、ゾンビミュージカルの始まりである。
だたそれも始まりだけで、それ以降は大傑作の【サロメVSヨナカーン】同様、複数のカップル達の愛液タラタラの愛憎劇である。
毎作ながら大した物語もなく、不倫のカップル、少年少女の恋、キャバ嬢と客、若い恋人などのひとときの出会いと別れを切なく、そして大事な性の営みをも描いているので、見事なまでに登場人物たちの心情に観客は落ちてしまい、涙してしまうのである。
この劇団の表現パターンは毎作事に変わらないのだが、やはり男女の関係性の奥深さに追及しつつ、それをミュージカルに仕立てる辺りは抜群だ。
でも相変わらず下手な構成力と力技、そしてラストの終わり方もさっぱりだが、それすらも許せてしまうほど実力ある劇団だ。

お勧めである。

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