雨模様の観てきた!クチコミ一覧

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毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

鵺的(ぬえてき)

小劇場 楽園(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

Aプログラム『定や、定』観劇
阿部定の一生が生き生きと描かれていました。

ネタバレBOX

黒子であり、アンサンブル役である二人が加わることで、岡田あがささんと寺十吾(ジツナシサトル)さんの二人芝居が冴え渡っていました。約1時間15分というのもちょうど良かったと思います。

吉さんが、名古屋の先生や腐れ縁のおじさんとは別腹だと言うのが可笑しかったです。事件はセンセーショナルだったものの、考えてみれば懲役6年の事件に過ぎませんでした。本当に惚れたのが吉さんだけだったとすれば彼女の余生は長過ぎました。最後は失踪していたなんて知りませんでした。

阿部定本人が出演した劇中劇の後の舞台挨拶はちょっと真面目過ぎてテンションが下がりました。前後の話から吉さんの名誉を守ろうとした気持ちは十分伝わってきたので舞台挨拶は特に無くても良かったのではないかと思いました。

寺十さんのショボさもあり、岡田さんの魅力が引き立っていました。ただ、色々なアクシデントは良しとして、阿部定が自分の名前を噛むのだけは基本ご法度だと思いました。

ところで、黒子のお二人がBプログラムに刑事役として登場するらしいのですが、どんな風に二つの話を繋げてくれるのか楽しみです。
毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

毒婦二景「定や、定」「昭和十一年五月十八日の犯罪」

鵺的(ぬえてき)

小劇場 楽園(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

Bプログラム『昭和十一年五月十八日の犯罪』観劇
ハマカワフミエさん、キリッとしていて素敵でした!

ネタバレBOX

ずーっと鎮座まします阿部定。いい設定でした。捕まってすぐの取調室における僅かな時間の話。

阿部定事件とは、心底惚れた男との隠遁中に金が尽き、現実世界に戻るのが鬱陶しくなったことと、首を絞めて快楽を楽しむプレイが盛り上がり過ぎたことが重なって死に至らしめた事件性のある事故であるとともに、男を忘れがたく身と残り香を持ち去ろうとした死体損壊、下着窃盗事件であったということが良く分かりました。

ハマカワフミエさんのスムーズな着付けは眼を見張るものでした。彼女の女優力は大したものです。

ウィキペディアで定本人と警察関係者の写真を見たとき、なぜみんなが笑っているのかと不思議に思いましたが、そんな写真から彼女をヒロインに仕立て上げることにより226事件など他の重大事件から世間の目を外らそうとする内務省の陰謀だったとする発想が生まれてくるとは、虚か実かは分かりませんが、素晴らしいことだと感服しました。

椎茸とお刺身の件は何のことかと思いましたが、ググって分かりました。便利な時代ですね。
バンブー・サマー

バンブー・サマー

アナログスイッチ

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2012/08/24 (金) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったです!
本歌取りとはいえ奇想天外な展開、ツボを心得た笑い、凝った手法、そして楽しそうな役者さんたち、素敵でした。

ネタバレBOX

月人の念力光線を手鏡で反射させる技を持ちながら、ついかぐやのスカートの中を覗く誘惑に負けて光線を受けてしまうおバカさ…、団結を謳いながら全員が抜け駆けしている…、そして一人はかぐやのタカピーな要求に応じなかったのかと思っていると、いきなり母親が冷蔵庫を持って現れる…、本当に笑いのツボを心得ていると感心しました。

地球人にとっては何の影響もありませんが、月人は月人に対して顔や容姿を変えたように見せられるという催眠術的変身能力を持っています。ブサイクな母親がかぐやに変身したときは我々は地球人の立場から見ているので容易に理解でき、月人ってバカだねーと笑い飛ばすことができましたが、本来ゴリラのような体育教師が普段イケメンに変身しているという現象は、彼がイケメンに見えるだけにどうも我々も月人の立場から見ているようで、頭が気持良くこんがらがってしまいました。

月の姫だった母親の息子だけがイケメンと言っていて、他の生徒が否定していたことが理解できましたが、この自分の立ち位置を困惑させる凝った手法はさすがだなあと、作・演さんの才能に驚かされました。

姫が生存していたことが分かり、自由恋愛故に逃走したことも明らかになり、留学制度も一週間という短いものではなく、もっと自由に行き来できるようになることも想像できます。月と地球の未来が明るくなってとっても嬉しいです!

そして何より、生徒5人の楽しそうな雰囲気が素敵でした!
くりかえし無限遠点

くりかえし無限遠点

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/05/17 (金) ~ 2013/05/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

一途
モニターが集められたのは、歌舞伎町2-45-2のビルの4階、まさにここでした。

ネタバレBOX

心理実験に集まったのは5人、初日は夕方から始まり、三日目は午前中で終わる合宿型。日程は観客にも知らされており、その通り実施されると思っていましたので、素早く二日目の朝食後に事件が仕組まれていたことで一気に緊張感が増しました。良かったです!

朝食のサンドイッチに遅効性の毒が盛り込まれていて、解毒剤争奪戦を巡る心理実験の様相でしたが、実はワンダーフォーゲル部の冬山歩きで一緒に行った恋人を亡くし、失望感と責任感から引きこもりになり、オンラインゲームの世界で二人で一緒に冒険したり、まったりと遊んだりして、ゲームの世界に永遠に閉じこもったままの状態に陥った女性の心を開放させるために、ゲームの中の彼女を死なせてゲームを終わらせようとしたワンゲル仲間の壮大な企画でした。

この会場自体がネット上の仮想空間でした。気持よく騙されました。

最後、一つ残った解毒剤を恋人に飲ませ、彼女は死を選択しました。ゲームの中の恋人は生き残ったはずですが、操作する人がいなくなったため恋人も動かなくなりました。切ないですね。

腐れ縁のように言いながら、一途な彼女が素敵でした!

ところで、彼氏が解毒剤を飲む直前に蓋を取ったビンを手にしていましたが、そんなに傾けていたらこぼれてしまうと思いました。他の人たちがビンを落としたときも本当にこぼれたのか良く分かりませんでした。実際に水ぐらい入れておけばよかったのにと思いましたが、カンパニーの誰も信じられないのかなと勘ぐったりもします。
青

ツチプロ

OFF OFFシアター(東京都)

2016/09/21 (水) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

衝撃的
リアルで迫力ありました。

ネタバレBOX

日本人は抵抗しないと思い込んで大暴れしたフーリガンに立ち向かい、フーリガンをぼこぼこにしたことで、意に反して外国人排斥運動のカリスマに持ち上げられた男を中心に、一般から青と呼ばれた彼らの顛末を描いた話。という訳で、青とはサムライブルーの青でした。

ネウヨが現実世界で狂暴化して殺人する様や、男の本性を試そうとバットを振り下ろすシーンなど暴力表現にリアルさがありました。

ラストシーンもリアルで衝撃的でしたが、日頃の行動からするとかんぬきは掛けていたはずで、少し都合よすぎるかなとは思いました。

女性を監禁してDVを繰り返していたのが元々の男の本性だとすれば、狂暴性の根源が説明できて理解できますが、DVシーンは大嫌いであるとともに、悪いのは自分だと自虐的に振る舞う女性の存在も見るに堪えませんでした。
永遠の一瞬 -Time Stands Still-

永遠の一瞬 -Time Stands Still-

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2014/07/08 (火) ~ 2014/07/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

距離感と、
距離感の変化が良く表現されていました。

ネタバレBOX

イラク戦争の取材中に死にかけの負傷をしたフォトジャーナリストのサラが、現地の病院で付き添ってくれたジェイムズとともにニューヨークに戻り、リハビリを経て、リハビリ中に人間関係を再構築して、再び取材のために戦地に赴こうとする話。

登場人物はフォトジャーナリストとして使命感に燃えたサラ、編集部員としてジャーナリストと営業マンの両面を持つリチャード、サラとともにイラクに行っていたものの、取材中に目の前で爆発が起こり、肉片等を浴びて精神的に参り帰国していたジェイムズ、リチャードの恋人でイベントプランナーをしている若いマンディの四人。

そこにもう一人、ジェイムズが帰国した後でサラが愛するようになったフィクサーのタリクが重要人物として存在していました。タリクはサラが負傷した際に死亡しましたが、ジェイムズからすると今もなお嫉妬の対象でした。

当初の戦争報道に対する熱意は、サラ、ジェイムズ、リチャード、マンディの順でしたが、最終的にはサラ、リチャード、ジェイムズ、マンディの順となりました。

マンディは私に近い存在でした。サラに、どうして死にかけの子どもがいるのに助けないのと聞きます。サラは、悲惨な状況を世界に伝える使命感を話し崇高振っていましたが、別のシーンで現地の人から写真を撮るなと叱責され倫理的に苦しんだことも告白していました。また、悲惨な方にばかり興味を示すサラやジェイムズに対し、明るい現実を見ることも大切だと力説していました。さらに、マンディは、リチャードが話した例え話の内容を聞いてくれました。薬物中毒で死んだロック歌手とその恋人の名前のことでしたが、そんなん知らんがなでした。

サラとジェイムズはいったんは結婚したものの別れました。リチャードの出版社から出すサラの写真集の文章を担当したジェイムズは、下書きの段階ではタリクの存在を一切無視した書き方しかできませんでしたが、サラとの生き方の違いを悟り達観した後は、フィクサーとしてのタリクの存在の大きさを感謝する形で表現することができるようになりました。

そのフィクサーですが、フィクサーとは取材の段取りをつける人のことで、フィクサーなしでは何もできないと言われると、取材そのものの在り方に何がしかの虚しさを覚えます。

マンディは赤ちゃんを産んでから子育ての重要さに目覚め、仕事に復帰することをやめました。ジェイムズは戦争から離れた感じの作家兼ジャーナリストの方向に舵を切り、穏やかになり、新しいパートナーも見つかりました。そして、サラは戦地に向かうことになりました。

ところで、サラがファインダーを覗くラストシーンは必要だったのでしょうか。サラは右目を閉じてから望遠レンズを付けたキヤノン製のカメラを構えました。常に周囲の状況を把握しなければならない戦場カメラマンがそもそも片目を閉じて写真を撮るのでしょうか。人それぞれだとしても、そんなに初めから片目を瞑るものでしょうか。余計な所作で馬脚を現してしまったように思えて仕方ありませんでした。
マリオン

マリオン

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/06/15 (土) ~ 2013/06/23 (日)公演終了

満足度★★★★★

千秋楽
ちょっと悲しい側の、スケールの大きな物語、とってもいいです。

ネタバレBOX

かつて四季のあった星で過ごし、今は一年に秋が三回ある星の誰も住まないニッポンにいる女性、どっちが地球なのか頭がクラクラしますが、遠い遠い未来の昔話のお話です。

最初の男と女の会話からは原発事故のことがとんでもない誤解だったかと思いましたが、終盤の会話からはやはりそれでも良いのだと思い直しました。

これだけは言っちゃいけないような気もしますが、アテ書きの妙、大西さんは本当にゾウガメにピッタリでした。福寿さんも藤川さんも。そう考えると、林さんの柴犬のワン公も見たかったなと、松本さんには申し訳ないですが今さらながら思ってしまいます。
悲しみを聴く石

悲しみを聴く石

風姿花伝プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!
ほぼ那須佐代子さんの一人舞台、素晴らしかったです。

ネタバレBOX

中東の紛争地域内の一室で、銃で撃たれ意識不明の夫を看病する妻の様子を描いた話。

ほぼ那須佐代子さんの身体を張った一人芝居、素晴らしかったです。中田顕史郎さんはシーッ、シーッと呼吸音を立てるだけでしたが存在感がありました。最後までそうなのかと思っていましたが、ラストシーンは衝撃的でした。

人形やペットに語り掛けるように、意識を失くした男は理想的な性格に見え、自由に扱えることで本音をぶつけることができました。しかし、意識を取り戻した夫は日本でいうと明治時代の家長のような男で、本性を取り戻し妻の首を絞めました。

ラストシーンで妻が動いたのは驚きで、したたかに生きる女の強さを感じました。

希望をもって努力することは大切ですが、祈れば叶うという宗教観が存在することが諸悪の根源だと痛感しました。

祈れば叶う、叶わないのは祈りが足りないからというのは、新興宗教にありがちですが、古くからの宗教にもあることはとんでもないこと、金儲けの手段に使われることが多く許せません。大間違いです。
終の楽園

終の楽園

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2014/07/26 (土) ~ 2014/08/09 (土)公演終了

満足度★★★★★

濃密
全ての人に濃密なドラマがある群像劇でした。

ネタバレBOX

気難しい90過ぎの大地主である父親と、父親の死を待つ商才の無い子どもたち、そして彼らを取り巻く人々の話。

ラストを見れば老いた人が尊厳ある死を選択する終活の話として帰結しましたが、全体としては全ての登場人物に濃密なドラマを設定した群像劇でした。

父親が急にまだらボケになったのには唐突感がありました。正常な意識の時に実行しなければならないとはいえ、いくら南方で辛い経験をしてきた元軍人だからといって、そして他に手段が無かったからといって、包丁で首を切りつける方法で自殺するものかなと思いました。

イケメンは罪作りです。三男と付き合い妊娠した看護師に嫉妬して、三男に好意を寄せていた高級マンションの男性職員は看護師を階段から突き落としました。でも赤ちゃんは無事でした。

老人には自殺させ、赤ちゃんには命を与えました。長田さんは、ここ最近実在の人物ばかり扱ってきたため歴史上の制約を受けてきましたが、今回初めて人を殺したり生かしたり、人の命を自由に弄んだなと思いました。やりたい放題は大好きです。

様々な相続を巡る悲喜劇がありました。地主の北澤家も相続破産すると言っていました。資産が不動産に偏重し過ぎて流動性が乏しいとそうなるのかなと思いました。

同じ高級老人ホームの階下に父が住む息子の話では、105歳のおばあさんよりも先に父が死ぬと、家が叔母のものになってしまうとのことでした。この息子は死にそうな父を生かそうと延命措置を取りましたが、おばあさんの死後今度は植物状態で生き続ける父が重荷になり苦しんでいます。

そのようなことも起こるのだろうと長寿社会の皮肉な現実に素直に驚嘆しましたが、良く考えてみると、子どものいない未亡人であれば義理の親の死後起こり得ることも考えられますが、このケースでは父が死んでも息子は代襲相続ができるので特にそのようなことにはならないのではないかと思い直しました。

客層には高齢者が多く、これらの演劇ファンが他の小劇場にも足を運んでくれたらなと思いました。
地獄篇 ―賽の河原―

地獄篇 ―賽の河原―

鬼の居ぬ間に

王子小劇場(東京都)

2014/01/23 (木) ~ 2014/01/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

地獄のこちら側の地獄
じわっとした恐怖と一瞬の恐怖、どちらも怖かったです。

ネタバレBOX

間引きされた実の妹とダブり、死んだ赤ちゃんが忘れられない君枝と、赤ちゃんを虐待したことから赤ちゃんから遠ざけられているキミエが親しくなり、症状が緩和されたように見え、良い方向に向かったと思った矢先、二人の似て非なる境遇から悲劇が起こりました。

赤ちゃん殺しに至るまでの過程の恐怖と絶望感は凄まじいものでした。窓ガラスに張り付いた君枝の姿も怖かったです。

賽の河原の子どもは最後は菩薩に救われるそうですが、こちら側の地獄では人間が心穏やかになることは並大抵ではないことが窺われます。
タイム・フライズ

タイム・フライズ

ミュージカル座

THEATRE1010(東京都)

2011/12/01 (木) ~ 2011/12/06 (火)公演終了

満足度★★★★★

意味のあるタイムスリップ
彼ら二人にとって、そして世界にとって意味のあるタイムスリップでした。

ネタバレBOX

催涙弾か何かの衝撃は二人を元の時代に戻せるだけのエネルギーがあったんですね。そして、その時代の人がまともに受けると死んでしまうだけのエネルギーだったんですね。

お父さんとお母さんの青春、まだくっついてはいませんでしたが素敵でした。お父さん、歌上手い!!リーダーが今でもアフガニスタンで医療に従事しているとは感動でした。

1968年、沖縄はまだ返還されていなかったこと、お母さんのお腹の中で体内被曝した人が大学生の年代だったこと、改めて実感しました。

まともな学生運動の頃は熱気がありました。私達もこの後の時代でしたが、高校の校則のことで熱くなったことを思い出します。そして、早く選挙権がほしいと思っていました。とても素敵なお話でした!感動しました!!
凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

凝り性のサンタ、苦労する/ちょべりばペット

ピヨピヨレボリューション

王子小劇場(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

『凝り性のサンタ、苦労する』観劇
明るく楽しかったです。

ネタバレBOX

子供の欲しいプレゼントを調べ上げ、父母に伝えるお仕事をしているサンタクロースが、一人の男の子の本当に欲しいものが分からず、苦労するミュージカル。

みんな可愛く、明るく、素敵な一時間。そして、次の30分は即興劇によるお楽しみイベント会でした。

追っ掛けも存在するくらいのアイドル性の高さでした。
猿ノ献身、

猿ノ献身、

劇団献身

OFF OFFシアター(東京都)

2015/09/24 (木) ~ 2015/09/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

からのー
イライラ系、面白かったです。

ネタバレBOX

大学近くの一軒家に住めることになり、入学したら学生生活を大いに楽しもうと考えていたのに、実際はヤンキーの溜まり場になってしまい計画が狂わされた大学生の転落人生。

衝撃の冒頭シーンが妄想だったと思わせておいて、からの理不尽な展開、意味不明な登場人物もいましたが大学生は鬱状態だったこともありそのせいか、そして抗鬱剤が原因となっての転落へととても興味深く観、さらにはテンションの低い一気飲みなど、知らない世界を垣間見ることができました。
東京パフォーマンスドール PLAY×LIVE『1×0』(ワンバイゼロ)  NEW VERSION エピソード1&2&3

東京パフォーマンスドール PLAY×LIVE『1×0』(ワンバイゼロ) NEW VERSION エピソード1&2&3

キューブ

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2014/03/24 (月) ~ 2014/04/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

【エピソード3】鑑賞
かーいい

ネタバレBOX

香帆とイサキがメインで、1×0というSNSに少し迫るサスペンス仕立ての回。

ゼペット博士は殺さないといけないのか、トゥービーコンティニュー。

エピソード4が二葉、エピソード5はウサキとラコちゃんということは分かりましたが、ラコちゃん本当に辞めちゃうのか心配です。
常夜ノ國ノ★アリス

常夜ノ國ノ★アリス

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王子小劇場(東京都)

2014/05/02 (金) ~ 2014/05/06 (火)公演終了

満足度★★★★★

徹底してる!
褒め称えるしかありません。

ネタバレBOX

天皇家の世継ぎ争いを演出し、これに乗じて台頭しようとした華族らをあぶり出して殲滅することを企てた天皇が、いったんは成功したかにみえたその矢先、これら華族らの謀反に遭って殺されてしまい、大日本帝國の統治機構がまさにこれから変化していくのではないかと思わせるような話。

ストーリーも過激なら、いつものように音量も過激でした。光量も過激になったようで、ライトが目一杯輝くと、凄まじい放射熱量が感じられました。

徹底した独自性は集客力にも繋がっていて、評価し、感嘆するしかありませんでした。
平成中村座 壽初春大歌舞伎

平成中村座 壽初春大歌舞伎

松竹

隅田公園内 特設会場(東京都)

2012/01/02 (月) ~ 2012/01/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

【夜の部】
『於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)』、別名『お染の七役』がこんなに面白いものだとは知りませんでした。

ネタバレBOX

七之助さんの早替りの素晴らしさ、驚嘆ものです。駕籠からどのようにして抜けたかなど今でも不思議です。ただ、一ヶ所、二ヶ所、久松の体型が七之助さんとあまりにも異なっていてバレバレという場面があったのは残念でした。

お染久松の話というより周辺のワルたちの話と言った方が適切な感じ、鬼門の喜兵衛の悪事がバレても平然とにやついたままというような態度も素敵。

雰囲気が一変した大詰の気が狂れたお光と女猿廻し夫婦?の踊りは見応えありました。
ずんばらりん

ずんばらりん

ふくふくや

駅前劇場(東京都)

2011/03/30 (水) ~ 2011/04/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

本気(マジ)、ド迫力!!
こんなに真剣(ガチンコ)で本気(マジ)な芝居は初めてでした。

ネタバレBOX

女剣劇をやる人って凄い!1オクターブテンションが高く、遠慮容赦なくずけずけポンポン本音をぶつけます。

演技とは思えないマジな反応に、ドツキ漫才のような動きも加わって迫力がありました。

「座長に向いてない。辞めろ」、こう言われた沖縄の女座長さんも全体を通じて頼りなげで好演でした。ただ前座長の直系への遠慮があるとはいうものの、少し頼りなげ過ぎで無責任な嫌いはありました。ラストシーンで麗子と丸子の二人の座長の向こうを張った決めポーズでもあれば二人を見返すこともでき、また座員にも今後の決意を示すことができたのではないかとは思いましたが、そこがまだまだ未熟なところ、今後の精進に期待ということでしょう。

役者に持たれている陰の面も表現されていて芝居一座の雰囲気が良く漂っていました。

寸借詐欺の小悪人もとことん徹底的でしたね。

恋あり、笑いあり、ラストの臭い芝居で感動したのは初めてです。
気がつけば、みんな、尾崎

気がつけば、みんな、尾崎

ローカルトークス

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2014/11/12 (水) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

熱く、面白く
全員が個性的で素敵でした。

ネタバレBOX

尾崎豊や、尾崎に憧れていた17歳頃の自分に勇気づけられながら理不尽な社会、会社を生き、妻を愛する男の話。

女だか男だか分からないような加藤美佐江さんが素晴らしかったです。カップルの臭い仕種に笑い、少年尾崎の股間を触りながらのエアギターには女を捨てたのかと思わせるぐらいの演技で笑わせてもらいました。

追い出し部屋の所長が非正規社員なんて強烈です。

ダメ社員として元東京バンビの二人も出ていて、元気でなによりでした。
外道の絆

外道の絆

水素74%

アトリエ春風舎(東京都)

2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

ドツボ
はまりました。

ネタバレBOX

突然飛び出してきた自転車をはねた鈑金屋の男が内縁の妻の屁理屈に丸め込まれてその場から逃げ、その後も悩みつつも家計維持のために出頭できず、さらに前妻との間のクズな息子の登場で家族全体がドツボにはまってしまう物語。

暗転後の息子は刑期を終えた後の姿かと思いましたが、単にグズグズしているだけのことと知り、クズの中のクズ、余りのクズさ加減に驚嘆しました。

あってはいけないことと思いつつ、しっかりしていないとこんな流れに陥ってしまうのだと、真面目な感想ではありますが反面教師にしたいと思いました。
ナイアガラ

ナイアガラ

劇団HOBO

駅前劇場(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

優しさと厳しさのある世界
個性豊かな俳優陣、面白くてジーンと来ます。

ネタバレBOX

新宿西口公園に住まいするホームレスたちの話。孤独を防止するための気配りや優しさがある反面、信頼を裏切った場合には追放されるなど、厳しい掟が存在する世界をコミカルに人情味溢れる形で描いていました。

食当たりしてトイレで死にかけていたところを助けてもらった恩義から、年寄りの面倒を見る若手の二人の関係は親子のようにも見えますが、過去をほじくりだしたりすることもなければ、未来を拘束することもありません。君子の交わりは淡きこと水の如しです。

でも、自分のことを話したいのもこれまた人情、酒の勢いで失敗自慢を何度も何度も話すのが可笑しいです。

世話焼きで商才に長けた男はあからさまに商売をしたため、目立ち過ぎて新宿のヤクザに襲われました。税金払ってない奴が仕切るな、儲かっているならどっちも税金払えと言いたくもなります。

こんな世界ですが、人が固定されている訳ではなく、亡くなる人、仕事を紹介されて出ていくも、仕事先で金を盗み、ここからも追放される男がいたり、実のところ夫婦喧嘩して飛び出していただけみたいな男は帰ったり、震災で親を亡くしたため故郷へ戻っていく者、原発事故の現場で働き金を稼ごうとする者がいたり、新しくホームレスになる者もいて、世代交代が起こります。ただし、優しさと厳しさの精神は引き継がれていきます。

そして何より、取材と称してここに出入りしていた男ですが、今は牛丼屋でバイトしていてルポライターになる夢を諦めているのですが、みんなと接触することで得られたものがあるはずで、絶対に夢を叶えてほしい、頑張ってーって思いました。

皆さんいい味出していましたが、おしっこチビったりする酒飲みの老人役の喰始さん、良かったです。

冒頭の缶コーヒーのプルトップを開けるという行為だけであれだけ笑いが取れるのも凄いと思いました。

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