てなもんやの観てきた!クチコミ一覧

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初雪の味

初雪の味

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/12/28 (金) ~ 2013/01/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

てがみ座長田さんと小夏さんトークセッションもたのしい♪鎌倉編、超混雑ヒット中!!
正面の廊下ので入りが演出のポイントになっています。演出小夏さんが心を出し入れしてみせたところなのかもしれない。夢や人間のたましい、過去と現実が去来。家族の歴史と痛みの歴史。かわらないのはいつも「いま」の泣き笑いが絶好調なことお。そしてことしも暮れてゆく。

ネタバレBOX

笑いのポイント満載ですよ!!
ルルドの奇跡

ルルドの奇跡

ミュージカル座

THEATRE1010(東京都)

2012/12/20 (木) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

海外でも通用する高品質、和製ミュージカル
二度のカーテンコールでわかるように、レベルの高い公演でした。とくにベルナデット・知念里奈、ベラマール神父・今井清隆、ドズー医師・阿部裕などは世界にも通じる俳優だった。全員の歌唱力、声量抜群。知念里奈の歌唱に、オープニングから涙ぐむ観客たち。惜しいのはトップシーン、前半と後半葛藤シーンの対比が足りない。きっかけの前半の4人姉妹の日常生活がフラットすぎる。洞窟・森美術、楽曲も完璧な出来。できれば小動物を出してほしかった。地球の森羅万象を現すべきだ。

すべての夜は朝へと向かう

すべての夜は朝へと向かう

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

切り口の角度がもうひと工夫
夜が明けて泣く者がいたほうがけてが深くなりますよ。近景はよく描いてますが遠景で考えると、まだ軽量級ですね。ひいてみればどこかで誰かが笑って、どこかで泣いてるのが日常なんですよ。良い若手で★4つ。初見でした。

イヨネスコ「授業」

イヨネスコ「授業」

長堀博物館◎プロデュース

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2012/05/11 (金) ~ 2012/05/13 (日)公演終了

やばいブーム不条理劇高レベルで感激。聖地神楽坂デイプラッツ7月涙の閉館みおさめ。
さよならデイプラッツ。(T_T)もう神楽坂の老舗劇場が牙をむくこともないか。坂道をくだりながら思った。とんがった公演が多かったデイプラツ。日本でもこれくらいの聖地はあるのだ。長堀、授業はさすがでした。効果音、音楽のつかいかたは秀意がうtおころは逸。最後の演出に関してわたしの考えとちがうところは、役者同士の演技の呼応があまりなくて、演劇が不成立ぎみだ。悲劇は最大の喜劇という法則ならなおのこと劇でなくてはならない。劇のエッセンスをばらまけば、それは劇だろうか。ちがいますそれは前衛です。演劇のアンチにあるわけで前衛は劇を必要としていない。不条理劇の定義は劇をねらってするものだ。悲劇はおもしろいという結論なら演技的に成立して不条理な形になってるが劇でしょう。キャストは感情の交換をすべきだろう。

煙が目にしみる

煙が目にしみる

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/04/27 (金) ~ 2012/05/02 (水)公演終了

満足度★★★★★

孤独の先はどんちゃんさわぎ、人生の見せ場をとらえた快作
シチュエーションコメディでした。私たちは身過ぎ、世過ぎで頑張ってもあと数十年のいのちです。永遠には生きられない。熱力学第二の法則では形あるものは必ず滅びにむかってるそうです。自分が消えてなくなるその先を考えるドラマでした。孤独のさらに上位にある賑やかし。孤独の先を考えるこの人間たち。ああニンゲン、たかかがニンゲン、されどニンゲンといえるでしょう。人間の行いとして、堕落から聖人まで幅がありますが、どう生きてもたいしたことない数十年プラスアルファのさりげないものです。そのなかで、父親が娘にのこしてあげる父の印象は強烈でした。高校野球部の監督さんはもう少し悪事が足らない。亡き父親の不倫の子でお前は実は私の子ではない、などのひとひねりが必要ともいえる。深く考えるジンとくるポイントがたくさんあった秀作で火葬場ドラマ。

セチュアンの善人

セチュアンの善人

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2012/03/27 (火) ~ 2012/03/31 (土)公演終了

満足度★★★★

ブレヒト演出の肝は!どこにあるか。
四川の善人。神様のハミ出し3人組白人は秀逸です。現代人がこの劇を観るさいのポイントはなにかを私なら考えます。説得力とはすなわちキャラクター
造形にあるとおもいます。このブレヒトの戯曲の構造は固定されてますので、
いまの時代の人間に差し込んで魅せるためには、ああこんなヤツよくいるよね、というキャラクターの登場がひつようです。いくら人間の中身は100年前
もかわらない。といわれても、詐欺や個人主義、軽薄、ミーハー、ナルシズムなど、もっと狡猾で高度に複雑な背景をもったアイドル人生観の人間も、出世も、刹那的快楽主義者もいます。真実は常に1つという世界観の人間は生きにくい時代になってきたというのがブレヒトが創作した時代の感覚です。ここからはみ出すあたらしい感覚をすでにもっているのが現代人だということをこの演出家は知って、あたらしい価値観、あたらしいキーコンセプトを足せたか!というところがブレヒト演出の勝負です!

盗聴少年

盗聴少年

山田ジャパン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/03/26 (月) ~ 2012/04/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

心底笑い、こみあげる感動。キャラクターの幅・深さともA級のおどろき☆彡
もうすこしサスペンスアップ、デッドヒートがあったほうがいい。管理人と愛人たちのことをもっと描いてほしい。全体にアッサリ感がして、アレ?と思うことがありました。それぞれの住人の人生が表面的にながれて群像劇だろう、しかたないといえばそれまで。しかし、少年のカリスマ性、神秘がほしかった。ネタばらしが早すぎる。山田ジャパンのお客さんは演劇なれしていない観客が50%です。という意味では映画、ドラマ的な結着も必要です。群像劇だけでは感動できない、というだろう。劇伴奏は秀逸で、一人さんの腕はいい。特筆はキャラクターの造形。17人の個性がすばらしい。妻から逃げて男3人で暮らすリーダーなどの善人の明るさも明るいだけで終わってるのは実にもったいない。この演出家のキャラクター造形力・センスは若手ナンバーワンだろう。いとうあさこすこし太めだ、どうした?いとうの芝居は良い、内面の表現が感じられる。

メモランダム~思い出あります。

メモランダム~思い出あります。

現代能シアタープロジェクト

遊空間がざびぃ(東京都)

2012/03/08 (木) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

あたらしい発見がみられないが、意欲作
能楽モチーフでなかったが、期待した三島由紀夫近代能楽堂ふうではなかった。シナリオを展開させること。話を発展させること。登場人物の相関関係を変化させる。等、後半うごかしてみませんか?設定したままで育っていかないとなるとお客さんは飽きてしまうし、次のシーンを見る気がなくなります。演出もなにかあたらしい発見したときにまた公演してください。

君には頭がさがる

君には頭がさがる

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/02/28 (火)公演終了

満足度★★★

もっとスーパー演劇的に
数年前の映画・ヒトリマケ などに似てる。投票をくりかえして、離合集散の紆余曲折を経ていけにえが決まる。ときどきみるパターンです。竹田さんの工夫かもしれないが、最後は因習を利用した出来レースでした、となるところはほどほどにしたほうがおどろおどろしくて良くなる。二段三段に構えればホンがふかくなると思わないほうがいい。今回は醒めた。良くしたければ、もっとデッドヒートしなくちゃね。デッドエンドの結核でゆらしながらあたらしい不安でおわるのは戯曲の教科書どおりで良い。二段三段構えず二次テーマ、あたらしいキーコンセプトをラストに次々みせるのが作家の力量。恐怖サイコにひっぱっても観客は得るものがすくなかった。とするとサイコスリラー作品。演劇的インパクトはない。劇場、作品を媒介にしてアイデンティティを確認する場所が演劇表現でもある。役者は堤、よし成らが熱演。

慣れの果て

慣れの果て

演劇チーム 渋谷ハチ公前

赤坂RED/THEATER(東京都)

2012/02/22 (水) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

イケメン演劇
優れた役者、スタッフでした。ただし、前半冗漫にながれ、群像劇で感情移入しずらい。ラストはあと20分ほしい。感動のミッドポイントの場所がズレてます。戯曲完成時点で他の作家に有料でよんでもらうようにして、てなおしする習慣をつければ、今回のようなことはさけられる。

仮名手本吉原恋心中

仮名手本吉原恋心中

東方守護-EAST GUARDIAN-

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2012/02/03 (金) ~ 2012/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

三鷹に宝塚出現!エンターティンメントの中心になる攻めの公演☆彡扇組と椿組がうつくしすぎる全員女子の劇団
たしかに封建時代の恋!元禄の、みちゆきうつくしくかなしいロミオとジュリエットでした。脚本は良く、ていねいに書かれてます。設定を歌舞伎の「助六」して、ロミジュリ、曽根崎のながれでたのしかったです。封建制度の世のなかでも恋の芯は折れずにかならず花を咲かそうとするものだ、どいうことがつたわりました。この初恋至上主義に衣装が生えてました。振付も良い。すこし足りないのは演出のめりはり、平板な台詞まわし、演技テンポが未熟。場と場のあいだが間延びしてます。オープニングで説明シーンはやめて、前半もたつかないように、イキナリ本題にいきましょう。必要なら、その後手短に説明をいれる。最後に理解されたらそれでいいわけです。説明いらない。音響、演技は学習必要。制作スタッフも女性でとてもよい。良いところをのばしてください。

オオカミトラム ●望という名の電車

オオカミトラム ●望という名の電車

UDATSU

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/01/20 (金) ~ 2012/01/24 (火)公演終了

満足度★★★

ゆるい、たのしい動きとはなにか?を研究して笑わせろ!
台詞語り過ぎで笑うタイミングがとれない。筋追いで台詞がサスペンス過ぎ。面白いキャラ、面白い行動などがない。ナンセンスで語らず、台詞なく、ゆったりした動きで笑わせたいところだが、観客に笑ってもらうツボを決めて、さあここ笑うところですよーって役者全員の協調性が必要。発想、アイデア、企画は一流、構成は2流。笑えないハードボイルドだった。台詞無しでドカンドカンと笑わさないと未来は暗い。着想は良く、いいものもってる安見さん。構成力つけてほしい。笑いを武器にするならもっと徹底して、馬鹿になってしつこくチャレンジ。前説はかなり笑えた。前説楽しいのに本編たのしくない、なぜ?役者は西村蛍、伊藤優希が目立つ。成川、えこも合格点。全員主役扱いはやめよう。一体どのキャラが主演、準主演かしぼられてない、感情移入できない。一体誰のはなし?                                                                        

討ち上げベイベー

討ち上げベイベー

イッパイアンテナ

王子小劇場(東京都)

2012/01/13 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

京都の爆笑王が東京初上陸!天才作家大崎と美女イケメンがドカンドカンと笑わせてくれる!
良いところ悪いところがありますが、将来日本一の爆笑劇団になれます。それは作演出の大崎けんじにかかってる。◎良いところ・日常表現力において非凡なセンスがひかってます。会話力も作家が訓練できない生まれつきの才能です。アイデアセンス、発想、モチーフ選びセンス高い。東京は演劇人口が世界トップクラスで、関西近畿の20倍です。それでも大崎けんじはトップクラス。京都でドカンと笑ってくれても東京で笑わない場合もあります。東京はリアリティ設定の演劇ファンが主流です。妥協なしの首都圏ファン。★ただし残念な点もある。忠臣蔵のあたらしい発見を提示していないので作家の個性が弱い。抵抗勢力のよしもとなどの主張が見えない。主人公たちのアイドル人生を破壊する妨害が弱いからアイドルチームとしてのまとまりが不足。江戸時代2012年のリアリティ設定がなく、ナレーション台詞でつじつまあわせはいかにもつけたし。時代劇ちょんまげアイドルを追及して、切腹の所作、封建社会の所作、日本舞踊全員踊りなどもラストにみせてイメージをつくるなど、やることは山ほどあります。初見参なので大崎けんじは舞台挨拶したほうがいい。お客さんはそれをまっている。

吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

ホームドラマでした、家庭劇でタイトルやリードとはだいぶズレたか
説明、宣伝リードコピーなど、タイトルは良い。でも公演上演内容はそうなっていない。どれほど女のサガや苦悩があるか、女の闇の部位秘所をさしていく作風、モチーフをさがしなさい!そうしないといまの方向性で館が作家として喰っていくのは無理。ああいう宣伝パンフのリードを書くんだから、今回のようなホームドラマをやめて、おんなとおとこの性差、精神差を題材にしぼりこんだほうがいい。作家は師事する師匠をみつけて、とことん勉強すれば、いま若手女子作家は売り手市場だから、プロ作家になりやすい。女子は自分の体験談や実際に体験した聞いたはなしからドラマを考えるクセがあります。男性作家は実際事実日常にはあまりとらわれず、妄想、連想を飛躍させます。女流作家が男性漫画の原作は無理なばあいが多い。飛躍、スケール、時間軸、宇宙の規模がちがうのです。ホームドラマ、日常ドラマをやめて、男女の闇のちがいをドロドロみせられれば、館さんはプロ作家になれます。手とり足とりきびしく指導してくれるプロ作家に弟子入りしないと、いまの程度では百点満点の45点くらいです。まず構成をとことん叩く。カタルシス無く無駄なハコが多い。幕感覚無く、展開感がとぼしい。場も5場か7場か、場の感覚も無い。幕をうまく利用して場を緻密に構成すること。構成力は脚本の8割5分を決定します。絶体絶命の場も無いし、深まって盛り上がる場もない。

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

東京演劇アンサンブル

ブレヒトの芝居小屋(東京都)

2011/12/21 (水) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

なんどみてもいいタマシイの賛歌・銀河鉄道の夜200人席超満員
2011年版とも云える銀河鉄道の夜、巨大な空間美術とともに、東京のクリスマスの夜を焦がしています。格調高く、小劇場の二倍三倍の天井の高さでさらに魅了します。日本が誇る東京演劇アンサンブルの演劇手法の深さに感激しました。人間はどこからきて、歴史や愛を積み重ねてきたのか、軽便鉄道の旅は続きます。人は意志によって時間を積み重ねてきたが、人の意思によらないものに包まれて生きている。プラネタリウムのような銀河を描く東京演劇アンサンブルの公演には地球、宇宙というスケールの愛で育む演出意図がはっきり伝わってきました。俳優、スタッフのレベルはプロの中でも頭ひとつ抜けています。すばらしい舞台でした。専用劇場ブレヒトの芝居小屋のたたずまいをジッとみると東京アンサンブルの歴史がにじみでる貫禄でおまえも幸せになれよ。と声がきこえてきた。

お目出たい人

お目出たい人

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2011/12/20 (火) ~ 2012/01/27 (金)公演終了

満足度★★★★★

超満員でロングラン!小劇場の金メダル!ほっこりした演劇、深い感動☆観たあとさけびたくなる☆彡
最高の脚本でロングラン。超満員。プロの役者の完璧な演技。これがみたかったというものをみせてくれます。日常をきりとる最高の脚本。ラストにちゃぶ台だけが米田さんのとまった時間のようでじんとなりました。人の愛や死のつみかさねのうえにある日常世界をもっとたいせつにしたいです。役柄と役者のはまりかたが凄い!イジリー岡田がかすむほどの存在感。こまつ座、青年座、だるま座の座を冠してるのは良いのがそろった。

ウズキちゃん

ウズキちゃん

INUTOKUSHI

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2011/12/14 (水) ~ 2011/12/25 (日)公演終了

満足度

チョーセン人、部落民差別して笑う台本、クレヨンしんちゃんの女の子版で亡くなった作者遺族に許可もらうべし無断は事務所にあやまるべき
差別台本なおせ!美術はいいかもですね。演技、演出はむかしの、80年代の古臭いタイプ。ウズキちゃんはクレヨンしんちゃんのパクリのようなキャラクター。しんのすけの女の子版です。脚色、盗作の疑いがかかりそうな作品。ウズキ役の表情、幼児エロ、性教育的質問。シモネタオンパレード。あとはジャニーズ的なアイドル曲10曲くらいの歌唱。80年代手法で映画のキャラターが出てきてネタがバレて笑わすを次々とくりかえす。差別台本なおさないと、朝鮮総連と部落同和開放同盟からどなりこまれるよ!にらまれるまえに台本なおそう。「チョーセン人しかやらないきたない手口」「ブラクに住んでる?」で笑いをとろうとすることがないように、気をつけよう!朝鮮人差別、部落の存在の歴史、部落民差別の現代の実際をしらべてよく検討しなさい!早大OB、在学生の見識、定見、教養、常識をうたがわれて、きみたちのために早大生が馬鹿よばわりされるよ。

ネタバレBOX

禁忌なことをやっても、それは放送コードにひっかかるし、映画、TVにはつかえない。メジャーでやりたければ、制限のあるなかでシナリオつくる訓練しないと、素人のままです。在日65万人、部落民数百万人の先祖代々の苦しみを知りなさい。早大にも1千人は在日の学生もいるし、李大統領は朝鮮人従軍慰安婦問題で日本に迫っている。関東大震災でも10万人の在日の人たちがいわれのない疑いをかけられ虐殺された。
ご来場ありがとうございました!!『増殖島のスキャンダル』

ご来場ありがとうございました!!『増殖島のスキャンダル』

舞台芸術集団 地下空港

ギャラリーSite(東京都)

2011/12/08 (木) ~ 2011/12/18 (日)公演終了

満足度★★

意欲作、意外とインディーズ感
これまでのシステマチックな演劇を壊したといえるでしょう。ハイカラな恵比寿白ホリスタジオであたらしい感性を感じさせる作演は見事で浮遊感あふれポッププレイである。一見に値するし、評価したい。作者意図がストレートにつたわる公演ではありました。しかし、今後このような作品でこの作家で大動員がかかる公演が可能か?というと困難だろう。作品体力として不足していることがある。唐十郎や寺山修司、つかこうへい等の才能が勃興してきたときも、アート+?があったとおもう。いわゆる作品の一般性。企画主義主張はよくても作品への共感、主人公への感情移入、ストーリーのログライン化、などの戯曲のストラクチャー、構成に関心をもってほしい。まず、なぜ感情移入しずらいのかを考えてみよう。ラストのレゾリューションはどうだろう。ウランかセシュウムをレストランでもろに食べたあとに、どのように解決にもっていくのかは伏線の無さにも原因があり、解決のインパクトがなく、ツアー客がセシウム料理を食べた絶体絶命の段で話がとまっている。残念だ。また、全体に直線的に展開しすぎ。いわゆる話が骨細い軽量級。スイスイ話が前に前にと時系列も時間経過のまま進んで、終わる感覚。こんな妙にひっかかりのない作品は全体に淡白な印象。クリニックするとこれはキーコンセプトの問題を解決しないと達成できない。数年のキャリアで日曜のソアラの動員が30人程度というのはさびしい。興行的に成功するためには脚本の強化がひつよう。幸いロングラン形式に近い公演が可能なめぐまれたなら、脚本の実験もしてください。脚本の一般性を追求しないと、芝居で生活はできません。作品の弱いところ、客足がおもうようにのびないのは、すべて解決は可能です。がんばれ小劇場。

ネタバレBOX

他劇団の折り込みが一切渡されず、不思議な感じがした。役者の声が反響しすぎて聞こえないときがある。影の主演が針金細工で良い。
溶けるカフカ

溶けるカフカ

カトリ企画UR

日本基督教団 巣鴨教会(東京都)

2011/12/08 (木) ~ 2011/12/10 (土)公演終了

満足度★★

好奇心は止まらない
ジャンル的には朗読劇に近い。カフカのテキストの概説。作演出担当者の解説のようにはなっていないと観客は大半感じたかも。構成力と題材咀嚼力、再構成センスが不足だ。演劇としてやるかぎり、いかにわかりやすくつたわるように造るのは仁義だし、カネをはらう、遠方からつらい労働のあと観劇に時間かけてきてくれる観客にたいする義理がある。演劇というのは造ってみてわかりにくいところ、不明な構成はクリニックしながら初日をむかえるものです。一粒のギモン、一滴の関心、こだわりに執着することがいけないとは云わないがこの公演は「主催者の好奇心は止まらない」公演でした。人間に生と死があるかぎり、人間の葛藤は不変だ。叫喚も絶望も自殺も原始共産制の社会でも不変だ。あと2億年後もそれは消えない。たとえ、人間から絶望や叫喚が失せたとしても、当然のように新しいアンチテーゼが生まれるわけだし、永遠にくりかえされる営みだ。一般民衆は作家や文芸アナリストと心中はしない。民衆がもとめるのは「救済」「救い」である。中身のない作家、表現者、アナリストと心中しないかわり「救い」をもとめている。現代作家、アナリストには民衆を救済するコンセプトが無い。その作品のストラクチャーにもアンチとなる呼びかけも無い。当該公演はカフカテキストの概説、アナライズだったが、一般民衆に「死ね」か「たちなおれ」かつたわらない。伝わらない芸術家か?態度を決めてほしい。こういった覚悟を決めていない作家やブンガクもどき、小劇場がはびこる平成日本が気になる。私は日本人は世界にさきがけて、大戦被曝国、施政権植民地状態から独立再出発した民衆民族だという自覚をもっている。世界に「平和と救いを発信する推進力」の文化形成の義務を忘れてはならないとおもっている。日本民族の失地からの推進力という視点が全表現者的に欠如しているところがむなしい。世界の恥だ。がんばれ小劇場。

ネタバレBOX

シャドウは多いが、ヒントくらいはいれていかないと、折角の舞台美術がむだになる。
河童夫人

河童夫人

猫の会

劇場MOMO(東京都)

2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

平成の下流に生きる謎と河童夫人
のんびり、ゆったり下流の河川敷に生きる人びとのストレートなメッセージが伝わりました。人はなんの為に生きるのかと云う疑問符を感じた公演。ホームレス社会も上流社会も悩みは同じ。スルーして欲しいのに、ついついかまいかまわれる河童夫人も内面を激しくもやすなぞの多い夫人だった。価値観の留め金はずして、幕切られずに、河川敷の人たちの一体感と生活が明日もあるぞと明るい夕焼けで終わるところが圧巻だった。

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