満足度★★★
つまらん
奇をてらっただけ、疲れました。
ネタバレBOX
『ウィチカット氏の鞄』 カバンを探したウィチカット氏。ベッドの下にあったのを見付けたので、今度は履いているのとは別の靴を探そうとする話。
靴箱に入ってるんじゃないですか。
一本目と二本目で演じる場所を変えるため、強制的に座席を移動させられました。初めての経験。退屈指数を紛らわせる効果はありましたが、それだけのこと。
『半透明な発光体』 詩の連射のような雰囲気はありましたが、結局のところ、10歳のときに2分の1成人式をして、将来の夢はお嫁さんとあどけなく語っていた少女も今では大人になって、とある男は自分が男であることのアイデンティティを持ち続けるためにたまたま知り合ったこの女を一回2万円で何回か抱いているという話。
ああ夢多き少女も今や援交、売春婦。男も女もいと悲し。
満足度★★★
サササッと撚り
言葉の応酬などは面白かったです。
ネタバレBOX
作家さんの出身地名を具体的に使い、オタクにしか見えない何かといった設定もなく、今回はストレートなコメディで勝負しようとする意欲が窺えました。
しかし、上手と下手で間髪入れずに言葉の遣り取りがあったり、極端に羽咋を田舎と卑下した言い回しなどは面白かったのですが、宇宙人を発見してからがオエーッとえずいて終わりじゃ物足りなく、もう一工夫ほしいと思いました。
北陸地方独特の方言が無かったためか、色違いのクロックスで統一された羽咋の若者たちでしたが、そんなに田舎者には見えませんでしたね。
満足度★★★★
神林良かった!
初っ端から声がひっくり返ったり、かすれていたりする役者が多かったですが、終わってみれば千秋楽らしいやり切った感が満ち溢れていて好印象を持ちました。
ネタバレBOX
福島原発事故で生じた上澄み液を学生が汲み取るシーンがありました。演出家の方には申し訳ないのですが、極力オリジナルに忠実なものを観たかったというのが本音です。
全共闘闘争盛んなときに福島原発事故が起きたとしたら、単なる安保闘争だけでは済まないでしょう。福島原発事故のエピソードを入れておきながら結局は原作の大筋に戻っていくというのでは、如何にも時事問題にも触れていますとアピールするのが狙いだっただけのように思えて仕方がありません。
ラスト、全共闘のリーダー格だった桂木は官房長官になっていました。今まで彼らは転向したり保守的になったのかと思っていましたが、彼らビートルズ世代はただ単に自由に、そして自分たちが得になるように生きてきただけなのだと気付きました。
劇団青年座『LOVE,LOVE,LOVE』(マイク・バートレット作)を観て目からウロコ、見方が一変しました。
満足度★★★★★
こんなもん
若い人に観せたら暴動起きまっせ!!
ネタバレBOX
1967年に自由に生きると息巻いた世代も時が経って親になれば保守的になり、1990年、子どもの世代からは古臭いと言われる、所謂昔は良かったとか、今の若者はとか言った世代間ギャップのストーリー展開を予想していたのですが、全く異なっていました。
英国社会における世代間格差、世代間闘争、世代間戦争のようなものを強烈に描いた話でした。
1948年頃に生まれたビートルズ世代の彼らはとことん自由に生き、そして成功しました。2012年、2013年現在、彼らの子どもの世代はワーキングプア的ですが、そんなことには一切お構いなしで、これから優雅な老後を謳歌しようと考えています。
特に現在40歳近い長女などはバイオリニストになったものの、アルバイトで食いつないでいる有り様で、家を買ってほしいと親にねだったところ、優雅な老後を暮らすための資金を他に回すことを嫌った64歳の親から、自己責任だと言われて断られてしまいます。終いには、家を売って世界旅行でもしようかと言い出す始末。
うわあ強烈。英国のベビーブーマー世代の個性、考え方がここまでとは思いもしませんでした。もう笑うしかありません。
日本でも同様のことが言えますが、私が考えるに、団塊の世代よりも少し上の70過ぎぐらいの人たちが高度経済成長の恩恵を一番受けて裕福なのだと思います。そんな彼らは団塊の世代の人たちも巻き込んで、投票率の高さからも分かるように政治を利用して既得権益を守っています。
デフレ下でも年金支給額を減らせない政治、このお芝居を若い人たちに観てもらい、世代間戦争のことを知り、積極的に政治に参加しなければ戦争には勝てないことを理解してほしいと思いました。
もうビックリの秀作でした!
満足度★★★★
そろそろ
高校生らしい将来への漠然とした不安感などが漂っていました。
ネタバレBOX
宮崎県の高校生の話。
高校生の溜まり場になる部屋ってそういうことかと思いました。学校に近い生徒の家に目を付け、一回遊びに行き、言いたいことをはっきり言わないとズケズケ入り込み、そしてダチや子分を毎日のように連れて行って既成事実にしてしまうやり方。ケッ、そんなヤツが身近にいなくて本当に良かったと思いました。
それにしても、中島淳彦さんの名作『エキスポ』然り、前作『明るい家族、楽しいプロレス!』然り、宮崎にはしっかり者のお母さんがいて幸せですね。
お母さんがいて、家にはちょっとした問題があって、主人公はそれぞれの年代らしい夢や不安を持っていてというパターン、少し慣れてきました。
それとも、プロレスに飽きてきたのかも。
満足度★★★★★
絡んで絡んで絡んで、
やはり素晴らしい本です。
ネタバレBOX
今起きた誘拐事件と5年前の誘拐事件が解決される話。
観客はこれから始まるお芝居はどんなテーマなんだろうと最初は手探り状態で観るので、最初のうちに伏線を仕込んでおくという言葉にはククッと笑いました。具体的にはジョットコースターに乗った乗らないですが、まさかバチスタ手術を使って拡張性心筋症の子ども同士で心臓移植をするという発想には驚きました。しかも、自分は助からないかもしれないと思った幼い長男が妹を救おうと思い立ったことから起こった事件だったとは。
当時刑事の何気ない、しかし職業柄から故に発せられた一言が相手の人生をメチャメチャにし、5年前の誘拐事件は起こりました。部長の地位について捜査の主導権を握るために違法なことも何でもやってきた刑事ですが、真相を知り目的を達成、自分に対する内偵捜査が行われていることもあって自殺しました。
盗難届が出ていないのに何度も何度も出頭してくるお宮の松の万引き犯、それには理由があるわけで、ここらへんが上手いですねえ。
満足度★★★★★
あの『熱狂』の!
現実は一つでも人の数だけ事実があるのです。
ネタバレBOX
パキスタンで誘拐された経験を持つ服部貴康さんの、誘拐時のエピソード、帰国後のバッシングやマスコミの様子、そんな彼が週刊現代のカメラマンになり実際にしてきたこと、そして週刊現代を辞める経緯などをモチーフにして、坂本という男の物語を時間と空間を交錯させながら描いた秀作でした。
現実は一つでも人の数だけ事実がある。しかし、すべての人が自己の事実を公表することができなかった時代では、一方的なマスコミ報道が真実と思い込まされてきました。
この作品は坂本の立場に立ちながらも、様々な方向からそれぞれの事実を見せてくれたことによって、自分なりの事実を構築することができました。
パキスタンで会ってもいないのに川下りを思い止まるように説得したという女性記者との面会シーンで、記者が坂本に名刺を渡さなかった行為が全てを物語っていました。既知の間柄では名刺は渡しませんものね。一瞬たりとも隙を見せない場慣れたマスコミにギャフンと言わせるのは大変です。
現在、土屋アンナさんの舞台降板騒動が騒がしいですが、ネット社会になってそれぞれの事実が簡易に公表できるようになったことで、当初単なるドタキャンかと思われていた事象の背景に様々な問題があったことが明らかになり、判断材料が増えました。有名人の反論と一般人の反論とでは大衆の受け取り方は違うでしょうが、それでも当時とは異なってきました。
後半、坂本の唾を飛ばしての熱演に、あの劇団チョコレートケーキ 『熱狂』のヒトラー役だった西尾友樹さんと気付き、改めて演技の素晴らしさに感嘆しました。『ファミリアー』のワンワンのときはどこかで見たことがあるという程度でした、失礼。
満足度★★★★★
素敵な空気
皆さん個性的。
ネタバレBOX
落ち込んだり空元気になったり、劣等感のかたまりで感情の起伏の激しいさゆり、元々は早口だったのが他人に意見を通すためにゆっくり話すことを学んだというキャプテン中島、エレガンスなエレガンス、意地悪な美月、そつのない加奈恵、さゆりが自分と同等以下と見ていているからこそ心許して付き合える親友の純子、藤吉みわさん始め、皆さん個性的で可愛かったです。
背中の曲がり具合と目の開き具合でさゆりの気持ちと美人度合いが変化して面白かったです。
そして本番、やるとは思っていましたが本当にやりました。こん棒が飛んできたら嫌だなあと思いましたが、リボン二人とボール三人で安心しました。それにしてもあんな狭い空間で一通りやり切ったことに感心します。結果はさゆりの失敗で予選通過成らず。途中で一回リボンを落としたあれが演技だったとはもうビックリです。
性格を変えるのは難しいことで、マッサージ券を配るなどして積極的に攻めたのも良かったと思いましたが、無理があったようです。団体戦を通じて最終的に相手に委ねるということを学びましたが、これまた難しい概念ですね。
満足度★★★★★
いつも感じること
今回も男二人の顔の表情がいいですね。
ネタバレBOX
子役崩れの野村のいい加減さが表情に良く表れていました。
轢き逃げしてしまって服役した遠藤の、無かったことにならないかなぁ、時間が巻き戻ったらいいのにと考えるという言葉に、あっこれだ、過失致死を起こした人間の本音はこれだと思いました。
新興宗教による爆弾事件に関与した男をかくまって生活費を稼いでいた女性については、遠藤が自己の服役を隠していたことが明らかになる上で必要なアイテムだったとは思いますが、そして、なるほどテレビ取材のときは寝てしまったと言い訳するなど伏線の妙にフムフムと思ったりもしましたが、あのエピソードを強引に挿入した感は残りました。
野村と遠藤の本音が出た喧嘩、そして喧嘩別れのときの表情も素晴らしかったです。また戻ってきた野村ですが、ユニフォームを着て今度こそ整体師としてやるを気を出したのならいいのですが、最後の舞台挨拶のときには服装が戻っていてちょっと心配です。
満足度★★★★
想像しましょう。
自分のこと、動物のこと。
ネタバレBOX
数頭の犬と動物愛護センターの職員を通じて、センターに来たペットのほとんどが殺処分される現状を描いたリーディング劇。
動物を飼うに当っては、自分の生活がどう変化するだろうかとか、ペットがどのように成長し繁殖していくかなど想像力を働かせる必要があります。
ただ、これはこれで一応成立しているのですが、2012年の動物愛護法改正前の実情に基づいた話です。
例えばこの本を教材にして教室で上演した後に、あまりにもひどい人間の身勝手さがまかり通っていた改正前のこと、ここに登場した動物愛護センターの職員の言動が法改正のきっかけとなったこと、そして改正後の変化について等々を話し合ったりするのは有意義なことですが、一般の上演においてもアフタートークによる解説が必須というのはどうかと思います。
せっかく法改正後に作ったのですから、改正の経緯、改正前との違いも織り込みながら作品作りをしてほしかったと思いました。
それに、個人の責任が重要なことは当然ですが、統計上の数字の大半がブリーダーによるものだったということにも触れておくべきだと思いました。
満足度★★★★★
生きる下手
気になるテーマです。
ネタバレBOX
過失致死を起こした人間は笑っていいのか、悩ましい問題です。
高速道路バス事故で前を走る若い母子を死なせて服役した元運転手、その娘、そして娘の恋人を中心とした話。
恋人はひょんなことから元運転手が姉と姉の子を死なせた男だと知りましたが、悩み抜いた結果、彼女との結婚を決意して元運転手を許そうと心に決めたのに、そして父親思いの娘も、今年こそは父親に付き添って被害者の命日に謝罪に行こうとしていたのに、ああそしてここで終わっても良かったのに、父親は謝罪に行く前日の夜にメモを残して運転手の正装姿で出て行くとは。
当事者にしか分からない苦悩があるのでしょうが、落ち着くところに落ち着きそうな気配だっただけに残念です。
狭い空間ですが、舞台は正面席から見ると、下手側から元妻の経営するスナック、男の部屋あるいはレストラン等、娘と恋人が落ち合うスタンディング・バーあるいは道路等になっていて、側面席から見ると、手前から奥の方に、スナック、部屋等々と配置されていました。狭いながらも場面転換が効果的に、連動的になされていました。
終演後すぐそこのテーブルの上にはメモがあり、何が書かれていたのかとても気になりました。
満足度★★★★★
皆さん素晴らしい!!
とても楽しい時間でした。
ネタバレBOX
●夏葉亭山椒【known as 武子太郎(クロムモリブデン)】『粗忽長屋』 知り合いそっくりの行き倒れを知り合いとともに引き取るそそっかしい人たちの話。お悔やみに来た頭がさらにこいつは留(とめ)だと言い始めるところが斬新。
枕で全員が偽物の落語家と言い放ち、小宮さんに謝ってみせたり、全てがそつなく上手く、トップバッターには最適でした。
●夏葉亭薊(あざみ)【known as 須貝英(箱庭円舞曲)】『後生鰻』 調理寸前の鰻やすっぽんを助け功徳するご隠居の話。OKやシーズンなど外来語を使い、やけになって時代を現代に変えていくところが目新しい。
何か着物の着こなしが変で、袂がやけに短かったような気がしました。扇子も持って出なかったのでは。でも、雰囲気が和みました。
●小宮孝泰(俳優・役者の落語会『ごらく亭』主催)『悋気の独楽(りんきのこま)』 お妾さんに嫉妬する本妻の話。主人がどちらに泊まるかを決める独楽回しが楽しい。
元々明治大学落研出身で、テレビ『相棒』で落語家の役をしてから再び落語にハマったとのことで、さすがに偽物の落語家、あるいは落語好きの俳優さんとしては上手いと思いました。
【仲入り】
●夏葉亭片栗【known as 川村紗也】『平林』 平林という苗字が覚えられない丁稚の話。
とにかく可愛い。最近のキラキラネームから本題の平林という名前に入っていくところなどは良く考えられていました。
●夏葉亭ザクロ【known as 島岡亮丞】『紺屋高尾』 紺屋職人の誠実さを知り、年季が明けた花魁の高尾が約束を守って嫁いでくる話。
どうしてもライトに照らされるおでこに目が行きがちで、枕は今一でしたが、本編の人情噺は素晴らしく涙が出そうになりました。高尾の高音でしっとりした口調にはうっとりしました。今回ピカ一、大トリにふさわしい最高の出来でした。
満足度★★★
あーあ
あっちでしたか。
ネタバレBOX
私の嫌いな幽霊物で、しかも幽霊と会話できる人間が一人存在するという作者にとって都合の良い一番安易な設定でした。
そして、大学を出て数年経っているだろうに、何でもかんでもおまじないで対処するおまじない好きの女性までいたりして、もう見るに耐えませんでした。
死んだ男に頼りっぱなしだった青年が、彼の死のショックで自殺を考え、遺書がゴミ箱に入ったら生きる、ゴミ箱に入らなかったら自殺すると決め、遺書を投げるシーンがありました。どんなに練習していても本番では失敗することもあるだろうと心配していましたが、猫になった男が突然現れて手助けしたときだけはナイスフォローと思いました。
このように、例え幽霊物だとしても直接対話するのではなく、せめて人間にとっては幽霊の仕業だと分からないような形でメッセージを伝える工夫をしてほしいものです。
満足度★★★★★
素晴らしい!!
ずーっと笑いっぱなし。とても素晴らしい本と出演陣でした。
ネタバレBOX
偶然や理由があってひなびたパーキングエリアに留まっている何組かの二人連れや会社の同僚らのそれぞれの人間関係を面白く描きつつ、やがて近くで起きた殺人事件の真相も明らかになるというストーリー。
研究発表帰りか何かで移動中の会社の同僚たちの恋心のベクトルが、警察の事情聴取でホテルでの密会などを正直にバラしてしまったことで大きく変化して、親密な関係が険悪になったりと、エエーっまさかーって感じの展開が面白かったです。
上司の方が嫉妬で拗ねるレズビアンなど、本当に人間関係を描くのが上手いと感心しました。
仲のいい姉妹については、事件の謎を解明するためとは言え、ラストシーンは少し丁寧に描き過ぎて急にテンポが悪くなったように感じました。少なくとも他の人たちがパーキングエリアを後にした時点で犯人は想像が付くのですから、仲が良くて、男性の好みも一緒で、そんな二人が喧嘩しないためには男を殺すしかなかったと言うだけで十分で、さほど時間を掛けずに、これだけ喋ってケラケラ笑ってさっとお終いにしてほしかったです。
満足度★★★★★
今回は面白い!!
再演するだけのことはあります。逆に言うと、いい作品はそう簡単には作れないということでもありますか。
ネタバレBOX
【フィクション】 俳優が自分のストーカー被害のことを詳細に演じていると、突然客席から実際につきまとっている女が現れ、よくもまあ人前で恥をかかせてくれたと怒って俳優を刺し、彼女を演じた女優に対しても殺意を抱き楽屋へ向かうというストーリー。
隣の椅子の上にはバッグが置かれていました。開演直前に女性が座り、開演ぎりぎりまでチラシを読んでいるなあとは思っていましたが、まさか仕込みだったとはビックリです。やはり以前、荷物だけあって開演直前に私の隣に座り、上演中身体を前後に揺すっている落ち着きのないお客さんがいて、鬱陶しい、何だろこの人はと思っていたら終演後にアフタートークを始めて、谷賢一さんだと分かったとき以来の驚きでした。
全ては脚本家が書いたお芝居を役者が演じているだけのことで、実際につきまとっていた女もシナリオを持っていましたというオチでしたが、それにしてもどこまでがフィクションかと考えてしまう素晴らしい作品でした。
【死ぬまでにしておきたいこと】 テレビ、雑誌の占いを適当に決めている男女の占い師のいい加減さが前半の面白さ。後半は、男女の占い師は実は凄い預言者で、たまたま見学に来ていた女性の運命を導き、その結果彼女は人類を滅亡から救う救世主になったというストーリー。
で、その方法はと言うと、衝突直前の巨大隕石をバットの一振りで太平洋まで打ち返したというもの。これも素晴らしい。
【ゴッドブレス】 顔やお金に拘る女性と、性格に拘る女性がいて、どちらもなかなか恋愛が成就しません。たまたまお互いに嗜好を逆にしてみたら光明が見えてきたようで、積極的に合コンに臨んだところ、最終的には当初の好みの形で恋愛が成就できましたというストーリー。
それほど面白いとは思いませんでしたが、二人の女性の掛け合い的独白の対比が面白いところでしょうか。
【フィクション】と【死ぬまでにしておきたいこと】が好きでしたが、どれか一本というと断然【フィクション】です!
満足度★★★
Oh!ナンセンス
見ても見なくても人生に影響を与えるものではないです。
ネタバレBOX
感情の起伏の激しい、行動の振幅の大きな一族の二つの家庭の話。
気持ちが虫に変態した次男の閑話休題的腹減った感が和みます。
彼女と一緒にディズニーランドから帰って来た三男は、愛人と蒸発した父親かと思い、随分ぶっ飛んだ父親だなと思ってしまいましたです。
満足度★★★★★
芸術、農業、農業、農業!
強引な展開ですが迫力がありました。そして、TPPの本質について考えさせられました。
ネタバレBOX
創り手側が代表作だと表明している作品です。観ておかないと今後トラッシュマスターズを語ることができないという思いで臨みました。
芸術と農業で九州を独立させるだけの財力が蓄積されたことには驚きましたが、問題を提起し、そこから発展する一つの近未来を描き切るだけの才能に感服します。
芸術論で他者を論破するような自信満々の男がちょっとした悪意の言葉を吹き込まれただけで自殺を図るという心の弱さに人間を見ました。
絵画「悲しい食卓」は今後200年、新しい意味も加えながらテーマ性を維持していくのでしょう。これこそが芸術なのかもしれません。
戦後アメリカの農産物に頼らざるを得ない体制が構築され、そしてTPPによってさらに強化されると説きます。しかも、消費者を守るのではなく、企業・生産者を守るというTPPの本質によって、有害な食料の流入をストップさせることができず、癌が多発するようなことになるとすれば恐ろしいことです。
芸術を愛し、安全な食肉を生産することがテロリスト扱いされ、報道され、抹殺される最終章、「学校」の学長の息子の行く末が気になります。
満足度★★★★
【夕焼けの101号室】観劇
濃密でした。
ネタバレBOX
妻と子を殺され、その犯人の未成年者を報復のために殺して刑期を終えて出てきた大阪梅田殺人事件の男が管理人を務めることになったアパートで、36歳の女性が若年性認知障害に罹ったことで、住人や家族を巻き込んで、思い悩み、葛藤し、対処する話。
若年性アルツハイマーと診断されなかったことがミソとは言え、田舎で静養してまた帰って来たというラストシーンはずるいと思いました。
光市母子殺害事件をモチーフにしたであろう男の方については、恨みの連鎖を断ち切るべきという立場ではありますが、それにしても犯罪者を見る目で彼を嫌悪する若者がいたり、罪を犯してもこれからは前向きに生きていけばいいんだよという人はいましたが、所謂仇討ちとして彼に同情を表明する者がいなかったのはちょっと不思議な気がしました。オーナーのおばあさんがそうだったのかもしれませんが。
満足度★★★★★
不思議面白い
独特の世界観の中にどっぷり浸かりました。
ネタバレBOX
偉大な人の遺体になっていた人が忘れた過去を思い出すためにメモを頼りにモドリノという田舎に行き、革命が起きた頃からの過去を思い出すとともに、モドリノはモドリノで、ロシア風の名前の人と日本風の名前の人が混在する不思議な土地で、そこに桜の園の女主人が戻って来てトンチンカンに混乱しつつもロシアらしい雰囲気が漂っていて、偉大な人の遺体の人が思い出したことによって自分の娘が村にいて生きていることが判明し、そうなると村の家族の成り立ちそのものが血縁という繋がりではなく、森の怪物に親を殺された子どもたちを大人が引き取ったりして構成されたこと、そして即ちモドリノの森には怪物が本当に存在するという事実が明らかになり、怪物は色々な形態を取るとは言うものの森で歌を歌っていた中島くんだったという意外な事実に驚かされ、村人たちは再び活動を始めた怪物によって踏み殺されてしまうという何とも不思議でシュールな独特のコメディでした。
役者さんたちがイキイキとしていました。特に年配の女優さんたちのノリの良さには驚きました。
偉大な人の遺体の人のクビになった経緯、中央に憧れる田舎の娘の言動には笑ってしまいます。
外注に出したら200万円は掛かるであろうとブログに書いてあった舞台美術も素敵でした。最初のレーニン廟から森のシーンへ移るときは黒幕がちょっと残ったり、途中でドスンという音も聞こえたりはしましたが、森とお屋敷の転換シーンは何度見ても素晴らしいものでした。
満足度★★★
代沢三差路もオオゼキも!
今現在グーグルマップも嘘をついてます。
ネタバレBOX
とある女性が結婚して私生活が充実したことによって、それまで逃げ場などに使っていた空想の下北沢が必要なくなり、徐々に忘れていき、空間や住人も消滅していくというストーリー。
背景の交差する直線が小田急線と井の頭線だったとは、とてもグッドでした。
市来さんの爽やかな声質が、中高生向け健全ラジオドラマのような印象を与えるため、ネット放送のときも本編もストーリーに不気味さのようなものを感じることがなく、浅い感じで終始してしまったような気がします。
空想の下北沢に拘っていた理由のドラクエがどうしたというオチが全く理解できず、俳優さんたちのちょっとした仕草にファンが大受けすることにも付いていけませんでしたが、コロさんがノリノリだったのは何よりでした。売れない役者役のコロさんは、ま、どっちでもいいんですが、男優さん役でした。演出をつけるシーンなどでの自由度が高く、毎回違う登場の仕方や絡み方をするそうでこれは楽しみですね。