満足度★★★
100分。
ネタバレBOX
イネ(上田遥)…いろいろ計画立ててリードしようとするおばあちゃん。
久江(望月志津子)…穏便派。10年前?娘と熱海旅行にいった。
富子(後藤飛鳥)…イネともめたりするも、意見はいうタイプ。
松金(端田新菜)…皆が通ってた書道教室?の先生。認知っぽさあり。
娘(坂倉奈津子)…久江の娘。どこか厭世的。
孫(菊池真琴)…松金の孫。大学生。
イネらが熱海旅行に行く、葬式、10年前の熱海旅行などを描く。
正直惹かれる感覚でなかった。退屈。会場も暑かったし。
満足度★★★★★
130分。
ネタバレBOX
司(大森南朋)…長男。郵便局員。カオルの前でウキウキドタバタ、たまに大声だすお兄ちゃん。
隼人(三浦貴大)…次男。一番落ち着いた人だけど、たまにピリピリ。司のアサクラへの態度が気に入らないとか。
学(森優作)…三男。郵便局員。色々子供っぽいけど、一番純粋。カオルの子へのプレゼントが渡されてなかったと知り怒る。
カオル(麻生久美子)…アサクラの再婚相手。元妻の子を育てるも色々悩む。小さい頃三連水車とかで遊んでいた。
アサクラ(岩松了)…画家。子のため青山から市ヶ尾へ移り住んだ。元妻が子を引き取ることを認めた。
安藤(池津祥子)…アサクラ家の家政婦。元妻宅へ勤めるようになっても話題にのぼる、皆に愛された人。
田園都市線ができたくらいの時代?。市ヶ尾のとある坂の中腹にある両親死後の三兄弟の住む住宅。近所に住む美貌の若妻カオルがたびたび訪ねてくるが、カオルは前妻の子の子育てに悩んでいて、ついには前妻が子を引き取ることとなる。前妻の子がドナルド好きでドナルドのキーホルダーをカオルに託した学は、キーホルダーがプレゼントされてないと知り怒るも、逆にカオルから詰め寄られてしまう。兄弟のドタバタで服が濡れたカオルは司から出された、母の浴衣姿に着替えて…というトコで終幕。
妙な魅力のある作品。三兄弟のじゃれ合いだったりカオルへの想いだったりちょっとしたケンカだったり、ほんのりした温かみが伝わってくる。その裏にある若干ドロっとした感情がややひんやりとしてて、いい塩梅。役者の魅力でもあるのか、演出がいいのか。ホットミルクを作りに台所にいったカオルのバッグにドナルドキーホルダーを見た学のシーンからラストまでの空気感の蠢きはグっときた。上品で明るくニコニコしたカオルがピリっとした緊張感を充満させる感じがタマラナイ。妙な感覚だけど。
大森のひょうきんというか浮足だった感じがユーモラスで好き。ツッコミも面白い。
愛されキャラ安藤さんもいい。気に入ってもらえることが人生の支え…的なセリフは、キャラのギャップもあり、響いた。
麻生久美子のミステリアス美女な感じが静かに煌めいていて最高。ドナルドを子に渡したとウソついたときのドナルド演技もコミカルで好き。カーテンコール浴衣姿でもよかったのに。
満足度★★★★★
110分。
ネタバレBOX
初演も見たけど、キャストも変わったので。やはり面白かった。
法を守れば幸せだという世界で法を破りつづけ、身体を傷つけられるクリスチャン(多田直人)。親にも友人らにも再開できてないだろう、ウォッチャー(処罰人)としての人生を全うし、カフェで「シュガーの歌」に出会い、若者から「わかってる」と評価され、喝采を浴びるラストは、はやりジーンとくる。
歌の中にある「人は幸せになるために生まれた」という(一見平凡な)フレーズさながら、幸せとは何ってトコを問い詰めてくる傑作。
多田直人の演技は安定しているなと思う。再演重ねてるってトコもあるけど。石橋徹郎はリチャードとウォッチャーの落差がいい。ウォッチャーの人生も見てみたくなるような薄暗さと人間味が同居してて。オレノグラフィティはややしゃべりが聞き取りにくいとこもあったけど上々かな。山崎雄也の大きな身体を使ってのパフォーマンスが笑いにうまくつながっていかない感があったのが残念。大滝真実のリンダ演技は、いい感じだったと思う。笑いにつながってたし。動きもなんか好き。森めぐみのクリスを想うオリビアは良いと思ったが、音痴でトゲトゲしさのあるカール演技はどこか不良じみててね(そういう演出なのかな)。
キツめなシーンもあるし、内容的にも重めな作品だけど、要所要所のコメディさとのバランスが上手くて、そんなトコもいい作品なんだなと思う。
満足度★★★
カーテンコールでのコメントも込みで70分。
ネタバレBOX
昔一緒に演劇してた8人の女性たち。かほるこが沖縄で結婚することとなり久しぶり集まる面々、そしてその後までを描く…。
時間的にも60分足らずの短さで、お酒片手に楽しめるライトな作品。それでもそれぞれのキャラが立ってて充実感はある。もうヒトヤマくらい事件的なものがあってもいい気がしたけど。とわいえスピード感もあって笑えるトコもしっかりしてて、世代的な友情や寂しさだったり人生的な大変さとか変化とかいろいろ詰め込まれてていい作品と思う。
お色気担当的なダッキーノ傳(傅田圭菜)がお気に入りかな。名前的にもアクがあって。
公演デビューでミュージカルかました主婦のきねまほ(関根麻帆)の昔を思い出してからのニコニコ顔が魅力にあふれてて好き。
沖縄在住の小姑のなぎさ(うえのやまさおり)おだやかーな感じもいい。
ちなみに卒業する方の発表はどこかに載っているの?
満足度★★★★
人の気も知らないで。55分。
ネタバレBOX
弟(カフェの店主)という設定をなくした60ver。以前観たオリジナルキャスト?とは違う魅力もあるが、会話劇の純度は高いままだった。
3人とも演技うまかった。長田役の海老瀬はなは、以前のあたしら葉桜以来だけど、キツめなあたり方とか、返しの間とか上手いなと。心役の橋爪未萌里は、どことなくいじらしさのある演技が好感。オリキャスの宿南麻衣とは違う良さがあった。綾役の吉川莉早もコメディな部分でしっかり笑いを引き出せてた。
満足度★★★★★
葉桜(リーディング)35分。休憩5分。あたしら葉桜35分。
ネタバレBOX
「葉桜」(岸田國士)は初。(多分)父はいない母子家庭で、娘(松原由希子)がお見合いして相手からもらってもよいと返事があるが、母(林英世)はいろいろ気に入らない。相手もはっきりしないような態度で娘から様子を聞いてもよくわからん。けど、娘悪く思っていないらしく…。
なんだかはっきりしない面々の心根がにじみ出る作品。また見たいと思わせるチカラがあった。林英世の包み込むような演技がよい。
あたしら葉桜は以前古民家公演で見たきり。序盤のアイネキュッヘンシャーベの面白さは健在。
美弥子(松原由希子)の相手は女という設定で、同性愛に悩む娘とそんな娘をユーモラスな調子で愛する母・あーちゃん(林英世)の、時にヒリヒリと時に笑いを誘う会話が魅力的。林英世はwalkinclosetでも同性愛に悩む息子の母役だったけど、本作は美弥子もそれを受け入れていたりもして、どこか前向きな感じがして爽快感すら覚えた。
雑誌の下にゴキがいると勝手に思っている二人のように、見えない不安がぼんやり描かれ、そこに二人(一応父や息子もいるけど)で立ち向かおうとするあーちゃんと美弥子というタッグを応援したくなるような気持ちになった。なんか二人ともかわいい。
繊細な部分もきっちり描きつつ、コメディな会話も冴えわたる濃い30分。快作。
満足度★★★★
A。90分。
ネタバレBOX
アジト管理の夫婦の妻・典子役の山村麻由美がよい。立花役の南風盛もえは、Bの堀夏子に比べて幼い感じが妙に役にハマッてた感じ。Bと同じく典子の妹夫婦の西風生子と有吉宣人の演技が好印象。自治会の仕事をお願いしにくる坂下役の本田けいの押しの強い雰囲気も妙にコミカルで好き。
空港襲撃に参加する桜井の彼女である立花が、組織リーダーに盾突き相手にされずもう帰るというシーン。典子が立花に、帰ってご飯作って待ってるって帰ってSEXしたいってこと?とストレートに聞く。
典子は封建的な思想から脱却(思想的に自己を革命?)しないといけない的なことを言うけど、そりゃこんなトコでうだうだやってるよりそっちの方がいいよねと。けどシビれるセリフだなって思い。
結局個人はどこまで組織の一部になりうるのか。目的レベルの高低は置いといて、社会で生きるヒトにとっては面白いテーマ。設定に過激派左翼をもってくるトコもまた魅力を増す要素になってる作品。
序盤の左利きだから左翼になったのはウケた。
満足度★★★★★
B。90分。
ネタバレBOX
表向き合法左翼で裏では空港襲撃などの非合法活動を画策する団体のアジト(マンション?戸建て?)での会話。三日後くらいに成田襲撃と別組織の大使館襲撃を同時に行うこととなった団体構成員らの私情と革命戦士意識がぶつかり合う…。
キャラメルボックスの多田の演技は安定してる。その妻の中村真生とかもいい感じ。革命家のリーダー役の坊薗初菜もどっしりとした佇まいと立花(堀夏子)を一蹴するかのような態度は見もの。対する堀夏子も私情丸見えな感じの何しゃべってるか聞き取れない喚きが気に入った。見た目落ち着いてるキャラだからなおさら。元革命家夫婦の晴美(小林亮子)と英生(黒澤多生)も、姉夫婦の子を預かり、活動にも理解も示すポジションキャラでいい味出てた。
作品的にも気に入った。
満足度★★★
久我真希人さんの所属する劇団ということで観劇。
ネタバレBOX
とある村の複数の家族らの話を、何語かわからん言葉で(たまに日本語も)演じる作品。事前によくわからんという前評判も確認してたからか、そんなに抵抗なかった。
あんまり物語的なトコは理解してないけど、不思議と嫌悪感なく見れた。パフォーマンスとかそっちの部類。
満足度★★★
110分。イスゆったりでうれしい。
ネタバレBOX
男(岩瀬亮)が婚活(恋活)なとこで女らと色々話をする。
序盤から中盤は女(島田桃依)の素人女子な面白さと、ドSさん(遠藤留奈)の男に振り回されてる感のあるセクシーさが、会話とキャラのユニークな感じと混ぜ合わさって楽しかった。おナベさん(江本純子)のキャラの濃さも好き。
終盤がやや冗長とした感があって残念かな。ラストのエンドロールな〆(BGMの中男と女が触れあって)というのは、なんか映像的な感じだった。
満足度★★★
90分。
ネタバレBOX
水戸黄門の角さん助さんを長年やってたベテラン俳優が、若手俳優に暴力事件起こして干され、そのまま低空飛行な役者人生を送って、離婚した妻子への仕送りも満足にできず、認知症がポツポツでている大石幸三郎(中村まこと)が、とある旅館に流れ着く。そこは大石と関係がった女が元別荘として使っていた建物を改築した宿で、息子と思われる人物が、女の秘密をひた隠しにしていた…。
以前見た猫ホテルの作品より、ストーリーがしっかりしてたななんて印象。多くを語らないような造りが、大石や女、他の登場人物の心とかを想像させてくれて、結構よかった。大石と女のストリップなシーンは、もうちょい情感あふれる感じだと良かったけど。不倫カップルのシーンは純粋に面白かった。
座席が低いベンチシートで、お尻が痛かったのが一番残念。
満足度★★★
70分。
ネタバレBOX
とある店の中心に置いてあるメチャ重いヤシの木が妖精によってズラされていることに気づいた面々が、妖精の住処に突入して、あーだこーだでオーナーは模様替えしたいだけってことで、みんなでヤシの木をズラしてというような話。
チラシ裏や当日パンフの文章からも伝わってくる、緩めなユーモアで攻めてくる作品。セリフや動きがかわいさとアホさを兼ね備え楽しめる。最期、会場備え付けのシャンデリアに当たらない位置で、ヤシの木を持ち上げるのが、地味にウケた。あと、香西佳那の木をズラす存在のなんかのモノマネ的なか細い声が気に入った。
満足度★★
75分。
ネタバレBOX
原発事故後失語症というかはなすことを拒否するようになった?女(卜部房子)や原子力研究をしてた人の手記や手紙を読み上げるスタイルが、イマイチ馴染めない。面白味が感じられなく正直眠い。
満足度★★★
70分。傘への名前シール貼りサービスとか丁寧だと思った。
ネタバレBOX
小説「春琴抄」の物語と、それを描いた谷崎(藤波瞬平)と妻松子(あきやまかおる)との関係に新聞記者(小山蓮司)が迫るという、二重構造作品。
新聞記者はいろいろ調査し、谷崎死亡後の松子をおもんばかって谷崎が悪魔的イメージを作っていると断じるが谷崎は意に介さない。それは顔に大やけどを負った春琴(あきやまかおる)をおもんばかって自らの両目をつぶした佐助(藤波瞬平)に通じるということか。悪魔的だ耽美だといっても、根底には常人と同等の(等身大の)感覚が横たわっているということか。
短い時間で充実の作品ではあるが、ドロっとした感情めいたものがもうちょいあると好みかな。陰的なものというか。佐助への想いを持つ照女・谷崎の前妻の丁未子(木野コズエ)や春琴への憎しみたぎらす利太郎・谷崎と距離を置く弟精二(田中智土)とかの負のオーラとかね。
満足度★★★★★
90分を
ネタバレBOX
人気子役のアロエ(土井玲奈)が時男(吉田電話)からレイプされ、時男が服役し、時男の長男が自殺してから5年後。時男家では妻の初音(花戸悠介)が次男の竜二(戸村健太郎)を父はすごい人なんだと嘘ついて育てていた。一方被害者宅では、母スミレ(奥田ワレタ)がアネモネ(渡辺とかげ)とともに、アロエを事件は芝居だったんだといって育てていた。時を同じくして小説書けない小説家(森下亮)の元へゴースト(小林義典)が現れ、事件の真相を暴くようけしかけていた。そして、時男が出所して…。
久々のクロムモリブデン。面白かった。
きわどいセリフと独特の演出で、序盤から中盤にかけ、ぐいぐい引き込まれる。終盤で、実際にレイプしたのは時男でなく自殺した長男と匂わせ(その原因はアネモネと思わせ)、BGMとパフォーマンス中心の演出にスライドする。ここでスミレが時男を銃殺し復讐するも初音に打ち殺される→「カット」を2回繰り返し3回目でアネモネが打ち殺され、スミレのカットの声もむなしく終幕となる。
終盤のシーンは見ごたえ十分。パワフルかつカッコイイ。ピザ屋の早瀬(池村匡紀)の表情が何気に好き。
ストーリー的にもうちょい見たい気もするけど、腹八分なトコが逆に良かったかも。結局ゴーストは何者なのとか。小説家はコレを出版したのかしらとか。アロエと竜二の愛情はどーなってしまうのとか。
小説家とその編集の須藤(岡野優介)とのゲスい会話とか、表向き虐待だけど、裏側に愛情のある初音やスミレの教育とか、いい感じに引っかかってくる作品。あと衣装がクロムモリブデンとしては普通だけど、いい感じだった。スミレ家の衣装は普通にかわいい。スミレの仕込み暗殺銃の小道具とか、めちゃかっこいいし、笑ったし。
満足度★★★
90分。
ネタバレBOX
あと五年の命を宣告された栄吉(海老根理)は、冷めきった関係の妻・千早(村井まどか)と葬儀屋の田所(日々野線)らに、葬式の常識をぶち壊した皆が感動する葬式をあげるため、リハーサルをしたいと熱望する。あーだこーだ考えて実際行うも、微妙な感じで終わり、栄吉の弟(尾崎宇内)からは全然楽しくなかったと告げられる。買い出しに出た千早の弟の雄二(小林樹)は事故死し、千早は栄吉の声も届かないくらいのショックの中、茫然自失と葬式をあげる…。
冷めきった関係の夫の死の予行演習では、ちょっとしたハイな状態でワイワイ騒ぐも、そんな浮ついた心は実弟の実際の死で粉々に砕かれる。心が近しいほど、喪失感が大きくなって心が硬直化してしまうのが人間のサガなんだろうけど。実際の死と想定の死じゃ全然違うというか、近しい人間の死を受け止めるには、心はそんなに柔らかくないのかなと。
そんな感じで、近しい人の死ってやっかいなモンだななんて思ったりして、どうもネガティブな考えしかわかないんだよね。興味あるのは、栄吉が実際に死ぬになって、栄吉や千早がどうしたかなってトコ。
話的な面白さはあまりない。ただ、重いトコが少な目だったのがよかったトコかな。
満足度★★★
105分。
ネタバレBOX
マルチ商法で人嫌いになった結城(寺川長)が代行屋のアルバイトを始める。とある女性(オニムラルミ)が疎遠にしてた親族(死んだ兄の嫁)へ話をしにいくとこへついていくことになる…。
ちょこちょこネタ的なトコでウケた。シャンデリアとか風俗とか。話的にはもうちょい結城の苦悩に焦点当ててもいいかな。もっとダークなエナジーがあってもよいかも。
演技は上々。オニムラルミとか高松良成とか、安定しつつ魅力ある演技だった。はまもとゆうかのキテレツ系演技も好き。
満足度★★★★★
95分。
ネタバレBOX
「男達だけで踊ろうぜ」
ヤクザが支配する町に生まれた男たちの宿命と野球部女マネへの敬愛の話…。
女マネをベンチ入りさせるため甲子園出場を(絶対的ヤクザな)先輩方へ話を通した主将(市原文太郎)は、それを黙って決勝のグラウンドへ向かうという、漢っぷりが泣かせる。それを女マネ(村上幸代)へ伝え、必ず勝つと不穏な決意を見せるエース(一楽)。そして試合開始の合図が鳴りだす。なんかドラマ性高くて、それでいて妙なユーモアと温かみが感じられる快作。
「東京へつれてって」
高校卒業後ホームレスになったヤマセ(NPO法人)とヤマセをずっと好きなコザクラ(廣瀬響乃)の話…。
序盤のゴキブリネタを最終版に活かしてくるトコ(二人の門出をゴキブリが拍手で祝う)は流石。
「男達だけで踊ろうぜ2」
バンカラな応援団。団員の一人が女(小日向雪)でその兄(NPO法人)を助けにきたとわかる。兄は神格化された像?(岡野康弘)と融合していたが、兄を愛する女のパワーで兄はもとに戻る…。
女の気持ちに男は振り回され動揺するというコメディ。ナントカという存在の岡野のバンカラ具合が秀逸。今村の演じた昆虫男とかも好きだし、純粋に女慣れしてない男の描写が笑える。モブ含めて。
「上手も下手もないけれど」
人生と舞台をダブらせるようなヒューマンドラマ…。先に舞台の出番がなくなる妻(豊田可奈子)の乾いた唇に水分補給する夫(岡野康弘)のシーンがとても美しい。最期くらいキスしてもいいのにという妻の言葉と、やっちゃったとバツ悪そうにする夫。素直に素敵と思える秀作。
たまたまか、人生のハイライトとかそんな言葉がちょこちょこ出てた作品群。ヤクザに逆らえない虚構学院高校の面々とか、若年ホームレスのヤマセとか、まんま半生を描いた「上手も~」とか、人生を感じさせてくれて、なんか悩ましくなった。人生のハイライトってどんな感じなんだろうかと。そもそもあるのかしら。
満足度★★★
90分。
ネタバレBOX
江戸時代に生まれて明治維新を経て政府側に入るも実業家としての道を歩んだ渋沢栄一の半生を描く。
渋沢が出資設立し相談役として在籍している砂糖の会社?が政治資金などの問題が明るみに出て、にっちもさっちも行かなくなり、渋沢に泣きつく幹部たち。渋沢は金子という、会社が買収したりしてさんざんな目に合わせてきた男しかたちなおさせることはできないと、金子を呼び頭を下げ立て直しを迫るが、金子は未来の日本のためそれを断る…。
前半が退屈。あんまり生きてる感じがしないかな。色々アップテンポに進むせいもあるかもだが、とっかかりがないというか。
物語が大きく動く終盤は見ごたえあった。渋沢を演じた宮原将護も、金子を演じた山田隼平も、いい演技で気持ちがこもって見えた。
日本が一つになる(合本?)という思想と資金を携え、それでいて方々の依頼に悩む渋沢の様子は、激動の時代を生きる「男」そのもの。同時に、日本の未来のため渋沢の願いを断る金子もまた「男」なんだなと。結局目的がかなわなかった渋沢が、飛鳥山を眺めて終幕するのも美しかった。
二人の話の前に、幹部連中が表向き強気で渋沢邸に乗り込み、好き勝手騒いだ揚げ句、誰も責任をとろうとしないシーンが、二人の会話を際立たせてて好き。渋沢や金子みたいな「男」はなかなかいないよねと。
満足度★★★
休憩+2作品で60分。AT50分。
ネタバレBOX
ロボット演劇・アンドロイド演劇は初。けっこうおもしろかった。平田オリザの話も色々興味深く聞けて満足。
「働く私」
働く気がなくなったロボット・タケオとニートな祐治(海津忠)らの話。
働くことへの責任感とか罪悪感とか、ロボットも人間も同じ?そしてそんな人らを気遣う気持ちも人もロボットも同じなの?てかロボットはあくまでプログラムの問題だから気遣いというのは人間らしいものなのか。ロボットは「大丈夫」という言葉を理解していないらしいが、それの温かみがちょこちょこ垣間見える作品だった。
「さようなら」
間もなく死ぬ女性(菊池佳南)へ詩を朗読するアンドロイド。女性が死ぬと業者(伊藤毅)がきて、立ち入り禁止区域になった浜辺で死体に詩を朗読してもらうと連れていく…。
東日本大震災+原発事故を想起させる内容。役に立てればうれしいというアンドロイド、大災害を思わる作品ながらちょい前向きな表情もみせてくれる。