しのぶの観てきた!クチコミ一覧

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沖縄

沖縄

劇団民藝

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2007/04/07 (土) ~ 2007/04/18 (水)公演終了

満足度★★

ほぼ満席だとか
はからずして追悼公演になったんですね。残念ながら演出も演技も好みではなく・・・。木下順二さんの戯曲はいつか他の企画(劇団)で観てみたいです。

桜襲〜さくらがさね〜

桜襲〜さくらがさね〜

劇団SKグループ

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2007/04/05 (木) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度

客観的な視点を持って活動しているとは思えない
 殺陣がある時代物は劇団創立以来はじめてで、東京公演で初日を迎えることも初めて。シアターグリーン BIG TREE THEATERを使うのも初めてだそうです。経験していないことに沢山チャレンジされたんですね。そして2月末にこまばアゴラ劇場での公演『B計画』が終わったばかりです。だから劇団SKグループの本領を発揮できなかったのかもしれません。
 私は今作単体についての感想を書かせていただきますので、上記をふまえた上でお読みいただければと思います。


 投げ出しっぱなしの声と身体、お遊戯レベルの殺陣、明らかに手抜きの衣裳・小道具・・・。この団体は何をやりたいのかしら、旅公演をする目的は何なのかしら・・・等、団体・公演の存在理由が気になって、作品の中に入っていけませんでした。
 有名で親しみやすい“新撰組”を扱っていますが、新撰組に対する愛情が感じらず、悪ふざけの材料にしているように見えました。チケットが売れていないことを舞台でネタにするのは悪いことだとは思いませんが、観客に愚痴って媚びているようで不快でした。
 私はこのように感じましたが、客席には大笑いして、感動して涙を流したりしているお客様もいらっしゃいました。

ネタバレBOX

 役者さんが常に誰か・何かに寄りかかっていて自立しておらず、動きに気持ちが行き届いていません。ただ、独白のシーンではストンと舞台に降り立って落ち着いている方もいらっしゃいました。
 殺陣の技術がないのなら殺陣ではない方法で戦うなど、演出で工夫を凝らしてもらいたいです。
 鍛えられていない男性の上半身を露出するのは避けた方が無難です。“新撰組”を扱った今作では特に、殺陣のシーンで裸になる必然性がありません。楽珍トリオのおデブさんキャラ・我善導(われ・ぜんどう)さんの上半身の露出は衣裳に合っていて良かったです。
 楽珍トリオによるコントの時間は「今からコントをします」等と宣言して始まったので、そのまま普通に観ていられました。
 桂小五郎がハトの姿になって身を隠していた・・・関連のネタは可愛らしかったです。「ホロッホー」って。


 開場時間に劇場エントランスのドアが閉められていました。劇場の外に誰もいなかったので、開演時間を間違えたのかと焦りました。ドアは開けておいてもらいたいし、可能ならば入り口にはどなたかに立っていていただきたいです(そうすればドアが閉まっていても大丈夫)。劇場ビルの中には多数の誘導スタッフさんがいらっしゃいました。
片手の鳴る音

片手の鳴る音

サスペンデッズ

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2007/04/03 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

セリフがすごく面白かったです
今度、新国立劇場に書き下ろしされる早船聡さんの作・演出を、初めて拝見。床屋さんを舞台にした、ある家族のお話。登場しない人物の印象が鮮やかに残りました。

紅の舞う丘

紅の舞う丘

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2007/04/04 (水) ~ 2007/04/11 (水)公演終了

満足度★★★★

涙が止まりませんでした
 大企業のキャリアウーマンだった30代の咲子(松岡洋子)は一念発起して退職し、化粧品会社を起業します。研究者と営業、総務など最低限の社員とともに、自分にとって最高の化粧品を作り、それを日本人女性に届けようと奮闘する波乱万丈の数年間。詩森さんが実在する無添加化粧品の会社や女性企業家の方々を取材し、その内容をまとめて創作されました(特定のモデルがあるわけではないですが、ほぼ全てが取材内容に基づいているそうです)。


 「本当に良いものを作りたい」「嘘をつかずに、お客様に届けたい」という純粋な気持ちが舞台に溢れているのを感じ、開幕から約30分ぐらいの間、涙が溢れて止まりませんでした。ねつ造や虚偽などの報道がほぼ毎日のように目に、耳に入ってくる今の日本で、人間の根源にある善意(と言っていいと思うのですが)を見せていただけたように思います。


 作品全体のクオリティーがものすごく高いとは言えないかもしれません。役者さんの中には明らかに演技がおぼつかない方や、ちょっとおおげさに動く方などもいらっしゃいました。脚本もまだ精度を上げられる気がします。でもそんなデコボコもさえも、あるベンチャー企業の黎明期を生き生きと体現しているように思えました。不器用だけれど本気で、何をやるにもひたむきな彼らに、私は一緒に生きていく勇気をもらいました。

ネタバレBOX

 ザ・スズナリの舞台が大きく露出したシンプルなステージ。何もない古いビルがレトロな家具で徐々に埋まっていって、オフィスになります。登場人物がその場で家具を移動させて場面転換するのが、同じ志を持った人間の共同作業に見えて、転換中にも涙が溢れたりしました。


 仕事のために結婚も出産も延期する女性(咲子:松岡洋子)、子育てが終わって仕事に復帰する女性(真知子:大崎由利子)、結婚を機に仕事を辞める女性(百岩:江口敦子)、結婚して子供を育てながら仕事も続ける女性(千原:宮嶋美子)・・・。結婚・出産は資本主義社会を生きる日本人女性の誰もが悩み、いつか必ず選択を迫られることです。求められる女性像を提示するとか、あれが間違ってる、これが正しいなどと主張するのではなく、現代を生きるあらゆる女性を暖かく、いとおしく見つめるまなざしを感じました。それが女性の唇を彩る鮮やかな紅(べに)として表れていたと思います。


 咲子らが立ち上げたサフラワー化粧品は数々の困難を乗り越え、終幕時に創立5年目を迎えます。できれば1本でも商品が売れるシーンがあって欲しかったですね。実際に化粧品を買って使う女性の姿が見えてこなかったのは残念。
 春は鳥のさえずり、夏は蝉の声など、お約束の効果音が会話の間に鳴って、集中が途切れることがありました。でも音楽の選曲は優しくエレガントで私好みでした。


 登場人物の一人一人がとても個性的で、わかりやすい特徴を持っていました。押しかけ総務・経理の沼河内(山ノ井史)、同じく押しかけ販売員の山本都里夢(ドリーム:笹野鈴々音)などは特に強烈です(笑)。苦手な方もいるかもしれませんが、私にはたまらなくいとおしい存在でした。


 私が拝見した回のゲストは好宮温太郎さん(タテヨコ企画)。エッチでいやらしい感じの化粧品会社社長を悠々と演じてらっしゃいました。ゲストに男性も女性も両方キャスティングされているのは、こういうことだったんですね。確かにあの役はどちらでも大丈夫ですね。
別れの唄

別れの唄

青年団国際演劇交流プロジェクト

シアタートラム(東京都)

2007/04/05 (木) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

「4月8日(日)は空いてる」
と、初日終演後のトークで平田オリザさんがおっしゃってました。今朝の情報では4月7日(土)15:00の回は完売だそうです。
下記、平田さんがおっしゃったことの覚書きです(完全に正確ではありません)。
平田「人間は死にます。それは人間誰しも逃れられないことで、そこには悲しみがあります。この悲しみは誰もが共有できることだと思います。でも死んだ後に行うことは(このお芝居でご覧になったように)、フランス人と日本人でこんなにも違うわけです。文化の違いによって、ひどい場合は戦争や紛争になることもある。でも、フランスの文化と日本の文化はこんなに共有できるんだってことを、今日、お客様は目撃されました。・・・(作るのは)大変だったんですけどね(笑)。」

お彼岸の魚

お彼岸の魚

ニットキャップシアター

駅前劇場(東京都)

2007/03/30 (金) ~ 2007/04/01 (日)公演終了

満足度★★★

しっとりしてると思ったら・・・(笑)
 母の失踪と十数年ぶりの帰郷という設定で、記憶の曖昧さから自己存在の危うさへとつながっていく物語でした。幕開けから団地のリビングでの静かめな会話劇が続きますが、終盤にダイナミックな質的転換があり、ごまのはえさんの独特の劇世界を体感できたように思いました。とても面白かったです。でも、役者さんの演技のわざとらしさ、空間の詰めの甘さなど、作品全体の完成度の面で少々もったいない感じの仕上がりだったように思います。

ネタバレBOX

 主人公・美智子の記憶を自分の記憶のように話す人が現れたり、美智子は小学校6年生の時から母親と二人暮しなのに、父親のことを全く覚えていなかったり、美智子と彼女を取り巻く人々が曖昧な記憶を軸に空回りしていきます。
 部屋の窓にへばりつくように鎮座する大仏様は、「あなたが嘘をつくことも、記憶に蓋をすることも、そこに居ることも(居ないことも)、すべて見ていますよ」という意味だったのかなと思います。
 美智子の右目の眼球が歪んでいることは、見えているようで実は見えていない(見ていない)状態を表し、カーテンを片方だけを閉じて大仏様の顔の右半分が隠れるようにしたのは、心憎い演出でした。


 失踪した母親からの電話を待つことで、美智子は失っていた自分を取り戻していきます。突然“知らない人”がいっぱい登場してコントのような展開になり、美智子がマイクを持ってソロで歌うとこまでイっちゃうとは・・・全く予想がつきませんでした(笑)。ド派手で奇想天外な展開は素晴らしいと思いますが、そのドタバタがただのドタバタで終わらずに、知的興奮にまで達してくれたらなお良かったと思います。
 「知らない人と付き合っていかないと現代社会では生きていけない」というセリフ(正確ではありません)がギャグのように語られたことに、すごく好感が持てました。


 美智子とご本人様(朗読者)がすれ違っていくラストの演出が良かったです。対象物が白黒に見える黄色い照明が、美智子および部屋全体を包んだのは効果的でした。私は美智子が堕胎した子供が最後の最後に出てきたのかなと想像しました(実際はそんな意味はなかったそうです)。マイクで美智子の気持ちを朗読されていた朝平陽子さんの声が良かったです。


 美術については、ふすまやドアがおおげさに斜めになっていたり、窓の外に至近距離で巨大な大仏の顔があったり、不思議な仕込みがあるのはとても面白かったです。でももっと細かいところまでこだわって丁寧に作って欲しかったですね。例えば、小さな部屋にダイニングテーブルとイスのセットが2組も並んでいるのはおかしいと思いました。
地獄の神

地獄の神

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2007/03/17 (土) ~ 2007/03/24 (土)公演終了

満足度★★

サム・シェパード好きにはお薦め
攻撃的な不条理戯曲で面白かったです。田中壮太郎さんは役者さんとしても大好きですが、翻訳も演出もされて(どうやらバンドもやってる?)多才な方だなと思います。感想はトラックバックさせていただきました。

恋の骨折り損

恋の骨折り損

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2007/03/16 (金) ~ 2007/03/31 (土)公演終了

満足度★★

恋のシーンにときめき
男ばかりの豪華シェイクスピア。目的(内田滋さん♪)がはっきりしてるので(笑)不満はありません。ただ、3時間20分は私には長すぎました。感想はトラックバックさせていただきました。

美藝公(びげいこう)

美藝公(びげいこう)

KUDAN Project

ザ・スズナリ(東京都)

2007/03/16 (金) ~ 2007/03/21 (水)公演終了

満足度★★★

映画の愛と、演劇の愛と
映像と演技の見事なコンビネーション、舞台に張り巡らされた面白い仕掛け、創意工夫を凝らした二人の対話など、KUDAN Projectならではの演劇を楽しませていただきました。最後のシーンでは涙が出そうになりました。ただ、これまでの作品を拝見していて期待が大きかったせいもあり、「ミタコトモナイ≪演劇≫」を堪能するまでに至らなかったのは少し残念でした。

ネタバレBOX

“美藝公”とは、日本一の映画俳優キタヤマ(小熊ヒデジ)のこと。いっこうに脚本が書けない脚本家ヤジマ(寺十吾)は天野天街さんご自身のことかしらと頭に浮かんで消えませんでした(苦笑)。※役の名前はうろおぼえです。


映画の撮影現場でポカをやらかした(炭鉱でダイナマイトを爆発)キタさんは映画界を追い出され、一緒に仕事をしてきた脚本家ヤジさんも仕事を失い、演劇の世界へと落ちぶれます(笑)。「映画に戻りたい」と嘆きながら演劇の世界を生きる二人。「演劇なんて」とぼやきながら、演劇だからこそできる演出が次々と繰り出されます。まさかタップダンスまで披露していただけるとは驚きました。


演劇の中に映画があって、その中に演劇、その中に映画・・・という入れ子構造から、映画と演劇の両方を心から大切に、愛している気持ちが伝わってきました。小さな障子紙にヤジさんとキタさんの映像が映ったラストシーンで、身体がじーんと温まりました。
Angels in America

Angels in America

TPT

ベニサン・ピット(東京都)

2007/03/20 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

必見中の必見!
初日の第一部のみ観てきました(第二部は今週末に)。素晴らしいかった・・・(感涙)。登場人物たちはそれぞれ深刻な不幸のど真ん中にいるのに、底抜けに明るく、軽快なんです。劇場にパワーがみなぎっていて、めちゃくちゃ楽しかった!
内容はちょっと大人向けです。R-15ぐらいかな。第一部の上演時間は約3時間30分弱(途中休憩10分&15分を含む)。転換の都合か、劇場内はかなり寒かったです。防寒をお薦めします。
初演第一部の動画が見られます⇒ http://www.tpt.co.jp/top/angelmovie.html

ネタバレBOX

ハーパー役だけが初演とは違うキャストです。宮光真理子さん、やっぱりめちゃくちゃスゴイ女優さん♪
Adam:ski

Adam:ski

スロウライダー

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2007/03/16 (金) ~ 2007/03/25 (日)公演終了

満足度★★★

映画のような、生々しい心理ホラー
カリスマ研究者の死後、狂信的な弟子たちが本当の「先生」の姿を巡って争う、静かなホラー芝居でした。淡々と自然な対話が交わされていくのは映画のよう。


登場人物一人一人を、レストランで一皿ずつサーブされるお料理をいただくように味わいました。役者さんの演技がきめ細やかです。意外なところから人間の本心がムクムクと出てくるのを、つぶさに観察していくのがとても面白かったです。一言ずつ積み上げられていく会話の意味を探りながら、じっくり楽しんだ2時間弱でした。


じわり、じわりと事件の真相に近づいていくにつれて、「先生」の存在のいかがわしさ、それゆえの偉大さと魅力に納得させられていきました。異常な関係や残酷な行為を知るにつけ、「もっとヤれ!」って言いたくなっちゃうような危険な欲望が自分の中に生まれてきて、ちょっと興奮(笑)。


ただ、グっとお話の中に引き込まれるまでに1時間ぐらいあったのは少々長く感じました。照明は意図的に一定の暗さを保っていたようですが、もっと大胆な変化があっても良いのではないかと思いました。

ネタバレBOX

当時のことを「先生」のかつての弟子(山中隆次郎)が記者(數間優一)に語る形式で物語が進みます。その弟子と記者のシーンが数回挟まれるのですが、流れを止めているように感じることもあったので、回数を少し減らしてもいいのではないかと思いました。


屋敷に蛾が大量発生した時「“もどき”に霊が乗り移った証拠だ」と言われて、「えぇ!怖~っ!」と思い、すっかり騙されました(苦笑)。真相は、大量に放置した死体に蛾が湧いてたんですね(こっちの方が怖い)。


結局、箱詰めにされた「先生」の夢を何度も見るほど「先生」に執着していた徳田(夏目慎也)だけが生き残り、他の弟子は全員死んでしまいます。ホラーだと思って観に来たはずなのに、私にとっては全く予想外の展開でした。それぐらい、弟子の一人一人や「先生」、およびその人間関係にすっかり没頭していたのだと思います。
再演とプレビュー公演

再演とプレビュー公演

ハイバイ

アトリエヘリコプター(東京都)

2007/03/14 (水) ~ 2007/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

しっかり2本立て
恥ずかしいし、傷つけられるし、可笑しいし、悩まされるし、感情がぐちゃぐちゃになって、どうしたらいいのかわからなくなって、なぜか涙が溢れてしまう。そんな瞬間が何度もありました。10分の休憩を挟んでたっぷり3時間。寒さ対策を!

ネタバレBOX

個人的には、「ハムレット」と重ねているとはいえ、最後に2人(志賀ちゃんと品川センセイ)が死後の世界に行ってしまうラストは残念でした。丸くまとまった作品にならなくてもいいんじゃないかと思いました。今回はプレビューなので、本番が楽しみです。
特急二十世紀

特急二十世紀

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2007/03/14 (水) ~ 2007/03/28 (水)公演終了

満足度★★

装置が豪華で楽しかったです
安心して楽しめる翻訳娯楽劇。加藤健一事務所らしいコメディでした。この装置はちょっと大きめの劇場じゃないと観られないかも。サービス満点でした。

TOMMY

TOMMY

キョードー東京

日生劇場(東京都)

2007/03/12 (月) ~ 2007/03/31 (土)公演終了

満足度★★★★

ド派手な衣裳と装置で大盛り上がり!
10,000円超えのチケットでも満足できる仕掛けでした。初日のカーテンコールは4回。手拍子が止まりませんでした。これはリピーターが増えそうですね。

ネタバレBOX

ストーリーはあまり私好みではなかったです。エンディングももっと盛り上がって欲しかったな~。きっと千秋楽にはアンコール曲があるんでしょうね~♪
個人的には第一部の最後の「ピンボールの魔術師」が盛り上がりの最高潮でした。ROLLY素敵!
廃校/366.0【後日譚】

廃校/366.0【後日譚】

NEVER LOSE

千種文化小劇場(愛知県)

2007/03/09 (金) ~ 2007/03/14 (水)公演終了

満足度★★

セリフのない空白を味わえなかった
「廃校」という設定から、舞台になった学校が「必要なのに失われてしまう場所」として描かれていたようです。場所への郷愁は普遍的なテーマですから、この作品のこの登場人物だからこその、独特な思い入れや情熱を感じたかったですね。
ライブのように躍動感のあるロックのリズムやムードと、非常に静かな会話劇とが、常にマッチしているとは思えませんでした。オープニングがとても良かっただけに残念。
セリフのない時間が長く取られていましたが、必要不可欠な無言であるとは思いづらかったです。役者さんの演技の質のばらつきも原因のひとつだと思います。
人物の設定に腑に落ちないことがあり、残念ながらお話を信じることができませんでした。

特筆すべきは劇場設備の素晴らしさと制作・運営の方々のいたれりつくせりの歓待です。感動しました。

ネタバレBOX

桜吹雪が舞台全面に散りばめられて、開幕前から「何かが起こった後」であることがよくわかりました。天井の高い空間が美しかったです。上から眺める席に座って良かったです。
大音量のロックミュージックが突然止んで、耳にキーンという音が残る静寂に変わります。オープニングはかっこいいと思いましたが、何度も同じ方法を使うと効果が薄れます。


ケンジの妹トシ子(女教師)が学校で刺殺された時、トシ子の恋人で同僚のコウイチは、すぐそばにいたのに彼女を守れませんでした。教師だったコウイチですが、今は廃校になって取り壊しを待つばかりの学校の管理をしています。だから夜中の学校でケンジらと偶然に出会うのですが、殺人事件の現場に居た人間が、管理人になれるとは到底思えません。


学校は妹が殺された場所で、今でも彼女がそこに居る(幽霊として登場します)と思うから、ケンジは学校に戻ってきます。妹の死をコウイチのせいだと思ってしまっていたり、「俺はここに居る!」と叫んで、学校が彼にとって大切であると訴えたり、ケンジの妹に対する愛情は非常に大きなものであることがわかります(宮沢賢治と実妹の関係がモチーフになっています)。それほど妹を愛しているなら、妹を殺した犯人についてもっと強い感情を持っているはずなのではないでしょうか。チラシに「(犯人は)拘置所で自殺してしまう」とありますが、事件から1年しか経っていない状態で、これほどまでに犯人の像が見えてこないのはおかしいと思いました。


目には見えない幽霊(男子学生、女子学生、女教師)に押されて、普通の人間がおかしな動きをしてしまいます。その動きが良かったです。押された後にイスに登ってしまったり、自分が超能力を使ったのではないかと勘違いしたり、独特な演出がありました。
激情

激情

ポツドール

本多劇場(東京都)

2007/03/04 (日) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

満足度★★

演技は見ごたえがありました。
でも全体としてはあまり面白みを感じられなかったです。個人的にはR-25ぐらいにしてもいいんじゃないかと思います。感想はトラックバックさせていただきました。

橋を渡ったら泣け

橋を渡ったら泣け

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2007/03/05 (月) ~ 2007/03/29 (木)公演終了

満足度★★★

脚本が少し変わっていました
宛て書きをしたのかな~と思うほど、役柄が出演者にフィットしているように思いました。MONO色がかなり減った感じの仕上がりで、個人的には物足りなかったです。シアターコクーンでやるお芝居にしては少し地味。でも、出口のない集団サバイバルで起こり得る事件を静かに眺められたのは良かったです。

ネタバレBOX

初演の記憶がすっかりなくなっていたので、そっか、こんな話だったのかと思い出しつつの観劇でした。女優さんが一人増えているのでストーリーが変わって当然ですね。カーテンの生地みたいなごっつい布のスモッグを着た3人組が、ペットボトルを叩いて弾劾裁判をするシーンはやっぱり胸が傷みます。
プライベート・ジョーク

プライベート・ジョーク

パラドックス定数

サンモールスタジオ(東京都)

2007/03/01 (木) ~ 2007/03/04 (日)公演終了

満足度★★★

青春群像劇
楽しかった~!意外に青春ど真ん中なお芝居でした。目の前に居るのが20世紀の芸術(学問)の巨人たちだと思うと、どうしても無理が出てきます。それが気にならなければ相当楽しめる、練りに練られた“萌え系”男芝居でした(少なくとも私にとっては・笑)。男子寮とかね、白いシャツにチョッキとかね♪(←間違ってる)

ネタバレBOX

なぜ、ものを作るんだろう。なぜ、絵を描くんだろう。そうやって誰もが悩みますよね。あいつに負けたくない、あいつがいないと書けない、あいつのために描く、とか・・・思いっきり青い春です。そして「21世紀の私たちは、どうだ?」と、これまた熱く問いかけて終幕。もー、可愛いよっ!素敵だよ!
unlock#1

unlock#1

東京デスロック

アトリエ春風舎(東京都)

2007/03/02 (金) ~ 2007/03/11 (日)公演終了

満足度★★★

いっぱい笑って、予想外な出来事に頭がぐるぐる
劇場に入った瞬間、海外のパフォーマンスみたいだと思いました。わかりやすい笑いや展開が、とにかく私にとっては予想外。意味とか流れとか全然わからないけど、それでいいやって思えたし、きっと作り手もそれでいいんだろうなって感じました。多田さんはやっぱり面白いです。舞台初心者で普通の演劇を期待される方にはお薦めはできないかも。でも、こういうのもアリってところが楽しいです。

ネタバレBOX

Wiiをやってる人を初めて目撃したんですが、かなりアホっぽくていいですね。http://www.nintendo.co.jp/wii/ それがダンスになってボクシングになって、それでも光る汗は同じで。単純に「人間賛歌」ってことに、私の中では収まりました。ちょっと物足りなかった。でもそれは私が本当の意味をわかってないからでしょう。
英語は、わかる人はより楽しめますが、わからなくても「わからない」ってことがいいのだと思います。
コペンハーゲン

コペンハーゲン

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2007/03/01 (木) ~ 2007/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

初演より好き
3時間の3人芝居。やっぱり濃密でした。話題の階層がどんどん入れ替わるのが快感。濃い、深い戯曲です。キャストは江守徹さんが村井国夫さんに変わっていて、個人的には村井さんの方がすんなり感情移入できました。役者さんは皆さん圧巻でした。装置も照明もかっこいいです。でも、体調が万全でなかったため少し眠気が・・・無念。

ネタバレBOX

死者が回想するという構造が何もかもを自由にしていて、何年経っても、それこそ100年経っても上演し続けられる戯曲なのではないかと思いました。

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