これが戦争だ
劇団俳小
ザ・ポケット(東京都)
2023/07/22 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/27 (木) 19:00
価格4,500円
劇団俳小。前回のマギーの博物館に続く2度目の観劇でした。
マギーもそうでしたが、芝居のテンポ感や俳優の持つポテンシャルを十分に引き出している印象がありますね。「これが戦争だ」アフガン戦争から帰国した4名のカナダ軍兵士たちのインタビューから、各々配役の視点で物語が解釈されていく本作品では、戦争の惨さはもちろん…どんな極限状態であっても人間の持つ欲望や想いは、同じくらい強く「生きる」という意味を再確認させられるものと感じた。
ザ・ショルダーパッズ この身ひとつで
劇団鹿殺し
本多劇場(東京都)
2023/07/13 (木) ~ 2023/07/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/18 (火) 16:00
価格5,900円
「鹿版 銀河鉄道の夜‘23」を堪能して参りました。
本多劇場での公演が(しかも千秋楽)チケプレで当たったのは嬉しい。
照明・音響の力強さと演劇を愛してやまない暖かいファンの声援。
平日の昼間からこんな贅沢なひと時を与えてくれた劇団に感謝。
「ザ・ショルダーパッズ」ですが、
第一印象はヤバい作品に当たったと思いましたw
市販の肩パッドを股間につけただけの最小限の衣装。
「この身ひとつで~」と歌唱が始まるのだが、極貧時代に団員が見つけた肩当てから閃き、それを縫って作り上げられた俳優陣の肉体を最大限に生かした風貌。よくこんなこと思い付いたという創造性と、自分の中には絶対にないだろう世界が混合し、初めて見る銀河鉄道の舞台へと変貌したのである。
正義の人びと
オフィス再生
六本木ストライプスペース(東京都)
2023/07/13 (木) ~ 2023/07/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/07/13 (木) 19:00
価格3,500円
1949年に戯曲として書かれたアルベール・カミュの「正義の人びと」
1905年、モスクワで実際に起きた「セルゲイ大公暗殺事件」がモデルとなっている本作では
テロ組織の若者たちは大公の乗った馬車が走り出す中、爆弾を投じて暗殺を企てるが…そこには幼い子どもの姿が。
革命に身を投じた青年たちの「正義」「苦悩」「葛藤」を描いた群像劇。
本公演は六本木のギャラリーでの公演。
初めて行きましたがアートスペースのようで、舞台中央には折り返し階段が設置されている。
ここを演出上、上手く利用して場転を行っているように見受けられた。
奥行きのある舞台とは裏腹に、客席側はフルでも30席ないような省スペース空間。
ここに関係者と撮影者が加わり…経営は大丈夫なのだろうか。もう少し客席があっても良いかと。
5人のメイン女優の内、4人は男性役をやっているのも面白い。
丹下左膳'23
椿組
新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)
2023/07/11 (火) ~ 2023/07/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/11 (火) 19:00
「姓は丹下、名は左膳」お決まりの科白が終演後も耳に残る。
真夏の夜、花園神社の野外劇・舞台初日にて約3時間の椿組公演を観ました。
近くに座っていたお客さんが「お祭りみたいで楽しいね」と一言。
そう、夏祭りには欠かせない太鼓と笛の音、キンキンに冷えた缶ビールとお茶が販売されて
劇団員からも直接買うことが出来ます。うちわで仰いでもやっぱり熱い!熱中症対策にお気を付けください。
以下、本公演の感想です。
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/06 (木) 14:00
価格4,000円
主人公チョビを中心に繰り広げる「夏のひと夜」
舞台設定、配役、脚本・演出など総合してレベルが高いです。
他の舞台と何が違うのだろう…やはり台本と演出の流れが「自然」だからではないかな。
配役にも無理がなく、チョビの日常に各々の役たちが生きている風景を私たちが垣間見ている。
この世界観が「自然」だからこそ、徐々に感情移入して、最後は心がじんわり温かくなる。
今年の夏は良いスタートをきれました!
或る女
演劇企画集団THE・ガジラ
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/30 (金) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/06 (木) 18:30
大正時代の長編小説をお芝居にした内容です。
初見でしたが、3時間にも及ぶ超大作。休憩挟むけど長いね。
まるでオペラのような2幕編成ですが、音楽や歌唱の代わりに怒号や発狂。
舞台装置を叩く音やたばこの煙が臭い立つ、悍ましい世界観がそこにある。
主演を演じた早月葉子役は殆ど出っ放し。倉地三吉との掛け合いも凄いパワーを感じる作品でした。
マリコの神像
劇団森
早稲田大学学生会館(東京都)
2023/06/30 (金) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/06/30 (金) 19:00
早稲田大学公認の劇団森。
今回は花園というか、女子大サークルを観ている様な作品でした。
物語の中心となるのはフランス・リヨン地方のミッション系スクール(寄宿舎ものと呼ばれるそう)。
舞台そのものを額縁のように彩るプロセニアム・アーチが印象的。
視界を少し遮ることで、舞台の奥行を感じさせる工夫が感じられました。
音響も全てクラシック。ピアノやチェンバロの音色が心地よくステージとマッチしていました。
Hey ばあちゃん!テレビ点けて!
Bee×Piiぷろでゅーす
新宿スターフィールド(東京都)
2023/06/28 (水) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/30 (金) 14:00
エンタメ系のお笑い作品だと思って観始めましたが、
サチ子さんの第一声がとても良い声で、芝居にグッと引き込まれました。
声圧のある落ち着いた通る声。劇団の大黒柱ですね。
作品内容はとてもシンプル。説明欄にも記載されているように、
亡くなってしまったサチ子が夫の治の前にロボットとして現れる。
死んでからさせたかった100のコトをミッション形式にして、1つずつ家族や仲間たちと
協力して叶えて行く。それが治のためにもなっていき…あとは乞うご期待!
雨の世界
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/15 (木) 19:30
オフ日でしたので、この時期にぴったりのテーマ作品を2本観てきました。
下北の「劇」小劇場。歴史を感じるローカルっぽい雰囲気が良いですね。
「雨の世界」は、星組を鑑賞。大嵐の中、訪ねた男とその館に住む雨男のお話。
何故、雨男が住んでいるのか。雨男とは何なのか。如何にして雨男になったのか。
ちょっぴりファンタジーで個人的にはこの不条理っぽい世界観、好きです。
Family~明けてほしくなかった梅雨~
ヒューマン・マーケット
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2023/06/13 (火) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/06/15 (木) 14:00
オフ日でしたので、この時期にぴったりのテーマ作品を2本観てきました。
「Family~明けてほしくなかった梅雨~」
タイトル通りの、家族や人間模様の日常風景を切り取ったような作風のドラマ演劇。
「Family」は初見でしたが、シリーズ化していて10作品ほどあるそうですね。
お話の前後を知らなかったので、最初はパンフと登場人物を照らし合わせながら観ていましたが、徐々に理解しました。
総じて良い人たちと言うか…アットホームな印象の劇団。主宰の船戸さんの和装姿も板についてますね。
ホテル・ミラクルThe Final
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/12 (月) 20:00
シアターミラクル最後の公演と言うことで、今回観られて良かったです。
ラブホテル(ホテル・ミラクル)の一室で繰り広げられる男女のロマンス劇。
「STAY ver.」と「REST ver.」があり、それぞれ短編劇が5本ずつ。今回は「STAY」を観劇しました。
俳優たちが体を張った多様な性の在り方。一度の過ち。片想い。割り切り。不倫。風俗。
欲望の街、歌舞伎町だからこそ映える!そんな一夜のアバンチュール的芝居です。
引き結び
ViStar PRODUCE
テアトルBONBON(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/03 (土) 19:00
悪天候の後、交通機関の遅延などが心配されましたが
無事に上演時間に間に合いました。今回は「引き結び」の紬チームを観劇。
紬ぎ結ぶは命の糸…自分たちが今この場に居られるのは、遠い遠い血縁者のおかげ。
人間に生まれる確率が1400兆分の1から辿り辿って…と、コンセプトは壮大です。
開場から暖かい雰囲気で、前説あり物販ありの盛り上がりが熱いです!
以下、公演について
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/01 (木) 18:30
「La vita è bella」これは「Life is beautiful」のイタリア語。
「人生は美しい」と言う直訳の副題には「とある優等生と壊れた世界」
一筋縄ではいかない人生には、自分の思い通りにならない事が沢山ある。
思春期ならではの葛藤、自己同一性、両価的感情、恋愛感など
想像以上に生々しい描写が舞台上で表現される。シンプルだが奥深い。
イタリアオペラの持つ、知的でずる賢いイタリア人女性と詩的で情熱的なイタリア人男性。
これを田舎の青年たちに照らし合わせて観てみると、より良作に感じられると思います。
アクターズハイ
LUCKUP
劇場MOMO(東京都)
2023/05/10 (水) ~ 2023/05/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/05/11 (木) 14:00
「アクターズハイ」
俳優が役を演じる(生きる)事により、強い幸福感や高揚感を得る。
演じ切った後のエネルギーのような感覚でしょうか。
主人公であるトニーと彼を取り巻く、新選組たちの多様な人間模様が垣間見れる本作品。
売れない俳優の手にした天国と地獄の悲喜劇を、本日は小劇場MOMOにて観劇しました。
福子、福ちゃんの夜明けに飛べ
enji
吉祥寺シアター(東京都)
2023/04/27 (木) ~ 2023/04/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/27 (木) 19:30
1969年、高度経済成長は飛躍的な拡大により、目まぐるしく時代が進んでいる。
古びた木造アパート「福ちゃん荘」には、今日も個性豊かな住人たちが右往左往。
何気ない日常風景の中で、若者たちが心の在り方や真の自分を探し求め、生き方を選んでいく物語。
これを柔らかい視点で捉えた、ほっこりする作品でした。
立ちバック・トゥ・ザ・ティーチャー
Peachboys
ザ・ポケット(東京都)
2023/04/19 (水) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/04/20 (木) 19:00
立ちBTTT観ました。
1980年代の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」大好きなので、
どんなコメディ作品に仕上がっているかと思いきや…話の内容があまり入って来ず;
その理由は、物語の合間に入る膨大なコメディやギャグの数々。
時事問題あり、下ネタ、薬中(ネタ)なんでもござれの超個性派舞台でございました。
物語を楽しむというよりは、下ネタのオンパレードSHOWを楽しみたい方はお勧めです。
ナイゲン(にーらぼ版)
24/7lavo
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/11 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/11 (火) 14:00
国府台高校の学園祭実行委員による内容限定会議、略して「ナイゲン」
実話を基にした作品とのことで、鴻陵祭の学校演劇など巡ってみたい気持ちに。
文化祭の出し物を変更しなくてはならない中、各クラスの代表者が押し付け、蹴落とし合う。
とてもシンプルな筋書きの中に、個性的な人間関係や台詞の伏線回収で妙に納得し、
クスッと笑いがこみあげてしまう、軽快なリズムのやり取りは面白かった。
何度も観ると印象も変わってくるかもしれないが、今回は単純に芝居が長く感じました。
会議の中で役者たちが盛り上がって行くところ。大騒ぎした後、また振り出しに戻り冷静に話し合うところ。
初見ながら後半の予想が出来てしまい、クライマックスへの期待感が薄れてしまった。
2時間を超える作品なので、トイレに行きたくなるのも、この会議を終わらせたいのも登場人物と同じく。
自分も13人の役者たちに混ざって騒ぎたい!そんなシチュエーションドラマでした。
キッズオペラ「ふたりのももたろう」
若い演奏家の為のプロジェクト
なかのZERO(東京都)
2023/04/04 (火) ~ 2023/04/04 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/04 (火) 19:00
実は学生時代の後輩が出演しているキッズオペラ。
子どもも楽しめる「ふたりのももたろう」。原作の絵本があるんですね(会場で販売してました)。
オペラを生で聴くこと。子ども達もなかなか体験しない事なので、取り組みとしては良かったかなと。
中野ZERO小ホールは見やすく、聴きやすく、座りやすくて良いですね。
最後に写真OKということで、会場内を撮影出来たのも良かったと思います。
以下、具体的な感想を書きました。
愛さずにはいられない
むさしの芝居塾
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2023/03/28 (火) ~ 2023/03/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/03/30 (木) 18:30
奥多摩で描かれる人間模様を描いたコメディ系の作品。
パンフを見れば、沢山の後援企業が劇団を後押ししてくれています。
愛されている「地域密着型劇団」と言ったところでしょうか。
今回は初観劇でしたが、正団員と塾生さんが混ざっているのでしょう。
アマっぽさがふと見えてしまう事があり、ダンスも配役作りも正直半端な印象です。
舞台での動き方、観客への笑いの取り方、全体的にバタバタして狙いすぎな感じ。
例えばアットホームな劇団の特色を生かし、客席まで入り込むとか、奥多摩名物を会場で配るとか。
舞台設定をより奥多摩の環境設定にフォーカスしても面白いんじゃないかなって思いました。
最後は写真を録ってもOKと言うアナウンスでしたが、
シャッタータイムです!と設けていない為、いつ撮れば良いか分かりずらかった。
閉幕時に今から写真OKの合図が明確になっていないと、SNSでの拡散は難しいかな。
更に面白くなる改善点は沢山あるはず。今後に期待です。
「モモ」
人形劇団ひとみ座
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2023/03/23 (木) ~ 2023/03/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/03/28 (火) 19:00
75周年記念プレ公演という事で初観劇。
「モモ」は何となく物語を知っている程度でしたが、
人形劇は全くの初心者なので、楽しみにしておりました。
殺伐とした感じが全然ないのは、恐らくスタッフさん含め長い歴史の中で
皆さんが家族みたいになっているのかなと。仲の良さが伺える芝居です。
初見としては、主役の「モモ」「ジジ」の2トップの掛け合いやセリフ回しが
快活で、アニメのアフレコを舞台で聴いている様な心地よさがありました。
音楽と歌もPOPで可愛い。暖かく、まとまりがあって良い歌なのです。
自分の座席が真ん中よりも後ろだった為、舞台を見下ろすような形で観劇しましたが
欲を言えばもっと前側の席から、人形だけが映えるように観たかったかな。
席が狭く、お隣と結構密着しながら…と言うのも少し気を使いました。
総じて心が温まる公演であったことは違いありません。