マクベス
King's Men
座・高円寺2(東京都)
2024/05/14 (火) ~ 2024/05/16 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/05/16 (木) 15:00
価格3,500円
W.シェイクスピアの四大悲劇の一つとなるマクベス。
将軍マクベスが妻と共謀して主君を暗殺。王位となるものの、その重圧に耐えきれず次々と錯乱し暴君と化し、最後は貴族や王子らの復讐によって滅ぼされてしまう。
そんな名演目の旗揚げ公演をじっくりと観劇させて頂きました。
往年の舞台・古典作品の概念にとらわれず、演劇の自由そのものを捉えなおす…この意図は、パンフレットの厚さを見ても一目瞭然。主催側の熱い想いが伝わってきました。
また共生社会の形成にも積極的な劇団であり、障がいの有無(近年では特性と言われてきました)に関わらず、意欲ある人のチャンスの場として演劇を通じた社会参加を行う意義は素敵だなと。
以下、感じた事を忌憚なく書きます。
風と共に去りめ
かーんず企画
シアター711(東京都)
2024/05/02 (木) ~ 2024/05/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/05/02 (木) 19:00
価格3,500円
初日公演:シアター711で観劇させて頂きました。
独特なセンスの笑いがツボに刺さる人は結構いるようで、全体的に暖かい雰囲気で見守っていらっしゃる客層だったのかなと。初見の団体でしたが、今回はスカーレット・オハラの出てくる某作品とは全く異なるもので、どちらかと言うと新海監督の「君の名は」から、インスピレーションを受けているのかな?位に感じました。以下、忌憚のない意見を書きます。
絶望という名のカナリア
甲斐ファクトリー
小劇場 楽園(東京都)
2024/04/23 (火) ~ 2024/04/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/04/23 (火) 19:00
小劇場「楽園」と本作品の「絶望という名のカナリア」
劇中には天国の下りと、巧みな関連付けが上手いです。
上手いと言えば、劇場内の狭い空間を上手く利用した対角線上の舞台と客席。
オムニバス形式にすることで場転の多さをカバーしていて、嫌みのない暗転が良いです。
本公演が10回目という記念に観劇出来ましたが、物語自体は新興宗教や風俗営業など、どろどろしたブラックコメディな内容。
決してすっきりする物語では無いものの(好みもあるので)、お芝居のクオリティとしては惹きつけられるものがありました。
世迷子とカンタータ
9-States
駅前劇場(東京都)
2024/04/10 (水) ~ 2024/04/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/04/13 (土) 19:00
価格4,300円
前作「みんなのえほん」から2度目の観劇と巡り合う事が出来ました。
9-Statesらしい陰の部分と日常の暖かさや笑いのエッセンスを取り込んだヒューマンドラマです。
今回はけやき峠温泉にある旅館「湯鳥」で働く従業員、西野海斗の心の葛藤を視覚的に舞台転換や照明などで効果的に表現した当劇団の十八番とも呼べる作品。
今回も出版に関する内容で大きく展開されていく人間模様…序章~終盤に至るまで、少しづつ散らばった言葉のピースが頭の中で嵌っていくのは楽しいです。
20周年おめでとうございました!!
ギラギラの月
プレオム劇
ザ・スズナリ(東京都)
2024/04/03 (水) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/04/04 (木) 19:00
価格5,000円
19年前に書かれた故中島淳彦氏の脚本。
劇団も脚本も初見での観劇となりましたが、昭和観あふれる舞台の上で本当に生活しているかのような女優たちの自然な演技。スッと大泉サロンの世界に入り込んでしまいました。
その役の個性や人物描写が色濃く描かれるだけで、他人の心は温かくなったり、興味関心がどんどん湧いてくる。それを見事なクオリティで上手く魅せている作品です。
ミュージカル版 『五色ロケットえんぴつ』〜気がつけば恋の話〜
劇団帰燕
高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)
2024/04/04 (木) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/04/04 (木) 16:00
価格3,500円
脚本家の園田英樹氏が手掛けるミュージカルプレ公演。
五色ロケットえんぴつ…略して「ロケミュ2024」を観劇してきました。
エンタメ性が全面に出ている本作品は、若い役者たちのパフォーマンスから
衣装チェンジまでの視覚的要素が大きく、今どきの「きゅん」ポイントが沢山詰まった
可愛さ溢れるステージ。お芝居と言うより、歌と台詞付きのライヴを見ている感覚かな。
4チームの内、今回はBチームの舞台を楽しませて頂きました。
ナマリの銅像
劇団身体ゲンゴロウ
新宿スターフィールド(東京都)
2024/03/27 (水) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/28 (木) 19:00
価格4,000円
中心人物となる「天草四郎」をモチーフとして、一揆から島原の乱が起きる背景を綴った本作。
身体ゲンゴロウの舞台公演を前作に続き、再び観劇させて頂きました(前作は過去コメントを辿って下さい)。今回は完全な歴史劇かと思いきや、農家がパチンコで持ち金を増やそうと奮闘したり、四郎がホーン型マイクで演説ばりのパフォーマンスを披露したりと現代的な視点を調和させながらも、またそれが嫌味ではない感覚で印象的な物語でした。
四郎役の初鹿野さんが17歳の少年を演じる訳ですが、不思議とあどけなさを持った俳優(濱田岳のような)で、役どころにハマっていたのも良かったです。
若きスターに視点を置きながらも、彼の周りを取り巻く仲間たちや時代背景がきちんと描かれている辺りが、観る側からすればグッと作品へ感情移入させやすいものにしている…と感じます。
2回目のご招待ということで、初めて物販でポストカードを購入させて頂きました。4月の長崎公演も更なるご活躍をお祈り申し上げます。
星の王子さま
劇団三日月座
横浜国立大学 第1食堂下 共用室3(神奈川県)
2024/01/21 (日) ~ 2024/01/23 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2024/01/22 (月) 19:30
価格0円
新年初観劇!行ってきました横浜国大。
羽沢横浜国大から降りて結構歩きました。坂道が多いので余計にそう感じるだけかな;
サン=テグジュペリ原作の「星の王子さま」。フランス語では「小さい王子」と読みます。
異なる脚本ではありますが、私自身「星の王子さま」の舞台に何度か出演したことがあるので、非常に思い入れの深い作品だったりします。
あの頃の思い出が台詞と共に巡り巡って、最後はウルっと来てしまいました。
第78回「a・la・ALA・Live」
a・la・ALA・Live
阿波おどりホール(座・高円寺内) (東京都)
2023/12/25 (月) ~ 2023/12/25 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/12/25 (月) 19:00
価格4,000円
荒山氏の主宰するパフォーマンス・ライヴに初見で行きました。
公演日が25日ということで、演奏も芝居もクリスマスに関する内容が多かったかな。
内容は軽演劇(一人芝居)、アコーディオン演奏や南京玉すだれなど盛り盛りの1時間50分。
今年1年の観劇生活にも感謝を込めて…
Strange Island
Nakatsuru Boulevard Tokyo
サンモールスタジオ(東京都)
2023/12/13 (水) ~ 2023/12/20 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/12/18 (月) 19:00
価格5,500円
新宿のサンモールスタジオ。今年もお世話になりました♪
今日の公演はお客さんの数か、座った位置なのか、舞台セットなのか…いつもよりこじんまりとした印象を受けました(ストレンジ現象なのか)。
このストレンジアイランド…確かに表町と裏町に住む奇妙な住民のいざこざ社会に巻き込まれる政治コメディなのですが、2時間半の長編作を配役独自の視点で違和感なく作り上げらえています。世界観はファンタジーだけど、根幹は政治政策。格差社会を生きる人々が現市長を引きずり下ろすために、この世界を生き抜くために闘う物語です。
UverEATS「姥喰」
劇団 枕返し
遊空間がざびぃ(東京都)
2023/12/14 (木) ~ 2023/12/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/12/14 (木) 18:00
価格3,500円
姥が喰らうと書いて「ウーバーイーツ」
お久しぶりの西荻窪で、山姥(やまんば)の出てくる「ホラーサスペンスなコメディ風演劇」を観劇しました。自由席でありがたい事に最前列に鎮座します(チケプレなのに)!
距離がとても近く、役者の表情・演技・迫力のある声量を楽しめました。
初見でしたが、この手の芝居は脚本家のやりたい事で盛り盛りになって行き、オチや筋道が迷子になってしまう事が多いように思います。シュールな笑いと妖怪の持つ独創性を誘う劇団ではありますが、芝居の質を俯瞰してみると物足りない部分は多いかな…と言うのが、正直なところです。
俺(たち)が居ないと世界は平和
南京豆NAMENAME
OFF OFFシアター(東京都)
2023/11/29 (水) ~ 2023/12/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/11/30 (木) 19:30
価格4,000円
「宇宙の広さに想いを馳せる会」に所属する4人の若者たち。
慣れ合い過ぎず、深入りせず、友人と呼べるほど親しい間柄でもないが、孤独に潰されないよう「程よい関係性」であり続ける。そんな見知ったサークルメンバーに起こる突然の死。
過去・現在・未来をつなぎ合わせた、各々の登場人物の葛藤や愛をテーマにした青春群像劇。
独特の視点にクスリとした笑いを秘めた泥臭い演劇は小劇場ならでは。
地味でほっこりする温かみを感じさせる舞台公演(虫チーム)でした。
あなたはわたしに死を与えたートリカブト殺人事件ー
ISAWO BOOKSTORE
小劇場B1(東京都)
2023/11/08 (水) ~ 2023/11/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/11/09 (木) 19:00
価格5,000円
今年は小劇場B1にご縁があります笑
「トリカブト」という植物の根から抽出される毒と「クサフグ」から抽出される毒を利用して、保険金をかけ殺害するという…実話を元にしたトリカブト殺人事件。
昭和の事件で私も記憶がなかったのですが、サスペンスものとして上手に舞台化されている印象。
今回の舞台。
総じて場転を細かく使って空間や時系列、人の立ち位置などをコントロールしているなと感じました。この照明さんの細やかさ…絶対大変だろうなと思って観ていましたが、正直やりすぎ?とも感じました。やや世話しない印象を持ったからです。
また、会話劇がメインのせいか、集中力が切れてしまうと役者自身も簡単な台詞回しで言いまつ違えが生まれたり、大切なシーンで言葉が転んでしまうと何だか観客側の集中力も冷めてしまいます。分かりやすく、テンポ感もあるだけに少し残念でした。
内容としては、加害者と被害者の心理言動以外にも、それを取り巻く色んな登場人物の背景を知れて良かったと思います。昭和感のある服装や髪形も合っていて、ちょっとした配役にも方言が混ざっていたりと繊細を感じました。他の事件版も観てみたいですね♪
ロリコンとうさん
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/09/02 (土) 19:00
価格3,900円
小児性愛=ロリコンをひた隠しするも、世間の認識や偏見てこういうもの。
世の中のロリコンはロリコン当人にしか分からないもの。
そんな僕らが、この社会でどう他人を愛して行けば良いのか。
少数派のセクシュアルな意見を、明るくポジティブに捉えて観客に訴えかける。
ポップなネーミングだけではない奥深さに、思わず良い意味で期待を裏切られる…そんな名作の誕生です。
新・ワーグナー家の女
Brave Step
アトリエ第Q藝術(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/31 (木) 14:00
価格5,000円
ジークフリート・ワーグナーの妻であるヴィ二フレッド・ワーグナー。
彼女の証言を聞くため、バイロイトで開かれた委員会。
そこには証言台に立つ娘のマウジ(フリーデリント・ワーグナー)と再会し、
当時ヒトラーのナチス政権、ユダヤ人迫害などの真実を独自の視点で物語る。
ピアノの生演奏とR.ワーグナーの楽曲が散りばめられた、クラシックファンにも嬉しい世界観が広がります。上演時間は休憩なしの2時間ちょい…少し長かったかな。
親の顔が見たい
劇団昴
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2023/08/30 (水) ~ 2023/09/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/31 (木) 19:00
価格5,500円
「いじめ」から考え得ることの大切さを痛感させられる秀作。
テーマは重いのですが、話の筋はとても分かりやすい。
自殺した中学生の残した手紙(遺書)には、当時の仲間達が名指して書いてある。
そこで学校側は事情を聞くために、急遽会議室へと集められた親たち。
それぞれが自分の子どもを擁護し、保身に走る余り様々な行動を見せ始める。
いじめ→自殺→そこから見えた親たちの本当の顔とは…まさに親の顔が見たいよ!
ウルトラハイパースーパーノヴァ
Gentlemans
さいたま市地域中核施設プラザノース(埼玉県)
2023/08/25 (金) ~ 2023/08/26 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/08/26 (土) 13:00
価格4,800円
男性オンリーGENTLEMANSの5年ぶり公演。
初見の劇団でしたが、お芝居と言うよりパフォーマンス主体のエンタメ舞台。
映像と音楽とダンスが融合され、短編作品が折り重なって徐々に引き込まれていく感覚。
個人的には映像のクオリティの高さ。多様な楽器を用いた生演奏。
途中トラブルもありましたが、今後もっと密度の作品が出来るような予感がしています。
会場の「プラザノース」は大宮駅から更にニューシャトルで加茂宮で降りて徒歩10分近く。
幸い自宅からそこまで遠い距離ではなかったから良かったですが、県外から来られる方は大変かも。
燦々
U-33project
王子小劇場(東京都)
2023/08/16 (水) ~ 2023/08/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/08/17 (木) 14:00
価格4,000円
ユーサンサンプロジェクトの短編作品を3本観劇。
開場入りがギリギリになってしまったにも関わらず、舞台役者から近い距離に着席できたことは幸運でした。
物語は『謝ったら死ぬ病』
○○フィラキシー症候群にかかってしまうと、最後は死ぬことになりますよ?
というイマドキのウイルス系。人の心の病を上手く表現した短編劇。
『ワンダフルな人生』は、17歳の女子高生が他人の人生を羨み
自分の人生が辛いのは環境のせいだと言い張ります。
そこで神さまに相手の人生を生きてみたいとお願いする作品。
隣の芝生は青く見えるじゃないけれど、きっかけは共感出来るものがありました。
けれど人生は各々ハードモードな部分も見えてくるわけで…若いって良いなw
最後は、やたら神保町ワードが出てくる作品『意味不明』
エンターテイメントとは、他人を喜ばせる行為。
私とアナタが違う人間だからこそ、考えている事も同じではない訳で…。
良かれと思って行動していることが実はすれ違いだったり、勘違いになってしまったりといった二人芝居。
ノストラダムス、ミレニアムベイビーズ。
劇団身体ゲンゴロウ
シアターバビロンの流れのほとりにて(東京都)
2023/08/06 (日) ~ 2023/08/11 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/08/10 (木) 19:00
価格3,500円
東京藝術大学のメンバーで立ち上げられたフレッシュな劇団。
芸大の講義「身体言語論」→「身体ゲンゴロウ」と捻って名付けられたそうです。
小学校と言う小さな社会には、教室の中にヒエラルキーが存在していて。
自らを主張できるのは強い者・それを擁護する者たち。
どんな立場にいる子どもたちも、決して周りに置いて行かれないよう
それぞれの想いが劇中で錯綜する。東日本大震災の起きた翌年2012のお話です。
みんなのえほん
9-States
小劇場B1(東京都)
2023/07/26 (水) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/29 (土) 19:00
価格4,300円
小劇場B1です。いつも舞台側からどっちへ座ろうか考えます笑
なるべく手前側に座っても、見たいときに役者の表情が反対側へ行ってしまったりして。
この劇場の面白いところでもあるのですが。
今回の「みんなの絵本」
絵本作家としての幸せが「グリム賞を取る」という表向きの動機に振り回され、
余命宣告中なのに、彼女は絵本を描く。絵本を描かなければ、存在価値がない。
担当者は自らの私欲の為、共に世界一の優しい絵本を目指そうと続ける。
これはもう洗脳だよね。そもそも世界で一番優しい絵本って何でしょう?
ピエロの猿が出てきて本当に感動するのでしょうか。カオスな作品。