研修科発表会『キル』
文学座附属演劇研究所
文学座アトリエ(東京都)
2016/08/05 (金) ~ 2016/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1900(16-190)
14:00の回(晴)。
受付13:00からですが少し前に着き、椅子で待ちます。時間通りに受付(整理番号あり)、外は相当暑く予定より5分早めて13:25開場。入って左にひな壇席、舞台には(古い)足踏みミシン。
野田さんの作品なので普段なら観ませんが、先日観た「萩家の三姉妹」がよかったのと、多摩美の学内公演「赤鬼」が絶品だったのと、普段は「小劇場」系のものしか観ないのはなぜなのだろうと(自問中)、いろいろ考えることがありしばらく「研修科発表会」を続けてみようということにしました。
今日はスタッフに水野さんがいらしたので少し話ができました。
昔々、野田さんは一度だけ「夢の遊民社」で「走れメルス(1986)」を観ましたが、言葉遊びに共感できず長い間「観たくない!」でした。それが覆ったのが@梅ヶ丘BOX「表に出ろい!(2012/10)」で、そのときの演出が水野玲子さん。その後、他でも「半神」「赤鬼」という作品を観ることができましたが終演後、それらは「言葉遊び」ではない作品だったことに気がつきました。
この会場は3回目で、本作が一番簡素な舞台。ミシンとテント(のようなもの)、椅子。
会場の内外を使った演出では「夜」のほうが視覚的に芝居に深みが加わるので好きなのですが、私が観た昼公演では「お隣さん」的な要素が舞台に入り込んでくるため、少し違和感がありました。
ネットで復習すると、過去に上演されたものの劇評がいくつか。そのどれにも「ことば」の重ね方の巧さについてコメントされていますが、私は個人的にこういった言葉の使い方が「ダメ」なのでした。繰り返す世代の描写も苦手。
たくさんの役者さんが出ているのでとてもどなたが、と覚えられませんが、またどこかの舞台で観ることになるだろう、と思いながら駅へ。
夢叶えるとか恥ずかし過ぎる
歪[ibitsu]
梅ヶ丘BOX(東京都)
2016/08/05 (金) ~ 2016/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1899(16-189)
19:00の回(晴)。
18:30受付。本来、開場は18:40なのですが、暑いのでそのまま会場内へ。桟敷+ベンチ+椅子、満席、遠くに歌声が聴こえる。
会議テーブル、パイプ椅子、ダンボール、バケツ...。
18:59前説、開演~20:07終演。
「ソラミミホンネレソラシド(2015/10@下北沢亭)」に続いて2公演目。
学生演劇とどちらにしようか迷って、こりっちの予約締切ぎりぎりのタイミングだったからでしょうか、受付に名前がなかったようです(返信メールはちゃんと届いていました)。
「下北沢亭」は会場の見た目が「らしく」ないので、もうひとつノリ切れませんでしたが、今回は閑散とした、うらぶれた、閉塞感が漂う一室という雰囲気が出ていてずっと飲み込んでいたものが、セリフとともに、気化したかのように漂ってくるのでした。
摩擦ゼロの世界なのか、空気が揺らいだだけでそれはずっと流れ落ち続け、天使組の三人、一癖あったマネージャー、三癖くらいあった役所職員は翻弄され続ける。
真夏日の暑苦しいお話ですが、終わってみればさっぱりした感じでした。
白昼夢 盆外公演
白昼夢
南千住gekidanU野外劇場(東京都)
2016/08/04 (木) ~ 2016/08/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1898(16-188)
19:00の回(晴)。
18:30受付、(青空駐車場だけど)開場。
昨年8月「'15」に続いて2年目、その間、2公演あり。客席が90度時計回りに移動、家を正面にみる位置、劇中の仕掛けが効いている。
舞台には大きな水を張ったタライ、自転車、バランスボール、タイヤ、蚊取り線香。事前に最前列は水攻めということでビニールシートが渡される。
18:57前説(30分+5分+40分」、19:00開演~20:21終演。
「棒になった男」...安部公房の本は読まなきゃ、と思って1冊買ってみた、が気がつけば読まないまま数十年経った...、もちろん初めてのお話。始まりから棒が何本も飛び交う(唸りをあげる空中戦)、その間、攻守(キャラクター)交代が繰り返され、ざらつき煤けた幻想感は深まるばかり。帰宅後、ネットで復習する。
「こぶとりじいさん」...もちろん演じるのは本物の爺さんではないのでカラダがやけによく動く。
夏の暑い夜、通る人が何事かと立ちどまる、隣接するマンションの住民が帰ってくる、とつぜん「雨」が降る(!!!)。
コウダさん、鶴田さんの口上が夜空にのぼってゆく。
鶴田さんは先月「不眠普及(@春風舎)」を観ました。
「ある盗聴」 /「復讐と美味しい料理は後を引く」
劇団競泳水着
スタジオ空洞(東京都)
2016/07/28 (木) ~ 2016/08/09 (火)公演終了
満足度★★★★★
無題1897(16-187) 「復讐と美味しい料理は後を引く」
20:00の回(晴)。
19:30受付、開場、今夜の舞台、椅子が3つ。
下手から、かおる(服部さん)、桜子(舟橋さん)、友梨佳(岩井さん)の順。「後を引く」とは納豆のような粘りか、餃子のような残り香なのか..予定してはいなかったのですが、深夜0時に予約してしまいました。
20:00前説、開演~21:00終演。
三人とも全部違う。服(デザイン)、靴、ヘアスタイル、アクセサリー、マニュキア。ペットボトルのみ同じ。
「過去」のどこかでつながっていた三人...復讐が始まる。「説明」の通り。
表情、キラッと光る秘密めいた眼差し、ちょっとしたしぐさも見逃せないポイント。
服部さん「爆弾魔メグる(2014/11@王子)」。舟橋さん「月ノ原中学校音楽準備室(2016/4@ミラクル)」、COoMOoNOの「腑の住処(2016/2)」「マーシー、朝の憂鬱,昼の倦怠,夜にトけて水飴(2015/6)」他3作品。岩井さんは初めて。
ダンスがみたい!18
「ダンスがみたい!」実行委員会
d-倉庫(東京都)
2016/08/02 (火) ~ 2016/08/16 (火)公演終了
満足度★★★★
無題1896(16-186) 白井愛咲、tantan
19:30の回(曇)。
18:35会場着、受付、18:58開場。19:30前説(50分)、19:34開演~20:23終演。満席、開演前、最前列の前にミニ椅子1列増席。
今夜は、白井愛咲さん「コンテナ」、tantan「傷としお」、「新人シリーズ14(2016/1)受賞公演」ということでした(その公演は観ています)。
白井さんは(ttuを含め)9公演目くらい、tantanはセッションハウスや「DANCE×Scrum!!!(2016/3@あうるすぽっと)」で...次回は「ダンス花 アドバンス(2016/9@セッションハウス)」。
ゆっくりと自身の「身体」を確認しているようなシーン、さまざまなリズムを刻む「身体」。もうひとつは「身体言語」と消えかかった魔法。
厚い雲に覆われた光
演劇企画集団Jr.5(ジュニアファイブ)
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2016/08/02 (火) ~ 2016/08/08 (月)公演終了
満足度★★★★
無題1895(16-185)
20:00の回(曇)。
19:15受付(整理番号付)、19:30開場。
舞台は瓦礫の山。一番高いところでセーラー服の少女が何かを描いている。
座席はパイプ椅子にクッション、満席らしい。
網、浮球、机、椅子、自転車、キューピー、ソファ、姿見、ちゃぶ台、ザブトン、キーボード、切り株、仏壇(?)、ビールケース...どれも汚れ、壊れて。
20:00サイレンが鳴り響き、開演(前説なし)~21:50終演。
こちらは(スタジオライフも)初めてですが、浅賀友希さんは劇団ピアチェーレ時代からずっと観ています。初日には元メンバーも客席に。
全体に「熱」が入った演出で、ときどき過剰かな(ここのボケは?かな..とか)と感じるところがありましたが、なかなかの力作だと思いました。また、闇に浮かぶ仁王立ちの姿は絵になっていましたし、最後の出てゆくシーンも印象的。
ただ...ですね、チラシのイメージとは違うなぁ、と。
余談ですが サポートスタッフにお名前がある和田真希乃さんは「青のはて(2011/12@吉祥寺)」に出ていらした方?
ゾーヤ・ペーリツのアパート
時間堂
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2016/07/29 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
無題1894(16-184)
17:00の回(晴)。
16:15会場着、受付、ロビー開場、16:30開場、コの字の客席。
チケット記載の「LA」側に座っていると、暫くして同じ座席番号の方が...。受付に申し出ると私のチケットが間違っていたようで変更となりました。安いチケットだったのでしかたがありません、でも、変更後のほうが観やすい位置でした。
広い舞台下手に(後ろしか見えませんが)ピアノ、アコギ。
16:55前説(黒澤さん)、17:01開演~18:30、18:42~19:50終演。
ちょっと苦手な海外モノ。振付に小林さんのお名前。
苦手なのに時間が気にならなかったのは、役者さんたちの魅力によるところが大きいのだろうと思います。
Wikiってみると「彼の作品はソビエト社会に対する体制批判とみなされ、長いあいだ当局から弾圧されて」とあるのですが本作は肩の力を抜いて観ることができました。衣装の華やかさ、舞台の広さを感じさせない動きも。
松井さん「わたしのゆめ(2015/12@楽園)」。尾崎さんは「waqu:iraz」の作品で。白石さんは「オレの劇団」の「楽屋(2015/3@眼科画廊)」「劇王 天下統一大会(2015/1@ミラクル)」。大川さんはとても久しぶり。
「ある盗聴」 /「復讐と美味しい料理は後を引く」
劇団競泳水着
スタジオ空洞(東京都)
2016/07/28 (木) ~ 2016/08/09 (火)公演終了
無題1893(16-183) 「ある盗聴」
13:00の回(小雨~晴)
12:30受付、開場。入って奥に4つの椅子、
小角さん、毛利さん。武子さん、加藤さん。
なぜか男性お二人は足を組んで、女性は揃えて。
競泳水着は2014/2以来。
13:03前説(65分)、13:04開演~14:11終演。
作品紹介を読んでミステリータッチの倒錯作品かと思いましたが、とても普通のお話でした。メインは小角さん、毛利さんは徐々に寒気を感じる役柄。比べて男性陣は受け身的。
Dance Performance -モダンによる創作-
日本大学藝術学部演劇学科
日本大学藝術学部 江古田キャンパス(東京都)
2016/07/29 (金) ~ 2016/07/30 (土)公演終了
満足度★★★★
無題1892(16-182)
17:30の回(晴)。
会場は北棟の小ホール。中ホールしか来たことがないので警備の方にお訊きするとたいへん丁寧に教えてくださいました。北棟の裏側でした。
17:00受付、開場。高い天井、桟敷+椅子席。月初のDance PerformanceⅡBに続いて、7月、2回目です。
「踊る酸素」は「~GODIVAより、あたしたち。~(2016/2@戸塚)」を観に行きました。もともと「イッポンのマイク(2016/1)」で宮本さんが振付をしていらしたのが始まり。よく調べてみると「ダンス専科2015(2015/4@セッションハウス)」...「Broken Block」で大西さん、宮本さんを観ていました。
17:30前説(アナウンス)、7演目、17:36開演~18:54終演、7演目。
ここ(小ホール)は初めて、高い天井。
今回の発表が12月の公演につながってゆくそうです。
POPなもの、オーソドックスなもの、新規性を持ったもの、といろいろ。短い時間の中での表現なので少し粗さも感じました。
衣装や音楽、小道具に面白さがありました。
2週続けて桜美林の卒業研究公演を観ましたが、本作同様「台詞」がありました。無言のダンス枠にとらわれない、ということなのでしょうか、苦手意識からかもしれませんかどうも「?」が離れませんでした。
次回に期待して今回は☆4で。
√
TonTo
PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)
2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
無題1891(16-181)
13:00の回(晴)
12:15受付、12:30開場。
1週間前の「自分のものでもないくせに(@徳望館)」に続く卒業研究公演です。
最前列と2列目とではかなりの高低差があり、舞台両側、天井付近に布が巻いた状態で張ってあります。
12:59前説(スモークあり)、13:00長机を運び込む、13:09前説2、13:10開演~13:52終演。
いくつかのシーンに区切られているのですが、全体的なまとまりを感じませんでした。(例)4コマ漫画でたしかに4つの絵があるのに、つながったお話がないような。
こちらも、ダンスだけではなくパフォーマンスもあるので、そこの部分をどう感じるかだったのかなと思いました。ダンサーに近い観客とそうでない観客とで差がありそうな気がします。
DANCE NEST more vol.4
NPO法人らふと
RAFT(東京都)
2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1890(16-180)
19:30の回(曇)。
19:00受付、開場、ベンチシート&椅子。
奥が舞台、床面にトランプのような真っ黒の紙片が散らばっています。これが不思議で視線を動かすと(見えないはずの)白っぽいカードが残像のように浮かんで見えます。
正面に暗幕、プロジェクターから濃い青。
19:28前説(5分休憩あり、90分)、19:33開演~20:48終演。
尾花藍子「波打つ鋭角へ」
水越朋「U/M」
小野彩加「彩られた生命体|Chromosome Organusm」
尾花さん、水越さん、小野さんの順。それぞれ個性的/独創的な振付で思わず見入ってしまいます。強い意志、開放した心、委ねる身体。
尾花さんは、(振付)「フレームの日々が過ぎるまで(2015/6@セッションハウス)」「ダンスがみたい!新人シリーズ13(2015/1@d-倉庫)」。
水越さんは「KisamaAlternative × 水越朋(2016/1@神保町試聴室)」
「隣の部屋の窓を開ける。(2015/11@セッションハウス)」「あいまいな沈黙(ダンコレ2014/2@赤レンガ)」「-W-(2013/3@ST)」。
小野さんは「はてしない物語(2016/4@六行会)」「ΑΩ(2015/12@空洞)」「私たちはまだ(2015/11@キッド・アイラック)」「非劇 Higeki(2015/11@吉祥寺)」「One Wonderland(2015/10@ST)」「RAFT BALL(2015/9@RAFT)」。
落ちこぼれアイドルだった私が社長になって1年で会社を立て直した10の方法
ガラス玉遊戯
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/07/27 (水) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1889(16-179)
19:30の回(晴)
18:45受付(整理番号あり)、19:00開場。
L字の客席、長テーブルとパイプ椅子、ホワイトボード、ファイルの棚、脚立、古いガステーブル。
19:27前説(100分)、19:31開演~21:11終演。
ガラ玉は「わたしのゆめ(2011/5@「劇)」からで6公演目。「説明」にある通りの筋。
本作では(THE TRICKTOPSの)國枝さん客演。
息継ぎが必要なほど長いタイトルは今風で苦手ですが、お話は、なかなか骨太でした。
こういった筋立てですと、どのくらい憎たらしく、日和るキャラクターが生き生きしているかが関心のひとつですが、瀧下さん、本東地さんが巧い。
飲み込まれそうになる中小企業の悲哀、年を重ねることによる気持ちの問題は他人ごとではないのでした。
ペッピライカの雪がすみ
lal banshees
こまばアゴラ劇場(東京都)
2016/07/21 (木) ~ 2016/07/25 (月)公演終了
無題1888(16-178)
20:00の回(雨)。
19:30受付(整理券がありますが会員優先のようでした)、19:40開場、桟敷+椅子。
19:55前説(アナウンス、60分)、20:02開演~21:07終演。ほぼ同じ色と素材でデザイン違いの衣装。
んー、東京ELECTROCKSTAIRSは一度だけ観たことがあります(2013/3@森下スタジオ)が、このときもどうもあいませんでした。
北川さんを「斑(ふ)」を2回(アートスクエア、野毛)観ていて、菅さん「ファンタジー(2013/7@」トラム)」、後藤さん「ぴちぴち~(2011/5@アートスクエア)」、加えて、横山さんは「泣いてた、春スキャット(2014/3@幡ヶ谷)」。
なんと表現したらよいのか「このタイプ」の振付がダメなのですが、それがなぜなのかうまく説明できません。
枯山水
味わい堂々
スタジオ空洞(東京都)
2016/07/21 (木) ~ 2016/07/26 (火)公演終了
満足度★★★★★
無題1887(16-177)
19:30の回(曇)。
18:45受付(整理券あり)、19:00開場。
どーんと横長の舞台、右と奥のL字に客席。床面に緑の円と周囲に渦巻き、前方には横いっぱいの廊下、中央から下手側に(開かないけど)襖...紅葉...、上手のほうに枯山水の解説文?
19:27前説(事前に当パンを、90分)、19:33開演、石庭、朝8時~21:08終演。
自分がなぜここにいるのか、どこか哲学的な問い、実に禅問答のような、瞑想こそ相応しい問いを発する女の物語。
奇怪なキャラクターたちがとても軽いタッチで絡むコメディー、京の狂乱。
常識、良識は少しの間道端に置き、とにかく笑ってしまうしかありませんでした
渇いた胸の音
TOKYOハンバーグ
小劇場 楽園(東京都)
2016/07/22 (金) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
無題1886(16-176)
15:00の回(曇)。
14:20受付(整理券あり)、14:40開場(いつもの右へ)。先月、B.LET'Sの「エピローグに栞を」で初めて観た永田さんが客席誘導。
光藤さんは舞台上、いすに座って雑誌を読んでいる、白い衣装、雑誌は「ウエディング」。
パーカッションが鳴る会場、15:00大西さんの前説(70分)、15:03開演~16:11終演。
TOKYOハンバーグは「髪結う時(2011/5@千本桜)」から。その前、大西さんが「役者」でもある(あったこと)ことは知っていましたが(劇団のプロフィールにもありますね)もちろん観るのは初めてです。
ちなみに「Ito・M・Studio」は日本女子大の劇団をよく観に行った会場でもあり、最近では「あの娘のランジェリー(6月)」を観に行きました。
ミステリー仕立てのお話し。何が起こっているのか、ひとつの事実以外はどのようにも考えられるように構成されていて、じっと聞き耳をたてながら観劇。SFで行くのかミステリーに行くのか...どの道を辿っても行き着く先は地獄らしい。
一切の救済を削ぎ落とした内容で、楽園の閉塞感がよい効果を出していたように感じました。
次は高円寺で。
赤鬼
genten
多摩美術大学 上野毛キャンパス 鏡の間(東京都)
2016/07/02 (土) ~ 2016/07/23 (土)公演終了
満足度★★★★★
無題1885(16-175)
11:30の回(少し曇)。
昨年来たときはかなり暑かったのですが今日はそうでもありません。2度目の多摩美です。どうしようか迷ったのですが、野田さんでは「表に出ろい!」(学生の公演で2回観ました)がよかったのと、結局、迷ったらだいたい観に行ってるのでやってきました上野毛。
11:08受付、開場(靴を脱ぎます)、4面囲いの座席、奥の桟敷に座ります。
SEに波の音や海鳥の鳴き声、上演時間100分、床と天井に網、花が刺さったビン、倒れた椅子。
11:31前説、11:38開演~13:16終演、次の予定があったのでアフタートークは未聴。
冒頭のシーンの意味が最後にわかる。底なしの深い絶望。
4名の役者さんが、いくつか役をもちながら体当たりの演技。周囲はどこまでも続く海。
きびきびしたセリフと動きは最後まで緩むことがなく、(久しぶりに)構内の学生演劇でここまで出来るものかと思いました。とてもよかったです。
落日は朝になく ありがとうございました!
matsucarpone
ARGUMENT GALLERY(東京都)
2016/07/28 (木) ~ 2016/08/02 (火)公演終了
満足度★★★★★
無題1884(16-174)
19:00の回(曇)。
北口を出て(気持ち的には)だいぶ歩きますが目印のお店のすぐ先の道ならぬ道のような極狭路地の奥に入口がみえました。少し待って定刻18:30に受付開場。ここはレンタルアートスペースで「アート・写真・絵画の展示など」とありました。
縦長のフロア、真ん中より少し入口よりから天井が低くなっていて頭がついてしまいます。図面をみると「高さ1685mm」。
正面の壁に数本の黒い横線、他にもラインが引いてあり、白い椅子がひとつ。
19:04開演~19:47終演。
松岡さんは3公演目。20歳のときの「鈍色の、ブルウ。(2014/7@風みどり)」、21歳のときの「晴れるまで蒼でいて(2015/8@GALLERY LIPP)」。そして今年は22歳の22公演。
1年経つと、芝居の内容や衣装にもよりますがご本人の印象も変わります。
本作はピンクの(ご自身で作ったそうです)ブタとの会話(でありモノローグのようでもあり)を通じて葛藤、迷い、不安...でも希望、揺れる、突然のこと、など行く先が定まらない様子がみえてきます。
初めて観たとき、20歳で、独りでここまで...と感心させられましたが、そのときの私的ながらも伝わってくる暖かさは本作でも変わらないところでした。
(一般的な)演劇というのではなく、お茶会での一人語りのような、(天井が低いので)絵本の中のような雰囲気。
2017年夏、また会えると嬉しい。
紙ひこうき(kamihikouki)
NPO法人バレエノア
あうるすぽっと(東京都)
2016/07/26 (火) ~ 2016/07/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1883(16-173)
19:00の回(雨)
18:15会場着、すでに列ができています。18:30開場。
特に何が、というのはなく、ダンス公演なので来てみました。
ロビーには若い方(小学生、中学生のような方も)も多く、普段観るコンテンポラリーとは雰囲気が違いました。
開場して席についても暗幕でステージはみえず。
19:00ブザーがなり、前説(アナウンス)、19:06開演、岩の塊のようなもの、~20:01何度も拍手に応えて終演。
実に見事な振り付け、スピード感に満ちたものが客席に迫ってきます。
ラフな(でもカラフルな)衣裳や、ブラウスにスカート&ネクタイ。
整然とした中でも荒々しい感性がほとばしるように感じました。いつもなら苦手な繰り返しにも惹かれる。
たった2回の公演とはもったいない。
ただ、セリフが入るシーンがあり、やはり(共感できず、個人的には)ダメでした。
夜 la nuit
KARAS
KARAS APPARATUS(東京都)
2016/07/20 (水) ~ 2016/07/28 (木)公演終了
満足度★★★★★
無題1882(16-172)
20:00の回(曇)。
19:45会場着、受付、そのまま暫く待ってからB1へ。
20:14開演~21:18終演、21:29トーク終了。
初日は佐東さんのソロでした。
当パンには「UpdateDance」(2013/8~2016/7)No.1~No.37(本作)のタイトル一覧と各公演のチラシ図(カラー)。
No.6「パフューム°R」(2014/4)から観ているので32公演。これ以外にもシアターX、KAAT、シアターイースト、BOUNEN、花シリーズがありました。
ぼんやりと中空に漂うもの(闇に埋め込まれた眼球)、白い存在と取り巻く黒とが反発するのではなく、溶け合うことでもなく、一体(ブラックホール)化の少し手前で激しく揺れているように見えます。
黒い光とでも言いましょうか。照明によってはシルエットが闇を纏い、一筋の光が冷たい剣のように現れます。
その時だけのものが常にupdateしてゆく、ここApparatusでしか体験できないもの、これからもそうあり続けることだけは確信できるのでした。
家族計略
劇団 背傳館
RAFT(東京都)
2016/07/19 (火) ~ 2016/07/20 (水)公演終了
満足度★★★★★
無題1881(16-171)
19:00の回(強い雨~晴)
中野坂上に着くと強い雨、少し待って弱くなったところで移動、会場に着く前に上がる。
18:30受付、開場。入ってみると奥が客席、カーペットが敷いてありそこを通って席に着く(みていると初めはカーペットの上を歩くもすぐに逸れるお客さんが圧倒的に多い。雨に濡れていることを意識しないのでしょうかね?)
散らかったダンボール、ダンボール製のちゃぶ台、古そうな扇風機、行灯、天井には動物の切り抜き)あらためてみると普通のマンションに見える。
こちら初めてですが「シェアハウスへようこそ(2016/4@ひつじ)」「ひたすら一本の恋(2016/5@梟門)」で観た関原吏紗さんが出ているので観に来ました。
珍しく当パンに目を通すと「事前情報」が載っていました。これは読んでおいてよかったと思います。また、終演後に「手記」をいただきました。
19:00前説(80分)、19:05開演~20:30終演。
ある「事件」と同じ5名が集まった理由...そこに起こることがかなり強い刺激を伴って表現されていました。異常な状況と5人の心理、ラストに向かって二転三転。客席はただ静まり返っていました。
痕跡、ありそうなマンションの一室、自由なはずの空間は閉じられ、表はすぐに裏返り、不気味な様相を現す。
何か所か強引な部分があるように感じましたが役者さんの不気味さが十二分にカバーしていたようです。