『江本真里子一人芝居 × プロトテアトル』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2020/07/28 (火) ~ 2020/07/28 (火)公演終了
強龍2020 〜新春大喜利会〜
大喜利会
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2020/01/14 (火) ~ 2020/01/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
毎年、お正月明けに開かれる、関西小劇場演劇人による大喜利会。
毎年、楽しみにしてるんです。
今年は会場が生まれ変わった新1stに移り、舞台が横長になって、司会サイド、解答サイド、ジャッジサイド、やりやすそうでした。
大喜利会は、プレイヤーの呼び込みの時点からもう始まっている。
ダイゴさんによる口上、プレイヤーひとりひとりのバックボーンを紹介する面白ろ口上で、もう呼び込みの時点から場内爆笑の渦。
昨年に爆笑をかっさらった回答、「強龍」ですが、今年からなんと大喜利会タイトルにまで出世して。
しかも優勝者は、将棋のタイトルの如く、「強龍(ストロングドラゴン」と名乗る権利を得ることに。
それが有難いことなのか、若干の迷惑なのかは、さておき。
ものすごく接戦で熱く盛り上がった決勝戦を制して、名誉ある「初代強龍」の称号を得たのは、baghdadcafe’の泉寛介さんでした。
思い返しても、ずっと笑ってた気がします。
ひぃひぃいわされました、笑いくたびれましたよ、くたびれるほど笑わされるって。
演劇やってる人って、基本頭いいんですよね、なんであぁぽんぽん、ぽんぽん、面白いこと思いつくんだ。
ハイライト・・・って思ったんですけれども、大喜利って、切り取って残しても、あの面白さが残らないんですよねぇ。
やっぱ、あの場、あの流れ、あの言い方、あのタイミング、全てを制した先に爆笑がある。
って、格好よく言ってみました。
とても楽しかった!
また来年の開催、「強龍2021」楽しみにしてます!
どうでもいいけど、自宅の物入れには、泉さんのスケッチブックが大量にあります。
終わった後、ロビーで回答者のスケッチブックが販売されるシステムになって以来、毎年泉さんのスケッチブック買い占めていたもので。
終演後も楽しくおしゃべりしてて、これどうしようかしらね、棺桶にでも入れてもらおうかしらと話していたら、それはよく燃えそうですねと言われました、ほんまやな。
上田ダイゴと二朗松田の『演プロ22』
上田ダイゴトークライブ
デジタルカフェ-スクリプト-(大阪府)
2020/01/08 (水) ~ 2020/01/08 (水)公演終了
満足度★★★★★
2020年、演プロはリニューアルされるそうです。
毎月、豪華ゲストを招くそうです。
そんなリニューアル演プロ一発目のゲストは、有元はるかさんでした。
みんな気がついてる、そこにゲストが座っていることに。
なんなら、あけましておめでとうございますと挨拶しましたしね、始まる前に。
でも呼ばない、いつまで経っても呼び込まれない。
軽快にしゃべるつづけるMCふたり、ゲスト放置され続けること数十分、そのまま1stステージ終了しそうな勢いで、びびりました。
ざっと思い出せる今回のハイライトは。
ビューティーダイゴ、旦那にも嫁にも、面倒くさがられる。
ダイエットの為には、酒とカズチーを絶たねばならない。
荒れ果てた即興コントコーナーにて、くすむらちゃんの持ちネタ「テキーラだ」が誕生する。
などなど、たぶんもっと色々ある、色々ありすぎて。
あぁ、そうそう、リニューアルポイントもうひとつありました。
それは、プロレスの話をしないこと。
毎度いくら会場がすんとしてても諦めなかったMCふたりの心が、ついに折れましたよ、プロレス話はダメだと。
観客側の勝利ですね。
まぁ個人的には、興味あることも、ないことも、とんでも賢いお二人が話すと大概なんでも面白くなっちゃうので。
お二人が楽しく話しておられるのを見られれば、満足だったりです。
トゥーランドット ~廃墟に眠る少年の夢~
少年社中
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
二十周年、これまでの少年社中の歩みも詰め込まれつつ。
見える景色が変わる、演劇で世界は変えられる、心の底からそう思わせてくれた舞台でした。
この景色を観続けいたい、この人たちを観続けていたい。
熱い熱い身体の奥底から振り絞られた感情の爆発に心が打ち震える。
『TheStoneAgeヘンドリックス×空宙空地』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2019/06/18 (火) ~ 2019/06/18 (火)公演終了
満足度★★★
The Stone Ageヘンドリックス「まともがわからない」
元不倫相手の幽霊が居る叔母さんの部屋に。
結婚相手を連れて挨拶に来た姪。
そこで起こるドタバタの話。
自身は不倫の末に未婚のままおばさんになってしまい、若い姪が結婚する挨拶にきた叔母の心中は。
終盤に不倫相手の幽霊に向けられた、何故自分のところに化けて出てくるのかという激しい非難の言葉に現れているのかなと。
生前は恋人を不倫という境遇のままにしておいたくせに。
いざ幽霊になってから、君に会いたかったとか、元恋人が可愛がってる犬に嫉妬したりとか。
なんて身勝手。
まぁそもそも結婚生活を解消することもなく不倫を続けるような男性は、その時点で身勝手なのであり。
その身勝手に付き合い続ける女性は女性で、自業自得なのであり。
ただ、それを親兄弟でも親戚でもなく、親しい友人でもない、全くの無関係な人間がとやかく煩く非難することでもないと、個人的には思うのです。
不倫といっても事情は様々だろうし、何よりあくまでも内々の問題かなと。
ただ、既婚者の異性にそういうスイッチが全く入る気がしない私にしてみれば。
既婚者の異性にそういうスイッチが入ってしまう人は、気の毒なことだなぁとは思います。
空宙空地「飛ないロケット」
公園でだべる男女二人、公園からは同窓会会場が見える位置、二人は同窓会を抜け出して来ている。
同窓会を抜け出し、賑わうかつての同級生達の様子を遠くに眺めながらの、二人の男女の会話劇。
ポイントは、二点。
友達以上恋人未満なまますれ違ってしまった二人の遠い日の恋心。
地元を離れ好きな事を仕事に都会に出て行くという羨まれる立場だった過去の自分と、地元に残り地に足付けて安定した生活を送る同級生達を羨む現在の自分、マウントの逆転。
共通して言えるのは・・・過去は過去、現在は現在なのだということ。
過去にすがって現在から目を逸らしたところで、現在が変わるわけでもない。
ifはifでしかなく、今生きてる自分の現在が現実。
かつて自分を地元に置いてけぼりにして出ていったと思っていた男が、実は自分に告白しようとしていたと知った女は。
そうと知ったところで、それは過去のことでしかなく、今の幸せが大切なのだと言う。
自分より格下だと見下していた同級生と結婚したかつての想い人のそんな言葉に。
延々、現在の自分を否定し、過去に見下していた同級生達の現在の姿から目を逸らし続けていた男の拗ね切った心も。
ようやく今を大切に前向きに生きようと思えるようになったのかなと。
公園のロケットを見るラストシーンにみえるように思えました。
『INDEPENDENT:19トライアル公開二次審査』
INDEPENDENT
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2019/06/25 (火) ~ 2019/06/26 (水)公演終了
満足度★★★★★
今年はあまりに皆さん技術が高くてうまかったので、純粋に作品の内容を楽しむことができたように思います。
なので感想も、作品の内容にたいする感想が主になりがちです。
トライアルで引っかかるポイントは、人により様々で十人十色なことかと思います。
わたし自身も毎年常に変化することなく同じではないように感じます。
そんな中で今のわたしがどう判断してるのかな・・・といいますと、またその一人芝居を観たいと思うかどうか、ということなのかなと。
単純にその一人芝居があまりに良くって、また観たいと思う場合もあれば。
二次の時点ではいまいち・・・でも、トライアルは15分なので、残り15分の発展を観たいと思う一人芝居もある。
逆に、たとえ完成度が高くて素晴らしい一人芝居だったとしても、そこで完成されすぎていると、そこで満足してしまって、もういいかなとなったり。
皆さんは、どうなんだろう?
色んな人のきもち、聞いてみたいです。
なにはともあれ・・・二次に出場された方全てに拍手を!
ほんとうに、一人残らず皆さん技術が高くて、トライアル、なんつーとんでもないイベントになったんだ・・・という思いです。
『三等フランソワーズ×超人予備校』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2019/06/04 (火) ~ 2019/06/04 (火)公演終了
満足度★★★★
三等フランソワーズ「Birthday」
タイトル違っていたので観るまで気が付きませんでした。
始まってすぐ、あっ!これ知ってるやつだ!大好きなやつだ!!って。
産声あげた1stへの贈り物として、クリスマスギャロップからのタイトル変更。
粋ですねぇ。
母親を亡くした女子高校生が、幼い頃に蒸発した父を探す旅に出るお話し。
再会した父親は女装してバーで働く人になっており、その負い目、過去に娘を傷つけた負い目もあり、名乗りをあげてくれない。
お互いにお互いが父と娘であると分かっているのに、他人を装ったまま別れ・・・たのですが。
最後はちゃんと互いに互いを探し求め、しっかり抱きしめあう、ジーンとくる結末でした。
このほっこりした親子の再会の良いお話の中に。
女子高校生と、付き添いで付いてきてくれた親友との、噛みあってないやり取りに。
父親が働いていたお店の店主(もちろん女装)と、建物オーナーのロマンスも、すっごい良い。
自分にぞっこんらぶらぶな元恋人を、つれなく冷たくあしらいながらも、根っこ優しい辺り、すっごい良い。
登場人物がみんな味があって良いので、実は続編はすでに存在しているけれども、個人的には月一くらいで連作上演観たいくらい好きです。
あと、クリスマスツリーが健在でよかった。
いや地味に代替わりしてたりして・・・?
超人予備校「デザート砂漠」
超人予備校なので、人間より人間でないモノの方が多かったです、超人予備校なので。
某アニメ映画の飛行機乗りの豚さんが主人公。
飛行機にのって飛んでいたところ、砂漠に墜落。
ところがその砂漠が・・・スイーツで形成された砂漠。
足元には砂ではなくきなこ、空から降ってくるのは雨ではなく飴、オアシスにたたえられているのは水ではなくチョコレートフォンデュ等。
ちゃんとした水を求めてきなこの砂漠をさまよう豚さんと、少しでも長く生きたい白玉プリンスを探したいという目的もってさまよう白玉だんご達のお話。
日枝さん、尾松さんの、白玉コンビが・・・可愛くも美味しそうで・・・。
白玉だんごって小学校で初めて作って以降作ったことなかったですけれども。
ちょうど、美味しいきなこ、家にあるし。
白玉だんご作って、きなこまぶして食べたいな~という気持ちになりました。
偽曲 安寿と厨子王
東洋企画 TO4O KIKAKU
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2019/02/22 (金) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
満足度★★★
日本昔話レベルで知られた話とのことなのですが、わたしは原作を存じませんでした。
どんなことでも、変化球の良さを知るには直球を知らねばならない、と思っているので。
読んでみたいなぁと後から調べてみると、森鴎外著の小説が別の題名であり、それは数年前に舞台化もされていたようで。
そういえば、そちらは目に耳にしたことはある気がする・・・と思いつつ、知識の狭さが恥ずかしい。
東洋企画さんは少人数の公演もありますが、大人数の場合はもうほんとに大人数。
個人的には続けて観ることで、この世代の役者さんを幅広く知る機会を得られる劇団さんでもあります。
作風は芸術性が高く、扱う題材は幅広い、今回はその中でも古典の改稿。
殺陣がメインではない時代劇でした。
時代劇の演劇といえば殺陣が魅せ場・・・というイメージを持たれがちな印象ですが、そうではないところがまた良かったです。
物語は吃音の語り部によって進められる。
演じているのは繁澤さんということもあり、應典院で吃音教室が催されていることとの繋がりを感じます。
お芝居は、語り部が聞いた話を書物に残すというかたち。
現実でも「安寿と厨子王」という説話を元にして森鴎外が小説を執筆しており。
実際に起こった出来事を物語にする、読み物にするということは、あくまでも作り物あるいは芸術作品であり、事実とは異なるのだということが表現されてました。
個人的には、歴史学と考古学の違いというものを、つらつらと思っていたり。
書物から歴史を研究するのが歴史学。
物から歴史を研究するのが考古学。
書物、この場合は歴史書になるわけですが、それって極めて不確かなものじゃないですか。
歴史書はその時代、その時代の覇者となった者が、己の都合の良いように後世に残したものが圧倒的に多いと思うのです。
事実が改ざんされ、省かれ除かれる。
しかし本当はこうだったのではないか、と思い巡らす余地があり、そこに浪漫がある、等々。
運命というものは、抗いがたいチカラを持っていて。
自身の思いは取り残され、取り巻く環境や人間に飲み込まれてしまうこもある。
歴史を生きる人物の人生をみていてしばしば感じる無常がありました。
第4回30GP
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
準決勝②「S☆J Lab×二朗松田×中野劇団」
準決勝は、金曜日に勝ち残った二組の対戦。
これが30GPに潜む魔のひとつで、同じ作品を同じようにしてても、客席の空気が全く違う。
ウケるはずのところが、空気が重たかったり。
今回、準決勝で作品をチェンジしてきた劇団がなかったので、一日前ないしは二日前に観たばかりな観客もいた・・・という影響もあるかもしれない。
単純に客席全てが全く同じ観客なわけではないというのもあるだろうけれども。
準決勝を終えて、決勝に進んだのは三等フランソワーズと中野劇団。
奇しくもシチュエーションコメディ対決。
そういえば・・・コメディとコントの違いって、なんなんだろう?
ふんわりとした概念しかわたしの中にはないので、よく分からないです。
機会あればお話しおうかがいしたい。
自分は決勝は行けずに残念やら結果気になるやらだったのですが、三等フランソワーズの優勝だったそうです。
面白かったからな~でもどちらも個人的には最高に面白かった。
次のシーズンの火曜日のゲキジョウは、新築1stこけら落とし公演シリーズから。
シーズン期間は短めになるので、始まってから30GPまでがいつもより早く感じるはず。
まだこけら落としの分しか発表されていないので、どんなラインナップになるのか、次のシーズンもとっても楽しみです。
第4回30GP
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
準決勝①
わたしが観に行けなかった30GP初日の、第1ラウンド第1試合、第2試合を勝ち抜いた二団体による準決勝。
大阪朝高演劇部「ゾエアが満天の夜空」
彼女達は高校生、自分達で演劇部を発足し、学校に認可してもらえるように現在進行形で頑張っているリアル高校生。
そんな彼女たちが火曜日のゲキジョウに挑戦し、大人達に混じって30GPに選出されたというのが、もう熱いじゃないですか。
内容は、長らく断絶されていた国家の首脳同士が会談するという国を上げての重大な日が。
自分達にはどうにもならない家庭の事情で離ればなれになってしまう仲良し三人組の別れの日となる。
国家の一大事と、彼女たちを取り巻く世界の一大事は、重たさは等しい。
むしろ後者の方が大切だったりする。
三者三様の個性の違いがよく表現されていて、これだけ違う個性の子達が仲良しになれるというのは、学校という枠の中にいる時代ならでは。
笑顔で毎日楽しく過ごしているものが、その笑顔のままに辛いことも何もない毎日だというわけではない。
経験によってそれを知り、子供は思いやりをもてる大人になってゆく。
人によっては、知ることのできないままに大人になってしまう人もいることでしょうけれども。
はつらつとした元気な笑顔と声が、とても好印象でした。
三等フランソワーズ「フレンチとマニュアル」
お見合いパーティで出会った男女の、気取ったフレンチレストランでの食事の場面。
舞台は、コース料理がすっかり終わり、ひたすらワインを飲むしかない状態から始まる。
木山さんの酔っぱらいっぷりが、いやらしさがなく可愛げがあり、とてもいい。
酔う前は大人しかったのに、酔っぱらってからが最高に面倒くさい。
その面倒くさい絡みに対して眉を八の字にしてボヤく中川さんのボヤきが、これまたいい。
男性側がしまいに堪忍袋の緒が切れて拗ねてしまう、形勢逆転今度は中川さんが最高に面倒くさい。
二人のやり取りが可笑しくて、可笑しくて、とても面白かったです。
この芝居の男女は、自分の中で完結し過ぎるのです。
マニュアル本なんかに答えはない、答えは目の前に座ってる生身の相手にある。
勝手に相手の心を推測して決めてかかって、分かったような気持ちになる。
でもねー、分かるんですよねー。
気になる相手ほど、心を知りたい相手ほど、本当は迷惑に思っているのではないだろうか、嫌われているのはないだろうか、そうに違いない・・・って、思っちゃうんですよねー。
この二人はそれでもちゃんとぶつかり合えたから、本音ぶちまけあえたから、良かった。
終電の時間を確認し合う場面で、中川さんは正確な時間を答えたのに対して、木山さんは自分もだいたいそれくらいの時間だと答えたのが、この男女の性格の違いを顕著に表してた象徴的な台詞。
思わず幸せになって欲しいなぁと願ってしまう、そんな人間臭くも愛おしい二人でした。
第4回30GP
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
第1ラウンド第4試合
劇団りゃんめんにゅーろん「晴れ間」
これまで火ゲキ以外の場で、別のキャスティングで二度ほど観たことのある作品。
リアルリーマンな南出さんから生み出されるリアルリーマン事情の悲哀が染みる良いお芝居です。
この火ゲキバージョンでは・・・その良さを堪能することができませんでした。
男性二人の会話劇なのですが、会話のキャッチボールができてないように感じられました。
台詞に心を感じることができない。
単に棒読みだというだけではなく、相方を意識して台詞を発していない。
相方の台詞は自身の台詞のきっかけでしかなく、ひとりでしゃべってるというような。
片方の暴投の一人芝居に、片方が巧みに拾って汲んで合わせていってるような。
雰囲気だけで笑わせにいってるような。
わたしには満足のいかないものでした。
中野劇団「結婚の報告」
今シーズンの火ゲキでは唯一観に行けなかった回だったので、こうして30GPに選出されて観られてほんとに嬉しかったです。
なので初見だったわけですが・・・期待値を遥かに上回って面白かった。
笑い疲れて腹筋が痛くなるほどに終始爆笑してました。
バーで繰り広げられる二組の結婚報告シチュエーションコメディ。
まずは友人の母親と結婚することになった男が、友人にそのことを初めて打ち明ける。
この友人がとんでも憎めないおバカさんで。
お相手が誰だか言わせずに自分で推理しようとするのだけれども、よもや結婚相手が自分の母親だとは思っていないものだから、だいぶとおかしなことに。
観てて、だから友人の結婚相手はお前の母親だよ!って叫びたい衝動にかられました。
続いて、もう片方は・・・。
待ち合わせていた女性が結婚相手なのかと思いきや、それは元妻で、よりにもよって元妻に再婚の結婚式スピーチを依頼するという。
もうその言動は変態を通り越して狂気すら感じられる。
それを一瞬たりともブレることなく演り切ってるのが見事でした。
いつも状況を細かく細かく練り込んでたたみ掛けてくる笑いが秀逸な中野劇団さん。
個人的には初めて観た「10分間」に次ぐ面白さでした。
第4回30GP
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
第1ラウンド第3試合
俺たちの地球空洞説「がらんどう」
冒頭から旧1st近隣のご当地ネタや、火ゲキスタッフネタがふんだんに盛り込まれる、火ゲキ愛。
1stでの上演時に比べると、2ndの空間を活かして取り込んでいたのが、ポイントが高かったです。
劇場に演劇を観に来た男が、座席と鞄を奪われたと言って、舞台に上がってくるところから始まる。
観る側だった人が舞台の上に上がる、観る側だった人が比較的気軽に演る側に回る、客席と舞台の境界線の薄さ、そういう小劇場事情を現わしている。
物語は女が持つ地球儀を男が逆回転させることで、実在の世界でありつつどこかズレた並行世界へ迷いこむ。
シルクハットをかぶったタキシードの麗人が語り手となり、鞄=人生を奪われた男の話を進行してゆく。
麗人がステッキで床をコンコンと打つ音が、小気味がよくて好きでした。
物語の締めくくりには、出演者全員が正面を切って群唱。
群唱でこれまでシーズンを跨いで幾度となく火ゲキで上演し続けてきた数々の作品を振り返る。
全体を通してメタファーが多様されていて、メタファーを用いるのがだいぶ好きなんやなぁと。
メタファー芝居のもつ掴みどころのない曖昧さ、そこからくる独特の雰囲気が好きな人におすすめな舞台です。
挑戦し続けてきたからこそ、そしてただただ数をこなすというだけでなく全てを糧にできたからこそ、この30GPという舞台に立っているのだということも思わされました。
S☆J Lab×二朗松田「屍体は歩かない」
こちらは劇団参加ではなく、コメディのワークショップに集ったメンバーでの参加。
演出家の男性を巡っての争い、女優ふたりのシリアスな争いの場面・・・と思いきや。
実はそれはお芝居であり、初日を明日に控えた劇団の場当たりの場面だという始まり。
場当たりの段階にもなって、演出家が死体が歩いてハケるのはおかしいとゴネ始めることから変更点が多々発生し、しまいには劇中だけではない劇団内の二股まで発覚するという、シチュエーションコメディ。
わたしは個人的には死体が歩いてハケたとて全く気にならない派なのですが、それも演劇のお約束に染まってしまっている証拠でしょうか。
なんせ二朗松田さんの作品なので、脚本は間違いのない面白さ。
それだけに痛感するのが…面白いことを面白く言う、演じるというのが、どれだけ難しいかということ。
例えば怒りを込めていう台詞でも、コメディにおいてはただただ怒りを込めて発しても、いささかも笑えないわけで。
感情を込めて演じるということとは別に、蓄積された経験や技術、あとはもって生まれたセンス・・・というのが必要なのかなと思いました。
そんな中で室屋さん、もう何言っても、何やっても、逐一面白くて、笑ってました。最高です。
室屋さん演じるタクシー探偵淳子、ほんと是非にスピンオフして頂きたいです。
上田ダイゴと二朗松田の『演プロ10』
上田ダイゴトークライブ
デジタルカフェ-スクリプト-(大阪府)
2019/01/09 (水) ~ 2019/01/09 (水)公演終了
満足度★★★★★
今年一発目の演プロは、ちょっと意欲的、革命的に。
演劇のお話だけではなく、テレビ番組の話、世間を賑わしたニュースの話等々、多岐にわたる分野に昨年以上に切り込んでゆく。
何が出てくるかな~?っていうワクワク感が高上です。
そんな中でも、他の何より熱を込めてお話されるのがプロレスネタなのですが、毎回ぶっこんでこられるにも関わらず毎回とたんにスンと冷える客席の空気が、個人的にはたまらなくサイコーです。
いつも改めてどんな話してたっけかな~と振り返ろうとした時に、なんだかあんまり残ってないのです。
ひとつのお題から、どこまでもお二人のお話の枝葉が伸びて、で今なんの話してたっけ?ってなるくらいに、お話のネタが豊富で尽きないものですから・・・後で振り返る際にも、でなんやったっけ?ってなるのかな。
なんでも面白くお話してくれるので、楽しくて楽しくて時間があっという間です。
カウンターの中から、そんなお二人のトークを陰ながら支えるスタッフが、演プロカウンターガール。
歴代のガール達忙しく、今年初の演プロは、お初のガール。
くすむらさん・・・面白い、そして可愛らしい。
ほっこり場が和むアシストかつ的確な映像出しで、とてもナイスなお仕事っぷりでした。
そうそう、わたしはおせち料理が大好きです、おせち料理にいらない子なんていないのです。
おせち料理と日本酒がある正月、しあわせです。
『LPOCH × 三俣婦人会』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2018/07/17 (火) ~ 2018/07/17 (火)公演終了
満足度★★
LPOCH「〆」
自宅の自室に引きこもりの若い男性、弟を優しく気遣い養う姉。
弟は何らかの事件を起こしたらしく、母親も何かしら関わっているらしく、週刊誌の記者が自宅のドアを叩く、取材の申し込み。
劇中、最後まで事件の詳細が明かされることはありませんでした。
なんだろうな、何を、どういうことを描きたかったのかな。
着地点がいまいち見えませんでした。
三俣婦人会「皮」
皮というタイトル、それが指し示すものは…男性特有のあれでした。
包茎の手術をする息子、それに付き添う両親、父親は不倫中、夫婦関係は冷えているけれども母親の性欲は止まるところがなく手術室の待合室で迫る。
手術を終えた息子の願望は、世界中の女性と関係をもち、子供を山ほど産ませること。
いわゆるシモネタ、全編シモネタ全開、わたし終始ドン引き、最後までテンション引き潮。
そのシモネタレベルは、そうですね、少年漫画の下品系のギャグ漫画。
ものすっごい渋い顔して観てたと思います、我ながら。
『全日本超溶接工委員会 × 凡タム』
火曜日のゲキジョウ
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2018/07/24 (火) ~ 2018/07/24 (火)公演終了
満足度★★★
この日は、翌日から1stで公演があるため、火ゲキ史上初の2ndにて。
とても不思議な感じでした、通い慣れた2ndで、通い慣れた火ゲキ、通い慣れたもの同士なのに掛け合わせるとなんてこんなに異空間。
観てみて正直なところを言いますと…やっぱり1stで観たかったかな。
舞台上の空気が、広い2ndに吸い込まれていった感覚がしました。
『INDEPENDENT:18トライアル 二次審査』
INDEPENDENT
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2018/06/19 (火) ~ 2018/06/20 (水)公演終了
満足度★★★★★
一日目。
三次予選に出る作品もあるので、全部ネタバレに入れてます。
順番は当日にくじ引きで決まった上演順です。
トライアルにおいては上演順にも運命を左右される。。。
『INDEPENDENT:18トライアル 二次審査』
INDEPENDENT
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2018/06/19 (火) ~ 2018/06/20 (水)公演終了
チャンドラ・ワークス Chandra Works
少年社中
ザ・ポケット(東京都)
2007/02/07 (水) ~ 2007/02/12 (月)公演終了
クレイジーレイン
リンクスプロデュース
船場サザンシアター(大阪府)
2018/02/17 (土) ~ 2018/02/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
2回目のクレイジーレイン、前は男性4人だったのですが、今回はうち1人が女性。
いや~もう、今回もおもしろかった~!!
すでに展開知ってるのに、それでも尚、観ててワクワクするし、ゾクゾクする。
最高のサスペンス会話劇です!
ANDORRA アンドラ
清流劇場
一心寺シアター倶楽(大阪府)
2018/03/07 (水) ~ 2018/03/11 (日)公演終了
満足度★★★
空想の上での、反ユダヤ主義のような小国、ナチスドイツのような大国が登場する。
非常に重苦しい気持ちになるお芝居でした。
小国で育った主人公は、自分がユダヤ人であるということで、狭苦しいコミュニティの中で迫害を受けている。
しかし本当はユダヤ人ではなく、育ての父親だと思っていた人は本当の父親で、敵国のナチスドイツ風の大国の女性との間に生まれた子供だった。
自分たちが絶対正義であると信じる人々が、他者の事を知ることも理解することもなく、勝手な自分なりの正義で断罪する。
国や人種、そのような大きなカテゴリではなくても、地域や家族、会社や学校、そんな小さなカテゴリの中でも、今も昔もそして先の未来でも、それは存在する。
思い込みによる自分勝手な正義、集団の暴力、おぞましい。
人間の厭らしい部分をまざまざと見せつけられる、そんなお芝居でした。