天邪鬼
柿喰う客
本多劇場(東京都)
2015/09/16 (水) ~ 2015/09/23 (水)公演終了
満足度★★★★
演劇のパワー
「あまのじゃく」って普通に「天邪鬼」って書くんですね。
あまりにも「柿喰う客」で演りそうなタイトルだったので、
創作当て字かと思った。
それはさておき、子供のイマジネーションによる戦争の物語。
まさにタイムリーな素材。
妄想と現実が入り乱れ、結局何が現実なのか。
それとはまた無関係に、演劇の持つ「パワー」を改めて味わいました。
深谷さん産休中、現劇団員メンバーでは最後の公演ということで、
次回、新メンバーでの公演も楽しみです。
幕末太陽傳
株式会社プラグマックス&エンタテインメント
本多劇場(東京都)
2015/09/04 (金) ~ 2015/09/13 (日)公演終了
満足度★★★
映画を超えて演劇で今やる意義は?
この映画をリスペクトしている人は、映像・演劇の世界には
かなり居ると思いますが、映画を超える部分があったかどうか…。
いや、全く別物として存在できたかどうか・・・。
映画自体、観たのがずいぶん前で細かい部分は覚えていませんが。
オリジナルを観たことがない人が作品の存在を知るきっかけに
はなったと思いますけれど。
他の方のレビューのとおり、猥雑・雑多な部分は江本さんらしく、
また幕末の騒々しさと時代の空気、居残り軟禁された行灯(あんどん)
部屋の散らかり具合などなどを現しているとは思います。
主人公の軽妙さとその影、時代と人々のエネルギー。
映画の場面と筋を再現すること以上に、映画を超えて、
演劇で今やる意義が伝わってきたのかどうか…。
墓場、女子高生
ベッド&メイキングス
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
バカバカしい会話もまた、らしくて、笑って、泣けた。
まずはこのタイトルのインパクトで、すでにツカミはOK。
バカバカしい女子高生の会話やゲームが微笑ましくて面白い。
いろいろ笑いながら、ちょっと泣かせる。
そして自分たちの将来や社会への不安も、大声でなく、
チラッと自然にのぞかせるところも良かったです。
もとの黙阿弥
松竹
新橋演舞場(東京都)
2015/08/01 (土) ~ 2015/08/25 (火)公演終了
満足度★★★★
ハッピーエンド?!?
貴族の御曹司と豪商の娘の「入れ替わりお見合い」騒動を描いた作品。
軽演劇ならではの予定調和のパターンで展開、結末を迎えるのかどうか…
とてもハッピーエンドとは言えないようなシニカルな結末は、
いかにも井上ひさしさんらしい。
戯作者銘々伝
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2015/05/24 (日) ~ 2015/06/14 (日)公演終了
満足度★★★
如何にも井上ひさし氏作品を思わせるパッケージで。
戯作者たちのエピソード集が、ユーモラスながらも、時にシリアスに辛辣に描かれる。
構成・表現方法、演出が、如何にも井上ひさし氏作品を思わせるパッケージを形どってました。
これまで井上作品を多少見た目にはそう映り、
内容も「戯作者」自身の苦悩を登場人物に映していることも、
いかにも井上作品らしいように思えます。
カレッジ・オブ・ザ・ウィンド
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2015/05/30 (土) ~ 2015/06/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
感動、笑って、泣けるキャラメル味
主演の原田樹里さんの底抜けの明るさと元気に引っ張られて、
終始、笑いながら、泣けてしまう。
これぞ、キャラメルボックス!というべき劇団の持ち味が、最高に生きてます。
また、客演の福本伸一さん、西牟田恵さんの自然な佇まいが素晴らしい。
そして、サプライズに気持ちよく驚く。
生きているとき、すぐそばにいるときは、なぜか細かいことで、ぶつかり合い、傷つけ合ってしまう。
もう二度と会えない、失ってから初めて気づく、大切なものに。
大事な人に素直に向き合った人にしか見えない「その姿」は、思い起こした人が、
「そうあってほしかった」と願っているからこそ見える姿なのだと思う。
実際には存在しないけれど、会いたいと願った人が頭の中で作り出した妄想かもしれないけれど。
だから毎年夏に思い出すと帰ってくるし、日常の忙しさに思い出さないときには見えない、のかもしれない。
『TABU タブー ~シーラッハ「禁忌」より~』
パルコ・プロデュース
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/06/05 (金) ~ 2015/06/14 (日)公演終了
満足度★★★★
さすが橋爪功さん
さすが橋爪功さんの自然な演技に、こちらも自然と引き込まれます。
(2時間ドラマのようでもあり…)
物語の形式は、ミステリー法廷劇であり、しかしテーマはもっと奥深い。
謎解きのヒントとなる「アイテム」が、次々に現れる。
そして真相が明かされる時、それまでのパズルのピースがカチッと
ハマる快感が得られるはずなのですが、今一つ分かりにくかった。
聖地 X
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2015/05/10 (日) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
今回の公演の2度目の鑑賞です。
今回の公演2度目の鑑賞です。
前回公演時(も鑑賞。「プランクトンの踊り場」)のDVDまで買っちゃいました。
コメディではないのですが、笑える会話が多く、そこにハマりました!
早速DVDを観て思い出したところ、今回は、前回に比べて、
主要なストーリーや会話はほぼ同じなのですが、
起きた「事象」の人物や出来事をわかりやすく整理されていました。
ほんと面白かった!
テンポ良くで、笑えます。
地獄のオルフェウス
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2015/05/07 (木) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
満足度★★★
夢は、砂糖菓子のようにもろく儚い。
暗く重く悲惨…
観劇は入門者ですが、テネシー・ウィリアムズの本は、
本当に引き裂かれるように救いが無く、
夢は、砂糖菓子のようにもろく儚い。
逞しく生きる中年女性。
大竹しのぶさんが演じる中年女は、今回もと言っては何ですが、粗野で、口も悪い。
夢見ていながらも、今の立場に縛られて飛び立つことができずにいる。
そして、乱暴で保守的で独裁的な男たち。
ある意味、これが今でもアメリカ人のイメージだ。
聖地 X
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2015/05/10 (日) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
超おすすめ!面白い!笑える!謎を論理的に「メカニズム」として解明してしまう面白さ!
謎を解明していく過程が面白い!
それが、笑いの要素が次々に差し込まれていて、
物語を少し笑いながら観ていくと自然と引き込まれていく脚本が素晴らしい。
しかもいちいち理論的に検証されていって納得させられるのもいい。
うーん、詳しく言えないのがもどかしい。言いたい!
初演も観ましたが、こんなにこなれていただろうか。
もう一回見るべく、即、再びチケット買いましたよ!
絶対観てほしい!
ミュージカル『レ・ミゼラブル』
東宝
帝国劇場(東京都)
2015/04/13 (月) ~ 2015/06/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
今年も観劇、ミュージカルの王道!
今年も観劇、ミュージカルの王道!
やはり曲とその構成が素晴らしい。
もう何回観たでしょうか。
もちろん「民衆の歌」などもイイのですが、
私としては「ワン・デイ・モア」が最高です!
すでにもう、また観たい衝動が…
孤島の鬼
ネルケプランニング
赤坂RED/THEATER(東京都)
2015/04/22 (水) ~ 2015/05/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
乱歩ワールドを見事に舞台化!
原作は、なかなか珍しい「明智小五郎や少年探偵団が登場しない」
江戸川乱歩の小説。
現在のテレビなどでは絶対流せない内容、名称、言葉で溢れている。
怪奇・幻想・猟奇的世界が展開されます。
それでいて物語の軸は終始「愛」である。
舞台上には「ホルマリン漬けの標本」が並ぶ棚がいくつかあり、
薄暗い舞台上で雰囲気を盛り上げる。
千秋楽の客席は通路に補助椅子も出て、9割以上は女性!
出演者は1人を除いてすべて男優、イケメンであるためでしょうが、
同じく1人以外は男優だった昭和文学演劇集の前作「蝶々殺人事件」
は横溝正史原作の探偵推理小説でした。
未見の2本は、1作目「黄金仮面」、2作目「少年探偵団」だった。
今から次回作が楽しみです。
ウィンズロウ・ボーイ
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/04/09 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了
満足度★★★★
地味ながら沁みるストーリー
窃盗の罪で海軍士官学校を退学になった息子の無実を信じ、
名誉を回復させようと闘った家族の物語。
実際の事件がヒントといいます。
父親は寡黙で実直で厳しいが、小林隆さんの持つ優しさが
自然とにじみだしていて、程よい加減の雰囲気がありました。
母親の竹下景子さんは、ごくごく普通の母親=何があっても
大きな包容力と明るさで家族を包んでしまう理想の母親像を
「安心して」観させてくれます。
有名弁護士役の中村まことさんも堅物で独裁的と見せて、
実は公正・公平を厳格に打ち出しているだけで、心ある人物を
さすがの安定感で演じてます。
他の配役は新国立劇場の研修生またはOB/OGとのことですが、
無名なれど先入観が無く観れ、なかなかの好演。
(ただ、長男のお調子者ぶりを演じるのは確かに難しそうで…)
これを家庭の居間だけで描く、まるで裁判所、裁判シーンのない
法廷物ののよう。
地味で重いテーマなのに、随所にユーモアが挟まれたり、にじんで
いたりして「観やすくする細かい配慮」が多々あったようです。
禁断の裸体 -Toda Nudez Será Castigada-
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2015/04/04 (土) ~ 2015/04/25 (土)公演終了
満足度★★★★★
「裸の効果と意味」を考える。
愛、性、禁欲、血縁、葛藤の物語。
ブラジルの作品だというが、そのイメージである「情熱的」と言うよりも
何か「癒されない渇き」に満ちているよう。
タイトル通り、メインキャストが体当たりで、裸を見せるシーンが多く、
その場面になった時の緊張感、一瞬にして客席の空気が変わって、
張り詰めたようになるのがわかって面白い。
テーマや表現が「小劇場」のような過激さを、コクーンの大舞台に
ぶつける挑戦的な企画、演出が素晴らしいと思う。
三浦作品では、PARCOの「裏切りの街」に感動した者ですが、
自作でない翻訳ものが(もとから近いこともあり)見事に、
いかにも三浦氏が描きそうな作品になっているのも面白い。
ベター・ハーフ
ニッポン放送/サードステージ
本多劇場(東京都)
2015/04/03 (金) ~ 2015/04/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
この4人だけの組み合わせが濃くていい。
鴻上さんによる、まるでテレビドラマのようなラブ・ストーリー。
タイトルのベター・ハーフや、トランスジェンダーなど
鴻上さんは、新たな社会現象やアイテムなどを取り込みながら
重すぎずに笑いながら観れる悲喜劇がうまい。
あることがきっかけで知り合った4人が、くっついたり離れたり、
喧嘩したりして数年が経って、「あんなこともあったね」って
今思うとその頃が懐かしい…という切ないようなあったかいような
感覚がいいです。
そして結構、あて書きが多くて、俳優さんたち自身の特色を
脚本に取り入れるのも特長。
今回は特に中村中さんのことが強いでしょう。
でもそのまま演じるのもかなり勇気が要ることと思います。
真野恵里菜さんも、アイドル経験が生きた役ですが、
役柄から、普段聞けないきわどいセリフも多いけど、普通に
しゃべられると、普通に聞こえる。
良く、芽の出ないアイドル役を、それなりには有名になった
アイドルが演じることがありますが、実際は成功しているので
何とも微妙な感じではあります。
この4人だけの組み合わせが濃くていい。
クロノス・ジョウンターの伝説『クロノス』
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2015/03/06 (金) ~ 2015/03/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
何度も泣いてしまった。 そして夏の演目発表!驚きの・・・
前回公演も観たけど、今回も良かった!
めちゃくちゃ何度も泣いてしまった。
彼女を助けるために、何度も失敗してボロボロになっても、
もし助けられても、自分がまた大変なことになってしまうのに。
それでも繰り返し助けに行く様に、単純に感動してしまった。
ちなみに千秋楽だったために、終焉後に、撮影タイムや、
次回公演予告編(寸劇)、
そして夏公演の演目の発表!(驚きのあの作品!ネタバレ参照)
盛りだくさんで楽しかったぁ!
クロノス・ジョウンターの伝説『パスファインダー』
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2015/03/06 (金) ~ 2015/03/22 (日)公演終了
満足度★★★★
笑えて泣ける、さすがの完成度。
クロノス・シリーズ最新作。
笑えて泣ける、さすがの完成度。
従来の「クロノス」原作者による原作作品よりも気軽な感じで楽しめる。
それは、これまでの作品にあった、人の生死に直接かかわる使命感、
二度と戻れない、二度と会えない絞り出すような悲壮感が無いからだ。
そこはどうしても気になった。
役者では客演の陳内将さんの爽やかさが気持ちいい!
劇団員には無い雰囲気で、やはり客演を迎えた方が活気づく。
それに、劇団員では、気の強い小学生役の木村玲衣さんも新鮮でした。
また、上演後に「写真撮影OK」の時間を設けるなど、芝居の内容だけ
でなく、観劇のしくみ、方法なども含めて、常に新しいことを試す
という劇団の姿勢がいいですよね。
結びの庭
森崎事務所M&Oplays
本多劇場(東京都)
2015/03/05 (木) ~ 2015/03/25 (水)公演終了
満足度★★★★★
やっぱり麻生さんはイイです。
岩松ミステリーであってラブストーリーでもある。
岩松さんを入れて5人だけの舞台は密度も高く、
会話していく中で、新しい発見が確信が語られること
が面白い。
ある事がきっかけで結婚した二人。
1年が過ぎて、まだまだ甘い新婚生活。
そして再び1年前の事のためにした事が、
二人の愛を深めていく…。
麻生さんは、どこかおっとりしてミステリアス、
宮藤さんは、必死に真面目に。
起こったことと、起きていることは、
単なる背景ときっかけに過ぎず、
二人の悲しいまでに愛し合う姿を感じとる舞台。
やっぱり麻生さんはイイです。
カタルシツ『地下室の手記』
イキウメ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2015/02/25 (水) ~ 2015/03/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
イタイ。イタ過ぎる自分・・・。
私は、前回初演を観て、あまりの衝撃に即その年のベスト1に決定。
初演では、モノローグに登場する若い女を演じる女優が共演した2人芝居だった。
今回はその部分も男が語る一人芝居に変化。
もともと「経験談を語る話」なので、本作の本質と原作により近づいたと言える。
女優により演じられた「観ている中での「救い」の部分」「逃げ場」がなくなって、より鋭くなった。
完熟リチャード三世
柿喰う客
吉祥寺シアター(東京都)
2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了
満足度★★★★
八坂沙織さんも好演。
今日は全配役シャッフルの特別公演!
七人のうち最も線が細い、八坂沙織が今日はリチャード役。
外国語なまり?の刺客とか、コメディ味が通常よりも少しあり、
面白い公演でした。