MASAの観てきた!クチコミ一覧

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或る女

或る女

演劇企画集団THE・ガジラ

シアター風姿花伝(東京都)

2023/06/30 (金) ~ 2023/07/09 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/07/06 (木) 18:30

大正時代の長編小説をお芝居にした内容です。
初見でしたが、3時間にも及ぶ超大作。休憩挟むけど長いね。
まるでオペラのような2幕編成ですが、音楽や歌唱の代わりに怒号や発狂。
舞台装置を叩く音やたばこの煙が臭い立つ、悍ましい世界観がそこにある。
主演を演じた早月葉子役は殆ど出っ放し。倉地三吉との掛け合いも凄いパワーを感じる作品でした。

ネタバレBOX

開場してから暗闇の中で少女がじっと佇んでいる。
止まない赤子の泣き声と、ぼんやり映る照明…ここは地獄だろうか。
早月葉子の狂った世界観がよく出ていたと思います。

芝居の内容はWikiで検索して頂くとして、
見事に原作を3時間でまとめ、重く抽出した癖の強い舞台でした。
薄暗い中での掛け合いなので、動きは多い様に見えて簡潔。
→煙草を吹かす。マッチでろうそくに火を付ける。お酒を飲む。
この3つの動きがやたらと多く、特に火をつけるシーンは観客の目線が明るい方向へ向くので
毎度毎度、少しくどい様にも感じます。

音響と舞台装置の使い方ですが、急な衝撃音・音量の大きさに最初ドキリとしました。
演出効果かなと容認するも、後々になって地下の扉を何回も開け閉めする音が気になってくる。
船の出入り口や、自宅の収納、移動通路など使い勝手が良いのは分かるけれど…繊細さに欠けるように感じた。
讃美歌の音量も気になります。何回も同じパターンで来られるとガサツに感じます。
何パターンかの入りは、弱めから入っても良いんじゃないかな。

あと私の個人的なところですが、1シーンくらいは明るい照明で役者たちの顔を観たかったです。
マリコの神像

マリコの神像

劇団森

早稲田大学学生会館(東京都)

2023/06/30 (金) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/30 (金) 19:00

早稲田大学公認の劇団森。
今回は花園というか、女子大サークルを観ている様な作品でした。
物語の中心となるのはフランス・リヨン地方のミッション系スクール(寄宿舎ものと呼ばれるそう)。
舞台そのものを額縁のように彩るプロセニアム・アーチが印象的。
視界を少し遮ることで、舞台の奥行を感じさせる工夫が感じられました。
音響も全てクラシック。ピアノやチェンバロの音色が心地よくステージとマッチしていました。

ネタバレBOX

まずチケットの予約が成立してから、お知らせ・行き方・当日変更点など、
決まったことを細かく何通も伝えて下さることに安心感がありました。
観劇する前からチームワークがしっかり出来ていると感じるので好印象。

芝居の内容ですが、開演時に「華麗なる大円舞曲」で華やかさ・盛上を狙うのであれば
8人も板付きがいる訳ですから、メインの台詞以外のキャストはもう少し動きが欲しいかな。
例えば小さい声でもガヤを入れるとか。小芝居を挟んでみても良いですね。
アーチや大道具等が殆ど木材だと思うので、声が吸引されている印象も受けました。

それからステンドガラスに映る影の演出、とても素敵で気に入りましたが
讃美歌312番だったかな?…歌うならもっと魅せた方が良いと思います。
最初から音源を使うのか。全員で影歌するか。
独唱なら今回のようだと自信がないようにしか映らないので、朗々と歌って頂きたいです。

脚本に関しては宝塚のような、女性ならではの詩的な台詞まわし。
哲学的な要素や言葉に品位を持たせている様子が、愛を慈悲深く高貴なものに感じさせます。
その一言一言に含みがあるように感じさせているように考えるけれど、
意外と内容は入ってこなかったです。万人受けは難しく、役者たちも理解して演じきるのは
ちょっとハードルがあるように感じました。まだまだ伸びしろがあると思います。
Hey ばあちゃん!テレビ点けて!

Hey ばあちゃん!テレビ点けて!

Bee×Piiぷろでゅーす

新宿スターフィールド(東京都)

2023/06/28 (水) ~ 2023/07/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/06/30 (金) 14:00

エンタメ系のお笑い作品だと思って観始めましたが、
サチ子さんの第一声がとても良い声で、芝居にグッと引き込まれました。
声圧のある落ち着いた通る声。劇団の大黒柱ですね。

作品内容はとてもシンプル。説明欄にも記載されているように、
亡くなってしまったサチ子が夫の治の前にロボットとして現れる。
死んでからさせたかった100のコトをミッション形式にして、1つずつ家族や仲間たちと
協力して叶えて行く。それが治のためにもなっていき…あとは乞うご期待!

ネタバレBOX

オープ二ングでは、ダンスときらびやかな照明が物語の期待感を高める。
治とサチ子のテンポ感も観ていて飽きないが、特にサチ子さんの笑かすところ。落とすところ。泣かせるところ。
ロボットだけに表現が入っても役の土台がブレず、常に劇団員たちの中軸として機能している。
夫婦だけで成立して行けそうな濃さに、更にアクの強い脇たちが物語を固めます。
小劇場で比較的響きやすい会場に、若手俳優の張った声が少々ミスマッチだったかな。
張るところがあるのは勿論良いのですが、配役作りが殆ど同じように感じました。ノリが似ているというか。
サブキャストも誰が演じても同じようにならない繊細さが、芝居の中でもう少し感じられるともっと良いです。

最後にこの日は、主題歌を歌っている相澤香純さんのミニライブも入るラッキーデーでした。
相澤さんのことも初めて知りましたが、話し声は結構強い胸声なのに、歌声は頭声多めの柔らかい声質。
笑って泣いて、ほっこりしたてんこ盛りの内容だったので、5つ星付けさせて頂きます。
雨の世界

雨の世界

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/15 (木) 19:30

オフ日でしたので、この時期にぴったりのテーマ作品を2本観てきました。
下北の「劇」小劇場。歴史を感じるローカルっぽい雰囲気が良いですね。
「雨の世界」は、星組を鑑賞。大嵐の中、訪ねた男とその館に住む雨男のお話。
何故、雨男が住んでいるのか。雨男とは何なのか。如何にして雨男になったのか。
ちょっぴりファンタジーで個人的にはこの不条理っぽい世界観、好きです。

ネタバレBOX

意外と嬉しいのが客席に置かれたエコバッグ。
舞台を観たぞって思い出せるし、プレゼント感があって良い案だと感じます。

小劇場ながら、イス→ドア→机→まっさら等、場転を台詞と共に上手に差替える手法は演出家の腕。
そして常時薄明り状態だった舞台に「最後の希望の光」とも言えるような、窓から指す光には
今までの物語って何だったんだろう…って笑ってしまう位の、感動がありました。
雨男の話自体に、面白くもそそられもしないけど、最初と最後の掴みが強烈だからこそ!
良い作品だったなって思ってしまう魔法があると思います。演出を称えるべき劇作。
Family~明けてほしくなかった梅雨~

Family~明けてほしくなかった梅雨~

ヒューマン・マーケット

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2023/06/13 (火) ~ 2023/06/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/06/15 (木) 14:00

オフ日でしたので、この時期にぴったりのテーマ作品を2本観てきました。
「Family~明けてほしくなかった梅雨~」
タイトル通りの、家族や人間模様の日常風景を切り取ったような作風のドラマ演劇。
「Family」は初見でしたが、シリーズ化していて10作品ほどあるそうですね。
お話の前後を知らなかったので、最初はパンフと登場人物を照らし合わせながら観ていましたが、徐々に理解しました。
総じて良い人たちと言うか…アットホームな印象の劇団。主宰の船戸さんの和装姿も板についてますね。

ネタバレBOX

天井の広いコンクリートスタジオ。恐らく黒幕で覆われた客席側が本来のステージかな。
通路階段の真下に舞台があるのだが、そうなると途中で客の出入りが困難に…。
結果、公演中誰も途中で出入りが無かったのは救われたように思います。
階段の下は本当に大きな倉庫のようになっていて、雰囲気は抜群。本当にそこで働く従業員のように感じます。

お芝居の内容に関しては、ホームドラマに小さな事件が巻き起こる。
個性的な風貌の役者さんもいる中、これが休憩なしで2時間近いと流石に飽きます。
音響が全く無く、いきなりドラマが始まり、日常を客観して平穏に終わって行く。
恐らく脚本の中だけで物語が完結されていて、読むだけで想像出来てしまう内容だから
実際に舞台化すると何か尖ってないというか、平坦なステージになってしまうのかな。

個性と言えば、黒づくめの女は陰湿っぽくてハマり役ですね。
新興宗教に勧誘する幹部みたいな…台詞の間、高低の言いまわし等とても良かった。
ホテル・ミラクルThe Final

ホテル・ミラクルThe Final

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/12 (月) 20:00

シアターミラクル最後の公演と言うことで、今回観られて良かったです。
ラブホテル(ホテル・ミラクル)の一室で繰り広げられる男女のロマンス劇。
「STAY ver.」と「REST ver.」があり、それぞれ短編劇が5本ずつ。今回は「STAY」を観劇しました。
俳優たちが体を張った多様な性の在り方。一度の過ち。片想い。割り切り。不倫。風俗。
欲望の街、歌舞伎町だからこそ映える!そんな一夜のアバンチュール的芝居です。

ネタバレBOX

短いシーンを5本分。基本的には2人芝居+αですが、
男女の営みやリアルな性生活の断片を垣間見た感じがして、表紙からも興味をそそられます。
舞台上がラブホの部屋になっていて、Wベッドとソファにイスとテーブル。
手前側にはお馴染みの冷蔵庫などが設置されていて、非常にリアル。
シアターミラクル内のコンクリートとマッチしていて、生々しい感じが良いです。

初見としては、1シーンのドラマを見ているかの様な雰囲気。
脚本としてはどれも面白かったが、ラストの章では無理矢理に前回までの物語を
こじつけたような言いまわしがあり、そこ出さなくても…と個人的には残念でした。

会場がサウナのように、観客と役者の湿度・温度が時間を追う毎に伝わってくるので
後半はすっかり集中力が切れ、飽きてきた感が否めません。
5話分観られるお得感も良いですが、2時間40分パイプ椅子に座りながら
ラブホ監視をするのも、なんだか滑稽で斬新でした。
引き結び

引き結び

ViStar PRODUCE

テアトルBONBON(東京都)

2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/03 (土) 19:00

悪天候の後、交通機関の遅延などが心配されましたが
無事に上演時間に間に合いました。今回は「引き結び」の紬チームを観劇。
紬ぎ結ぶは命の糸…自分たちが今この場に居られるのは、遠い遠い血縁者のおかげ。
人間に生まれる確率が1400兆分の1から辿り辿って…と、コンセプトは壮大です。
開場から暖かい雰囲気で、前説あり物販ありの盛り上がりが熱いです!

以下、公演について

ネタバレBOX

主人公の一輝が、初めて出来た彼女(香澄)を妊娠させてしまう。
出産を覚悟した2人が互いの家族、友達、同居人の幽霊もろもろの絡みが
笑い・涙を織り成すコミカル作品。

そもそも少年漫画のような設定で、キャストの関係性と筋道を
ハッキリと認識出来る感覚になるまで時間がかかった。
個性派役者たちの、よく分からない新喜劇を見せられているような状態。
台本に統一感がなく、シンプルな物語に色んなネタを肉付けしている印象でした。
大衆的なエンターテインメントに近いかな。

役者陣は、総じて声を前に張ろうとする意識が強いです。
大きな小屋ではないのですが、音響は結構大きめ。そのせいもあるかもしれませんが
連日キャストの役者は喉を傷めやすいだろうと心配になりました。
若さ溢れるパワーに押されたせいか、終幕では生まれてきたかった命や
幽霊の正体とお別れのシーンに、切なく涙をさそわれました。癖強めの劇団です。
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界

La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界

劇団東京座

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/06/01 (木) 18:30

「La vita è bella」これは「Life is beautiful」のイタリア語。
「人生は美しい」と言う直訳の副題には「とある優等生と壊れた世界」
一筋縄ではいかない人生には、自分の思い通りにならない事が沢山ある。
思春期ならではの葛藤、自己同一性、両価的感情、恋愛感など
想像以上に生々しい描写が舞台上で表現される。シンプルだが奥深い。
イタリアオペラの持つ、知的でずる賢いイタリア人女性と詩的で情熱的なイタリア人男性。
これを田舎の青年たちに照らし合わせて観てみると、より良作に感じられると思います。

ネタバレBOX

一見、日本の田舎話と西洋音楽の組み合わせはミスマッチかと思いきや
青春群像劇をオペラ作品の音響と合わせたのは心が揺れました。良かったです。
段々と観客側が登場人物の世界に没入して行けるような作品かと思います。

「気になったこと」
冒頭部で声楽曲を音響効果に使うのは、ちょっと無いかな。
音量を下げても、オペラ歌手の声が役者よりも気になります。ドミンゴかな?デルモナコかな?
聡介くんの声と敵対してしまうので、発声がより映えるような選曲をすべきと思いました。

涼子さんの不倫時に入るQuando me'n voだったかな。
あの演出はマッチしていてエロい。脳に刻まれるシーンです。

何度か出てくる聡介くんの弾き語り。
コードが合ってないフレーズが何か所かあって、個人的に気になりました。
せっかく泣ける所なのに成立してないコードで歌が入るとざわざわします。
声楽曲やクラシック音楽をモチーフにしているので、劇中曲も合唱曲のような
選曲にした方が統一感が出るのかなとも感じました。
アクターズハイ

アクターズハイ

LUCKUP

劇場MOMO(東京都)

2023/05/10 (水) ~ 2023/05/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/05/11 (木) 14:00

「アクターズハイ」
俳優が役を演じる(生きる)事により、強い幸福感や高揚感を得る。
演じ切った後のエネルギーのような感覚でしょうか。
主人公であるトニーと彼を取り巻く、新選組たちの多様な人間模様が垣間見れる本作品。
売れない俳優の手にした天国と地獄の悲喜劇を、本日は小劇場MOMOにて観劇しました。

ネタバレBOX

作品名が良いですよね…「アクターズハイ」。
恐らく「ランナーズハイ」が語源かなって思いますが、タイトルのチョイスが素晴らしい。
主役の新井將さん。とにかくデカい!彼の身振り手振りと表情は魅入ってしまいます。
「舞台映え」という言葉がありますが、主役がこんなに目立つ舞台は久しぶりでした。
悪役もどんどんやって欲しいです。映えるんじゃないかな。

内容に関しては「芝居が分かる」と言うことが重要だと思います。
初見でしたが、物語の伏線拾いが難しかった。
だからって何回も観たいほど魅入ってしまう物語かと聞かれると難しい。
小劇場に13名役者を配置したのはインパクトがあるものの、歓喜や悲観、嘲笑する場面など
どうしてもオーバーアクションになってしまい、俯瞰するとチープに見えました。
あの芝居を今回の小屋でやるなら、13名も招集する意味はあったのかな…。

事務所側の都合もあるとは思いますが、当日券¥6,000⁻はちょっと高いよ。
金額設定に対する舞台装置。作品内容を加味して個人的な評価とさせて頂きました。
福子、福ちゃんの夜明けに飛べ

福子、福ちゃんの夜明けに飛べ

enji

吉祥寺シアター(東京都)

2023/04/27 (木) ~ 2023/04/30 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/04/27 (木) 19:30

1969年、高度経済成長は飛躍的な拡大により、目まぐるしく時代が進んでいる。
古びた木造アパート「福ちゃん荘」には、今日も個性豊かな住人たちが右往左往。
何気ない日常風景の中で、若者たちが心の在り方や真の自分を探し求め、生き方を選んでいく物語。
これを柔らかい視点で捉えた、ほっこりする作品でした。

ネタバレBOX

舞台がとても良いですね。リアリティのある「福ちゃん荘」。
部屋の窓から出入りが出来たり、2階という設定上、客席からは見えない
架空の1階から芝居を成立させることが出来る、空間を上手く利用した視点は参考になりました。
台本の内容も上品な言いまわしが耳に残り、非常に昭和的な劇作品です。
第36回公演と言うだけあり、劇団の歴史を感じました。

ベテランと若手俳優に関して
日常的な設定内容では変化が乏しい分、どうしても演技力に差が出るように思います。
ベテラン陣は自然体な演技。若手は演技の演技。
年齢の離れた役者の絡みではそこが気になり、若干退屈さを感じる一面もありました。
若手を育てて行けると、もっと精度が上がって作品そのものに重みが出ると思います。
立ちバック・トゥ・ザ・ティーチャー

立ちバック・トゥ・ザ・ティーチャー

Peachboys

ザ・ポケット(東京都)

2023/04/19 (水) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/04/20 (木) 19:00

立ちBTTT観ました。
1980年代の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」大好きなので、
どんなコメディ作品に仕上がっているかと思いきや…話の内容があまり入って来ず;
その理由は、物語の合間に入る膨大なコメディやギャグの数々。
時事問題あり、下ネタ、薬中(ネタ)なんでもござれの超個性派舞台でございました。
物語を楽しむというよりは、下ネタのオンパレードSHOWを楽しみたい方はお勧めです。

ネタバレBOX

歌とダンスが思いのほか迫力があって、二部も楽しめました。
歌詞が単純で旋律も覚えやすいので、一緒に歌えました。
グッズの販売が何回もあるのは少しあざといかな。
ナイゲン(にーらぼ版)

ナイゲン(にーらぼ版)

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/04/11 (火) 14:00

国府台高校の学園祭実行委員による内容限定会議、略して「ナイゲン」
実話を基にした作品とのことで、鴻陵祭の学校演劇など巡ってみたい気持ちに。

文化祭の出し物を変更しなくてはならない中、各クラスの代表者が押し付け、蹴落とし合う。
とてもシンプルな筋書きの中に、個性的な人間関係や台詞の伏線回収で妙に納得し、
クスッと笑いがこみあげてしまう、軽快なリズムのやり取りは面白かった。
何度も観ると印象も変わってくるかもしれないが、今回は単純に芝居が長く感じました。
会議の中で役者たちが盛り上がって行くところ。大騒ぎした後、また振り出しに戻り冷静に話し合うところ。
初見ながら後半の予想が出来てしまい、クライマックスへの期待感が薄れてしまった。
2時間を超える作品なので、トイレに行きたくなるのも、この会議を終わらせたいのも登場人物と同じく。
自分も13人の役者たちに混ざって騒ぎたい!そんなシチュエーションドラマでした。

キッズオペラ「ふたりのももたろう」

キッズオペラ「ふたりのももたろう」

若い演奏家の為のプロジェクト

なかのZERO(東京都)

2023/04/04 (火) ~ 2023/04/04 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/04/04 (火) 19:00

実は学生時代の後輩が出演しているキッズオペラ。
子どもも楽しめる「ふたりのももたろう」。原作の絵本があるんですね(会場で販売してました)。
オペラを生で聴くこと。子ども達もなかなか体験しない事なので、取り組みとしては良かったかなと。
中野ZERO小ホールは見やすく、聴きやすく、座りやすくて良いですね。
最後に写真OKということで、会場内を撮影出来たのも良かったと思います。
以下、具体的な感想を書きました。

ネタバレBOX

舞台構成ですが、指揮者に対してピアノとパーカッションでの構成。
オペラのような楽曲ではあるものの、正直楽器編成が残念でした。
アリアでレガートに歌い上げる場面で、ポップなビートを刻まれると気が散ります。
「様式的に」といった声楽分野から離れてしまうので、弦楽器があった方が良いです。
チェロとヴァイオリンが一本ずつでも入ると、また違ったオペラティックなバランスになると思います。

子供向けのオペラとしては歌手のレベルが高くて聴き応えあり。アンサンブルの方が良い声です。
一番若手のプリモは、オラトリオ的な発声で上までアペルトで出すので高音が薄く聴こえました。
女声はどうしても上の音を日本で発音する際、倍音の影響で発語が聞き取りにくいです。
一部は歌詞があっても良いのかなと感じました。役者とオペラ歌手のコラボでしたが、それほど違和感なくまとまっていたと思います。
愛さずにはいられない

愛さずにはいられない

むさしの芝居塾

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2023/03/28 (火) ~ 2023/03/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/30 (木) 18:30

奥多摩で描かれる人間模様を描いたコメディ系の作品。
パンフを見れば、沢山の後援企業が劇団を後押ししてくれています。
愛されている「地域密着型劇団」と言ったところでしょうか。

今回は初観劇でしたが、正団員と塾生さんが混ざっているのでしょう。
アマっぽさがふと見えてしまう事があり、ダンスも配役作りも正直半端な印象です。
舞台での動き方、観客への笑いの取り方、全体的にバタバタして狙いすぎな感じ。
例えばアットホームな劇団の特色を生かし、客席まで入り込むとか、奥多摩名物を会場で配るとか。
舞台設定をより奥多摩の環境設定にフォーカスしても面白いんじゃないかなって思いました。

最後は写真を録ってもOKと言うアナウンスでしたが、
シャッタータイムです!と設けていない為、いつ撮れば良いか分かりずらかった。
閉幕時に今から写真OKの合図が明確になっていないと、SNSでの拡散は難しいかな。
更に面白くなる改善点は沢山あるはず。今後に期待です。

「モモ」

「モモ」

人形劇団ひとみ座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2023/03/23 (木) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/28 (火) 19:00

75周年記念プレ公演という事で初観劇。
「モモ」は何となく物語を知っている程度でしたが、
人形劇は全くの初心者なので、楽しみにしておりました。
殺伐とした感じが全然ないのは、恐らくスタッフさん含め長い歴史の中で
皆さんが家族みたいになっているのかなと。仲の良さが伺える芝居です。

初見としては、主役の「モモ」「ジジ」の2トップの掛け合いやセリフ回しが
快活で、アニメのアフレコを舞台で聴いている様な心地よさがありました。
音楽と歌もPOPで可愛い。暖かく、まとまりがあって良い歌なのです。

自分の座席が真ん中よりも後ろだった為、舞台を見下ろすような形で観劇しましたが
欲を言えばもっと前側の席から、人形だけが映えるように観たかったかな。
席が狭く、お隣と結構密着しながら…と言うのも少し気を使いました。
総じて心が温まる公演であったことは違いありません。

オペラ「THE SPEECH(ザ・スピーチ)」東京公演

オペラ「THE SPEECH(ザ・スピーチ)」東京公演

劇団★ポラリス

THEATRE1010(東京都)

2023/03/24 (金) ~ 2023/03/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/25 (土) 17:00

北千住のTHEATRE1010。中規模ほどの素敵な会場でした。
田中角栄氏の半生や名ゼリフを散りばめた、音楽劇のような公演。
物語を楽しむというより、浪曲や声楽、コントっぽい小芝居や生演奏といった形で色んな要素が絡んでいます。
HPも見ましたが、ハイブリッドな音劇団のイメージは出ていたと思います。

ネタバレBOX

今回の作品では、浪曲とは?声楽とは?
ビギナーの方でも舞台を通じて、多ジャンルと出会う良い機会になりそう。

しかしながら「オペラ」ではない。
各楽器・ソリスト陣の音量調整は難しかったとは思うが、オペラ歌手の声量を10とするなら
周りが同等かあるいは小さくまとまる様に、音環境の設定をした方が良いと思います。

楽曲も全体的に暗く重めで、演出がごちゃごちゃしていた感じ。
浪曲後の最初のアリアはなかなかに美しかったけど、あとは言葉(歌詞)も聞き取りづらく内容も重い。
適材適所にソロを活かせる部分。アンサンブル、合唱ともう少しパーツ毎に見せ場が欲しい。
そうでないと、折角の優秀なメンバー達が舞台で生きてこないのだ。
鹿鳴館

鹿鳴館

日本大学芸術学部演劇学科 令和4年度劇場実習

日本大学藝術学部 江古田校舎北棟中ホール(東京都)

2023/03/16 (木) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/03/18 (土) 14:00

日芸の演劇学科による実習公演。三島由紀夫の戯曲を全幕。
北棟の中ホールは凄い劇場。舞台の奥行きが広くて客席からも観やすい。
しかもこの席、手前からテーブルを出す事も出来る贅沢さ。
舞台美術、照明、音響、衣装も学生演劇とは思えないクオリティ。
芝居と言うよりオペラを見ている様な気分になりました。

鹿鳴館の中で行われる夜会で繰り広げられる政治と愛。
愛憎と陰謀が錯綜する男女の物語では、これぞ「俳優芸術」と言わんばかりの
長ゼリが、演劇学科の学生にとって大変に難しい課題となったのではないだろうか。
演劇を学問として修めるに相応しい作品だなと伝わってきた。

ネタバレBOX

舞台演出…緞帳・袖幕を使わずオンとオフを使い分ける魅せ方。学びになった。
開演時の役者の第一声は、もっと声が飛ぶと良かった。始まりを認識させる意味で重要と感じる。
閉幕時の伯爵と朝子。舞台装置が飛ばされ、最後は中央スポットと踊る2人だけが残るシーンは
ラストに相応しい高揚感を感じたものの、音響が消えてから下手に捌けるのは違和感があった。
音響の小節終わりと共に、二人が舞台中央に残りつつ…暗転または、その後キャストが上下に寄る方が個人的には綺麗な終わり方かなと感じた。
『色々の季節2022-2023』

『色々の季節2022-2023』

早稲田大学劇団木霊

劇団木霊アトリエ(東京都)

2023/03/11 (土) ~ 2023/03/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/03/13 (月) 18:00

早稲田大学講堂の裏アトリエにて…
こういう秘密基地みたいな専用スペースがあるのは素晴らしい。練習室にぴったり。
今回は就活生が抱える闇、演劇サークルの活動や人間関係、等身大の自分たちを台本にしたような作品。
キャスト陣の中にはギターで伴奏したり、バレエの様な柔軟性を活かしたり、輪唱したりと個性を感じたものの
やはりお芝居の内容は、全体的にう~ん…作品名通りって感じです。

舞台は3場面で展開しているものの、暗転が多い印象を受けました。
舞台道具も劇団としてはちょっと寂しい。突貫工事で色々と詰め込んだ感じがした。

マギーの博物館

マギーの博物館

劇団俳小

サンモールスタジオ(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/03/11 (土) 19:00

炭鉱労働者の苦難を描いたラブストーリー。
低賃金で働かされながらも生活の為に身を投じるもの。
生きる望みを失わず、愛するものの為に責務を果たそうとするもの。
いずれも彼ら・彼女たちの自尊心【プライド】が、個性的なキャスト陣を色濃く象徴した作品。
舞台演出、美術、演技面では学術的な原理や応用をきちんと汲み上げて創られている様に感じた。

私はこのマギーの世界観とても好き。細かな小道具や古木のフローリング。特徴的なドア。
良い舞台なのですが、強いて言えばどの役者にしても、あの会場であの発声は適切だったかどうか。
歌う。叫ぶ。怒る。笑う。咽び泣く。どれもバンと強い声で、バグパイプのように張り上げている様に聞こえる。
今回の小屋では、もっと繊細な声の色・ニュアンス、間が伝わると豊かな声の意味合いも変わって来るのではないか。
そんな風に観ていて感じました。

磁界

磁界

オフィスコットーネ

小劇場B1(東京都)

2023/02/09 (木) ~ 2023/02/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/02/13 (月) 19:00

警視庁生活安全課で起こるドラマ演劇。
「磁界」とは何だったのか…なるほど、最後に繋がる台詞で妙に納得。
物語の終着地はどこで落ち着くのか…
筋道立てた2時間の芝居に途中で間延びするかと思いきや、そこは役者の力。
キャスト陣も含め、写実的な要素が役と舞台とも相まって良い色合いを醸し出していた。
代表曰く「会話劇」ということで、小劇場でなければこの世界観は出ないように思う。
作品の終わり方、個人的にあまり好きじゃなかったのですが「良作」である事に違いありません。

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