YUBOの観てきた!クチコミ一覧

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【全ステージ無事終了!ご来場ありがとうございました】みきかせプロジェクトvol.3 「流星群アイスクリン」

【全ステージ無事終了!ご来場ありがとうございました】みきかせプロジェクトvol.3 「流星群アイスクリン」

みきかせworks

ワーサルシアター(東京都)

2011/08/03 (水) ~ 2011/08/07 (日)公演終了

満足度★★★

みてきいてきた
あずき組観劇。2劇団とも初めて見ましたが、個性的で、みきかせルールをきちんと活かした作品だなぁと思いました。でも、みきかせだから出来る事、みきかせだから面白いって所までいってない気がします。劇団の魅力に企画が追いついてない感じ。今後、更なる、企画と劇団のステキな化学反応があると良いですね〜。

ネタバレBOX

蜂寅企画は台本持たない(みきかせじゃない)方が、動き回れて魅力的じゃないかな〜と思いました、台本を扱う所作はキレイだったけど。味わい堂々のマイクを使った声の重なりあう感じも、曲に合わせて踊る感じも、楽しかったです。
昆虫系[改訂版]

昆虫系[改訂版]

鵺的(ぬえてき)

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2011/07/27 (水) ~ 2011/08/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

生き様の野次馬
鳥肌ゾワーって立った。目の前で起きてるのは事件。比喩ではなく、物語だけど、現実の事件。しかも凄惨な。とてもリアルで、ゾクゾクするのに、観劇後の感触は決して不快にならないから流石です。

ネタバレBOX

見たくなくても見てしまいたくなるこの圧倒的な暴力っっっ!!!底で生きる者たちの生き様を覗き見る。それは明日は我が身なのだろうか??

チラシのワンダーランド代表の方の紹介文以上に的確に表現するのは難しいけど。かといってマンガの闇金ウシジマくんみたいってモンギリで斬るのは安易だし。どこまで実際の事件に忠実かわからないけれど、人の欲深さと、地べたを這いずり回り生きるしか術のない現実が描かれ圧倒される。どうしてちょっと足を踏み外すだけでやり直しの利かない世の中なんだ、なんてキレイごとでは飯は食えない。生きるために必要なのは妥協と打算と諦め。終始、冷たく乾いた目をして蠢く登場人物達に、共感とも同情ともわからない、でも本性に訴えかけられる激しい感情を覚えた。

社長のサタケは、借金でブラックリストに載って首の回らなくなった多重債務者に不当な金利で金を貸して、なおかつ自分の会社の社員にしてイジメて、あまつさえ自分を受取人にして社員に保険金掛けて殺している。

舞台は社長の経営するスナック。スナックのママもホステスも、社長の言いなりで体を許し心にまで土足で踏みにじられる。そして社員もスナックの職員も皆が保険金殺人を黙認している。物語はそんな社長が殺されるまでをリアルタイムで描く。

劇中、場違いなポップなメロディーで歌われるミュージカルアニーのパロディソング『明日があるさ』。社員と結託している保険屋の男は、明日なんかに希望を持てない地を這う者達の前で空々しく歌う。

自分らが搾取している相手は人ではないみたいに扱われる姿には怒りよりも哀しみが浮かぶ。まるで、僕自身も諦めさせられてるかのようだから哀しい。

物語の途中で唐突に事件の真相がニュースとして伝えられる。そして終盤、ずっと黙ってスナックの雑務をこなすバイトの男の激情でクライマックスまで一気に畳み掛ける展開は、ニュースで結末を知っているのに身震いしてしまう。

救いは無い。でもそれでも良いと思える。見れて良かった。
WWW

WWW

001

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/07/27 (水) ~ 2011/07/30 (土)公演終了

満足度★★★

過去と未来以外の「いま」
一見シンプルなのに、自分の想像力を超えた奥行きのある作品でした。観劇途中で『わからない』で思考が停止してしまうのが悔しいなぁ。それは、多分自分の中でもう少しでストンと心に落ちそうで、落ちるとすげー楽しいんだろうなって想像出来るから悔しい。もう一回観たらもう少しわかるかも。アフタートークを聞いて、作品の魅力をより実感出来ました。

ネタバレBOX

主観的に言語化してしまうと、せっかくの奥行きのある世界が限定されてしまいそうで怖い。でも、どうしても3・11を想像してしまいました。

境界線とミイラの話。私達は同じ人間がひいたはずの無数の境界線に囲まれて生きていて、逃れようとしても逃れられないし越えることは難しい。どんな時代に生まれてどこにいてどんな境遇でも、それでも境界線の中の『そこ』で『いま』を生きていくんだなぁと突き付けられました。見えないものが視覚化された白い物質に全身覆われた女はやがてどこかへ消えていく。ミイラは未来で目覚めて言葉を食べる。境界線は放射能汚染地域との境目、白い物質は放射性物質、汚染地域で触れられることなく長い時を経た先でヒバクして亡くなったミイラは、目覚めた先で何を見るのか、なんて感想で止まってしまいました。

坂手洋二さんとのアフタートークも刺激的でしたが、やはり会話の要所でついていけず。でも創作過程や作品についてのあれこれはやっぱり聞けて幸せでした。モノトーンな印象、作品内の主語について、境界線について、ミイラについて、、、などなどのあれこれ。
『ダンパチ9』『愛してると誓うだけじゃ幸せにはなれない』

『ダンパチ9』『愛してると誓うだけじゃ幸せにはなれない』

ショーGEKI

「劇」小劇場(東京都)

2011/07/14 (木) ~ 2011/07/24 (日)公演終了

満足度★★★★

あたまからっぽ
あぁ、ベッタベタな笑いばかりなのに何故こんなに楽しいのか。
やってることは、オトコ達が最高にバカバカしい事を全力でやりきる、ただそれだけ。
客席と舞台上が一体になってお互いに楽しんでいるこの充実感&満足感。下北沢の夏の風物詩、そのキャッチコピーにも納得です。若手の役者さんもいますが、40歳超えて、このハイテンション寸劇を2時間やりきるエネルギーにただただ圧倒されます。冒頭の登場挨拶で役者さん達が自らの体調を心配する発言が目立ちましたが…これだけ体を酷使して笑いを取りにいくんだもの、是非健康に気をつけて今後もレベルアップし続けていただきたいっっ!

DANCE COLLOQUIUM X (ダンス コロキウム テン)

DANCE COLLOQUIUM X (ダンス コロキウム テン)

こまばアゴラ劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/07/19 (火) ~ 2011/07/24 (日)公演終了

満足度★★★

「B」鑑賞
ダンス公演は見慣れてないので相対評価出来ませんが。修練したダンサーの動きは美しいなというのが率直な感想です。言葉が無く動きだけで何かを伝えること、自身の身体を疑ってその不自由さから自由にあろうとする動きに、人間の本性からの生きる力強さのようなものを感じました。

『若い兄嫁(仮)』

『若い兄嫁(仮)』

青年団若手自主企画 vol.50 二反田やまゆう企画

アトリエ春風舎(東京都)

2011/07/14 (木) ~ 2011/07/18 (月)公演終了

満足度★★★

クスクス笑える
なんだろう、このつかみ所のない笑いは。不思議だなぁ。すごい面白いんだけど、このツボは自分だけかもって身構えて笑いをこらえると、隣の人達もそんな感じで安心して笑う、みたいな。ベタとシュールのちょうどいいところで、軽く身悶えるような空気感が楽しい寸劇でした。

ネタバレBOX

バスの寸劇が1番好きでした。そうじゃないかたも降りていいんだなぁ。あと、最後の兄嫁の寸劇で弟役の二反田さんのポケットからパンティ―があだち充のマンガばりにドーンと出て来て笑いました。僕も面白い芝居を見たら、1本ずつ植林しようかな。
阿房列車

阿房列車

元祖演劇乃素いき座

アトリエ春風舎(東京都)

2011/07/07 (木) ~ 2011/07/10 (日)公演終了

満足度★★★

生きる
作者と演者の作る何気ない風景は不思議な味わいがありました。歳を重ねて尚舞台に立つ演者について思いを馳せたり、老いるということを物語から感じたり、色んな事を想像させられました。根底にあるのは、生きることは日常の連続だなぁという自明の理かなぁ。物語はないけど人間はあって、教訓はないけど味わいはあって、良かったです。

愛の蟻地獄【無事終演しました。ご来場ありがとうございました!】

愛の蟻地獄【無事終演しました。ご来場ありがとうございました!】

はらぺこペンギン!

OFF OFFシアター(東京都)

2011/07/07 (木) ~ 2011/07/18 (月)公演終了

満足度

あくまで一観客として
笑いのセンスも、物語も、自分の好みに合わなかったとしか言い様がありません。物語としての共感もなく、コントとして見ても空気作れてるとは言いがたいなと思いました。時東ぁみさんを間近で見れた事だけが唯一の救いでしょうか、顔小さかったなぁ。30分位にまとめた方が笑いも物語もメリハリつくんじゃないかなぁ、とか勝手な事を考えて見てました。

リーディング体感劇『ハノーヴァの肉屋』

リーディング体感劇『ハノーヴァの肉屋』

AK[Anri Komatsu]プロデュース

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/07/05 (火) ~ 2011/07/08 (金)公演終了

満足度★★★★

食い気より色気
思ってたより、ずっと敷居が低くて安心しました。岸田理生さんの事を何も知らず、リオフェスのチラシのオドロオドロしい様相にビビりながら、怖いもの見たさで観劇しましたが、置いていかれる事なく楽しめました。公演パンフには吉野家の牛丼くらいの気軽な気持ちで見て欲しいとありましたが、僕的にはびっくりドンキーの特大ハンバーグくらいの中身でした。リーディング体感劇とありましたが、普通に役者さんの演技も楽しめて。でもやはり作者の岸田さんの言葉に力があって、一方で意味を理解するより先に圧倒される演出で。お腹いっぱいです。

ネタバレBOX

私達は普段食べている『肉』は動物の命を食べてる訳で。同時に私達一人一人もまた『肉』であり、史実として人は人をも食べうる訳で。そして食べる喜びを私達は知っている。生きるために食べ、そして愉しむ。人間という「肉」が「肉」を食べる事についてのモロモロ。そしてイロイロな事を考える内に、食べる行為のエロエロを感じてしまった。食べる行為は自分の欲望を発散する行為なのに、その姿は無防備で飾る事がない。その人の本能的な営みの一挙手一投足を目の当たりにすることがエロいのかなぁとか考えた。


いや、単に女優さんが四つん這いになって私を食べてってセリフで言っていた事に感情移入し過ぎただけかも…。
銀河旋律

銀河旋律

演劇集団キャラメルボックス

山野ホール(東京都)

2011/07/03 (日) ~ 2011/07/05 (火)公演終了

満足度★★★★

懐かしく新しい
<GREEN> を観劇。色褪せない、普遍の空想空間。過去のキャラメルのギンセンも学生がやってるギンセンも見てるのに、何度見ても変わらずに笑って共感してドキドキしてジーンとする。

キャラメルの舞台は少女マンガを読むようだなと考えてみた。そこには全身で主人公に感情移入が必要で、物語を楽しむための不文律なテクニックのようなものが必要で、でもそれがハマるとものすごく楽しいんだろうなぁ。たくさんのファンの方のように素直になりきれずに、どこか冷めてしまう自分がいて、そこが悔しい。

不都合な四日間≪終演致しました!沢山のご来場ありがとうございます!≫

不都合な四日間≪終演致しました!沢山のご来場ありがとうございます!≫

クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)

テアトルBONBON(東京都)

2011/06/29 (水) ~ 2011/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★

お祭りだ〜
当然同じ舞台設定で同じ登場人物なのに、毎日こんなに雰囲気が変わるのかっっっていう4日間を一日ずつ4人の脚本家が書く話。脚本家もすごいし、役者もすごい。物語を盛り上げつつ、でも各劇団のカラーが出てました。脚本家同士のパスの出し合いで、急に物語が進んだり、脱線したり、先が全然読めないままクライマックスまで楽しみました。笑いあり、緊張あり、シチュエーションコメディって楽しいなって思えるお祭り公演でした。爽やかに物語が始まり、徐々に笑いが高まり、えっと驚く急展開で、終盤はドキドキしながら幕が降りる。違う作家さん達のパスを、ちゃんと伏線にしてゴールを決める野坂さんの作るラストで、スカッとさせてもらいました。

5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)

5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)

MU

王子小劇場(東京都)

2011/06/28 (火) ~ 2011/07/04 (月)公演終了

満足度★★★★

これも青春…いや、うーん
コリッチのチケットプレゼントで招待いただいて観劇して来ました。舞台上の洗練された言葉はまるで現実味を排除されてるんだけれど、その無駄を削り抜いて造られた会話で見える、不思議な世界があるなと思いました。足元がほんの少しだけ浮いてる感触を覚える、そんな公演でした。

ネタバレBOX

「感じるより考える事が大事」だというメッセージを観劇して受け取りながら、ブルースリーのようにあまり深く考えずに感じたままに感想書きます。

5分の間で、「自分達の未来について感じるより考えること」は『ちゃんとした大人』になるにはどうしたら良いか考えること。幼稚でだらしなくてくそったれの大人達が作った世界なんて願い下げだと、周りの大人を否定して、あぁはなるまいと懸命に勉強したり、大人になることを拒絶して自殺しようとしたり。小学生にもなれば、学校内でも大人と同じように息苦しい人間関係は付きまとう。その息苦しさと、自立した大人への漠然とした不安が相まって「学校」という特殊なコミュニティなんだなぁと感じました。何歳になれば大人か、年齢では機械的に線引き出来ないけれど、自他の人としてダメな部分も許容出来るようになると大人なのかな、とか考えさせられました。逃げても良いから生きていて欲しいなぁ。

でも僕は、最後までどうして爆弾を爆発させたかったのか『ちゃんとした大人』だけではピンと来ませんでした。

同時上映の『90%バージン』(ミスチルのCDを割る話??)も、共通のテーマを感じて見ることが出来ました。『90%~』は笑えるシーンが多かったから楽しい。DVDが止まるアクシデントは残念でしたが、でも面白かったです。
標本

標本

乞局

リトルモア地下(東京都)

2011/06/22 (水) ~ 2011/06/30 (木)公演終了

満足度★★★★

ムシできない感情
昆虫みたいな人間。4つの短編とも、人間の一面を捉えてる。いや、捕えてるのか。その場にいるのは確かに人間なんだけど、人目を避けて日陰のジメジメした場所にいる、人が普段は見えないようにしてる感情を発露してる。人間みたいな昆虫みたいな何か。僕ら観客はそれを覗き見してる感じ。ぶっ飛んでた、良い意味で。観劇後に、思い起こしてイロイロ考えるけど、何かうまく捉えられない。

気分屋

気分屋

劇団あおきりみかん

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/06/17 (金) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

気分最高っっ!
爆笑!!!感動!!!常々、演劇は敷居が低い方が良いと思っていて。学生向けにチケット代を安くして、高校生以下でもしっかり楽しめる作品にする。でも、じゃあ若くないと楽しめないかと言えば、大人でもしっかり楽しめる。あおきりみかんは、まさに自分の理想像の様な公演をするなぁ。と、勝手に惚れ込んでみる。気分屋、大好物でした。

ネタバレBOX

ブレヒトの演劇論を体現する様な、「な〜んちゃって」演劇。みんな物語に引き込まれてるけど、これって嘘だからねってポーンと突き放す。芝居見慣れてないからたとえがうまくないけど、20世紀の蒲田行進曲ならば、21世紀の気分屋なのではと思わせる会心の作品。

物語が深みを増すのは、入れ子構造になっている物語の根底に悲しみがありながら全体を笑いで包む所にあるなぁと思いました。20年会えなかったお母さんに、結婚の報告をした娘が「でも、本当に好きなのかわかんないんだよね」って言うと、母親は「いいんじゃない、私もそうだったし。気分に負けて躊躇するより、一瞬一瞬を本気で生きればいいじゃない」という様な内容の持論を展開する。自分が無いように見える、気分で生きる母親は、重婚を信じる武将オタクの元夫を愛し、でも目の前の強姦殺人容疑者の男を叶わぬ愛としりながら愛する。この、母親に気分屋を感じ、悲しい場面で笑ってしまう性格には哀愁すら感じる。

でも、そんな悲しさを感じる暇がないほど、驚く程の勢いで物語は進んでいく。時をかける少女も、織田信長も、アップルパイ刑事も、明智小五郎も、全部許容してしまう物語。全部強引にでも一つにまとまっていく様子は圧巻の一言。物語なんてしょせん嘘なんだけど、ここまで嘘を面白おかしく表現してもらえると、至福です。

大屋愉快さんは、オンナの平和でもずぶ濡れでしたが、そういう持ち回りなんでしょうか……。面白いけど。
桃色淑女

桃色淑女

渡辺源四郎商店工藤支店

アトリエ春風舎(東京都)

2011/06/17 (金) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

夢を与える
5人しか役者さん出て来ないのに、芯のある、笑ってジーンとする作品に仕上がってました。メインゲストの三上陽永さんも活躍されてて、青森パワー溢れる良作でした。

ネタバレBOX

人気アイドルグループ「クッキーズ」解散から10年、メンバーの一人サユリが死んだ。残されたメンバーのミツルとレイは再びクッキーズを目指す。

ピンクレディに憧れて、友人と一緒にアイドルを目指すも、ある日突然死んでしまった性同一障害の友人コースケ。その死を受け入れきれずにいながら、高校2年生のヒロシとタケシは2人でアイドルを目指す。「アイドル誕生」のオーディションに出て、2人でピンクレディを歌おうと決めるが、当日タケシは会場に行かず、ヒロシは1人で「コースケ&タケシ&ヒロシ」として出場して、うまくいかない。

ミツルとレイ、ヒロシとタケシの2つの物語が、男性2人の1人2役で描かれる。アイドルは夢を与える。歌って踊ってキラキラしていて、皆の憧れだ。でも、アイドルであり続けるには、自分が夢を見続けないといけない。

「アイドル誕生」の審査員は、「アイドルになる人は、才能や見た目だけではなくタイミングなんだ、とか。オニャン子もあんなに熱狂的なファンがいたけど解散したら忘れられる、とか。模倣ではなく自分の歌を歌う事が大事だ、とか。」言って激励する。そこには、流行のスピードが早いテレビ業界の栄枯盛衰を如実に現している。大事なのは瞬間的に売れる事よりも、売れなくなった後の長い長い時間だ。

サユリは死に、ヒロシも1人で芸能界に飛び込むも10年後に死ぬ。2人の死因はわからない。でも、芸能界に居続けるには、とてつもないエネルギーがいる。

物語の合間に、今年還暦を迎える芸能人の白虎隊の男が歌を歌う、その歌には芸能界の栄枯盛衰を生き抜いた者にしか歌えない音楽がある。

アイドルはこれからも生まれ続け、多くの人に夢を与える。でも、夢を見続けて生きていくその壮絶さは、計り知れないな。そんな事を考えさせられました。ラストの男2人で全力で歌い踊るピンクレディーの「渚のシンドバット」は悲しくて滑稽だ。
リボンの心得

リボンの心得

本能中枢劇団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/06/18 (土) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★

ゆるーい浮遊感
意味はわからないけど面白かった。考えるより先に、目の前で色々な事が起きては消え、起きては消え。瞬間的に笑えるんだけど、観劇後は見事に何も残らない。好きな人はものすごく好きなのかなぁ。

リミックス2

リミックス2

国分寺大人倶楽部

王子小劇場(東京都)

2011/06/14 (火) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

BUNJI-MANKITU
一作品ずつ短くまとめるなんて出来るのかなって思ってドキドキしながら見てましたが、見事にリミックスッッ。空気感の違う作品を演じ分ける役者さん達はすごいなと思いました。

見た事ある作品の味はちゃんと出てたし、未見の作品も面白かった。先が読めないドキドキするシチュエーションと、シニカルな視点で描かれた登場人物達が、人間らしくて愛しくてたまらない。そして各作品、意表をつくラストにやられてしまう訳です。

もっと短いと思ってましたが、全体で1時間50分位あったので濃密な空間を堪能出来ました。

ネタバレBOX

『国分寺…』の舞台はいつも観劇前、どの席に座るか迷う。物語の見え方が、席によって違う気がするんだよなぁ。気のせいかなぁ。少しでも間近で見たくて、舞台向かって右手の席の最前列で見ましたが、役者さんの顔が見えないシーンも多々ありました。物語を追うなら、舞台正面の席の方が良いですね。でも、舞台が近い分、役者さんの細かい仕草が生々しくて、僕的には当たりでした。一長一短ですね。

物語は骨組みは変わらないけど、台詞はほとんどオリジナルで、贅沢な感じです。4つの話を横断するように同じ登場人物が複数の話に出てきて、楽しい。そして4作品見終わって浮かび上がる、後藤さん演じるアオイをキーマンとした、もう一つの物語。雰囲気の違う作品群が、こんなふうに一つにまとまるのかって驚きです。

どの作品内にも根底に『もし大事な人がいなくなったら(死んだら)どうする?』といった問いかけがあるように感じました。ガールフレンド、グロテスク、ホテルロンドンそれぞれに、『自分の大事な人との別れ(死)』のようなものが表現されてるように見えて、一概に対比は出来ないけど、並べて見せる事で個々の作品の味わいが増したなと思いました。

そして今回の「リミックス2」では割とほのぼのした感じで終わっていたストロベリーですが。前々回公演の『ストロベリー』の単独作品時には、アオイはレンと死に別れてる訳で。劇団の前々からのファンにはより味わいを増す構成に、やられちゃいました。

おまけ公演も馬鹿馬鹿しくて良かった。台詞うろ覚え・内輪受け・変な間・めちゃくちゃな台本で見える、悪ふざけな役者さんの一面が見えるのも、お得感が増しますね。
【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2011/06/07 (火) ~ 2011/06/15 (水)公演終了

満足度★★★

Rばーじょん
自分が知っている筈の世界の少し裏側には、見てはいけないもう一つの世界がある。人には言えない隠れた欲求、アンダーグラウンドな世界、都市伝説…。役者さんが皆、過激な内容に体当たりで演技していて良かったです。

過激さを大々的に謳ったチラシにひかれて見に行くならば、ハズレないかも。僕も野次馬的な好奇心は満たされました。

ただ個人的には、頭でっかちな作品集だなと思いました。悪ノリや、人には言えないような欲求にまで理詰めで説明を加えなくても、観客は想像して楽しむのになと思いました。

ネタバレBOX

短さ故に、独創的な発想の瞬発力で持ってる感じで、発想は良いからもっと見てたいのに、登場人物に共感も反感も持てずに終わりモヤモヤです。どうだ、過激だろってだけでは物足りないです。あと、やはりアンダーグラウンドな隠れた世界を覗き見するには、全体的に空気が開けっ広げすぎる気がします。

オープニング
→分かり合えない人(モノ?)の暴力とそこに惹かれる本性。進撃の巨人みたい。一番好き。

愛1と2→不器用にしか分かり合えない男女。

天井裏→人間椅子なストーカーかと思いきや、コント。

タイガーバームガーデン→家具が皆人間。

トルソ3部作→命をかけて求める存在意義は自己肯定か、美しさか。

Enemy→我々の歴史は戦争の歴史で、戦う血が流れているのか。

Interval→川添さんの目が良かった。

I kebukuro→コント。男優さん、皆立派なものお持ちで。

リカバー→正常か異常か。短か過ぎて、勝手な私見で解釈してしまうが、現実の犯罪と更正とのギャップがあり過ぎて不快。

ほんの遊び心→真面目な芝居が続くとバカ騒ぎしたいんだろうな。単にバカで良いのに、警察の台詞が余計に感じました。
【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

【ご来場ありがとうございました!】Loss / Recover

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2011/06/07 (火) ~ 2011/06/15 (水)公演終了

満足度

Lばーじょん
物語をそのまま受け入れられるかどうかで評価が変わると思います。僕は拒絶しちゃいました。明日、Rバージョン見て、再度劇団の魅力に迫ろうと思います。

ネタバレBOX

突然異空間に連れて来られ、記憶を無くし、現世に戻るには敵を殺し、全員の名前と番号を言わないといけない。でも闇雲に殺しちゃダメ。ヒントは各々が唯一断片的に記憶しているメッセージのみ。設定ががんじがらめ過ぎて、謎解きも、脱出劇も、殺し合いもグダグダ。エンタメとしてのヒリヒリとした生への欲求や人間のエゴみたいなものもないし、脱出するための葛藤もない。

うーん、『偏屈な表現と狂気の交錯』はうまく作用してなかったです。役者さんは美男美女揃いだな~とか、女性のブラトップ姿は健康的なセクシーさがあるなぁとか、作中出てくる「僕たちは日本人じゃないか」というのは日本人としてのアイデンティティへの問題提起なのか…いやいや違うか、とか関係ないことばっか考えちゃいました。

僕は観劇後は、「これは最愛の彼氏と死に別れた女性の、偏質的で壮大な妄想なのかな」って思ってたら、家に帰って「アンサー」ページみたら、サタン生きてるっっっ。ハッピーエンドかぁ、何かがっかりしました。この作品は、作品冒頭の違和感のある感触を残して終わって欲しかったなぁ。あくまで、個人的な好みですが。
いないいない

いないいない

ガレキの太鼓

アトリエ春風舎(東京都)

2011/06/03 (金) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★

初ガレキ
見た事のないような世界が観れたし、劇中に人間らしい葛藤も見えて、役者さんも安定感があって安心して見ていられました。色々な解釈があるのだと思いますが、僕はあんまりしっくりきませんでした。でも、今年は他にも上演予定の作品があるようなので、継続してガレキの魅力を探索したいと思います。

ネタバレBOX

『ある日、通知が来ると自分の存在を消されてしまう』という世界。何故消されるのかは最後まで明かされる事がない。消されまいと、隠れ家に潜んで共同生活する男女。隠れ家の家具の中を各々の部屋として生活している。

全ては自分の頭の中で作り出した世界であって、私以外の世界全ては想像の産物なのではないか。そんな観念論的な哲学の世界に迷い込んでしまうような不条理劇、というのが僕の解釈です。そう解釈すると、とたんに世界は確かなものではなくなり、何が事実で何が自分の想像かがあやふやになり、何だか面白いなと思いました。共同生活する仲間達は、一人また一人と声だけの存在になり、姿が消えていく。まるで最初からいなかったかのように。消えたのか死んだのか殺されたのか逃げたのか、もしくはやっぱりいないのか。誰がいて、誰がいないのか。そうやって観劇後舞台を思い返すと、頭がグルグル回って面白かったです。

隠れ家に潜む様はアンネの日記を想像させますが、私には、消される原因には『差別』や『迫害』の影は見えませんでした。むしろマンガの「イキガミ」を思わせる、「ある日突然、何の理由も無く死が宣告される」という形で「生きているという実感を得る」事を訴えてるように感じました。それは、自分がどんなに一生懸命生きていても、言われのない暴力で突然人って死んじゃうんだよ、みたいな突き放され方をしているようで釈然としませんでした。もし、何らかの選別があって消されるのならば、登場人物達は皆、あまりに無自覚・無思想信条であるように思え、いずれにしろ共感出来ませんでした。

アフターイベントの男ミシュラン、楽しかったです。挙手制による、主宰の舘さんのパートナー探しっっ。最後まで観客を楽しませる趣向で、良かったです。

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