YUBOの観てきた!クチコミ一覧

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グレート、ワンダフル、ファンタスティック

グレート、ワンダフル、ファンタスティック

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/02/09 (水) ~ 2011/02/13 (日)公演終了

満足度★★★

スイート、エロティック、ファンタジック
ロロの魅力の、ドキドキするような台詞や動きはやはり顕在で、独特な世界観が楽しい。あと、毎回見るたび思いますが役者さんの体の張り方がハンパないっっ!!あんなに暴れて大丈夫なのだろうか。見てるほうは楽しませてもらってるけれども、楽日までケガがありませんように。

ただ本作は、ファンタジー色が強くて、すごく良いなと思うシーンと、ふと我に返ってしまうシーンが混在していて、過去作品と比べると今ひとつって感じました。好みの問題かもしれませんね。

ネタバレBOX

自分の頭を整理したくて、あらすじをまとめてみましたが…うろ覚えでも。でも、思い起こすと、あのシーンはああいう意味があるのでは、って理解が深まって面白いです。そしてあらすじにすると本当、ファンタジー。でも、この荒唐無稽さに観客をひきつけてしまうから、やっぱロロはすごいっっ。

ミラクル男は、空から落ちてきた拍子に女子高生の真琴に持っていた自分の誕生日ケーキをぶつけてしまう。学校に遅刻しそうな真琴はその場をすぐに後にするが、後日再開してミラクル男の作ったケーキが美味しいという所から仲良くなる。

眠りながら死んで腐ろうとしている女子高生の春香は、自分のにおいを探していた。そこに遭遇した、真琴・一穂・せつなさは一緒に探す事にする。せつなさは博士に拾われて色々な動物と融合した生物で人の1000倍の嗅覚を持っているが、その鼻を落としてしまう。

博士が作ったアンドロイドの秋冬は、テープレコーダーを持ちながら街のポジティブな言葉を集めている。砂漠の箱にテープレコーダーを埋めて、また掘り起こすと、春香とテープレコーダーを介して話が出来るようになる。恋をした秋冬は春香に告白しようとするが、グラサンの男にいちゃもんをつけられ壊されてしまう。博士の元にいた志郎丸とせつなさの3人の手で修理され、強くなるための修行をしたが、再びグラサン男にやられてしまい、春香の元に辿り着くと壊れてしまうのだった。力尽きた秋冬からは匂いがして、春香はその匂いを嗅ぐ。

合成獣なので飛べるせつなさや、せつなさのしっぽに吹き飛ばされて宙を舞う一穂や、何故か飛べる志郎丸を見て、真琴は「万物の根源は飛ぶ事にある」と考え、海苔を飛ばそうと試みる。ミラクル男と共に様々なやり方を試したがうまくいかず、ミラクル男はあきらめたが、真琴はやり続ける。その姿に仲間がいつの間にか集まり一緒にうちわで海苔を空に扇ぎ、ついに海苔は空を飛ぶ。空の上でミラクル男はそれを見つける。

誰も生きてないんじゃないかと思うほど人間らしさの無い登場人物が色々なものを探すシーンが続く。冒頭でミラクル男が自ら真琴に投げつけたケーキを食べたり、アンドロイドの秋冬と春香がお互いの匂いを嗅ぎあったり、せつなさの鼻をつけた一穂と自分の鼻をつけられたせつなさがおかしくなるシーンとかエロチックだった。
ロクな死にかた

ロクな死にかた

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2011/02/03 (木) ~ 2011/02/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

見ずに死ねるか~
初日にゴーで、タダ見でゴーさせていただき、楽しんじゃいました。台詞がとても自然に聞こえます。まるで役者さんが役ではなく素で演じてるかの様に見えるほど、台詞が馴染んでいるように見えました。そして、動きが面白い楽しい。場天も楽しい。全体通して役者の動きが洗練されていて、目には見えない風景や感情が役者さんの動きで伝わってきます。すごくリアルな要所にあるダンスが楽しい。フワフワ~パキッパキッて感じ。あっという間に終演でした。

ネタバレBOX

自分の死に方を考え続けていた毬井君が突然死ぬ。その死ぬ前後の風景と、毬井君を巡る人達の日常の風景が交錯する不思議な空間。

当たり前だけど、人は突然死ぬ可能性がある訳で。でも自分(肉体)と、世界(精神)の死は一緒じゃなくて。死語の世界に在りたいと思う毬井の遺言が残す、死んだ後も更新される毬井のブログ。自分の愛する人が、自分の死を忘れないのではなく受け入れて前向きに生きる事って大事だなぁと思います。

家族や恋人に対して、人の話を揚げ足取って反抗したり、言葉尻を捕えて理屈っぽく難しく考えたりする風景がすごくリアル。『ずっと好きだった人と好き過ぎて別れる』とか『寂しいから子供を産む気持ちも肯定したい』とか、そういう人間らしいエピソードも魅力的。

劇中全員で躍りながら様々な風景が瞬間的に表現されるのは、何か魂が天国に登っていくみたいに見えるなぁと思いました。
終わりなき将来を思い、18歳の剛は空に向かってむせび泣いた。オンオンと。

終わりなき将来を思い、18歳の剛は空に向かってむせび泣いた。オンオンと。

青年団若手自主企画 だて企画(限定30席!)

アトリエ春風舎(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/25 (火)公演終了

満足度★★★★★

青春、再来っっ
いやー度肝抜かれる。観劇じゃないね、緊張だね、体験だね、出演だね、そして青春だね。僕は高校は男子校だったんで、満喫したなぁ。覚悟さえすれば、すごい楽しい。是非、前情報一切なしで楽しんで欲しいです。

ネタバレBOX

受付済ますと、目の前には本物の教室っっ。観客は全員2年3組の生徒なのだ。いやー、開演まで緊張した。役者さんもスタッフも2年3組の生徒だから、普通に話しかけてくるもんね。でも緊張も開演までで、始まったらあっという間だったけど。座ったのは、折原の前の席。すぐ後ろで伊藤とガチャガチャやってるから見てて飽きない。てか、舞台の上で舞台を見るってすごい新鮮。
『いやーサキちゃんのことも、エビネのこともびっくりしたけど、卒業したらみ
んなバラバラなのかと思うとしんみりする。』とか、すっかり入り込んで物語終
盤には泣きそうになったよ。卒業したくねーよー、とか言っちゃって。楽しかったです。
愉快犯

愉快犯

柿喰う客

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2011/01/07 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

最高のバカ騒ぎ
喋りっぱ、動きっぱ。言葉と動きの洪水。観劇後は意味もなくテンションが上がる。役者さんが5人共に魅力的で、しかも舞台で拝見する度に何かその持ち味が高まってる気がする。いつも柿食う客の芝居見るとアレコレ考えちゃうけど、今回は頭空っぽで見れた気がするし、変に物語の意味を考えるより、感じて正解な公演だと思う。超楽しかったっす。

ネタバレBOX

僕もワークインプログレスに招待していただきましたが、本番はそれを上回るような、迫力とエネルギー。勿論、衣装や舞台装置や音響照明などの効果もありますが、やっぱり役者+脚本演出のスサマジサ。

抑揚や方言やポップスや流行語や英語での言葉。動きも歌舞伎やコンテンポラリーダンスを感じるような、独特さ。『愉快犯』は『面白いから意味など無くても殺す』動機なように、『面白いから意味などなくてもその表現方法を選択する』が動機な公演に感じた。バカ騒ぎでも意味などなくても良いじゃないか、面白いから。そして何よりものすごく能力の高い役者陣がその悪ノリを全力で表現しきる、凄まじい役者力。今年も活躍期待です。

ちなみにアフタートークで知りましたが中屋敷さん、昨年結婚したのか〜。おめでとうございます。
冬に舞う蚊

冬に舞う蚊

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2011/01/05 (水) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

満足度★★★★

2011初芝居~
目の前で行われたのは、息詰まる日常の連続。そこに激しく共感する自分がいる。所々に見られる笑えるシーンもどこか乾いてる。ただただ表現される、どこにでもある日常が、どうしてこんなに息苦しいのか。まさに昨今を象徴するような作品、新しい年を迎え浮かれた世間が迫る、根拠のない希望じゃごまかされない閉塞感。現実がここにある。

ネタバレBOX

秋葉原の無差別殺人やワーキングプアやホームレスのニュースを見てもいつも思うのは、明日にも自分にも起こりうる現実だなぁと感じることだ。過労で首を吊った主人公の自殺の原因を巡り、現在と過去が混ざり物語は進むが、悪いのは、上司でも同僚でも家族でもないのだ。もちろん主人公自身も悪くない。では何が悪い、何が息苦しいのか…。観劇後に、僕は何かのドレイになりたくないな、もっと楽しい演劇を、そして共感して心震わす余裕のある、人間らしい当たり前の日常を生きていたい。そう思わせる良作。

オンナの平和

オンナの平和

劇団あおきりみかん

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/12/10 (金) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

「モテ」と「平和」の融合!?
シュールっていうのは、「非日常的・超現実的」ってことで。そういう作品は、得てして、わかる人だけわかればいい的な印象があるけれど。

どの世代の観客も好感の持てる、間口の広いエンタメだと思いました。最初から最後まで笑いっ放し。見ていて次から次へ面白い人が出てきて、この先どうなるだろって思ってワクワクする内に終わる。難しい事を考えなくても、見終わって楽しかったって言えるのがサイコー。

ネタバレBOX

開演前の歩き続ける役者さんの風景から度肝抜かれる。
なんだ、なんだ、何が起こるんだっっ、って感じ。

強引にまとめれば『モテたい』主人公の女性が、周りの人達にどうしたらモテるのか聞いて回る話。でもダイゴミは何と言っても主人公達が舞台をガチで走る疾走感。テンポの早い展開。大勢の役者さんが五体で見せる躍動感。シンプルな舞台装置の見せる多様な空間。全部マッチして、ものすごいエンタメ。

『平和』と『モテ』。全然つながりそうにないのに観劇後はしっくり来る。徹頭徹尾、『モテたい。ハーレムを作りたい』と叫び続ける主人公の女性は、人間らしく生きてるなぁと思った。終始走り叫び回る主人公が劇中に瞬間見せる、本当は自縛して動けずにいる姿には、ゾクッとした。あと大雨洪水警報なシーン(笑)ガチだなぁ。

シンプルな舞台装置、難しい言葉の羅列はない、でも繰り広げられる世界は広くて深い。演劇ってこんなに面白いんだな、って再確認出来る作品。
演劇入門

演劇入門

青年団リンク 本広企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/11/27 (土) ~ 2010/12/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

モンくなし
岩井さんの劇団公演も見たくなるような、
原作の『演劇入門』を買って読みたくなるような、
本広さんお芝居好きなんだなと思わせるような、
演劇が好きな人にはみんなに見てもらいたくなる舞台。
魅力詰まってました。

ネタバレBOX

ラストシーンで、ジーンと来た。もっともっとたくさんの演劇に触れて共感したいと思ってしまう。無理に盛り上がりを作らなくても、ラストのあの一言が味わいだなぁ。演劇と我々の日常は地続きで、我々の日常も演劇なんだって思うと、鳥瞰的に見る自分と自分の周りって面白いっっ。カルチャースクールや大学で出会い教わる演劇への違和感、『月光のつつしみ』や『東京ノート』の出会いで他人からするとサッと見飛ばしてしまう些細なシーンの仕草への感動、岩井さん自身の作る作品。それらのエピソード一つ一つがみんなリアルだなぁと思って、そうだそうだって共感の嵐。
RENT

RENT

東宝

シアタークリエ(東京都)

2010/10/07 (木) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

満足度★★★

日本人のためのRENT
特定の神様を信じない、
空気と世間を読むがゆえに、
ボヘミアンなコミュニティを作り辛い日本人に向けて、
日本人キャストで臨む「RENT」。
何より喜ばしいのは、作詞作曲脚本のジョナサンラーソンの作品が、
日本版にアレンジされ受け継がれるという公演の主旨だろう。

観劇後の感想は、良くも悪くもPOPでした。詳しくはネタバレに。

ネタバレBOX

照明とか演出も日本人受けするようなアレンジされてるし、台詞も日本語になるだけですっごい軽く聞こえるから、エンタメとして見るには最適。ミュージカルあんまり見ない人でも、見やすいんじゃないかな。でも肝心のメッセージは伝わってこない。日本人としては表現し辛い内容だと思うけど、どういう風に作品と向き合っているんだろうと思いました。ROCKじゃなくてポップス。でも物語の中身は濃くて共感しやすい作品だからたくさんの方に見てもらいたいです。
果実の門

果実の門

乞局

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

満足度★★★★

人間ってスゲー
とにかく濃い。観劇後、さっきまで目の前に繰り広げられていた世界に圧倒されて、でも呑み込もうと、慌ててアンケートに言葉にならない言葉を書いていたら客席に一人になってた。何時間も観劇し続けたのかと思って時計見たら二時間も経ってない。信じられない位に濃い。物語を思い返すと息苦しい。やられた。

ネタバレBOX

過去の作品の登場人物が一同に介する最果ての町の話。こんなに濃い人生を背負った人達が集まって、よくまとまるなと思う。表層は至って穏やかだが、人間関係はまるで薄氷を歩くかの様に緊張感は張り続けてる。誰も相手に深入りしない、個々の登場人物が過去や家族や、何よりも自分の本性から逃げようとしているからだ。それを互いにわかっているが干渉しない。街に集まって懸命に平穏に生きようとして、でも欲求につき動かされてしまう人間の性。個々の登場人物の生きざまを見続けていたくなった。抗えない人間の本性は何て無様で醜いんだろう。でも滑稽で愛しくもある。

コロブチカやります。

コロブチカやります。

コロブチカ

タイニイアリス(東京都)

2010/11/16 (火) ~ 2010/11/16 (火)公演終了

満足度★★★★

気がついたら新宿
『宴も酣』を観劇。満員のタイ二ィアリスで、素舞台で、生(き)のままの役者さん達が、やりたい事をやる。客は客席で酒を飲みながらそれを見る。教訓も意味もないけど、それだけで楽しい。出演者の方々みんな魅力的。新良さんが『平日の夜にこんな所来る奴らはキチガイだ』って言ってたけど、本当そう。少なくとも僕はそう。真剣にやりたいことやるって見てて楽しい。普段、芝居を見に行くと客席と舞台は一体なようでやっぱり別々なんだけど、今日は本当に一体な感じで妙に居心地良かった。

PUZZLE

PUZZLE

PLAT-formance

王子小劇場(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/15 (月)公演終了

満足度★★★

心地よい空間
HARD観劇です。前回公演「express」に続き2回目の観劇で、PLAT-formanceは、あんま演劇見たことない女の子誘って見に行くと仲良くなれそうだと実感。心地よくてエログロな要素のない爽やかなコントは好印象だし、美術も、音楽も、スタイリッシュで観劇後も話が弾みそう。ただ1点だけ、難点を言えば、一緒に観劇した女の子が、出演者の安藤さんと吉田さんに惚れてしまう危険性が………。

パズルのようにどこかつながりながら、不思議で独特の世界観を現していて、ワクワクしてあっという間の1時間弱でした。もっと見てたかった。パントマイムやダンスなど、芸達者な一面もキラリ。でも個人的にはその魅力以上に、噛んだり、舞台から転げ落ちたりしながらもコントに全力でがむしゃらな、お2人の演技がダイスキっす。

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

ロロ

新宿眼科画廊(東京都)

2010/10/17 (日) ~ 2010/10/24 (日)公演終了

満足度★★★★

やっぱ、良かった
「人を好きになるって、ステキなことだ」っていう普遍的なメッセージをこんなに楽しく、おかしく、体現できるってスゴイなぁって思います。個々のエピソードに共感できるし、演出も役者さんも魅力的で、観劇後幸せな気持ちになれました。新宿眼科画廊という会場も、狭いながら、役者さんたちと一体感が持てて、不思議と居心地が良かったです。

ネタバレBOX

卒業式の一つの区切りを迎えるなんともいえない寂寥感と、シンプルに人を大好きだと歌い上げる情熱が交錯するクライマックスが、とても心に残ってます。ノスタルジックな部分もありつつ、言葉は洗練されてて、キャッチーで、素直に心にストンと落ちました。

僕自身はすごく感動したのですが。一緒に観劇した友人には「断続的なエピソードの連続で物語がない」・「非言語で訴えかけて世界観が表象的なままで終わっていて共感できない」と一刀両断されてしまいました。どうやったら、面白いっていう自分の気持ちを他の人に言語化して伝えられるのか…今後の課題です。

京都の人達にも、たくさん幸せな気持ちを伝えて欲しいですっっ。
THE COBE[ザ・コーブ]

THE COBE[ザ・コーブ]

劇団チャリT企画

王子小劇場(東京都)

2010/10/20 (水) ~ 2010/10/24 (日)公演終了

満足度★★★★

モーたまらん…牛だけに
チラシに惹かれて観劇。チャリTの舞台は3年ぶりに見ました。ハチャメチャでした。時事ネタと懐かしいネタとシュールな雰囲気でケラケラ笑ったけど、煙に巻かれた感じがするなぁ。深い意味があるのか、ないのか…。でも意味なんて考えなくても面白かったです。

ネタバレBOX

ザコーブが上演中止になって代わりに上演される、劇団口口(くちくち)『ボーイミートボールガール』の話。ロロ(ろろ)の『ボーイミーツガール』を想像させる仕掛けも楽しい。愛だの恋だの正面きって言うのは恥ずかしかったり、生まれる前に付き合ったり、殺人鬼だったり。あと、ザコーベだったり、ボーイミートボールだったり。

「ボーイミートボールガール」は、路上に巻かれたミートボールに関わる色んな人がああでもない、こうでもない言う話なんだけれど。路上は誰のものでもなくてそこにミートボールを投げる事はいけない事か。犬を食べる事はいけない事か。それが人肉ならどうか。悪くなくても認めちゃえばいいのか。タイトルに隠された、良い意味で最高にクダラナイオチも含めて、気持のいい70分で、もっと見てたかったなぁ。
グロリア

グロリア

ハイリンド×サスペンデッズ

「劇」小劇場(東京都)

2010/10/14 (木) ~ 2010/10/24 (日)公演終了

満足度★★★★

そうぞうする
招待いただき、友人と観劇。観劇後は、満足と安心感。個人的には「見たこと無い世界や価値観」を見たくて小劇場に通うことが多いんですが。当たり前ですが奇をてらうだけが小劇場演劇ではないなと思い、感動。演劇ってシンプルでも、ちゃんと面白いんだなって思いました。衝撃的なシーンもあるのに、観劇後は暖かな気持ちで劇場を出れる。たった7人の役者で作り上げる奥行きのある『過去を知り得ない世代の世界への向き合い方』。コリッチの評判どーり、エログロナンセンスじゃ物足りないならこういう舞台を見なきゃだなぁ。

ネタバレBOX

劇中の台詞にもあるが『知ることより想像すること』冒頭の名も知らぬ人達の爆死と、物語後半の個々の人間性を垣間見ての爆死。同じシーンでも意味合いが違う。

それは2010年の人材派遣や世界で今でも続く紛争も同じで。戦争なんてやりたい奴が勝手にやればいいけど、巻き込まれるのはゴメンで。戦争体験者が年々死んでいく中残されたものにどう伝えても実感は湧かず。でも、1945年当時の日本やアメリカを想像した舞台を見ると心震えるのはきっと、想像出来たからなんだろう。

描かれる日常は、本当にありうる真に迫る日常で。だから、観劇後もっと突っ込んで欲しいと思う気持ちもあるけど、普遍的な想像をシンプルにそのまま伝える難しさを見事に表現してて、癒された。
ウラの目と銀杏の村【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】

ウラの目と銀杏の村【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】

キコ qui-co.

王子小劇場(東京都)

2010/10/09 (土) ~ 2010/10/13 (水)公演終了

満足度★★★★★

オニ恐い…
開演してしばらくは、物語と役者さんについていけず、、、。このまま置いていかれたらどうしようかと思ったけど、物語に入れたら割としっくりきて安心。見たことがないものが見れるし、意図されてること(僕は多分、全然読みきれてないと思いますが)もわかる。食べたことのない異国の料理を思い切って食べてみる感じ?個人的には好きだけど、万人受けする感じじゃない気はする。

ネタバレBOX

以下、本当にネタバレです。とても良かったけど解釈しきれないので、自分なりの見解を。パンフに「土着」について書いてあったが、物語の中の「鬼=日本人」だとすると「住民=他国の人」なのかな、と観劇後に思わせる、「平和と愛の話」だと感じました。

あらすじは劇団の方が公演の説明で書かれているので、重複になってしまいますが。村の小学生の感情が抜けて、誰もしゃべらなくなってしまった事を受けて、体育教師含め四人の大人が、皆ボーイスカウトの格好で、キャンプの下見にやってくる。ここでは決して怒るな、や、オニに目をくりぬかれる、といった台詞が放たれ物語の序盤から、オドロオドロシイ雰囲気が充満する。大人たちは山に迷い込み、そこで鬼達と出会い、会話を重ねる。分かり合えそうでもあり、でも全然違う文化を持っており、理解出来ないような気もする。

一方で、村の役場で働く女性は25年前に起こった凄惨な鬼と村民が殺し合いをした事件を思い起こしながら、幼馴染の自殺志望のあるサラリーマンを勇気付け、死なないよう促している。そこに山から逃げ下りてきた、同じく幼馴染の体育教師が自分の見てきた鬼について語る。女は、「決して怒らない」よう諭し、まだ山から下りてこない人達に思いを馳せる。

劇中、鬼も人もお互いを決して分かり合えないと言い合い、25年前の事件で死んだ女教師が物語の要所で、現在の人や鬼を叱咤激励しては去っていく。

やがて、山に登った大人の一人が鬼を傷つけ、鬼も大人の一人を人形のように感情をなくした状態にしていく。緊張状態が高まる中、25年前の鬼と人の殺し合いの様相と、現在それが再び再現されようとしている現状が交錯していく。殺し合いに突入した戦争状態・民族浄化は本当に救われない殺し合いが描かれます。

劇中の台詞にも戦争という言葉が出てきましたが『情報が隠蔽』『殺すのは人じゃない』『裏切った者は村八分』みたいな心理は戦争時の心理のポイントをついていたように感じました。だからこそ対策『怒りはワクチンで副作用が憎しみだから、決して怒らない』だったり、『愛と平和を勉強する』ことだったりするんだろう。個々の暴力が戦争に深化してしまう設定は強引に感じましたが。『しゃべりきいてつたえ、愛してる人も死んだ人も数を把握し、物語を語り、歴史を学んで過ちを繰り返さず、新しい人と出会い歴史を作り、言葉にならないものを音楽にし、分かり合いたい人を抱擁する。』『命をかけて友達になる』気持ちには何だか救われた感じがしました。ラストは頭悪くて解釈出来ませんでしたが…相手を理解しようと近づくような意味合いなのでしょうか。

みんな子供で、みんな躁状態なのかと思う位、人間らしい反応ではないと感じた会話と感情に、最初の20分位は、ついていけず、しんどかったです。途中から物語が一気に加速していって、引き込まれていきました。劇中に挿入されているグロテスクなアニメがきっかけで、物語に引き込まれたように思います。そうか、それならこの躁状態も納得出来…るかという感じです。脚本演出に力強さを感じて、だからこそもっと魅せてくれるんじゃないかと思って、今後も期待です。
九月の遠い海

九月の遠い海

菅間馬鈴薯堂

王子小劇場(東京都)

2010/09/30 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了

満足度★★★

アングラ
アングラ演劇ってこんなだったのかなぁ???
わかりやすかった。
どこまでがネタバレになるかわからないから、あとは以下に。

ネタバレBOX

まさか、舞台中央に花道があるとは。
30年前の戯曲って言われてもピンと来ない。戦後の昭和35年当時を、丁寧に描いてるのはわかるけど、あんまりピンとこない。
ジェネレーションギャップって言うと失礼なのか、でも良い大人がみんなで小学生やってるのは、何か違和感を感じてしまうのは、見たことのないものへの安易な決め付けなのかな。

でも物語の終盤『人はみんな自分一人を守るために生まれてきた』みたいなセリフを、小学生に向けて先生が発してるのは印象的だった。
昔が良いとか、今が良いとか不可知な世代論争は嫌いだけど、でも戦後の貧困は今とは違う絶対的なものだったのだなぁと実感。そこがすごくグッときた。そこが物語の本質ではないんだとしたらごめんなさい。
ストロベリー

ストロベリー

国分寺大人倶楽部

王子小劇場(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★★

性春そのもの
下に劇団の方が書き込まれているので、それの上から書き込むのは忍びないですが。千秋楽も無事終わられてると思うし、とても楽しかったので感想を書き込みたいと思います。さすが、『演技に定評のある役者』の揃う劇団(笑)すごく自然に人物が心に落ちて
くる。こんな風に思ったり思われたり、好きとか嫌いとか言い合える青春、うら
やましいなぁ。シンプルに青春。でもみんな大人だし、エロイから性春。でも、不快にならないのは役者さんが男女共に清潔感があるから成り立つ作品だなぁと思った。

ネタバレBOX

会場に入るなりミラーボールが回ってて、大音量でJポップが流れてて期待を煽
る。同性愛の人達が集まるサークルメンバーが、夏に皆で海にいって告ったり振
られたり、スケベしたりする話。異性愛者が異性に向ける感情を、同性愛者が同
性に向けてるだけで後は何も変わらない恋愛群像劇。実際の同性愛者は周囲の偏見も強くあ
るだろうし、なかなかストレートに自分の思いを表現して恋愛するのは難しいと思うけど。でも物語としてはエンタ
メ感が強くて、スカッとして気持ちよい。台詞がリアルで、あぁアルアルって雰
囲気がうまくて、どうやって作品作ってるんだろうって思った。
帰りの電車気にして、おまけ公演『田中マルクス邦衛』見れなかった~。まぁ、
余韻に浸れたから良いです。
視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧倒っっ
失礼な話だけど、会場が小さな雑居ビルだったので着いた時はココでっっ??っ
て思ったけど、会場内は客席はゆったり作られてて快適。逆にイントレや内壁剥
き出しな空間が良い味出してた。
短編3作共に異質な手触りで◎30分位の短い作品の中にもきちんと人間が生き
てて、濃密な時間がすごく楽しかった。どの作品も、あー、ここで終わっちゃう
のかぁって寂しい気持ちになるのは、作品を好きになったって事だよね。良い台
詞もたくさんあったし、何より『トランスへの返信』という、少人数で、どこで
も上演できる。このコンセプトがステキだ。

ネタバレBOX

ミナモザ『スプリー』は、女が、事故で両足と右手を骨折してる男の肋骨を折ろ
うとする所から始まる。中盤『心の病は脳が原因で、怪我と違って症状が出てか
ら原因を作り出すんだ』って話が出てきて。『他人の肋骨を折るのに理由はある
のか』。毎日ニュースで伝えられる事件についても、僕らは自分の解釈でしか事
件を理解出来ないんだなと思わせる、理由の話。

鵺的『クィアK』はある男が自分の呼んだ男娼と、自分の事を好きで居着いた女
と、セックスについて語る話。女が虫のように地べたを這う光景が異様でヒリヒ
リ。終盤、突然男と女の立ち位置が反転してドキッとする。男の自分の素直な思
いを告白するラストはなんて本能的なんだろう。

MU『無い光』は、臨死体験して光を見た人の話を聞いて、雑誌に定期連載する
ライターの男が、幼馴染みの女の『光を体感した』話を聞く所から始まる。自殺
だけは光が見えないんだと男は迫り、何で弱った私にそんな話を突き付けるのか
と女は逃げる。自分の身近な人が『死にたい』と言ったら自分は何て応えるだろ
うか。そんな事を考えさせる、生死の話。
自慢の息子

自慢の息子

サンプル

アトリエヘリコプター(東京都)

2010/09/15 (水) ~ 2010/09/21 (火)公演終了

・・・
他の演劇の劇評サイトでも絶賛されてるし、
コリッチの他の方も褒めてるけど、
どう見たら良いのか全然わかんないよー。
いや、わかってたハズなんだ。そんなにわかりやすい物語が、
描かれる訳無いって…。未知な世界を見たい期待と、理解出来ないかもしれない不安で見たけど。表面的なことしか理解できてない気がする。
だから評価出来ません。
笑ったし、ビビったし、ラストは圧倒されたのに、何故自分の感情が揺さぶられ
たか、根拠を立てて説明出来ないのがもどかしい。面白かったけど、何故かはわからないので、次回作でリベンジしたいです。

ネタバレBOX

主人公の正は、自分の国を立ち上げていて、正の母はワイルドな男に連れられて
正の国へやってくる。日々のクレーム対応の仕事でメンヘルな妹と、『自分は殺
されるかもしれなくて、攻撃されたら相手を殺してしまうかも』と不安に怯える
兄も二人揃って正の国を訪れる。この兄と妹はお互いを求めあっている。正の国
の隣には妄想の子供(陽)を育てる女がいる。やがて外からの圧力や(好きになった
女に迫って逃げられ傷のなめ合いとして形だけの結婚を迫られる)、隣国からの進
撃や(隣の女が兄を連れて逃げる)、内部分裂(母親が男と結婚する)、などがおき
正の国は危機を迎え、正は自国の国民(たくさんの人形たち)に意見を求めるも何
も言われず混乱する。

床にしかれた大量の布が、色々な場面を表現して、散乱する小道具達が、主人公
の正の心理状態をも表しているんだろう。具体的な心理描写がほとんどないのも
、何者でもあり何者でもなく、どこでもありどこでもないのだろう。そう理解し
ても、一体何を訴えてるのか釈然としない。ググって他の方の感想を読めば『青
年期の変態的な願望』やら『近親への共依存』やら『家族関係の神話化』やら『
現代社会の病理』やら『新しいアングラ』だと言うが見る人によって、どんな物
語にもなりうる物語は、何も語ってないのと同じじゃないのか?って斜に構えて見てしまったり。
心の余白にわずかな涙を

心の余白にわずかな涙を

elePHANTMoon

王子小劇場(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★

うーーーーん
僕はどう見たら良いかわからなかったです。
他の人の感想が、是非聞きたいっっ。

ネタバレBOX

冒頭の暗闇にロウソクの灯りはドキドキして、先が楽しみだったけど。あとは、色々なエピソードがフワフワして終わった感じ。主人公はバイセクシャルではなく、両性具有ってことなんだろうか?何だか教会の話なのに、僕は見所がわからずに救われないないなぁ、なんてしょーもない事を思った。

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