ヒネミの商人 公演情報 遊園地再生事業団「ヒネミの商人」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ネタばれ
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    ネタバレBOX

    遊園地再生事業団の【ヒネミの商人】を観劇。

    田舎の小さな印刷屋では、近所のおじさんが入り浸っていたり、親戚同士の保証人問題、子供たちの学校行事の練習、銀行員の挨拶回りなどの日常的な風景が展開する。
    ほぼ【男はつらいよ】の世界に近い感じだ。

    だが宮沢章夫が描く日常は決して演劇的ではなく、市井の人々をリアルに描いている。
    そのリアルとは何か?
    それは何故か?片方の靴をなくしてしまった銀行員、何故か?余分に印刷物を作ってしまった社員、学校行事の練習している子供たちが、練習をそっちのけで、溶けそうなアイスをどうするか困ってしまったり、道に迷ってしまい、同じ道をひたすら往復している人など、物語として観るとちょっと変?だと思える当たり前の日常をクローズアップしながら物語は展開していく。
    我々の普段の生活では気がつかない日々は、沢山の無駄と余分の集合体であり、実はそれが非日常的であり、不条理だとも感じさせてくれる。
    それを物語に乗せてしまうと不条理演劇だと思いがちだが、そこに日常のリアリティーとして持っていく辺りが今作の狙いと宮沢章夫の世界観なのだろう。
    平田オリザの口語演劇であり、城山羊の会の世界観でもあるのだが、
    宮沢章夫は、彼らよりもかなり以前からこのような手法を取り入れていたとは驚きである。


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    2014/03/23 10:56

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