しのぶの観てきた!クチコミ一覧

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Ulster American

Ulster American

本多劇場グループ

「劇」小劇場(東京都)

2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

出演者が3人でセリフが膨大な海外の現代口語劇(原作:デイヴィッド・アイルランド、翻訳:小田島創志、演出:大澤遊)。

劇場主でもある男性演出家(前田一世)の手配で、新進の若手女性劇作家(椙山さと美)が人気男性俳優(池田努)と初顔合わせ。彼は彼女の芝居に主演するのだ。明らかに男性2人が優位にある関係性だが女性は全く尻込みせず、全員が正面からぶつかり合う。

役人物の思惑を細やかに踏まえつつ戯曲の要請(明確な意図)にも応える必要があり、臨機応変に柔軟に、でも結果的には緻密に組み立てる演技が求められるのではないか。俳優は大変だったろうと思う。

胸襟を開き本音で語り合うことは美化されがちだが、他者を尊重し思いやる姿勢が不可欠なのだと改めて確認。誰かを傷つけるぐらいなら黙るべきだ。

男性2人は「(戯曲には)歴史が大事」等とたびたび口にする。人間(の歴史)を軽々しくネタにして作品にし、食いぶちを稼いだり名声を得たりするクリエイターのなんと多いことか。私自身、このことには敏感でいたい。

※車椅子で伺い(私は自力で階段の上り下りができます)、劇場の方々に心尽くしの対応をしていただきました。今まで公共劇場しか経験していなかったけれど、本多劇場グループの小劇場公演なら安心して観劇できると思いました。付き添いの家族も助かっていました。本当にありがとうございました。

ネタバレBOX

シスジェンダー男性の演出家が酒に酔ったノリで「(性的マイノリティ)になりたい」と言う場面があった。マジョリティ側が口にすべきでない乱暴な発言で、役人物の不見識が露呈する。劇作家のアイルランドは今ホットな社会的課題を集められるだけ集めて、極端な口論に落とし込んで風刺をしているのかもしれない。彼の戯曲『サイプラス・アヴェニュー』を読んだ時も似た感触があった。

ただ、この設定で性的マイノリティについて言及させる必要はあっただろうか。登場人物は全員シスジェンダーで、基本的に男女の対立を描いている。「性的マイノリティの話題」をネタとして盛り込んだだけではないか。私はあのセリフに戸惑ったし、「そんなこと言ったらダメ」と他の2人が突っ込まなかったことに不快感があった。性的マイノリティの観客は、セリフとはいえ垂れ流された暴言に傷ついたかもしれない。

この点を手がかりに全体を振り返ってみると、作者のアイルランドこそ、人間をネタにして作品にしている張本人かもしれないと思い当たった。

たとえば、狙いだろうとはいえオスカー俳優を道化に仕立てすぎだと感じたし、女性劇作家の実母を交通事故死させ、暴力の連鎖へと向かわせるラストは予測可能で安易とも言える。登場人物に散々軽々しいことをやらせておいて、最終的には全員を破滅させて放り出したのだ。登場人物は作者アイルランドのコマに過ぎず、英国とアイルランドの歴史も彼にとっては題材の一つなのだろう。

つらつらと一方的に書き連ねてしまった。きっと私の勘違いや誤読はあると思う。あのセリフから、ここまで考えることができたことには、感謝している。
改めて言葉にしておきたい。私は人間に優しい、思いやりのある作品が好きだし、それを観たいと思う。
イノセント・ピープル

イノセント・ピープル

CoRich舞台芸術!プロデュース

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2024/03/16 (土) ~ 2024/03/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

全出演者が役割に集中しつつ心を開いて、作品のために力を尽くしているようだった。こういう場に立ち合えたことが嬉しいし、これが芝居の醍醐味だとも思う。

日本の俳優が日本語でセリフを言って外国人を演じる芝居は珍しくない(シェイクスピア、チェーホフなど)。でもこの作品では、原爆を作ったアメリカ人を日本人が演じ、やがて日本人役も登場する。この仕掛けによって、日本の観客はどこか遠くの物語を外側から眺めるのではなく、自ずと当事者で居続けることになる。

劇中のアメリカ人は敵国人である日本人を「ジャップ」と呼び、あからさまな差別をする。それを日本の俳優が堂々とやりのけるさまに少々戸惑い、気まずさも感じるのだが、俳優それぞれが役人物として懸命に生きようとする誠実な演技のおかげもあって、私はロスアラモス国立研究所の青春群像劇に入り込んで行った。

しかし、その没入感は続かない。ある趣向によって次々に水を差されるからだ。観客は家族の物語を、研究仲間たちの人生をただ受け取るだけでは居られない。演出の日澤雄介氏が脚本の畑澤聖悟氏とのパンフレットの対談で語っていた「(戯曲に)真っ向から喧嘩売ってる」とはこのことだろう。

新型爆弾の研究者の葛藤や家族の別離など、年月を経て大きく変化していく人間模様を親しみを持って見つめ、心を寄せてともに喜び悲しんでいても、キノコ雲の下で起こっていたことが脳裏から離れない。廃墟に見える抽象美術の影響はもちろん大きい。役人物の加齢をメイクや衣裳などの外見で説明するのではなく、俳優の演技で示すことも異化効果になっていたと思う。

初演の時に固唾をのんで見守ったクライマックスと呼べるであろう終盤の場面は、今回もまた緊張感に満ちた瞬間だった。見ず知らずの大勢の観客と、あの、じりじりとした時間をともにできたことが嬉しい。副題の65年は1945年から2010年までで、2010年の場面は今から14年前、東日本大震災が起こる前だ。遠い昔のように感じる。この芝居が投げかけた問いはより差し迫ったものになってしまった。

自分が生まれ育った日本が世界唯一の戦争被爆国であることを、あらためて認識する。海兵隊役の内田健介さんがパンフレットに書かれていたように、日本が最初で最後であって欲しい。そう声高に言っていかなければと思う。

追伸:車椅子で伺ったところ、行き届いた対応をして頂き、スムーズに観劇をすることができました。ありがとうございました。

ブレイキング・ザ・コード

ブレイキング・ザ・コード

ゴーチ・ブラザーズ

シアタートラム(東京都)

2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

約2時間45分休憩15分含む。超面白かった。俳優がきびきび、伸び伸びと柔軟に交流し意味も思いも自然に立ち上がる。機知に富む長台詞もユーモアも夢見心地で堪能。緊張と弛緩も良い塩梅で、緻密な会話劇の鑑賞体験として最高。
理論に実践を伴わせること、言動に道徳的責任を負うこと、正しさ(正確性、正義)は絶対ではないこと…私もこの矛盾とジレンマを抱え続けなければ。抽象美術と具象の道具のバランス、人物をくっきり彩る上品な衣装も素晴らしい(美術・衣裳:山本貴愛)。暗転、転換も好みだった(演出:稲葉賀恵)。

甘い手

甘い手

万能グローブ ガラパゴスダイナモス

J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)

2022/04/23 (土) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

 学園もののドタバタコメディーで、サービス満点の娯楽作でした。大勢の登場人物を細やかに書き分けて、活きのいいセリフで空気が弾ませ、笑えるネタやエピソードもたっぷりです。脚本・演出の川口大樹さんの技量にあらためて驚かされました。
 いっときの嘘だから、フィクションだからと気を楽にして勇気を出して、ちょっと羽目をはずしたり、できないことに挑戦してみたり、いつもとは違う姿を見せたりできるのは、演劇のマジックです。誰もがその魔法を自分にかけることができる…そう受け取れました。

 最初の場面で主人公(野村世界役:荒木宏志)が「僕の、理想の世界です」と言っているとおり、いかにも“つくりもの”らしいハッピーな世界が繰り広げられます。「昔ながらの高校生活あるある」「昔の少女漫画的ストーリー展開」なども狙ったものだと思いますが、男子生徒の学ラン、女子生徒のミニスカート、女性教師のスカート姿などの定型的な表象には、首をかしげざるを得ませんでした。ひとめで属性やキャラクターがわかる明快さを優先したのかもしれませんが、今、上演することで古い価値観を延命させてしまう可能性にも、敏感であって欲しいと思います。

 “みんなのお母さん”的な立場の年配女性(駄菓子屋店主)が登場したり、描かれる恋愛が男女間のものだけだったりして、ジェンダー不平等や性的マイノリティー差別への問題意識が薄いことも気になりました。サッカー部男子による体育会系のホモソーシャルな人間関係についても、俳優の演技は達者でしたし、微笑ましく描かれてもいましたが、私は積極的には楽しめませんでした。女子生徒が男性教師に恋をするエピソードも、無批判に描いていいものではないのではないかと個人的には思います。グルーミングという加害の深刻さを知ったので、特に警戒してしまいます。

 出演者のなかでは女性教師・館山絵リ咲を演じた横山祐香里さんに何度も目を奪われました。どういう設定で何が求められているのかを的確に把握し、必要十分な表現を全身で行った上で、さらに観客へのきめ細やかな応答もされていたように思います。キビキビとした素早い動きとバシっと決まる表情も魅力的で、次は何をしてくれるのかなと期待して見つめていました。

 ロビーのグッズ販売が充実しており、私は上演台本を購入しました。当日パンフレットに顔写真付きの出演者紹介があってよかったです。誰がどの役を演じていたかが明確にわかるパンフレットが欲しいといつも思っています。
 カーテンコールで「CoRich舞台芸術まつり!2022春」最終選考対象作品であることの紹介と、「こりっちにクチコミしてください」等のアナウンスあり。ありがとうございます!

 CoRich舞台芸術!の公演情報では「上演時間: 約1時間30分(休憩なし)を予定」ですが、劇場では「上演時間は2時間」となっていました…私、パニック状態になってしまいまして(大汗)、劇場スタッフの方々にさまざまなご迷惑をおかけいたしました…申し訳ございませんでした。上演は最後まで観られたのですが、終演後のトークは聴けず…無念!泊篤志さん(飛ぶ劇場)にお会いしたかったです。

ネタバレBOX

 駄菓子屋店主のおばちゃん・日ノ出マユに男子生徒・野村世界が自作の台本を見せる場面から始まります。これから上演されるのはその台本に書かれたお芝居だとも解釈できます。劇中で上演されるお芝居は劇中劇中劇になりますね。

 装置は抽象美術で、敢えてと思われる張りぼて感は、変幻自在の劇中劇に相応しいもので、演劇の自由さを支えているように思いました。舞台奥のパネルには回転式の黒板がしつらえられており、素早く教室の教壇に変化します。壁に埋め込まれた四角い小さな扉がパカっと開いて、俳優が上半身を出してしゃべる演出が笑いを誘います。パッチワークの手作り感が魅力的な幕は、緞帳にもなる大きなサイズです。隙間から顔を出したり、舞台の出はけに使ったり、自動販売機や鳥居などを取り付けて場面転換したり、自由自在。吊り下げられた窓枠がスライドして出てくるのも楽しいですね。

 13人の登場人物、そして登場はしないけれど頻繁に話題にのぼる2人の教師(古谷先生と松山先生)など、約15人のエピソードが丁寧に絡み合わさって、怒涛の文化祭当日へとなだれ込みます。男子生徒・野村世界が書いた人形劇が突然、女子生徒・早苗から松山先生への愛の告白劇場になったかと思うと、鉄面皮の女性教師・館山先生とサッカー部男子たちによる「マイメロディ」ダンスにステージを奪われ、一体どうどうなっちゃうのかとハラハラしていたら、古谷先生特製の幻のチャーハンをつくろうとした松山先生が、火力の強過ぎるコンロで火事を出してしまいます。ボヤのせいで文化祭は中止に…。ハチャメチャ具合も畳み掛けかたも見事だと思いました。

 人形劇の台本がまだない段階で「文化祭まであと1週間」という設定は、さすがに時間が無さすぎな気がしてヤキモキしましたが、それも作劇の術中にはまったということかもしれません。
ひび割れの鼓動-hidden world code-

ひび割れの鼓動-hidden world code-

OrganWorks

シアタートラム(東京都)

2022/03/25 (金) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

 真っ黒な空間に、大きな白い布に覆われた大きなステージがあります。よじ登るのに少し苦労するぐらいの高さがあり、パフォーマンスは主にその上で行われます。ステージの周囲にはまばらに、細長い白い棒が数本、刺さっています。棒高跳びの棒のような長さで、白樺の木々のよう。卒塔婆に見えなくもないです。

 白いコートを羽織る俳優2人(薬丸翔と佐藤真弓)は言葉を使います。その他のダンサーたちの衣装は体にややフィットするデザインで、色合いは淡い灰色のグラデーションです。彼らは無言でした。言葉を操る人と体を操る人という2つのグループに分かれているように見えました。

 当日パンフレットに、振付・構成・演出・出演の平原慎太郎さん、テキスト・ドラマターグの前川知大さん(イキウメ)の文章が掲載されており、今作のテーマである「コロス」の解説もありました。顔写真入り、プロフィールありの出演者紹介ページもありがたかったです。

※劇場ロビーで制作さんが私の足に気づいて(びっこを引いていた)、移動しやすい席に変更してくださいました。もう…涙出そうだった…。ご親切に感謝いたします。本当にありがとうございました!シアタートラムがもっと好きになりました。

ネタバレBOX

 6つのチャプター(章)から成る作品で、チャプターごとに題名がついており、字幕表示されます。俳優2人は会話をしているようですが、どこで、何のために、誰に向かって言葉を発しているかが不明瞭なことが多かったです。どこかの曖昧な対象に向かって投げかけられて、そのまま消え入ってしまいそうな言葉が浮かんでいました。相手に向かって話しているように見せかけた独り言のよう。彼らの所在なさげな姿もその印象を強くしていたかもしれません。空間は閉じていないのに、逃げ場のない窮屈さを感じました。

 ダンサーの振付は見た目の美しさを目指すのではなく、互いの存在を確かめ合うために手探りをする過程を、そのまま見せるような印象がありました。俳優とダンサーの存在の仕方が私にはまるで違うように見えており、触れ合ったり、アイコンタクトを取ったりしていても、それぞれが別の世界の住人のままで、この演出の意図しているものが何なのかを探りながら観続けることになりました。

 「chapter 4」のステージの下で踊るデュオ(東海林靖志&高橋真帆)がとても刺激的でした!誘い合っているような、戦っているような…敵か味方か判別のつかない関係性がスリリングでかっこよかったです。高橋真帆さんは視線に力があり表情も豊かで、目が奪われました。

 終盤に入り、俳優に応える形でダンサーがセリフを発した途端、ダンサーたち全員がいわゆる「コロス」に見え始めました。サスペンス・ドラマの謎が解けた瞬間のような高揚感があり、束の間の祝祭ムードも感じました。
 ステージが布に覆われていく様子は何かを葬っているようで、積み重なっていく地層を想像しました。
オロイカソング

オロイカソング

理性的な変人たち

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了

実演鑑賞

 上演時間は約1時間50分。終演後に「CoRich舞台芸術まつり!2022春」最終選考対象作品であることの紹介と、「こりっちにクチコミしてください」というアナウンスあり。ありがとうございます!

 小さなカフェのような空間での、5人の女性俳優によるお芝居。フル稼働状態の俳優のアンサンブルを、ほぼかぶりつきで観られるのは小劇場の醍醐味です。しかも皆、演技が達者ときた!幸せ!
 
 20代後半の女性・結子(滝沢花野)は10年前から音信不通になっている双子のかたわれ・倫子(西岡未央)を探して、ライター・カメラマンの女性ルーシー(万里紗)を訪ねます。双子と、その母・弥生(佐藤千夏)と、双子と弥生を育てた祖母・オト(梅村綾子)の生活を回想し、倫子が抱える秘密がやがて明らかになります。
 
 双子を演じた滝沢花野さん、西岡未央さんは1人の女性の幼少期から思春期、そして成人後を演じ分けます。役の成長による変化のグラデーションがきめ細やかで、それぞれの時代の双子の気持ちを信じられました。
 心の傷は怒りをともなって、倫子を突き動かしていきます。西岡さんは秘めたマグマを想像させる冷静さにリアリティーがあり、やがて暴発にいたる経緯に切実な痛みを感じさせてくれました。

 お芝居全体については少々雑然とした印象があり、進行に危なっかしさを感じたところもあったので、欲を言えば、いつか同じメンバーで上演を重ねてもらえたらいいなと思いました。
 終演後のロビーでは作中人物(倫子)が製作したとされる作品(動画)を販売していました(通常1000円のところロビーでは500円)。希望者へのコンドームの配布もありました。

ネタバレBOX

 舞台奥に組み立て式の簡易家具が並べられており、テーブルや椅子を移動して場面転換します。俳優はほぼ出ずっぱりで、さまざまな役を演じ分けていきます。出番ではない時は舞台面側の上下(かみしも)にスタンバイ。衣装はデザイン違いの白色で統一し、たまに着替えます。日常生活を自然に再現したり、敢えて大げさな演技で戯画化したり、回想場面を眺める人物がいたり、観客に話しかける場面があったり。演技の種類はさまざまで、演じ分けも含め、切り替えが早いです。

 舞台は妊娠、出産、子育て、家事を女性が担うのが当たり前という認識がはびこっている日本。昭和から令和にかけて、双子の女児(結子と倫子)とその保護者(母と祖母)という三世代の日本人女性の半生をたどり、日本に暮らす女性が受けてきた差別、強いられた無償労働の実態を、現代とつながる形であぶり出していきます。

 シングルマザーの弥生は貧困ゆえ労働時間が長く、祖母・オトの力を借りてしか、双子を育てられませんでした。上司に誘われた飲み会を断れない、働きづめの弥生は男性会社員とも重なりますが、彼女は女性だから昇進できません。もともと、弥生はオトの姉が産んだ子で、姉が死んだためオトが引き取って一人で育てました。母子家庭が二世代続いたんですね。

 倫子は幼少期に中年男性から性的虐待を受けて、人生を狂わされてしまいました。彼女の成長を追っていくことで、性暴力サバイバーの筆舌に尽くしがたい苦悩が伝わります。性暴力への無理解、被害者への二次加害等に立ち向かっていくノウハウを、「プリキュア」の戦闘場面にしつらえて紹介するのが面白いです。重いテーマをなるべく軽快に伝える工夫が効果的でした。

 成人女性が「プリキュア」のコスプレ(衣裳は手作り感あり)をしてシャカリキに頑張る場面は、笑いを狙ったものだと思いますが、心の傷から噴き出し続けている血を、道化を演じることで隠しているようにも見えて、涙が出ました。「戦隊もの(紅一点の女性はピンク色の衣装で、男性の補佐的な役割)」を見て育った私と、女の子ばかりの集団が活躍する「プリキュア」を見て育った若い世代とでは、見えている世界が違いますね。
 ※「戦隊もの」と「プリキュア」の間に「セーラームーン」世代もあり、また違うらしいです。

 結子は植物が好きで、種を育てる仕事をしています。彼女は、女ばかりの4人家族は花瓶に閉じ込められているようだったと回想していました。花瓶に活けられた花に自由はありませんよね。舞台面側に、造花を挿した花瓶(たぶん5つ?)が横一列に並べられていました。最後の場面では、俳優たちが花瓶から花を1輪ずつ取り出し、思い思いの持ち方をしていました。花瓶から飛び出し、地面に足をつけて根を張って、それぞれが自立して生きていく姿を見せたのだと思います。

※長い目のあらすじはこちら↓に書きました。
https://shinobutakano.com/2022/05/31/20049/
 “Na”

“Na”

PANCETTA

「劇」小劇場(東京都)

2022/03/10 (木) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

 2020年3月に上演予定だった作品の延期公演です。購入した台本によると、半分ぐらい差し替えることになったそうです。2年の歳月を経てブラッシュアップされたんですね。

 「名前」をテーマに、だじゃれを駆使してエピソードを積み上げていく短編集。お揃いのつなぎのユニフォームを着た出演者、演奏者たちが、マイムや歌などで楽しませるコント集と言ってもいいかもしれません。4つの灰色の箱が小道具、大道具を兼ねます(個数はうろ覚え)。

 抽象美術・小道具で衣装も匿名性が高く、作品全体のクオリティーは生身の俳優の演技次第と言っていい舞台です。役作りの手がかりが少なく、衣裳の助けもほぼ得られず、道具なしの場面もありますから、観客に見せたいものをきめ細やかに実現させるには、つま先から頭のてっぺんまで意識を行き届かせる演技が求められます。

 「名(名前)」がテーマということで、チケットは名刺型の小さなカードでした。残念ながら老眼が進んでしまった私には、文字が読めなかった…。カードに記載されたQRコードから当日パンフレットがわりのウェブサイトへ。顔写真を見ればわかるとはいえ、出演者が何役を演じたかのテキスト情報は欲しかったですね。稽古場インタビュー動画を見ればいいってことかしら。

 ロビーの物販では脚本、Tシャツ、サコッシュなどが充実していました。規制退場あり。小劇場で出来得る限りのコロナ対策をしてくださったように思います。ありがとうございました!

ネタバレBOX

 前述しました通り、出演者への負荷が高いので、細かいところが目についてしまうんですよね…。小劇場で舞台と客席が近いのもあって、演技もダンスもよく見えて、おぼつかないところが気になりました。ネタが少し冗長に感じることもありました。

 生演奏(歌、ピアノ:加藤亜祐美、歌、チェロ:志賀千恵子)が楽しかったです。「いいなハケられて」「私たちもハケたいのに」と歌い、出ずっぱりの辛さを訴えます(笑)。「私たちはツナギを着てる。でもこの曲はツナギじゃない」というだじゃれも微笑ましかったですね。「この曲には名がない」と明かし、その場で観客に名前を付けてもらう趣向も、柔らかいムード作りに成功していました。

 青いツナギを着たアオヤギ(はぎわら水雨子)は動物の山羊ですが、呼び名を耳にして漢字の「青柳」が思い浮かんだのが面白かったです。はぎわら水雨子さんは、とぼけた味わいを醸しながら、悲しみ、切実さを真っすぐに届ける演技が好印象でした。

 代筆された手紙を恋人に届けるのは『シラノ・ド・ベルジュラック』からかしら。
 王様は、番号で呼んでいた召使に名前をつけます。名をつける行為によって、召使がかけがえのない1人の人間に変わる瞬間がありました。

Set list
1.Become a King(王様ゲーム)
2.Ko So A Do(暗闇で遭難)
3.Called “Sensei”(先生:医師、弁護士、議員…)
4.Blue Goat(羊のなかに一匹の青いヤギ:アオヤギさんたら読まずに食べた)
5.Number(王様の召使の名前は番号)
6.No Name(生演奏:観客に曲名をつけてもらう)
7.Named(アオヤギが王様からナナコ宛ての恋文を届ける)
透き間

透き間

サファリ・P

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2022/03/11 (金) ~ 2022/03/13 (日)公演終了

実演鑑賞

 コロナゆえの自粛生活中の、久しぶりの観劇でした。私はこの公演を仕事の一環として拝見しています。
 ロビーも広いし客席も余裕があって…シアターイーストっていい劇場!1人ひとりの観客に丁寧に、でも邪魔にならないように接する会場案内の方々の気遣いが尊い(涙)。場内案内係の方々のアナウンスがマイク付きで、よく聞こえました。マスクの上からフェイスガードも被られてますものね。ダンス関係者っぽいお客様が多かった印象あり。そういえば東京芸術劇場の「芸劇dance」という枠組みの公演でした。ダンス好きな人たちっておしゃれな人が多いですよね~♪

 先にご覧になった方が「観る前に当日パンフレットを読んだ方がいい」とツイートされていたので、隅から隅までしっかり読んでから鑑賞。それが功を奏しました。読んでいなかったら最初から最後までチンプンカンプンだった可能性大!終演後に上演台本(500円)を購入しました。

 パンフ掲載の「カヌンとアルバニアの文化」(ブレンディ・バロリ+アルバナ・バロリ)に、アルバニア北部に500年以上前からある独自の掟「カヌン」の解説がありました。「血の確執と復讐の支配」は衝撃的ですが、それは「カヌン」の核心ではないそうです。まず「個人の名誉が大原則」で、その次が「人の平等」。「与えられた言葉(誓い)」、「約束の神聖さ」、「客と友人への敬意(おもてなし)」も原則に含まれています。多くのアルバニア人のメンタリティーでは「法律とその執行は義務ではなく交渉できるもの」とされていることに驚きました。私が親しんできた価値観とはかけ離れたものが現存、機能していることを知って、かなり心を動かされました。

 開場時間はそんな充実したパンフを読みながら自省する時間になりました。場内には密度の高い空気が満ちていて、出演者もスタッフも準備万端なのだなと思いました。そして開演するなり未知の世界に没入させてもらえました。パフォーマンスに迷いがないんですよね。静かに集中している周囲の観客のおかげでもあったと思います。終演時の拍手も観客の気持ちが伝わる、それぞれの音が響きました。

 私は客席に居て、我を忘れていいんだよと劇場に許してもらえて、存分に思考を開放しました。とても刺激的で、幸福な体験でした。安心・安全な環境だからできることです。劇場で、あの日、同じ時間を共有していた方々に感謝します。

ネタバレBOX

 場内はブラックボックスで、客席の配置は通常通りのプロセニアムです。舞台には腰ぐらいの高さの黒い四角い台が、横方向に4列、奥方向に4列、合計16台並んでいます。ちょっと不気味です。出演者は主に台の上と、台と台の間の通路でパフォーマンスをし、通路を飛び越えて台を移動したりもします。

 台の上に小さな手が次々に生えてきて、生命の誕生を表しているかのよう。手が木々となり、やがて人体、いや死体になっていきます。死体をかき分けて生きる男(歩く人役:達矢)と、ある女(妻役:佐々木ヤス子)が一目惚れ。この瞬間がとても鮮烈でした!

 出演者5人は作業着、戦闘服のような衣装で、女性は佐々木ヤス子さん1人だけです。夫婦役の2人の髪には明るい色のメッシュが入っていて、他の登場人物と区別しやすかったです。夫役の大柴拓磨さんのダンスが上手い!

 二人一組で馬になるのが面白いです。馬に見えちゃうのが凄い。男たちは粗野で心の奥に荒野が広がっているよう。彼らのむき出しの暴力表現が残酷で、戦争になると男は兵士というモノにされるのだなと思いました。女が男たち全員を背負う場面は、男たちがいなくなった世界に残された女が、全てを背負わされることを表しているように思いました。

 佐々木ヤス子さんが素晴らしかったです。視線を含む目の演技も、表情もはっきりしていて、今、妻役に何が起こっているのかが伝わりました。年を取って老婆になったのもわかりました。馬がセクシー!自分の意図に反して体が動くことに抗う振付では、気持ちと体が分断されている様に見入りました。

 上手奥の天井からぶらさがっている、いくつもの白い風船を包んだ袋は、何なのか全くわかりませんでしたが、ふと、パルコ・プロデュース『ゲルニカ』で描写されていた、木にぶら下げられた死体を思い出しました。男たちの遺体なのか、昇天していく魂の群れなのか…この世とあの世の間に浮かぶ何かを可視化したのではないかと考えました。見たくない、または見てはいけない、でも確かに存在するものとして。

 私は「カヌン」を全面的に支持するわけではありませんが(復讐も男尊女卑も怖い)、人間が交渉すれば法の執行を免れる可能性を残しているのは、尊厳ある人間同士に起こることに敬意を払い、ルールよりも人間を信じているからだと受け取りました。この舞台では人間が、厳しい掟や未知の世界に挑戦しようとしていて、出演者は人間ではないものに何度も変化し、形のないものを形にしていました。演技とダンス、そして演出に、手の届かないものに手を伸ばす高い志を感じました。

 このような受け止め方や解釈ができたのは、開場時間に当日パンフレットを熟読できたおかげです。読んでいなかったらと想像すると…ちょっと怖いですね。開演前のロビーや場内で、観客向けの作品解説の時間があればよかったのではないでしょうか。SPAC-静岡県舞台芸術センターがよく実施しています。東京公演初日の夜の回は終演後にトークがあったので、それを聞いていればまた違った感想になったかもしれません。
マがあく

マがあく

シラカン

STスポット(神奈川県)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

 STスポットのお馴染みの白い立方体の空間。あるアパートの空室をめぐるお話です。床に並べられた小さなドミノによって、その部屋の輪郭が縁取られています。劇場のなかに箱庭があると言えばいいでしょうか。部屋の中が主な演技スペースなので、ドミノをひとつ倒すだけで総崩れになるかも…というスリリングな空気が持続しました。また、ドミノは子供の遊戯、崩壊の連鎖、脆弱な境界線、人間の創作物の儚さ、虚しさなどを想像させました。

 登場するのは6人の若い男女です。残念ながら演技がおぼつかないのと、繰り出される会話がだいたい破綻しているため、一体何をやりたいのかな…と探り探り眺める時間がほとんどだったのですが、終盤に入って予想外の人物(?)が登場して状況が一変。全員野球のような総力戦状態になり集中できました。ロシアによる侵攻で始まったウクライナ戦争から約1か月の時期だったこともあり、空き室をめぐる争いを領土問題とも捉えられました。

 上演時間は約1時間10分。当日パンフレットに配役と出演者名が載っていましたが、登場人物の名前をおぼえられなかったので誰が何の役なのかわからず…。配役にどういう人物なのかわかる簡単な説明が欲しかったですね。ネタバレを避けるのが難しいかもしれませんが。

ネタバレBOX

 若い女性が同性の友達を連れて、次の引っ越し先である激安の賃貸用ワンルームに下見に来たところ、見知らぬ不動産屋が内覧者を連れて入ってきます。この部屋に住むのは誰かと言い争ううちに、隣に住む大家の若い男性がやってきて権力を振りかざし、さらにはずっと以前からその部屋を勝手に使っていたらしい、筋肉質な若い男性も登場。カオスになります。

 「空き部屋だから不法侵入ではない」「仲介業者にしか賃貸契約はできない」「部屋は人が住むものだから居てもいい」「先に住んだ者に所有権がある」「この部屋を一番愛する者に住む権利がある」「一番高い家賃を払う者に貸す」「部屋は大家のもの」など、部屋の「所有」や「居住」について暴論をぶつけ合います。非論理的で支離滅裂な主張をごり押ししたり、我田引水の開き直りをしたり…滑稽です。

 開場時間から舞台の床にうつ伏せに寝転がっていた男性が、空き部屋にかなり長く住んでいた人物でした。風呂からあがった筋肉隆々の男性が半裸で登場したのには、かなりのインパクトがあり、驚いた女性がつぶやいた「(突然出てきて怖いけど)マッチョだからオバケじゃない」に笑いました。若い男性の鍛えられた身体は、しのごの言わせない権威というか…太刀打ちできない暴力性がありますね。一番の権力者だったはずの大家(金持ちのボンボン)が彼にひれ伏してしまい、強者と弱者の力関係が明白になりました。

 部屋の玄関のドアは装置ではなく、マイムで開閉します。開閉音は生声でなくスピーカーから聞こえており、音響効果かと思いきや、それは擬人化された“部屋”の声でした。部屋が人間に話しかけるなんて…ワケありすぎ物件(笑)。“部屋”は「誰かに住んでもらいたい」と切望しますが、怖くて誰も住みたくなくなっちゃった…。怒った“部屋”は6人を閉じ込め、部屋の温度が上がっていきます。慌てた6人は“部屋”の気持ちを知るために“部屋”になってみようとします。扇風機になったり、エアコンになったり…俳優が無心に物体のマイムをするのは、かなり変な風景です(笑)。すると“部屋”の気が済んだのか、ドアが開き、6人とも部屋を出られました。

 なんとも不思議な感触の舞台で、終演した時はよく咀嚼できていなかったのですが、当日パンフレットに掲載されていた作・演出の西岳さんの言葉どおり、翌朝にこのお芝居について反芻しました。最後に示されていたのは、無心に他者になってみることによる相互理解だったのでは…と思い当たりました。それは「他者を演じてみせる」という俳優の仕事そのものです。私が俳優を職業にしている方々のことが大好きで、尊敬してやまない理由に気づかせてもらえました。ありがとうございました!
 改めて、ドミノで境界線をかたどる舞台美術の効果は絶大だったと思います。
Navy Pier  埠頭にて

Navy Pier 埠頭にて

PLAY/GROUND Creation

横浜赤レンガ倉庫1号館(神奈川県)

2021/12/18 (土) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

side-Cを拝見。超スリリングで面白かった♪俳優4人の交流が常に鮮烈で、独白で構成された戯曲であることを忘れるほど。ピンター作『背信』、『ラスト・ファイブ・イヤーズ』、NTLive「ジェーン・エア」を想起。

紛争地域から生まれた演劇シリーズ13

紛争地域から生まれた演劇シリーズ13

公益社団法人 国際演劇協会 日本センター

東京芸術劇場アトリエウエスト(東京都)

2021/12/11 (土) ~ 2021/12/12 (日)公演終了

実演鑑賞

出演者各自が自分の朗読・演技を撮影し、その映像を公開する内容でした。土井ケイトさんの独白が圧巻(映像)。ゲスト出演の竹中香子さんのトーク等について記録をしました。
https://shinobutakano.com/2021/12/12/19280/

Hello ~ハロルド・ピンター作品6選~

Hello ~ハロルド・ピンター作品6選~

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2021/12/03 (金) ~ 2021/12/15 (水)公演終了

実演鑑賞

読んだことはあっても観たことがない作品をまとめて観劇できる貴重な機会になりました。6戯曲を読んでから伺って良かったです。ハヤカワ演劇文庫に感謝!
https://shinobutakano.com/2021/12/07/19259/

本日も休診

本日も休診

明治座

明治座(東京都)

2021/11/12 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

柄本明さん、佐藤B作さん、笹野高史さんの競演。花總まりさんのコメディエンヌ振り、腑田瑞姫さんの歌もよかった。休憩時間にロビーでお土産を買うことがこんなに楽しいとは!

七本の色鉛筆

七本の色鉛筆

新国立劇場演劇研修所

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/10/19 (火) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

約2時間。すごく面白かった!!昭和20~30年あたりが舞台の1973年初演戯曲。家父長制、男尊女卑の価値観が支配する世の中で、それぞれに正直に、どん欲に生きようとしたある家族の姿。30年間、七人姉妹の子育てに明け暮れた亡き母の罪、戦死できなかった若き帰還兵が受けた罰、次女が幼少期に背負った十字架、末の双子の捨て身の旅立ち…。『わが町』風だが苦味は強い目。無神経なせりふが可笑しかったな~。独白や長い語りを信じられた。
https://twitter.com/shinorev/status/1450810195555147776

キネマの天地

キネマの天地

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/06/05 (土) ~ 2021/06/27 (日)公演終了

実演鑑賞

映画、演劇への情熱が役を愛し焦がれる役者の思いを通じて描かれ感涙。創作現場の環境改善(ハラスメント撲滅)を最優先にすべきと痛感。
https://twitter.com/shinorev/status/1405077197921021956

ほんとうのハウンド警部

ほんとうのハウンド警部

シス・カンパニー

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2021/03/05 (金) ~ 2021/03/31 (水)公演終了

実演鑑賞

ドタバタ喜劇舞台と劇評家2人の脳内劇場が交じり合う、アイロニックなお芝居。上に大きな鏡状のパネルがあり、客席が映っていました。自分も試されている気がしました。
https://shinobutakano.com/2021/03/30/18090/

マニラ瑞穂記

マニラ瑞穂記

新国立劇場演劇研修所

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/02/19 (金) ~ 2021/02/24 (水)公演終了

実演鑑賞

『オズマ隊長』『尺には尺を』に伺えなかったので、どうしても観ておこうと思った新国立劇場演劇研修所第14期生修了公演(宮田慶子演出)。栗山民也さんの演出と比較しつつ拝見しました。『マニラ瑞穂記』は2022年9月に文学座で松本祐子さんが演出されますね。
https://shinobutakano.com/2021/02/27/17822/

ダウト 〜疑いについての寓話

ダウト 〜疑いについての寓話

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2021/11/29 (月) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

めちゃくちゃ面白かったー!約1時間45分集中して考えて笑ってあっという間!!俳優上手いし戯曲巧みだし小空間贅沢だし終演後サービスのコーヒー美味しいしマジ至福。

ネタバレBOX

私が観た回の神父の印象は「真っ黒」でした。追い詰められて慌てる姿が滑稽で笑ってしまった。彼(ら)が必死で守ろうとする気持ちも少しは想像できるようになったかも。
彼女を笑う人がいても

彼女を笑う人がいても

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/12/04 (土) ~ 2021/12/18 (土)公演終了

実演鑑賞

約1時間45分。トリプルコール。あまりに良くて電車で涙しながら帰った。マスクに感謝。お薦めです。

殺意 ストリップショウ

殺意 ストリップショウ

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2020/07/11 (土) ~ 2020/07/26 (日)公演終了

シアタートラムで鈴木杏さん主演一人芝居。約2時間。19歳の少女が体験した敗戦、ある男性社会学者の転向、堕落から見えた日本人の姿。「この鈴木杏を観ない手はない」と思う。狂気と正気を大胆かつ小刻みに行き来し、人間そのものを彼女自身にうつす。腹筋にも見とれた♪

ネタバレBOX

「あんまり安心しすぎて、いい気になるのはよしなさい」という警句は私自身に向けられたものだと思う。

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