KAEの観てきた!クチコミ一覧

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フットルース

フットルース

劇団スイセイ・ミュージカル

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/08/08 (木) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

小野田レンは大成功!
小野田さんの歌唱力は、高校時代のデモテープを拝聴した頃から認知済みですが、ダンスはどうかな?とやや心配でした。

でも、幕開きから、その不安は払拭されました。

彼は、メインとしての華があるだけでなく、チームを統率するリーダーシップも併せ持っているようなので、この役には、ピッタリでした。

「ヒーロー」は、いつ聴いても、元気をもらえるし、歌唱力のある人の歌う「オールモストパラダイス」は、心に沁みます。

行けて、観られて、聴けて良かった!

若かりし頃、彼と観た映画館での会話も懐かしく思い出され、60近い年齢になっても、胸キュン現象、起きました。

ネタバレBOX

カーテンコールで、牧師役の川崎さんと、奥さん役の川島さんが、劇中では歌わない「オールモストパラダイス」をデュエットされ、そうか!何十年も前なら、このお二人のレンとアリエルの組み合わせも良かったかもなんて思いました。レンの母役は、たぶん、「ひまわり娘」の伊藤咲子さん。ずいぶん、時は流れたなあと実感するばかりでした。

牧師役が、熟練の川崎さんなのも、成功キャスティングだし、川島さんの奥さん役が、意外とはまり役で、舞台に真実味を増しました。

スイセイミュージカルの方達のダンスも息が揃い、観ていて、爽快感がありました。

この作品、何度観ても、レンとアリエルの気持ちが接近して、高架線の陸橋下での「オールモストパラダイス」のデュエットに繋がる場面には、心が揺さぶられます。今回は、小野田さんと、星野さんの歌唱力も安定し、二人の声もピッタリ合わさっていたので、尚更に感動的な場面でした。
華麗なるミュージカル音楽の世界 ガラコンサート2012~サットン・フォスター来日記念スペシャル~

華麗なるミュージカル音楽の世界 ガラコンサート2012~サットン・フォスター来日記念スペシャル~

サンライズプロモーション東京

新国立劇場 中劇場(東京都)

2012/09/15 (土) ~ 2012/09/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

申し訳ないような気分
トニー賞を2度も受賞された、サットン・フォスターさん、皆さん、日本のミュージカルシンガーが口を揃えて、「可愛い!」とおっしゃっていた通り、お人柄も素敵な雰囲気で、日本キャストの中にも自然に溶け込んで、全てに魅力的な女優さんでした。

歌良し、ダンス良し、演技良し、スタイル良し、性格良しで、非の打ち所がない感じ。

他の日本側の出演者も実力派揃いで、日本にいて、こんなチケット代で、堪能させて頂けるなんて、幸せな一夜でした。

ネタバレBOX

サットンさんは、特別枠で、ご出演なのかと思っていたら、普通に、日本キャストと同じ配分で、歌唱曲数も、出演時間も、特別扱いなし。

それを、嫌な顔もせず、真面目に、ステージを務めて下さる姿に、一目でファンになりました。

毎年、トニー賞の授賞式はテレビで観ているので、目の前に、本当にサットンさんがいるだけで感激!夢のようでした。

いつもなら、しゃしゃり出過ぎな俳優さん達も、サットンさんがいるからか、悪目立ちする人もなく、静かに、ミュージカルの名曲を、心ゆくまで、堪能することが出来ました。

サットンさんは、もちろんのこと、いつもより10歳は若返って見えた綜馬さん、
歌がどれもピッタリだったシルビアさん、キュートな昆さんと藤岡さんの微笑ましいデュエット、保坂さん真骨頂の「マンマミーァ」、姿月さんの「レベッカ」、石井さんと彩乃さんの「ウェストサイド」のデュエットなど、見どころ、聞き所満載でした。

玉野さんも、「クラブ7」が終ってすぐの振り付け、ご出演で、大変だったでしょうに、見事に、統一の取れたステージを見せて下さいました。
最後の、サットンさんの「モダン・ミリー」は、日本キャストの上演を観なくて正解だったとつくづく思わされました。英語の歌詞はわからなくても、表情と歌い方で、彼女が如何に演技力が素晴らしい方か、存分に思い知らされた歌唱に息を呑みました。

サットンさん主体の選曲なので、無理もないのですが、最初に、日本のミュージカルファンには、比較的馴染みの少ない、コール・ポーターの曲を集中させた点と、「エニシング・ゴーズ」で、アンサンブルのタップの音がややうるさかった点を除けば、選曲、構成共に、充実した内容だったと思います。

ただ、欲を言えば、綜馬さんと石井さんの「チェス」の女性デュエット曲の選択は、やはり選曲ミスではと感じました。

先日の「ミリオンダラーカルテット」と言い、トニー賞受賞者を3人も、日本にいながらにして拝見できて、何だか申し訳ないような気分です。

そうそう、気になっていたことがあり、演劇ライフを見たら、じゅれさんのご感想で、腑に落ちました。レミゼの「ワンディモア」のアンジョルラスの陰声はどなたかと思っていたら、どうやら姿月さんだったようです。
今思えば、2度と拝聴できないレミゼカンパニーですね。しっかり記憶に留めます。でも、できれば、姿月さんのアンジョルラス、肉眼で観たかった!
(以前、記念公演の余興で拝見した、大浦アンジョの雄姿が未だに忘れられません。)
ミス・サイゴン

ミス・サイゴン

東宝

青山劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

新妻キム、更に良し!!
今日は、当初観る予定ではなかったのですが、ひょんなことから、観劇。

先日、新演出に、驚嘆したので、今日は、わかった上で、丹念に、注視して、再観劇。更に、満足度が高まりました。

先日は、気づかなかった、エレンの新曲も、よく耳を欹てて聞いたところ、メロディは、以前の曲の方が印象深いものの、内容的には、エレンの心情を良く説明していて、理解度が増した気がしました。

新妻さんのキムは、初演の時には、ぎこちなかったのですが、その後、いろいろな難役を経験されて、深みの増したキムとして、戻っていらっしゃいました。

こうなると、知念キムも、もう一度拝見したくなりますが、時間もチケットもなくて、残念無念。

相変わらず、幼少のタム役者君に、脱帽!

ネタバレBOX

いつも、公演中盤から、市村さんのアドリブが加速するので、今回も危惧していたら、先日は、なかった台詞が幾つか加味されていました。

今日のところは、舞台内容に支障がない範囲ですが、基本的に、コメディでない作品に、あまり個人的なアドリブを持ち込むことには、賛成出来かねる思いがあります。

客席のカーテンコールの拍手が、喜びに満ちていて、一緒に行った長男が、幕間に、「ミス・サイゴンって、こんなに、面白い作品だったっけ?」と驚いていました。彼も、本田美奈子さんと岸田聡さんのコンビから、観て、今回の観劇は4回目でした。

満席の理由がよくわかる、素晴らしい、改良「ミス・サイゴン」、更に、実感を強めました。
ベスト・ミュージカル ~新日本フィルとともに~

ベスト・ミュージカル ~新日本フィルとともに~

DISK GARAGE

すみだトリフォニーホール(東京都)

2009/09/26 (土) ~ 2009/09/26 (土)公演終了

満足度★★★★★

登録されてたんだ!
実は、企画、選曲で参加したステージでした。
準備が大変でしたが、アンケートが、好評で、それまでの疲れが一気に吹き飛びました。
また、できるといいなあ!

こんばんは、父さん

こんばんは、父さん

ニ兎社

世田谷パブリックシアター(東京都)

2012/10/26 (金) ~ 2012/11/07 (水)公演終了

満足度★★★★★

永井さん復活!
ここ何作かの永井さんの新作には、幾分がっかりする部分があったのですが、久々に、永井さんが、誰の思惑にも踊らされず、本当に、書きたい題材を書きたいように作品化された芝居だったように感じました。

3人の配役が素晴らしく、均衡が取れていて、舞台を拝見している間、ずっと気持がワクワクとしてしまいました。

ただ、ひとつ、腑に落ちなかったのは、長い間、行き来がなかった父がどうして、鉄馬の携帯番号を知っていたのだろうかということ。昔から携帯番号を変えていないというのは、この鉄馬の状況では考え辛く、ちょっと虚構的に感じてしまいました。

今回の作品、個人的事情から、溝端さん演じる、闇金の取立て屋の青年に一番感情移入してしまって、複雑な気持ちで観劇したのですが、それでも、この配役の妙と、永井さんの綿密仔細な計算の上に成り立った戯曲の魅力には、心躍る思いがしました。

できれば、また再演してほしい演目でした。

ネタバレBOX

平さんと佐々木さんの父子役が、お二人の雰囲気も似ていることから、違和感がなく、絶妙の配役だと感じました。

お二人とも、舞台上では、落ちぶれた風体ですが、壁の上がった空間で、以前の第一線で活躍していた時代を演じる場面があり、一瞬にして、その勝ち組時代を体現される演技力の巧みさに、感嘆しました。

そして、先日の観劇でも驚いた、溝端さんの舞台役者としての資質に、嬉しさがこみ上げました。スーパーボーイコンテストの結果が出る前に、才気が認められ、人気が出ただけのことはあるのだなと、改めて納得!

ソフト闇金の社員である、山田青年が、ブラック企業なのにも関わらず、必死に店長を目指して、ある意味、奮闘努力する様は、今の自分の心的状況を刺激して、胸が痛くなりました。

終盤、佐藤父子が、亡き母であり、妻である、町工場のおかみさんの一生を語る場面では、彼女の苦悩がやはり胸に沁みます。
登場人物は、男3人なのに、何故か、この薄倖の女性の健気な生き様を、一番、鮮明に観客に想起させるように感じました。

軋んだ階段の上に腰かけ、幼い鉄馬が、職人である父の仕事ぶりを注視していたという配置が、物語の途中で、座る位置が逆になり、階段で父が、かつて自分が座っていた椅子に座る息子に語りかけ、それが、終幕では、やはり、過去の配置に戻ります。

きっと、こういう細部まで、永井さんが計算され尽くして演出されているのでしょう。そういう、意図的な演出が鼻白む場合もありますが、今回の舞台では、名配役が功を奏し、全てが、うまく構成されていたように思えました。

鉄を扱う工場で、息子に鉄馬と命名した父。自分のような下請工場で、息子の人生を終わらせたくないと、私立のエスカレーター学校に進学させ、経済社会でのし上がって行くように、父に人生を決められた息子も、やはりバブル崩壊の中で、投資詐欺に合い、負け組の人生を歩みます。
妻とも離婚し、離れて暮らす、鉄馬の一人息子の名は、勝馬。

でも、これからの日本で、勝馬君も、名前負けする人生を歩むことになるのだろうと思うと、ただただ切なくなるばかりでした。
上手に笑えないまさこさん

上手に笑えないまさこさん

ペテカン

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2013/09/04 (水) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

益々好きになる劇団
長く演劇を観ていると、最初好きでも何度か拝見する内に、手の内が見えたり、個人的に裏切られた思いがしたりで、自然と足が遠のく劇団もあるのですが、ぺテカンは、拝見する度、満足度が大きくなる劇団で、今回の芝居は、とても自分好みで、久しぶりに、笑顔で会場を後にすることができました。

遊び心と優しさに満ちた脚本、お洒落な演出、強靭な役者力で、私にとっては理想形に近いお芝居でした。

19人もの登場人物を配して、ストーリーが散漫にならず、各人に存在価値がある芝居が書ける本田さんの才能に感嘆してしまいます。 

結婚式場に打ち合わせに訪れるカップルそれぞれに、親近感が湧き、登場人物全員に愛着を感じてしまいました。

笑って、泣いて、とても素敵な舞台でした。

ただ、お父さんは、ラサールさん以上に、適任者がいたのではという気もしました。

ネタバレBOX

結婚式場の両側にある椅子に、交互に、打ち合わせカップルが座るのですが、出捌けの時に、もう少し、他方を暗くして、目立たなくした方が、進行を妨げないのではと感じました。

まさこが、書き溜めた格言の名文句に一々同感し、何かと注文の多い綾乃を宥める大熊の殺し文句にときめき、気弱な新郎を差し置いて、しゃしゃり出る姑と嫁の、シュガーの「ウエディング・ベル」の替え歌デュエットに大笑いし、昔俳優をやっていたという駒田の出演作を聞く、トリオ漫才風なシーンに受け、デフォルメ表現の芸能人カップルに笑顔を貰い、来ない彼女との思い出を語る児玉にやや気持ちを持って行かれ、…etc.

とにかく、登場人物それぞれのエピソードが、一々、心の琴線に触れました。

人気番組の「相棒」や「あまちゃん」や「半澤直樹」のネタの出し方にもセンスが光り、最後のミスチルの「花火」のカラオケのビデオクリップの出来栄えには、感嘆ものでした。役者をやっていたという駒田が、上記のような「人気番組には出たことないけれど、どこかで、映像で観たら笑ってやって下さい」と言った台詞を受けて、あのカラオケの映像では、駒田が最初に登場するんでしょうね。そういう細部の作りに、本田さんのセンスが感じられて、本当に、この劇団、大好きです。

役者さんも、美男美女揃いで、その上芸達者な方ばかりで、いつ拝見しても、類稀な劇団力に、感激します。

もう役者の足を洗ってしまった家族に、役者時代に、ぺテカンの芝居を見せてやりたかったと激しく後悔しきりでした。
幽霊たち

幽霊たち

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/06/14 (火) ~ 2011/07/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

傑作舞台に興奮!相性の良い佐々木・白井組
終演後、たくさんの方が異口同音に、「難しかったね。よくわからなかった!」と感想を述べていましたが、私は、ワクワクするほど、面白かったし、佐々木さんの演技も、白井さんの演出も、共に、近来稀に見る必見舞台だと感じられました。

カフカの描く世界にも似た、一見不条理系の芝居にも見えるのですが、実際は、人間誰しもが抱えている、根源的命題がテーマの非常に卑近なストーリーなのだと感じます。

白井さんと佐々木さんの取り合わせは、大変相性が良く、終始ワクワクし通しでした。

奥田さんは、もちろん存在感では、何も申し分ないのですが、やはり舞台慣れされていないせいか、時々、台詞を咬みそうになったり、つっかえたりする一瞬、慌てるご本人が顔を出してしまった時があり、その一点が惜しい部分でした。

私が蔵之介さんのファンになったのは、舞台がきっかけでしたから、今でも、舞台俳優の佐々木さんのファンで、彼の舞台は、チケットが入手できなかった時以外、全作品拝見しています。

そして、いつも思うのは、舞台俳優、佐々木蔵之介は、当代一の名役者だという感嘆にも似た喜び!
ファンとしては、こういう喜びを感じさせて下さる役者さんには、感謝の気持ちが溢れます。
映像のみの蔵之介ファンの方に、是非とも観て頂きたい舞台でした。

ネタバレBOX

白井さんの演出には、いつも本当に驚かされます。

どうして、原作の良さを更にレベルアップして、こんなに、白井流においしく料理できてしまうのでしょう!

最初のシーンから、最後のシーンまで、何度、心の中で、お見事!と賞賛の声を発したか、わからないくらいでした。

この作品、登場人物の名前が色で統一され、もちろん衣装もそのカラーなので、一人何役もしていても、色で見分けがつくし、これが、演出的にも大変効果的。

スリリングな展開ながら、途中、挿入される、主人公の過去の記憶の中の出来事が、実にわかりやすく提示され、難解な芝居を単純明快に描く演出の技量が並外れて秀逸です。

探偵であるブルーは、仕事で見張っていた筈のブラックに、自分がどんどん同化して行き、結局、ホワイト=ブラック=ブルーとわかるのですが、内面の自己と対峙し、協調したり、共鳴したり、敵対したりといった、人間の自己内面の複雑さを、舞台上に、切り取って表出するこの作品の独自性を、白井さんは、オリジナルのソースで、巧みに味付けされ、極上のお料理を堪能させて頂き、観客として、大変幸せでした。

まだ、ブラックの正体が解明されない時にも、ブルーが、最初にナレーションする「オレンジは、後のミセスブルー」という紹介により、この芝居の帰結が、悲惨なものにはならないだろう予測がつき、安心して、舞台に身を任せられていたようにも思います。

ポール・オースターの作品も、この芝居の中で、例示される別の作品も、共に、興味が湧き、読みたい小説や観たい芝居がまた増えました。

蔵之介さんには、いつか、カフカの作品を、また白井演出で、取り上げて頂きたいなという新たな期待もしたくなりました。
フリック

フリック

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2016/10/13 (木) ~ 2016/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

大好きなんです、こういう芝居
市井の若者の人間模様が秀逸。

ほぼ3人芝居で、同じ職場で働く若者達が、日々の会話の中で、御互いを深く知るようになり、関係性を深めて行く様が、実にリアルに投影されます。

アメリカやイギリスでの上演では、もっと人間描写が、ギスギスした感じなのではと想像しますが、マキノさんの演出は、どこか、日本の人情喜劇風な色彩でした。

木村さん、ソニンさん、菅原さんの、等身大の人物造形が秀逸で、3人とも大好きになってしまいました。

マキノさんは、群像時代劇などより、こういう登場人物の少ない、現代劇の演出手腕は抜群だなあと、嬉しくもなりました。

観客の入りが少ないのが、何とももったいない公演でした。

ネタバレBOX

寂れた映画館で、エイウ゛リーと新入りのサムの二人が、客席の掃除をするシーンが、概ね、8割を占める芝居。

掃除をしながら、二人が会話を重ねて行く内に、映画の趣味は全く違うのに、お互いに、好感を持つようになり、やがて、映写室で働くローズも加えて、3人の関係性が変化して行く様が、絶妙な描写で進行して行きました。

会話で、語られる映画を全て観ていたら、より深く、この作品に共鳴できたのにと、ちょっと残念!

人間は、誰しも、秘密や不安を抱えていて、それを、心を通わせられる相手をみつけると、相手に依存したり、相手に期待し過ぎてしまったり、勝手に、信じすぎて、裏切られたような気持になったり、そういう、誰にでもある経験を丹念に掬い取った戯曲が秀逸で、あるある度100%で、舞台の3人に、気持ちを同化させて、観ていました。

もっと、宣伝して、再演してほしい芝居です。
音楽劇 オリビアを聴きながら

音楽劇 オリビアを聴きながら

劇団扉座

青山円形劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/31 (金)公演終了

満足度★★★★★

まだ余韻に浸っています
たくさんの人が幸せだなあと思える素敵な作品でした。

きちんと実力がある脚本家、演出家である主宰に率いられて、こういう素敵な作品に出演することができる扉座の役者さん。

自らの楽曲を、こんな素敵な音楽劇に活用され、より、楽曲の素晴らしさを引き出してもらえた尾崎亜美さん。

そうして、対面の観客も目に入らない程、舞台と同化することができた観客の私。

たくさんの人を幸せに思わせる舞台だと思いました。

作者の横内さんは、だいたい私と同世代で、描かれた世界の物語りも、どこかで、自分自身の半生とリンクする内容が多く、その上、「オリビアを聴きながら」は、杏里さんの歌唱曲を、自分のFMの月~金の生帯番組のテーマソングに使用していた経緯もあって、後半では、ずっと涙で舞台が見えなくなる程、感動してしまいました。

劇団四季出身者等、歌唱力も素晴らしい俳優さんばかりで、既製曲を使用したオリジナル劇では、出色の出来栄えだったと思います。

際物になりがちな役を、舘形さんが、心を込めて丁寧に演じていらしたのも印象的でした。

二組のカップルが、特に男性はもう少し、見た目にときめきを感じられるキャステイングの方が好ましいなどと、開幕してしばらくは感じたりしたのですが、後半になって、このキャスティングだからこそ、観る側が、卑近な世界の物語と感じ取れる効果があるのだと、納得が行きました。

ラストシーンの余韻は、まだ当分続きそうです。

もっと、昔に、扉座さんのファンになっていれば良かったなと、後悔しました。

ネタバレBOX

今現在の勝也と宏美の関係が、今後はどうかわからないにしても、舞台が終るまで、プラトニックな関係であったことが、観ていて、とても心地良く感じました。

勝也の回想シーンとして、織り込まれる、若き勝也とやよいの関係は、自分も、高校時代、逆の立場で、似たような経験があるだけに、観ていて、古傷を抉られるような思いを感じました。ちょうど、やよいのように、学生運動にのめり込んで行った、他校の演劇仲間で、私を思慕してくれていた音楽青年や、池袋で、原水爆実験反対のビラを配っていた、反戦活動家だった知人等、たくさんの過去の知り合いの顔が、脳裏に蘇りました。

原発事故の脅威に見舞われた今、あの時、自分ももっと真剣に原発反対を唱えていたら…と反省と後悔で、胸がいっぱいになったりもしました。

でも、どんなに、辛い時代になっても、音楽や演劇が、それを心から愛する人達の手で生み出される限り、辛い経験の癒しとして、そういう芸術は、人間を支え続けてくれるのだと思います。

横内さんには、これからも、そういう素敵な作品を生み出す、演劇の旗手であり続けて頂きたいと、心から念じています。
眠りのともだち

眠りのともだち

イキウメ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/02/27 (水) ~ 2008/03/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

イキウメ初見で、即ファンになりました
昔から、変な夢を観ることでは、人後に落ちない自信があるので、この作品、人事には思えず、見入りました。
サスペンスタッチでありながら、SF的でもあり、夫婦の愛憎劇でもあり、こんなにひとつの作品に、たくさんの魅力を加味できる、前川さんの才能に、一目で、熱狂的ファンになりました。
夫役の浜田さんも、素敵な役者さんで、小劇場にこんなにも愛着を感じることができる劇団が存在したことに、至福の喜びを感じました。

Angels in America

Angels in America

TPT

ベニサン・ピット(東京都)

2007/03/20 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

役者魂の宝庫的舞台
途中休憩を挟み、両方観劇。寒かったけれど、椅子は痛かったけれど、その苦痛を払拭する役者さんの熱演に感動しまくりの舞台でした。
中でも、エイズ患者役を、全裸で好演された斉藤直樹さんの熱演には、涙が禁じえませんでした。
エンジェル役を大熱演していた、チョウ・ソンハさんにも、この公演で、初めて注目。
長い観劇体験でも、新しい演劇を目にして、カルチャーショックを受けました。

関数ドミノ

関数ドミノ

イキウメ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/05/08 (金) ~ 2009/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

イキウメらしい舞台を堪能しました
相変わらず、浜田さんが好演されていました。
安田さんも、イキウメでしか拝見したことないのですが、気になる役者さんのお一人です。
昔、星新一や清水義範のSF物に熱中していた頃、こういう世界感を演劇で成立させる劇団が出ようとは夢にも思わなかったので、イキウメは、私の夢を具現化してくれた、素敵な劇団。前川さんの才能に心酔しています。
終始、ハラハラドキドキ目が離せない芝居でした。

フォーカード

フォーカード

劇団青年座

紀伊國屋ホール(東京都)

2016/04/15 (金) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

劇作力と、演技力の見事なコラボ
久々の鈴木聡さん作の青年座の芝居。楽しみにしていた反面、正義感の強い自分には、不向きな作品ではと、内心危惧していましたが、杞憂でした。

面白いの何の!

それに、うまい具合に人情喜劇になっていて、改めて、鈴木聡さんの劇作力脱帽!

昔、映画の「スティング」にワクワクした自分を思い出しました。

時事ネタもうまく織り込み、それが、この芝居の裏テーマにもなっているおつな趣向。

役者さんは、新劇の養成所出身のフォーカード役の4人は、もちろんのこと、喫茶店に集う客全員が、パーフェクトの演技で、またしても、青年座は凄い!を実感しました。

ネタバレBOX

詐欺を働く、4人の、養成所卒業生の、ペテンの稽古がとにかく愉快!

喫茶店に集う、カップルや、親子、友人関係の描写がこれまたお見事!

最近の文春ネタを、ただ盛り込むだけではなく、そのネタを通して、主人公の4人以外にも、きちんと、ストーリーを肉付けできる、鈴木さんの劇作家の才に、呻りました。

千鶴が、ペテンに、昔の同期生を誘った理由も、現代の問題を照射していて、随所に、作者の問題提議がほの見える塩梅も、素敵!

最後のどんでん返しも巧妙だし、終幕の、喫茶店の店主と、老婆の会話も、味があって、青年座の芝居を、世のたくさんの演劇ファン全員に観てほしかったと強く思いました。

青年座の芝居は、なかなか映像に残らないのが、とても残念でなりません。
八月のラブソング

八月のラブソング

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2013/03/08 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

戸田さんの魅力が、余すところなく発揮される舞台
何もかもが、譬えようもないくらい素敵な素敵な珠玉舞台。

お二人の共演は、「ランフォーユアワイフ」以来の観劇ですが、あの爆笑コメディとは、全く雰囲気の異なる、大人のファンタジーといった趣の、極上の二人芝居でした。

鵜山さんの演出だけあって、舞台装置も、照明も、舞台内容と見事にマッチングして、大人の絵本を見ているような夢の世界のようなラブストーリーでした。

戸田さんの魅力が、最大限生かされている芝居で、同性の私でさえ、うっとりしてしまう素敵さに満ち溢れていました。

私も、死ぬまでに、もう一度、こんな風に心を通わせられる異性に巡り合いたいと痛切に思いました。

ネタバレBOX

ある意味、「セイムタイムネクストイヤー」にも似た、若くない男女の、心の交流を美しく描いた大人のメルヘンのような芝居でした。

二人が出会った8月のたった一月のエピソードが、適度なバランスで、構築された脚本も秀逸なら、それを演じる、加藤さんと戸田さんの、役者としての技量、魅力。簡素で小粋なセットと、照明の美しさ。鵜山演出が冴えわたる舞台は、戸田さんの女優としての魅力を最大限生かす役どころで、歌やダンスのシーンが、より素敵なストーリーの調味料として、大事な要素を加味しています。サーカスでの舞台の様子を戸田さんが再現するシーンの美しさと言ったら、私の60年近い観劇歴の中でも、ベスト10に入る名場面。

戸田さんと加藤さんが、チャールストンなどを楽しげに踊る場面は、何故か無性にこみ上げる感情があり、涙が流れました。

男性の妻と、女性の一人息子の死を語られる場面の、説明過多にならない、程の良さは、秀逸で、だから余計に、涙を誘われます。

戸田さん演じる女性が、同業の夫の愛人に芸を仕込む気持ちを回想して吐露するシーンは、以前、戸田さんが一人芝居で演じた都蝶々さんともダブる部分があり、こういう複雑な女性心理を演じられる、戸田さんの演技力に感服と畏敬の念を感じました。

ずっとずっといつまでも、眺めていたい舞台でした。
どん底

どん底

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2008/04/06 (日) ~ 2008/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ケラさんの才能に気付かされた作品
「どん底」は、昔々、滝沢修さんの舞台を拝見したことがあり、もうとにかくひたすら暗いという印象しかなかったのですが、今回のケラ版を観て、あまりの面白さに面食らいました。
キャストも適材適所だし、生演奏などもあり、2幕の明るい外の風景にも目を奪われました。
こんな、若い人には見向きもされないだろう、新劇の古典を、若者向きに見事にアレンジした、ケラさんの天才肌の演出にただただ感服しました。
映像役者さんではダントツごひいきの江口さんの好演も嬉しくなりました。
ずっと以前から、江口さん、舞台でも活躍されたらと期待していましたから。
山崎一さんの演技が切なくて、涙が出ました。段田さんは、まさにはまり役。
こんな「どん底」なら、また見たくなると思いました。

イーハトーボの劇列車

イーハトーボの劇列車

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2013/10/06 (日) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

本、演出、キャスト三拍子揃う佳作
あまり期待していなかったのですが、井上さんの戯曲の中でも、かなり出色ではと思う、構成力抜群の芝居でした。

鵜山さんの演出は、押しつけがましさがないのが、気持良い!

こまつ座お得意の、オープニングのキャスト勢揃い場面が、他の演出家の時には、やけに、わざとらしくて、生理的に嫌悪感を感じる場合が多いのですが、何故か鵜山演出だと、スーッと、舞台に導入されて行く感覚になり、不思議です。

宮沢賢治の評伝と賢治作品の登場人物を彷彿とさせる人間達がうまく物語に折り重なり、ユーモアとペーソスのバランスも、絶妙でした。

食の問題、貧困と富裕層の格差、宗教論争等、いろいろなテーマを含有していながら、核がしっかりしていて、散漫にならず、戯曲のお手本になりそうな作品でした。

「あまちゃん」の好演が記憶に新しい木野花さん、ベテランの辻さん、他、キャストの皆さんも、それぞれ、役を楽しく味わい深く造型され、どの場面も、見応え充分でした。

ただ、井上さんは、ハプスブルグ家チックな貴公子然とした佇まいが、賢治の泥臭さを出すには、やや無理があり、作業着とかが、お仕着せ感いっぱいで、全員で舞台に立つ時、一人目立って浮いた印象がありました。
方言でそれらしく見えると思ったのも束の間、2幕の標準語で話す場面では、
品が勝ち過ぎて、賢治らしく見えなくなり、ちょっと違和感を感じてしまいました。以前、映画で賢治を演じられた三上博史さんのイメージが強すぎたのかもしれませんが…。

賢治の作品は、一度も読んだことがないと、今まで思いこんでいましたが、セロを習っていたというシーンになって、子供の頃、絵本がボロボロになるまで読んだ「セロ弾きのゴーシュ」が賢治作品だったことに思い当たり、曰く言い難い感動が胸に去来しました。

井上ひさしさんは、一体、どんな「思い残し切符」を私達に残して下さったのかなあと、最後は、感慨深く、劇場を後にしました。

ネタバレBOX

各場のエピソード構成が、溜息が出る程、気が利いています。

鼻もちならないくせにどこか愛嬌のある、福地第一郎と妹のケイ子役の、石橋さんと松永さんのコンビが最高!この二人、近親相姦までしちゃったそうだけど、何だか、憎めない関係で、たくさん笑わせてもらいました。

下宿屋の未亡人、木野花さんの「星めぐりのうた」の歌い方の可愛らしいこと!
この女将さんを判事にして、繰り広げられる、父親と賢治の宗教論争が、真山青果のコメディ版のような、台詞劇仕立てで、実に愉快でした。
父親役の辻さんの、ベテランの味わいに酔いしれました。

熊撃ちの三十郎の、賢治への思いには、共感し、涙腺が緩み、みのすけさんの車掌が、「思い残し切符」を渡しに、舞台に登場すると、何故か、胸に熱いものが込上げ、終始、心が穏やかに揺さぶられる舞台でした。

「木偶の坊の日蓮」と「強い日蓮」という視点も、興味深いものがありました。
賢治は、強い日蓮は嫌いだったという台詞、井上さんの創作なのでしょうが、妙に納得できました。

子供の頃、画期的な発明として習った記憶のある、エスペラント語を、賢治が教えている場面も、ある意味、目から鱗の情報だらけで、瞠目もの。

もし、、井上さん御自身が、震災後に再演されたなら、最後の場面での、思い残し切符の台詞は、もっと違う内容に改訂されていたに違いないと思いました。

そして、井上さんご自身は、どんな思い残し切符を、車掌さんに託されたのか?

井上さん、山崎豊子さん、やなせたかしさん、岩谷時子さん…改めて、偉大な創作家達を次々と失った喪失感で、胸詰まる思いがしました。
真田十勇士

真田十勇士

TBS

赤坂ACTシアター(東京都)

2013/08/30 (金) ~ 2013/09/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

最高の高揚感で楽日を満喫
台風の中、半年以上も心待ちした舞台故、何も躊躇せず、行ってまいりました。

神のご加護か、往復とも雨には降られず。

キャストも、装置も、見せ方も素晴らしく、大満足!!

台風だと言うのに、満場の客席からは、何度も本気のスタンディングコールが…。

何人か、知らない役者さんもいらしたので、クオリテイを心配したりもしたのですが、全くの杞憂で、私の認識不足でした。特に、倉科カナさんの2変化振りには感服しました。

十勇士それぞれを同じ配分で描くことはせず、必要最小限の登場人物に絞ったのも賢明でした。

馬木也さんファンとしては、十勇士にキャスティングされたら尚嬉しかったのですが…。

それにしても、猿飛佐助の命名理由の説明には、ある意味、驚き!
とてもまことしやかで、信じてしまいそうですが、作り話ですよね?

ネタバレBOX

とてもスタイリッシュな見せ方でした。

十勇士それぞれに、同じ配分で焦点を当てるのでもなく、彼らと幸村の出会いなどに言及することなく、光を当てる登場人物を絞ったことで、ストーリーが散漫になりませんでした。それでいて、殺陣などのシーンは、幸村も含めた10人や、大野兄弟などにも、均一に各人の見せ場をきっちりと作り、男優さん、役者冥利に尽きるだろうなというおいしい場面が全員に用意されているのが、観ていても大変気分爽快でした。

家康に時代劇の重鎮里見さんを配したのも成功の要因です。真田十勇士が主役だと、普通の舞台では、家康は、年配の俳優さんならいいかなんて、間に合わせ的な配役の場合もありますが、今回の舞台、役者さんが全員適任者揃い踏みでした。こういう機目細やかな配役が、舞台を重厚なものにしたと思います。

若い俳優さんが多かったので、殺陣の出来栄えも不安でしたが、皆さん、身のこなしも鮮やかで、感心しました。

「半沢直樹」ばりに、うまく観客騙しをやってのけたり、脚本と演出も、熟練の技。

中島脚本を、宮田さんが演出されたことで、いつもの新感線のようなおふざけシーンや、「シャキーン」という効果音が多用されないのも、じっくり落ち着いてストーリーを堪能できた一因だったかもしれません。

上川さん、馬木也さん、葛山さん、松田さん等、声音がしっかりされている役者さんが多いことも、舞台に箔をつけました。

装置も、工夫が凝らされ、あれだけで、それぞれのシーンに使い回す技術には圧倒されました。

わけあって、十勇士ではなく、9勇士が次々と倒れ、その姿にスポットが当たり、最後に、幸村が、中島みゆきさんの迫力ある歌声の中で、絶命する様は、本当に、目に美しく、演劇のマジックを堪能させて頂きました。
彼らが、舞台に倒れたままで、幕を閉めるのではなく、その後の世の中の解説者として、彼らが復活したのも、ファンには嬉しい心遣いでした。

DVDが発売されるそうですので、楽しみに待つことに致します。
闇に咲く花

闇に咲く花

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2008/08/15 (金) ~ 2008/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回が最高の舞台でした
何度か観ている「闇に咲く花」、期待していた、青年座の石母田さんが、期待以上の好演で、筋なんて重々知っているくせにまた号泣してしまいました。
名古屋章さんの主人公も好きでしたが、辻さんの主人公もいいなと思いました。

傾く首~モディリアーニの折れた絵筆~

傾く首~モディリアーニの折れた絵筆~

ジャンクション

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/10/25 (土) ~ 2008/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

吉野さんの成長ぶりに感涙
お得意のダンスを封印して、全くミュージカル要素のないストレート・プレイ主演に、ファンとして、非常に心配しながら、劇場に出向きましたが、全くの杞憂で、モディリアニを見事に体現されていて、涙が出ました。
私が企画したCDにご参加頂いた頃は、ほぼ無名に近い役者さんだったのに…。
作品としても、当時の貧乏画家達の生き様を、的確に描写していて、見応えある舞台でした。

黒いインクの輝き

黒いインクの輝き

ブルドッキングヘッドロック

サンモールスタジオ(東京都)

2010/01/07 (木) ~ 2010/01/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

早くもベスト10入りの予感
喜安さんは、何度も舞台で拝見していましたが、作演を拝見したのは初めて。
いやあ、もう本当に驚き、感心しました。
14人全ての登場人物に、必然性があり、キャラが立って描かれ、全員にリアリティがある!!
こんな血の通った脚本を書ける人って、そうはいない筈です。
だいたい、男性なのに、こんなに女性を緻密に描けるなんて!
一度で、喜安ファンになってしまいました。
その上、筋にも一切の破綻がなく、エピソードの出しどころもテクニシャンで、2時間10分、全く厭きることもだれることもありませんでした。
そしてそして、ここが最重要ですが、11人の女優さんが、全員、甲乙つけ難いくらい超好演されていて、まだ1月にも関わらず、この舞台は、自分の今年度ベスト10に間違いなく入る予感がしました。

林さんと大西さんが、実際はそれ程年齢差ないでしょうに、しっかり本当の母娘に見えたのも驚きでした。

ちょっとわざとらしい前説さえなければ、満点の、大変クオリティの高い舞台でした。
本当に、素敵な舞台を拝見できて、幸せに思います。

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