リリウムの観てきた!クチコミ一覧

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猩獣-shoju- <東京公演>

猩獣-shoju- <東京公演>

壱劇屋

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2019/10/11 (金) ~ 2019/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

再再演、さらに進化していた!一致団結して、圧倒的な濃縮還元の65分だった。演出や配役の変化はもちろんだが、音響や照明もいつもと違って新鮮で、これも良いと思った。

初参加、モブ続行、モブから役付へ、役付続行、主役から別役へ、主役から不参加から主役…役の変遷も面白く、それぞれの良さを感じた。でもつい比較してしまうので、まっさらな初見の方がうらやましい気もする。

台風19号のため、10/12の3公演が中止…でも10/13 3公演と10/14 2公演に加え、10/14 11:30回の追加が決まった。ちょっとでも興味のある方は、ぜひ観に行ってあげて欲しい!

この公演が、一人でも多くの人に観てもらえることを、心から祈っている。

ネタバレBOX

特に「ハシゴ」と「布」の進化がスゴイ!敵役の瓢風と布女のあざやかな動きには目を見張った!それを支えるアクションモブ、ありがとう!
ハツゲキ

ハツゲキ

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2019/09/20 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

4人のハツ脚本、4者4様でみな初々しくてよかったです。終演後のあいさつの、4人の覚悟の決まった顔が、とても素敵でした。

9/23 12時半、17時のお席、まだまだあるようです。お時間のある方はぜひ!

ネタバレBOX

ハツゲキは、詰めこみ過ぎや台詞長すぎも含めて、初めての輝きを感じる舞台でした。各自が観客の反応を受取り、次回につなげることを期待します。

「少女の序奏」が、やはり1番好みでした。虚実を取り混ぜた脚本でも、板に投げ出された心情は、まぎれもない真実かと!もちろん、説得力のある演技に引き出された部分も、大きかったと思います。

一方的な期待に応えてくれた脚本の湯浅春枝が、壱劇屋本公演を目指すと明言したので、さらに期待をかけたい!プレッシャーではなく。

今回は時間の制約もあったけど、もっと台詞のやり取りでストーリーを展開させて、観客を想定外の心境にまで、連れていってほしい。奇想天外な展開でなくても…さりげない台詞の端々が、ラストに伏線としてつながってスパークするような…お芝居の内容をこえて、観客に色んな気持ちがわき起こるような…想像の余地を残した、でも圧倒的な物語が観たい!

駆け出し作家に無茶な注文をと、しょげる顔が浮かびますが、そういうものを期待したくなるような何かを、「少女の序奏」に感じたのです。

しゃべるのが苦手で、うまく気持ちが伝えられなくて後悔ばかりなのに、作家になった人間にしか紡げない言葉と物語を、これからも楽しみにしてます。
あつい胸さわぎ

あつい胸さわぎ

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/09/13 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

4、5回観ただけだが、iakuには体調を整えて行かなくてはと、思っていた。だが2018秋に三鷹「逢いにいくの、雨だけど」は、テーマの切り口が今までと違って、重い内容なのに明るい日が差してくる気持ちになった。脚本、演出、演技のバランスもよくて、ええ芝居を観たなぁと感じた。

だからこその、次回作への期待を、「あつい胸さわぎ」は軽々と乗りこえてくれた。
間がよくて、つい笑ってしまう丁々発止のやり取りで、各々のキャラや関係性が浮き彫りにされ、自然に物語に引き込まれてしまう。
そしてちょいちょい、予想の斜め上をつく展開や台詞に、胸をつかまれ、泣かされ、考えさせられました。

今回の脚本、演出、演技もバランスがよく、やり過ぎ感が無くて、そこがリアルでした。想像の余地があるところも好みでした。

白木の台がランダムに組まれた抽象的な舞台も、余計な情報がない分、台詞や演技で情景が想像できてよかった。
柱の上に渡された赤い糸が、素敵なアクセントになっていた。

ネタバレBOX

ことに、幼なじみの誘いを断り、大人の女性をくどく田中亨と、一回り年下の男性のアプローチに応える橋爪未萌里のやり取りが、絶妙だった!

ベタに演じると安っぽくなるし、主人公をないがしろにする悪役とも受け取られる。なのに、別れまでの一連のやり取りに、人生にはこういう事もあるよねと、納得させてくれた。

橋爪未萌里にはずっと少女のイメージがあったのだが、魅力ある大人の女性の姿に、いい女優さんになったなぁ~と、親戚気分でうれしくなった。

想像の余地を残したラストも、よかった。母娘の気持ちが通ったから、どちらの道を選んでも大丈夫だと感じた。後は観客の一人一人が、自分にとっての結末を選べばよいのでは?

さて、この芝居の後に、パンが食べたくなったのは、私だけではないはず!
駒場東大前駅近くのル・ルソールには、ペカンナッツやピスタチオなどパンがあり、ナッツ好きには特にオススメです!
Pickaroon!【クチコミ待ってます!次回東京公演は10月!】

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壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2019/07/26 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

壱劇屋の初の台詞アリ殺陣芝居「Picaroon」の東京公演を観てきました。初日のなかなか鳴り止まない拍手が、観客の評価だと感じました。

超エンタメの王道ストーリーだから、先は読めるのだけど、でも思わず涙してしまう。脚本、演出、役者の表現力、殺陣、モブの人力CG、衣装、舞台美術、音楽、照明、劇場が作り出す空間が、本当によかったから…

一人でも、多くの人に観てもらいたいお芝居です。7/29月まで、池袋で生で体感できます。気になっている方は、ぜひ!

今回は予定が合わないという方は、10/11~14池袋で、台詞ナシ殺陣芝居「猩獣」の再再演があるそうなので、覚えておいて下さいね。

愛鯛

愛鯛

鯛プロジェクト

OFF OFFシアター(東京都)

2019/06/13 (木) ~ 2019/06/18 (火)公演終了

満足度★★★★★

16日からの第2話のオパンポン創造社は、テーマの「会いたい」は弱いけど、テンボのよい関西弁の会話に笑っていると…キタ~となる!
いつも驚かされる切口の脚本で、演出で、演技だ。

下北沢OFF・OFFシアターで今夜6/17 19:30回と明日6/18 14:30回あります。力一杯オススメします!

前説の歌謡ショー、第1話の王道「会いたい」あるある、第2話のまさかの「会いたい」展開も、思いっきり笑いました!

ネタバレBOX

同じ話題のくり返しに普通に笑っていたら、一瞬でひっくり返されて、パズルがはまるみたいに全部つながって、さらにラストは予想の斜め上…

オパンポン創造社は、脚本と演出と演技のトリプルで、常に期待を裏切ってくる…いつもヤラレタ…と思う。

気になっている人は、ぜひ一度観てみて下さい!
カケコミウッタエ

カケコミウッタエ

日本のラジオ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2019/05/25 (土) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

太宰が好きなら、三鷹まで足を伸ばして観る価値があると思います。今までにないイメージが広がって、「駆け込み訴え」にはすごく想像の余地があるなあと感じました。

昨日無理して観ておけば、今日は答え合わせをしながら、もう一度観れたのにと少し後悔…
私は行けないけど、気になっている方がいたら、明日6/2(日)14時の千秋楽にすべりこんで下さい!

ネタバレBOX

近未来?の日本に、「駆け込み訴え」と聖書に嘘とリアルを散りばめて再構築したような脚本が面白かった。

それを役者全員が咀嚼して、たたずまい、セリフ回し、表情、すべてにおいてキャラクターをしっかり立ち上げていて、素晴らしかった。さらに対話や動きでの話の転がし方、化学変化…奥の闇へのハケや出の演出も絶妙だった。
しかし、対話の反対側で名瀬が笑って立っていると、どっちを見ればよいのか分からなくなり、首降り人形になってしまった…

特に粕井と名瀬の、場面によって変化するやり取りがよかった。出だしのボソボソとした声の「申し上げます」と名瀬の笑顔で、もう持っていかれた気がする…

あと、上演台本に掲載された太宰作品の「駆け込み訴え」のレタリングのデザイン、文字なのに訴える力が尋常ではない。写真も凝っていてよかった。

原作、脚本、演出、役者…よい座組みの芝居を堪能した!ただ、舞台装置の意味だけは謎…いつか解る日が来るかもと、楽しみにしている。

そして観た人にしか通じないネタバレだけど、つい唐揚げを買って帰りました。
さようなら

さようなら

オパンポン創造社

シアターKASSAI(東京都)

2019/04/18 (木) ~ 2019/04/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

こりっち舞台芸術まつり2018グランプリ受賞作品の再演!

去年より、テンポが良くて、でもコメディに走り過ぎてなくて、絶妙なバランスだと感じました。

出演者6人のアフタートークで、今朝の細かい修正がウケたという話が出ました。3年で30回近く上演しても、最後まで手直しを続けているから、ブラッシュアップできているのですね~

残るは5/20(土)18時、5/21(日)13時 17時の3回!
このメンバーでは最後の再演なので、ちょっとでも気になっている方はぜひ!
いや、池袋に行ける方はぜひ!心の底からオススメします!

猩獣-shoju-

猩獣-shoju-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2019/03/21 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回の新作「猩獸」と再演「猩獣」は、昨年の「二ツ巴」同様、DVD化されないそうだ。もし迷っている方がいたら、力一杯オススメする!3月24日(日)まで、特に22日(金)は席がまだまだあるそうだ…もったいない…

もう一度観たいし、ぜひ多くの人に見てもらいたい!
再演「猩獣」はCoRich舞台芸術まつり!の最終選考に選出されている。ぜひグランプリを取って、東京公演も実現してほしい。なので審査を意識して、再演を中心にコメントをしようと思う。

「脚本」
台詞はなくとも物語が伝わるからWordless×殺陣芝居はパフォーマンスではなく、演劇である。言葉の壁が無い、世界に発信しやすい新しい切口の演劇ではないだろうか?

「猩獣」の物語は元々シンプルであるが、再演は初演をブラッシュアップして、さらに分かりやすくなっていると感じた。そして特撮物みたいなメリハリもついて、エンタメ性も高くなったと思う。

「演出」
迫力のある殺陣がもちろん、Wordless×殺陣芝居の最大の魅力だ。ダンスの様なきれいにそろった殺陣ではなく、登場人物ごとに必然性のある動きや殺陣筋が感じられる。

そして言葉を使わずに物語を伝えるための、表情や動きや殺陣の演出が、本当に細やかになされていると思う。

「布」や「はしご」「スローモーション」を使っての表現は、生の演劇ならではの演出である。それは、アクションモブと呼ばれるメンバーの、練習の賜物でもある。ちなみに切られっぷりやハケ方も、殺陣芝居初めてのメンバーが何人もいるとは思えないほどスムーズだった。

「出演者」
演技賞に主役の岡村圭輔を推薦したい!入団2年目で主役に抜擢されて、プレッシャーも大きかっただろうが、全力で駆け抜けてくれた。再演初回の、彼への賞賛の拍手を聞きながら、きっとみんな、私のように「がんばれ岡村!」と何度も心の中で応援しながら観ていたんだなと思った。

初演に引き続いての客演、吉田青弘さんの重力を無視した跳躍力と縦横無尽の殺陣、赤星マサノリさんの年齢を超越した躍動感とラスボス感たっぷりの殺陣を、生で観れて本当によかった!

客演の南ななこさんの、その笑顔を守ってあげたくなるヒロインと、上枝恵美加さんのきりっとした女剣士の幼なじみの、フレッシュな演技も素敵だった。

「その他オススメポイント」
劇団員の安達綾子の舞台衣装!
メインの衣装は登場人物の性格を現し、物語の理解を助けてくれる。アクションモブの衣装も含めて、殺陣の動きで魅力が増すように、計算されている。

次世代劇団員の抜擢!
今回の新作と再演の配役やダンス振付もそうだが、9月には、4人の新劇作家によるオブニバス公演が予定されている。

全国的な在阪劇団を目指して!
大阪公演だけでなく、5月は静岡、7月末は東京、8月は岩手に初進出、12月は神戸!いずれは海外も目指したいとのこと!
全国から大阪に観に来てもらうために、という目標がブレないので、その意気や良しと、応援したくなる。
竹村晋太郎に続いて、朝ドラなどで顔を売るメンバーが出るといいな。

ネタバレBOX

再演オープニングで、岡村圭輔が渡せなかった白い花を手に、口をへの字にまげてうつむく姿に、まっすぐで不器用で情けない姿に、胸を突かれた。

闘いにくじけて白い花を取り出してながめた時は、面ごしでも熱い想いが噴き出して復活するのが分かった。

再演ラスト、岡村圭輔が白い花を差し出すシーンで、報われるといいねと思った。初演より、可能性はある気がする。「賊義賊」で手を差し出すシーンでも、そう思ったな…

さて、新作について

「脚本」
複雑な物語なのに、よく伝わってきて、驚いた。

「演出」
最初の家族3人の笑顔で、長年の幸せが伝わって涙が出た。ワードレスって、表情や動作だけで、ものすごい情報量を発信しできるのでは?

「障子」を使った場面転換が、とても効果的だった。アクションモブズに拍手!柏木明日香の1人「戦御史」もよかった。

「出演者」
母親集大成の藤島望が、素晴らしかった。慈愛も悲嘆も狂気も、ワードレスで演じきっていた。悲鳴もいい。

竹村晋太郎は安定の父、猩獸の手を取って覚醒してからの殺陣は、目が覚めるよう!
客演のSKE48北川愛乃さんも、愛らしくも芯の強いヒロインがぴったりだった。

王と側近や二人の王妃との関係性、愛の出現による変化も興味深い。怜悧な側近の秘めた執着と、噴出した狂気には、ゾクゾクした。衣装が役にピッタリだった。

新作も再演も、全員の感想は書けないけど、メインもアクションモブも、ワードレス伝達能力が向上していたと思う。演出や劇団力の向上との、相互作用もあるだろうが、本当に面白かった。

初演初回の、なかなか鳴りやまなかった拍手は、スタオベの代わりだったと思う。この芝居を作・演出・主演した竹村晋太郎と、すべての出演者への、ありがとうの気持ちだ。
THE Negotiation

THE Negotiation

T-works

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

スタイリッシュで滑稽な、とびきりの会話劇!
みなさん、ええ声と演技とふれ幅で、本当に楽しかった~脚本の面白さは必須だが、役者が達者で間が良いから、随所で笑いが起こるのだな~と感じた。それにしても、細かいネタのずらし方がいちいちツボだった!

そして、最小限で最大限の効果を上げている舞台装置。舞台転換のおしゃれな演出も心憎い~

関西がベースのプロデュースユニットなので、17日(日)までの東京公演は、まだチケットがあるようです。
重厚なチラシが気になった方、少しイメージとは違うかもしれないけど、とても心地よい笑いに包まれたお芝居なので、よかったら観てみて下さい。

TABOO【遠征割・高校生以下無料フォーム】

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壱劇屋

森ノ宮ピロティホール(大阪府)

2019/01/12 (土) ~ 2019/01/12 (土)公演終了

満足度★★★★★

私見だが、壱劇屋版「TABOO」に「たいへんよくできました」の花丸をあげたい!

23年前、初演の野田演出で唐突だと感じた部分が、今回の大熊演出で腑に落ちた気がした。丁寧で、分かりやすい演出だと思った。芸神、世阿弥陀の舞の部分も、テーマを浮かび上がらせてくれた。パフォーマンスやピアノの演出は、秀逸だった。

全キャストの演技とパフォーマンス、舞台美術、衣装、照明、音楽、音響…どれも10周年記念公演にふさわしい、集大成だった。不安要素だった長台詞も、早すぎて初見の人は聞き取れないかも?という箇所はあったが、「たいへんよくがんばりました」とほめたい。

特筆すべきは、主役「一休」を演じた山本貴大だ。彼に合った役柄だったこともあるが、台詞も表情も動きも主役として、物語をひっぱっていた。ラストに無音で踊る彼は、見事に場を支配していた。1000人規模の劇場なのに、本当に大きく見えた。役者が化ける瞬間を、目撃した気がする。

壱劇屋は、全国から観客が呼べる、大阪拠点劇団になるという目標をかかげている。彼らのこれからの10年が楽しみになる、意欲作だった。

ネタバレBOX

初演では、萌が父からの性的虐待を口にする場面で、劇場全体がざわめいた。タブーに触れた反応だった。

今回それを感じなかったのは、役者達が若いからだと思っていたが、親からの虐待がタブーではなくなった面もあるかも?と、最近のニュースを見て考えている。
孤島 0n the Island

孤島 0n the Island

ARICA

北千住BUoY(東京都)

2019/01/31 (木) ~ 2019/02/04 (月)公演終了

満足度★★★★★

ギリギリまで説明を削いであり、想像の余地のある舞台だった。観客の知識や感情によって、理解度も感想も千差万別だろう。さらに、断片的に提示される情報が、事実なのか主人公の妄想なのかと疑い始めると、訳がわからなくなる…面白い。考えることも必要だが、感じたことが自分にとっての真実なのかも?と思った。

2/15~2/17にTPAM参加作品として、横浜の東邦ビル1Fの特設会場で上演されるとのこと。興味を持たれた方はぜひ!

ネタバレBOX

舞台を動いてくる大きな装置。そこから足が伸びてきて、隠れていた女性が現れる。彼女は誰か?彼女の言動は何を物語っているのか?島のような装置は何を意味するのか?
断片的に示される情報で、想像はふくらむが、答えは観客の数だけあるのかもしれない。
そこに断固として「在る」主人公の存在感がきわだっていた。
ごんべい/ごんべい2

ごんべい/ごんべい2

ゲキバカ

吉祥寺シアター(東京都)

2019/01/12 (土) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

「ごんべい」は日程が合わなかったので、観劇三昧の動画で観てから、「ごんべい2」に行きました。
全員から「芝居が楽しい!」という熱量が伝わってくる作品でした。(人数が多いからではない)
「民衆の歌」もどきは、ツボに入りました~
そして主役の菊池祐太が、10年前とほぼ変わらない姿で、ずっと存在感を増した演技を見せてくれたのが、とてもうれしかったです。

ネタバレBOX

たくさんの物語がからみあっているから、仕方ないけど…
黒猫の物語が気に入ったので、その心の葛藤を、もう少しじっくり味わいたかった。百万回生きていて忘れていたけど、今の恋人が昔の友だちを殺したと分り、でも恋人は記憶を失っていて、殺人の自覚が無い…憎みきれなくて、途方にくれると思う。
まあ黒猫は死神だから、現世の幸せに未練が無かったのかもしれないけど、私の好みとしては「逃げて2人でひっそり暮らす」ことに色々思いを巡らせてから、その上であの結末を選んで欲しかったな…
iaku演劇作品集

iaku演劇作品集

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

「梨の礫の梨」の主人公は、私にとって思い出すだけで泣けてくるベストスリーに入る劇中人物です。生きていってほしい…そう願っています。

マリーゴールド

マリーゴールド

ワタナベエンターテインメント

サンシャイン劇場(東京都)

2018/08/25 (土) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはり、打ちのめされました。
結末が分かっているから、グランギニョルほどの驚きはないけれども、そこに至る道筋をかみしめました。
物語、歌、演技、衣装、照明、ダンス、モブの群衆の動きまで…座組みの熱量と一体感が素晴らしい。こんな大きな劇場で、これほど圧倒的な舞台を観れるのは、本当にうれしいと感じました。

逢いにいくの、雨だけど

逢いにいくの、雨だけど

iaku

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2018/11/29 (木) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

iakuが好きなら、三鷹まで観に行く価値のある新作です。横山拓也脚本を観るのは4本目くらいですが、この角度からの光のあてかたは初めてで、胸がすくような気持ちになりました。
役者の演技も各々素敵で、調和のとれたハーモニーが響き合っているような、初演とは思えない完成度でした。
iakuは人間の割り切れない部分を、自然な会話と空気感で表現しているユニットだなあと感じていました。今回も、頭では「仕方ないこと」と理解できても、心が「受け入れられない」と拒否反応を起こす事態が、各人の表層と深層でズレを生じさせているように感じました。それが決定的な失言につながっても、誰も悪くないのにと、せつなくなりました。
三鷹での東京公演は12月8日まで、大阪公演は12月21日と22日、オススメです!

ネタバレBOX

元スポーツマンの類型的な行動に、現代のネット叩きの正義感を見たような気がしました。本来は、「加害者」を責めることができるのは「被害者」のはずなのに、当事者の意向を無視して怒りをぶつける…そして正義感故の親としての発言が、他者を傷つけていることを、指摘されるまで気付かない…人間は、自分の置かれている立場以外には、そのくらい鈍感なものかもしれません。
そして、27年の時を経て、幼なじみが再会する場面で、2人が視線を交わした瞬間に、空気がピンと張りつめるのが分かりました。2人が抱えてきたもの、のりこえてきた思いを感じて、泣けてきました。
トップガールズ

トップガールズ

道頓堀セレブ

コフレリオ 新宿シアター(東京都)

2018/09/28 (金) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

2016「楽屋」フェスティバルのために結成された、関西小劇団ユニット「道頓堀セレブ」がパワーアップして帰ってきた~

古今東西入り交じったガールズトークが炸裂する第1幕は、リアルを追及するため、あえて台詞がかぶさるように書かれた戯曲だと理解できたけど、初めは耳が足りない…と思った。次第に意識を集中した人の台詞が聞こえる事がわかったけど、全部聞き取りたくて迷った…
ちなみに、台詞を奪われた人の表情や動作も面白くて、目も足りなくなった。

主人公マーリーンの現実世界の第2幕は、働く女性が今よりずっと自由に生き辛かった時代を、コメディとシリアスを織り交ぜながら描いていた。現代にも通じる女性たちの叫びは、第1幕にもつながっていき、特に働く女性にオススメしたいなと思った。

女優たちの競演の熱量が半端なくて、すごいもん観たな~と感動した。みな膨大な台詞を滑舌よく語り、何気ない表情や動作で心情を描いていた。緩急はあれど緊張感が保たれているので、場のハーモニーが心地よかった。1人2役以上もいたけど、本当に別人みたいだった。ぜひ池袋演劇祭の大賞を取って、来年も「道頓堀セレブ」として公演をしてほしい!

衣装も素敵だから、物販は写真が豊富なパンフレットがお値打ちかも?ユニット4名の対談や年表は、知ってる訳者の知られざる過去がこと細かく載っていて、実に興味深かった。

このお芝居は映像化しないので、30日(日)13時がラストチャンス!お席はまだあるそうなので、迷っている方は、ぜひ新宿歌舞伎町へどうぞ!

ネタバレBOX

ともかく主人公マーリーンの存在感がすごかった。第1幕は彼女の妄想のようだが、ゲストのもてなしから、ウェイトレスのあしらいまで、見惚れた。

饗宴のゲスト一人一人の個性あふれる人生は、どれも聞き応えあったが、中でも法王の数奇な人生の語りは、ラテン語も含め圧巻だった。酔っ払った末の法王と二条のドタバタの中で、無言で給仕を続けていたウェイトレスが、残ったワインをあおる姿が印象的だった。

1幕のイザベラは、話はもちろんワインやステーキの咀嚼まで勢いがあって、いかにも女冒険家だった。2幕の姉役は別人で、マーリーンとの言い合いは、お互いの目まぐるしい感情の変化を、恐ろしく自然に演じていて、引き込まれた。春と秋に下北沢へ来る「宮川サキキャラクター大図鑑」は、練りに練った1人芝居で大好きなのだが、相手とせめぎ会う面白さもいいなと思う。

同じく、アンジーとキットの子ども同士の繊細なやり取りも、心に残った。

主人公の同僚2人が、要所々々で肩をすくめる姿が、とてもツボにはまった。

日替りゲストのキッド夫人は、日替りとは思えないほど座組みにはまっていた。個人的には、嫌いになれないタイプだった。劇団☆新感線の右近健一さんを始め、他のゲストも観てみたかったな…

終演後、ついスパークリングワインを頼んで、心の中でマーリーンの昇進と「道頓堀セレブ」に乾杯した。何年先になってもよいので、第3回公演も観たい!
猫と針

猫と針

i-LIMIT

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2018/09/04 (火) ~ 2018/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

恩田陸らしい密室心理サスペンスを、小バコで堪能しました。

ほんの少しの目線の上げ下げや、抑揚の変化、返答の間合いが、素直な反応なのかミスリードなのか、深読みをしてしまう…話をしている人だけではなく、聞いている人達が見せる表情が気になって、あちこち目を走らせてしまいました。
時折、間のよい台詞で笑えたので、疲れすぎずに心地よい緊張感が保たれました。

初演は見逃しましたが、初演出演の石原さんが同世代役者を集め、初演出演の久保田浩さんが演出した、今回の「猫と針」を観れて満足です。今やりたい芝居を、今やりたいメンバーでやるという企画、i-LIMITの静かな熱量が伝わりました。

そうそう、11年前に読んでうろ覚えの戯曲を、あえて読み返さずに観たのですが、再読が楽しみです。

椅子はパイプ椅子ですが、贅沢な大人向けのお芝居です。7日(金)の昼回までは、チケットがあるようなので、お時間のある方はぜひ❗️

ネタバレBOX

恩田陸ワールドなので、一応の解決はあっても、大団円のラストではありません。そこが初観劇者にはオススメしにくい点です…

役者さん達は、含みのある多面的な演技で、恩田陸らしい不穏な空気を醸し出してくれて、うれしかったです。
マナナン・マクリルの羅針盤 2018

マナナン・マクリルの羅針盤 2018

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2018/08/11 (土) ~ 2018/08/16 (木)公演終了

満足度★★★★★

「マナナン・マクリルの羅針盤」は、素晴らしいエネルギーにあふれた一人芝居でした。大海原や闘う男たちが目に見えるようでした。これを1日3ステージは大変だと思います。

「謝意」「書簡」といった、耳で聞き取りにくい言葉をあえて使っていて、日本語字幕が役に立ちました。すぐ読み取れる量にするため、省略もあるようでしたが。

9月の次回作には予定があって行けませんが、機会があったらまた観たいと思いました。

ネタバレBOX

もぐもぐタイムは世界観に合わせて、ペットボトルをラム酒のびんに、おにぎりをパンに、バナナをリンゴにするのはどうでしょう?ラム酒はキャプテン・モルガンを希望します。
【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

壱劇屋

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/07/12 (木) ~ 2018/07/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

劇団壱劇屋Wordless×殺陣芝居の初めての東京公演、「独鬼」を観てきました!CoRich舞台芸術まつり!2018演技賞の竹村晋太朗の作・演出・主演です。

1年半前の大阪初演より、演出がいろいろ整理されていて、ストーリーがより伝わってきました。初演と同じ役の人、初出演の人、モブから役付きになった人、役付きからモブになった人、モブ続行の人、それぞれの演技が重なり合って、とてもいいハーモニーを感じました。初演に引き続き鬼の笑顔には泣かされましたが、今回はさらに、各年代の女と男のいろんな表情が印象に残りました。特に客演の劇団☆新感線の村木よし子さんの笑顔は、心にしみました。

今回誘った友人たちも「台詞ないのに分かるし、気が付いたら涙が出ていた…」と言ってくれました。そして友人たちは、主役以上に、モブの運動量や一体感のある動きに驚いていました。アフタートークで村木よし子さんも「みんな本当に一生懸命で~尊い!」石原正一さんも「初演のころ出来なかった側転が、うまくなっていた子がいた…」などと、ほめてました。

末満健一さんのアフタートーク出演の効果もあり、おかげさまで初日は満席でした。平日の昼回もそれなりの観客が動員できたようです。もし、私の「観たい」クチコミも参考にして、予約された方がいらしたら、ありがとうございます。
でも再演を観て、やはり心ゆさぶられて、この「独鬼」をもっと多くの人に観てもらいたいという想いが、さらに強くなりました。迫力と感動の殺陣芝居が、大阪の半分の小さな劇場で、観劇というより体感できるチャンスです!どうかどうか、17日までに池袋に来れる方が1人でも多く、「独鬼」を観に来てくださいますように!

今回は予定が合わないくて残念…という方がいらしたら、来年7月にまたWord1ess×殺陣芝居の東京公演があるそうです。どうか劇団壱劇屋の名前を覚えておいてくださいね!

ネタバレBOX

友人たちも、「赤ちゃんが育つシーン」を羽織で表現する演出が面白かったようで「歩いてる、こけた、抱き上げたのが見るようだった」とのこと。アフタートークで竹村さんは「子役がいれば6世代で描きたかった」と言ってましたが、生の演劇としては、あれは秀逸な演出だと思うのですが…

各世代の女と男のシーンをより丁寧に描いたことで、ラストの「各世代の男が登場して4人で鬼に切りかかり、鬼が負けそうになったところで、各世代の女が登場してそれを助ける」シーンで、さらに胸がしめつけられました。

どちらも生の演劇ならではの演出だと思います!ぜひ観てほしいと思います!
宮川サキのキャラクター大図鑑2018

宮川サキのキャラクター大図鑑2018

宮川サキ

下北沢 Reading Cafe ピカイチ(東京都)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

夜の回を観ました。20分の3本立てなのに、若い男もおばさんも老女も存在感ありすぎて、前に観た記憶がしっかり残っていて、微妙な変化が分かるくらいだった。つい笑っちゃうのは、バカにしているのではなくて、いとおしいからなんだよね…初めてのキャラクターに会うのもいいけど、今回みたいに知っているキャラクターに再会するのもいいなぁと思う。連れていった友人たちも、「面白かった~10月も観たい」と言ってくれた。
明日の10日、13時はたっぷり、19時も少し、お席があるようです。お天気は雨ですが、お時間ある方は、ぜひ足をのばして下さい!でも、合間の応援寄席はなぜか満員御礼なので、あしからず…

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