満足度★★★
何か物足りない
もう少し内容があったらと思いました。
ネタバレBOX
老朽化を理由に閉鎖を決めたシェアハウスの住人たちの話。
安いから住んでいた住人が退去を機にみんなゼロから出発し、成功したりしなかったり、色々あって最後は老人向け施設でまたみんなが集い、ゼロに戻りましたという感じのオチでしたが、別に老人の姿などは見たくもありませんでした。
日替わりゲストにβさんが呼べるくらいの年季が入っている割には何となく井の中の蛙、仲間内では楽しそうでしたが声ばかり大きく、今一つ雑で垢抜けていませんでした。
立ちションに力を注ぐよりストーリーに尽力すべき、せめて第二場になったら第一場の百万円は片付けてほしかったです。着替え中の張り紙を外さないのなら貼る必要もないと思いました。
満足度★★★★
過去と現在を同時に表現
『ガラスの動物園』が観たくなりました。
ネタバレBOX
俳優の演技をビデオに撮ってスクリーンに映し、片や当時のガラスの動物園風家族の情景を今として描き、片や映像作家となり思い出を映像化した弟の今を描いていました。
ビデオカメラを股間から屹立させたいという下世話な発想から構想を得たということでしたが、出来上がりは過去と現在を同時に表現する素晴らしいものでした。
因みに、カメラを覗き込むカエデちゃんの表情は何とも言えませんでした。
アフタートークの成り行きから、訪ねて来た青年にキスされて舞い上がった引きこもりの姉が、青年から婚約者がいるという話を聞いて益々落ち込んだという聞きたくもないネタバレを聞いてしまいましたが、いずれ本家の『ガラスの動物園』も観てみたいと思いました。
満足度★★★
【カラシニコフ不倫海峡】【高橋一生×酒井若菜の回】観劇
形式的には朗読劇で合っていました。
ネタバレBOX
往復書簡をお互いに読み合う形式でしたので朗読劇はピッタリでした。もちろん、手紙のやり取りではなく、メールのやり取りですが。
低い声、淡々とした話し方、真面目な声で言う冗談などはとても面白く拝聴しました。
しかし、内容的には、アフリカで死んだはずの妻が生きていたなんていう前提からして納得できませんでした。当地の警察や大使館員も調査するでしょうし、夫も出掛けるでしょう。せめて遺骨は日本に送ってもらうでしょう。
それらの何もしていない薄情な夫が、妻の遺志について講演を行うなんて考えられず、もやもやに支配され、その後の展開にも全くついていけませんでした。
満足度★★★
【マイケル:斉藤直樹さんの回】観劇
一度は観ておきたかった作品でした。
ネタバレBOX
6週間のダンスの個人レッスンを依頼した72歳の女性リリーとインストラクターの青年マイケルが次第に心を通わせていく物語。
リリーは人恋しくて申し込んだのであって、元々ダンスについては詳しかったので、足を踏んだりするなどの無駄な時間が省略できました。
レッスンを重ねる毎にお互いに自分のことを話し、理解し合っていくのはある程度当然のことだとは思いますが、最初は見栄を張っていた二人は次第に正直になりました。そして、マイケルは癌が再発したリリーを放射線治療に連れて行ってあげ、逆にリリーはマイケルにパートナーを紹介する縁結び役にまでになりました。階下の息子を加えた孤独だった三人のいい関係がしばらく続きそうで何よりだと思いました。
それにしても、自己紹介の段階でのマイケルの癇癪度合いは度を越していました。ダンスは上手いのかもしれませんが、斉藤さんの半音高い棒読み口調は気になりました。
ムササビが膜を広げて空中をに飛ぶように、草笛光子さんもそんな感じで華麗なダンスができるのかなと思ってしまいました。本人には気が付かないことがあります。周囲の人は衣裳に気を配ってあげた方が良いと思います。
満足度★★★★★
『忠臣蔵・OL編』【Aチーム】観劇
仮名手本忠臣蔵だと四段目評定の段、全てはここから始まったとも言える重大な会議でした。
ネタバレBOX
食堂に刀を持った制服姿のOLが登場。次に総合職らしき女子社員が来て今朝来た早駕籠(はやかご)のことが話題になって、あれっ本当に忠臣蔵、少なくとも江戸時代なんだと思いました。会社の倒産話などに置き換えられているのかと思っていましたので少し意外に感じました。
そして、江戸で刃傷事件が起こったことが明らかになり、さらにOLが集まってそれぞれが赤穂藩取り潰し後どう対応するかの意見を言い合い、最後に大石が来て議論が始まりました。
籠城して抵抗する派、家老に託す派、討入派、転職派、切腹して抗議する派などの意見があった中、最後は殿だけを悪者にした公儀に抗議するためには幕府を困らせることが一番と考え、仕官を勧められたときにはそれに従うことも已む無しなど秘密を守るためには臨機応変に対応することを前提に、討ち入りしてその後幕府の処分を待つということに意見がまとまり、大野は泣いて反対するだろうななどと言いながら全体会議に向かうような感じで食堂を後にしました。
登場人物は7人。アフタートークで初演を演出した静岡県舞台芸術センターの宮城さんによると、意見を出し合う順序が左右対称的に構成されているとのことでした。平田さんからも、意見が分散し収束する過程に工夫がこらされていること、東京ノートでも舞台で二人だけになるのは丁度真ん中だとの話がありました。
デコ刀があったり、パトリシアは洋剣だったり、刀の大きさで忠誠心のようなものが表現されていたりして笑いました。Aチームは外資系、Bチームはゼネコン系というのにも笑いました。
制服姿のOLとスーツ姿のOLがいました。必ずしも事務職と総合職というわけでもないかもしれませんが、もしそれぞれが事務職と総合職だったとすると、事務職の方が偉そうな口の聞き方をしていたのは少し不自然に感じました。
満足度★★★★
虚と実
虚を楽しんだ後の実は辛いです。
ネタバレBOX
キャベティーナの妖精を何期も務めたキャロラインの生き様と、キャベティーナ祭りの話。
客席に入ると舞台に置かれた一個のキャベツが目に入り、座席にもおやっキャベツがと思ってしまいました。新聞紙を丸めて薄緑の着色をしただけなのにそれらしく見えるのが不思議です。客参加型ということで何が起こるか分からないので最前列と通路側は避けましたが、客いじりはありませんでした。
実際投げてみると軽くてあまり遠くまで投げられませんでした。重くすると当たって痛いかもしれませんが、楽しかったとはいえ役者有利の上での客参加演出という感じでした。
364日、祭りのことを考えているというトコロザーワ市民の熱狂振りを見た後で、ムラマツベスさんたちが12月で退団するなどという告知を聞かされて、一気に現実に引き戻されてしまいました。公演期間中を除く残りの一年を、演劇のことばかり考えているのかと思っていましたがそうでもないのですね。
満足度★★★★★
光る!
島岡亮丞さん、熱演でした。
ネタバレBOX
初めて聞く名前でしたが、1960年台イギリスロック系音楽のプロデューサー兼作曲家ジョー・ミークの成功と挫折の物語。
まだ客席が温まっていない段階での、いきなりのギターを持ったエアーギターに口パクは気恥ずかしい限りで、役者さんたちの表情にもそのような感じが窺われ、何となく苦笑いをするしかありませんでしたが、島岡亮丞さんの熱演に次第に引き込まれていきました。
スポンサーもある程度のコントロールはしていたようですが、結局は出資するか縁を切るかのような関係は悲惨です。盗作裁判に巻き込まれたことも不運でしたが、前のレースで儲けた金を次のレースに全額注ぎ込むような営業方針はいずれ破綻を招くことは目に見えています。自暴自棄になって大家さんまで手にかけたのは悲劇でした。
彼の曲を聞いて大滝詠一さんの曲調を思い起こしました。
島岡亮丞さん、てっぺんにまで来ていました。
満足度★★★
【Bチーム】観劇
劇場内が暑かったこともありますが、妄想三文芝居に疲れ果てました。
ネタバレBOX
とある銀行の支店における防犯訓練でのドタバタ劇。
襲う方も襲われる方も、つまり銀行強盗も行員もその場その場で臨機応変に対応しなければならないのは分かりますが、訓練を盛り上げようとするあまり、次第に創作妄想三文芝居の様相になり、人質が撃たれたり出生の秘密が明かされたりと、思いつきで勝手に筋書きを作って膨らませていきました。
結局台本のある即興劇を観させられることになりました。支店長が暴露する出生の秘密については、二人の行員に対して全く同じ内容で疲れ果てました。
そして、即興の部分をさらに膨らませようと、ちょっと噛んだり拳銃が頭に当たったりしたときにツッコミを入れるなど、役者さんたちはアドリブや役者いじりを多用していましたが、お笑い芸人でもない素人がやってもそう簡単に面白くなるわけもなく、ごちゃごちゃうるさいわと、コバエがポットン的な印象を受けました。
高橋いさをさんの不朽の名作と言うことで期待したのですが、原作が妄想三文芝居だったこと、未だしという感じの役者さんたちの演技、そしてそもそも銀行の支店らしからぬリアリティの無さにがっかりし疲れ果てました。
あれだけ長時間訓練していて銀行強盗役が来なかったので、あの銀行強盗はやはり銀行強盗役だったのだと思いますが、本物の銀行強盗がノリで訓練に付き合わされているのではないかと思わせる辺りは良かったと思います。
満足度★★★★
距離感
第27班のすっとぼけた感じが素敵でした。
ネタバレBOX
第27班のお芝居が90分強あって、舞台挨拶直後一気にガンガンイケイケの様相に、第27班のフィナーレにしては着替えが早過ぎる、一瞬何が起こったのかと思いましたが、レティクル東京座のライブの開幕でした。
『希望人の海から』(第27班) 距離感と意思疎通に関する話が様々交錯する話。
小惑星イトカワへ7年掛けて往復したはやぶさの擬人化というか、擬美人化、擬美少女化は素晴らしい発想でした。機体を斜め下からチェックするなんて最高です。どんなに遠く離れていても、不具合があっても帰って来たはやぶさもあれば、近くて遠い男女の仲もあります。日本海で漂流した小型船もロケットから噴射された煙を見つけ、ようやく種子島宇宙センターの方角を知ることができ、7年振りに日本に戻れそうです。ただ、対馬海流があるので、日本海で漂流した船が鹿児島沖まで流されるのは少々疑問でした。
『芸能海兵ウズメ組』(レティクル東京座) お芝居の後のライブ部分だけという感じ。
ライブはわずか20分程度で終わり、昨年のシアターグリーン学生芸術祭の優秀団体の発表会であったわけですが、最優秀賞と優秀賞とでは待遇の差が歴然としていました。
満足度★★★★
東京でもいけます!
ヘタウマ風な役者さんと下手な役者さんによるコント集、面白かったです。
ネタバレBOX
如何にも大阪らしいかのうとおっさんのお二人に多くの客演さんが加わっての四つのコントと、その合間にOLが会社から帰宅してのひと時の様子を挟んだ構成でした。
前説に登場した時点で、お二人は受けようが受けまいが決められた時間をやり通す漫才コンビのようでした。本厚木のおじいちゃんお医者さんネタは面白く、約10分にも及びました。嘉納さんは田中美里さんと区別するため顎にほくろを付けたような感じ、有北さんはおでこを拡張させたまさにおっさんでした。
中学生の恋愛感情ネタ、超能力ネタ、ハワイに行きたくて保健室の先生に相談する話、お金持ち殺人サスペンスはどれも緩くて良かったです。
佐々木ヤス子さんはキム・ヨナさんに似ていました。
満足度★★★★
南部浮世床
気の合う友だちがいることは幸いです。
ネタバレBOX
アメリカ南部の小さな町の美容院に集う女性たちの悲喜こもごもを描いた話。
マリンの娘で重度の糖尿病患者であるシェルビーの結婚式当日から始まり、妊娠して出産を決意したとき、出産を経て人工透析が必要な身体となってしまい、マリンの腎臓を移植する手術の直前、そしてシェルビーのお葬式の日までの数年の様子が描かれていました。
大切な友だちがいれば喜びは何倍にも増やすことができ、悲しみは何分の一かに分け合うことができると言った感じの話に、小さな町であり、知り合いの噂話に花を咲かせるシーンが加わるまさにアメリカ南部の浮世床でした。
満足度★★★★
24時
まわりっくどい告白と、盗人に追い銭みたいなのが面白かったです。
ネタバレBOX
ウェールズの首都カーディフにおける様々な住人の日常の一コマが20数景。
最初、別々の話が20余あるとも知らず、繋がりがあるのかと思いながら見ていました。因みに原作は25のシーンですが、今回は20余とのことでした。それぞれのシーンが始まる度に副題と番号があり、途中でようやく番号が降順になっていることに気付きました。そして、シーンの最後は光量が下がり、ゴゴゴゴーと地鳴りのような音が響き、何かが起こったことを暗示していました。
第一次世界大戦の回想をする人もいれば薬物を買っている人もいて、同日同時刻では無いとは思いましたが、みんなに共通した地鳴りのような音から、市民全員が一瞬で死んだポンペイの火山噴火のような災害が起きたのかと思いました。
それぞれの人が苦痛を感じたらしいのですが、いったい何だったのでしょう。そして、ゴーストシティと言うくらいですから、みんなが普通の日常や良くない日常を過ごしながら一瞬にして死んだこと自体は間違いないと思うのですが、本当にそうなのか良く分かりませんでした。
満足度★★★★
固有名詞
国破れて山河あり
ネタバレBOX
津波で臨月の妻と父親を失くした男と、男が持つ警戒区域内に立ち入ることができる立入証を利用しようと近づいてくる人たちの話。
一つの特徴が加味された地域はそれだけで他の地域と異なるわけで、確かに金脈なのかもしれません。目敏い人は放射能汚染で商売します。
ダークツーリズム然り、補助金目当てだったりするのでしょうが、まさか福島第一原発で働く労働者のうち、居場所がなく、世の中に失望して金だけのために全国から働きに来た死んだ目をした人たちを過激派がスカウトしていたとは驚きました。流浪の民とされたサンカは捏造の産物だったようですが、わずかに生き残った現在の流浪の民による最後のあがきでした。
夜ノ森はよのもりと読み固有名詞でした。夜の森公園は桜の名所で、人がいなくても春になれば桜は咲きます。虚しい限りです。そして、帰還困難区域にあることから富岡町民が持つ立入証が役に立つというわけでした。
満足度★★★★
江戸時代か
火山島らしい舞台でした。
ネタバレBOX
日本政府からも見放された火山島に暮らす少人数の人たちの究極のサバイバルゲーム。
「死にたいなんて考えちゃダメ、生きる上でのルール違反」、とかイッパシのことを言っていましたが、今時人身御供があるなんて、じゃあさっさと止めろやと言いたくなりました。
9人しかいなければそのうち自分の番が来るはずで、いずれバトル・ロワイヤルになるのは目に見えていました。
外界との交流は無いようですが、お米や船の燃料はどのようにして入手しているのか気になりました。
自らを美人と称した女性は美人でした。丸顔の女優さんはとても個性的で将来が楽しみです。
満足度★★★★★
【シャッフルステージ1】観劇
元AKBや元メロン記念日出身者もいて特に女性陣が派手で、しかも実力が伴っているため見応えがありました。
ネタバレBOX
10編のショートコメディと、中間に3チームに分かれての即興芝居合戦が加わったオムニバス構成で、内3編は米中の潜水艦が衝突沈没行方不明になった事件の黒幕を発見してやっつけるという一応副題ともなっている「私を愛したスパイ」でした。
恋のキューピットの矢が刺さったコントは、矢をグリグリしたりして面白かったです。
即興芝居はあまり好きではありませんが、公演全体で優勝チームを選ぶということもあってそこそこ良かったです。
満足度★★★★
まだ早い
半生記仕立てにするにはまだ早過ぎるような気がしました。
ネタバレBOX
演劇を目指す男の1990年から2013年頃までを描いた半生記。
人生において今が一番年取っているわけで理解はできますが、まだ演劇やっているんだと照れ笑いするには若過ぎます。演劇を続けるか、やめるかで悩むであろう30歳前後にもう一度作ってほしいと思いました。
震災の跡地を訪れるシーンは、何気ない風景描写ですが迫ってくるものがありました。
同級生の女子とのツーショットは、赤ちゃんを産んだ大人の女性と、まだまだ地に足がついていない子供の男性という感じが表現されていて素晴らしかったです。無言が様になる素敵なシーンでした。
満足度★★★★
ザワザワ
奥が深いのか深くないのか、どっちもー。
ネタバレBOX
7億円という優勝賞金をちらつかせ、真のゲーム参加者が夢と希望を失くしたような人たちをスカウトしてトーナメントゲームをやらせる究極の遊びに参加した男の悲哀。
覆面レスラーだから殴らないでかと思ったらピコピコハンマー、叩かないでが正解でした。しかしその後、武器はピコピコハンマーから次第にエスカレートして、準決勝ではナイフ、決勝ではピストルになりました。
じゃんけんには絶対負けない男でした。決勝戦で息子と対峙したときに、試合後の幸せな家庭生活シーンに移行して、あれっハッピーエンドだったのかと一瞬思いましたが、銃弾が急所を外れ、また家族で食卓を囲むことができたらいいなと願った父のかすかな願望を描いたに過ぎず、現実は息子のために、家族のために負けてあげて死を選択するというザワザワ系ゲームの究極の結末でした。
がしかし、退職金を盗んだ泥棒、彼をスカウトした謎の男、息子の上司が全て同じ役者さんでした。偶然なのか、狙いなのか、故にあれこれ考えました。
退職金を現金にしたのは奥さんのちょっとした一言が原因ですから関係ないのかもしれませんが、息子の上司が真のゲーム参加者の金持ちで、彼をスカウトしただけではなく息子もスカウトしていたのではないか、そして父親の方に覆面を被せることで息子に父親と分からないようにして真剣勝負させるように用意周到に仕組んだのではないかと思ってしまいました。
団欒シーンの息子の表情も微妙でした。
決勝まで行くくらいですから実は息子にも遺伝によってじゃんけんに負けない能力が身に付いていたのかもしれません。そうなると父親は本当に負けてあげたのだろうかも疑わしくなります。父親が、じゃんけんに勝って急所を外して撃とうとしたにも拘らず息子の能力が勝り、このような結果になってしまったのではないかとも考えました。
満足度★★★★
今回は
徹底的にあっち方面でした。
ネタバレBOX
大切な人に見守られていると思うことはいいことだと思います。ただし、トイレには付いて来ないでねということで。
ジーンと来る場面もありましたが、おぼんが宙を動いたり、幽霊が幽霊と名乗っていましたので、これは間違いなく私の嫌いな幽霊物でした。せめて幽霊本人が幽霊と名乗らず、妄想あるいは夢の中の出来事とも解釈できるような作りであったならと思いました。
妄想や夢は見る人のブドウ糖、エネルギーによってあたかも存在するかのように知覚しますが、幽霊には質量もエネルギーもなく、自ら存在したり動くことはあり得ません。私はインチキ占い師やインチキ宗教を利することに繋がる恐れのある幽霊の存在を肯定するかのような発想が嫌いです。
見えないものが見えたら病気で、見えないのに見えると言ったら詐欺です。図書館のシーンなどは本当に困ってしまいます。若年性アルツハイマー症の男性とその恋人をそれこそ見守る心優しいますみですが、妄想癖が強過ぎるとなると心理カウンセラー廃業の危機です。
ところで、お父さんが見守っていたのはますみ一人ではありませんでした。本当の目的を思い出し、そしてますみの懇願を受けて取り止めにしましたが、あっちに帰ってから処罰の対象にされたかもしれませんね。それはそれで心配です。
満足度★★★★
豪華絢爛
如何にも大河ドラマでした。
ネタバレBOX
ルイ14世の生涯の話。読書を教えてくれた女性、政略結婚のためにスペインから迎えた王妃、多くの子をなした色香漂う女性、王妃に使えた女性など、王に関係した女性を中心に、前半は側近に従っての政治が、後半は「朕は国家なり」で始まったように独善的な太陽王としての治世が描かれました。
ルイ14世と親交のあったモリエールが語り部となって進行する形式のため、どうしても説明調になりがちでした。
鉄仮面、黒魔術、絵画から飛び出して来た聖人の話など、王の周辺で起こったエピソードをできるだけ多く盛り込もうとした感もありました。
ヴェルサイユ宮殿の建設で財政が逼迫したにも拘らず、後世において観光資源として役立つだろうと予想していたのにはそこまで考えているかと思いましたが、今の日本の箱物が数十年しか持たないことを考えるとあながち嘘とも言い切れないなと思い至りました。
衣裳は豪華絢爛、短い時間でしたが、第二部的なダンスもありました。
満足度★★★★
ありのままで
今頃になってようやく、ライオン・パーマさんも棒立ち、ヘタウマ劇団だったと気付きました。
ネタバレBOX
お母さんの病気を治すために青い花を取ってくるということで、表向きは王様になる資格試験とは謳っていませんが、その試験で不合格となったルーシアに代わり、次に妹のエミリーが資格試験である試練の旅に出掛け、仲間を作ったり、許容したり、拒んだり、決断したりして目的が達成できるかが試され、最終的にエミリーは資質が認められ王様になる話。
ルーシアも最後まで行ったことは行ったのですが、懇願されて他人に花をあげちゃったんですね。エミリーはそこんとこはきっちり拒絶したのでしょう。優しいだけでは王様にはなれません。
アナ雪の「Let It Go」が出てきたときは笑いました。
しかし、指揮官が王様をやればいいものを、そもそもなぜ王様選びが必要なのかとか、王様になる試験と分かってしまうと目標達成が意外に簡単過ぎるからなのか、知った上でのチャレンジは認められないなどの設定は分かりづらく、棒立ち、ヘタウマらしく、あまり複雑にせず、もっと単純なストーリーでいいのではないかと思いました。