リリウムの観てきた!クチコミ一覧

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SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】

SQUARE AREA【ご来場ありがとうございました!】

壱劇屋

千種文化小劇場(愛知県)

2016/03/24 (木) ~ 2016/03/24 (木)公演終了

満足度★★★★★

壱劇屋を目撃!
東京公演ピンチ!妹の頼みで自分史上最大の情報拡散をして、13人に来てもらった。小劇団初めての人も含め、みんな「観てよかった」と本当に喜んでくれた。4回は観るべきと言われて5回観たが、全員のたぐいまれな身体能力とエネルギーが緩急をつけた脚本とマッチして、すごいものを目撃したと感じた。違う角度でもっと何度でも観たくなる。今まで観た4,5回のうちで、一番誰かにおすすめしたくなる。ネットのレビューなんて、書いたことなかったのに…しかし思い起こせば、ピースピット「悪辣」で動きがいいと感じたアンサンブルって、壱劇屋だったんだね~みないい役者になったなぁ~私は大阪に行けるけど、忘れられないうちに東京公演にきてほしいな!

憫笑姫 -Binshouki-

憫笑姫 -Binshouki-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/08/25 (金) ~ 2017/08/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

「五彩の神楽」で一番心躍った作品。西分綾香と久代梨奈の姉妹ダンス!2人とも殺陣もよくがんばったね…女隊の変化!末満健一王との対決!隊長の頭ペシッとポンポン…ヒロインと一緒に、胸たたいて人生に立ち向かう気持ちになれた…
#壱劇屋

心踏音 -Shintouon-

心踏音 -Shintouon-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/10/27 (金) ~ 2017/10/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

「五彩の神楽」で一番心ゆさぶられた作品…終演後もしばらく座席で泣きじゃくった。吉田青弘の殺陣の動き!今中美里のタップ!立ってるだけカッコイイ坂口修一!(同じノンバーバルでも、一週間後のW3でのおひとよしの笑顔とは別人…2月の再演、手塚治虫ファンならずともおススメです)
#壱劇屋

荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】

荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/12/22 (金) ~ 2017/12/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

「五彩の神楽」で一番心打たれた作品。
※集大成だから、これから映像で観るなら、前4作の後がオススメ~
田中亨と畠山薫のひたむきさ!安達綾子の瞳!靄姉妹の怪しさ!モブの殺陣も芝居も格段の進化!
5ヵ月連続の作・演出の竹村晋太郎は、前4作は脇役だったが、今回は主役として本当にしんどい役をやりとげた。
サプライズからの展開は、思い出すだけで涙がこみ上げる。
エンディングは最高!
本当にいいものを観せてもらった…ありがとう!
#壱劇屋

ネタバレBOX

闇に飲み込まれそうになりながら歩く、竹村の辛そうな顔がたまらなかった…闇落ちして虐殺する姿も…
そんな彼を助けようと命を投げ出す、前4作の主人公たちの素敵だったこと!勝手な人も約1名いたけど…
そしてあの時、劇場の客はみな、彼の隣に立っていたのではないだろうか?
ラストの笑顔は、左右の若いイケメン・イケジョに匹敵するほど尊かったぞ!自称ゴリラはもうネタだよね~
5作を通じて、人生の理不尽にぶちあたっても、人を信じることをあきらめない彼の強さと優しさを受け取った。
千秋楽で発表された6~7月東名阪「独鬼」再演で、主演の竹村がどれほど深化した鬼をみせてくれるか、とても期待している。
賊義賊 -Zokugizoku-

賊義賊 -Zokugizoku-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/09/22 (金) ~ 2017/09/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

「五彩の神楽」で一番笑った作品。中村るみと新谷佳士のコンビは最高!永沼伊久也と竹村晋太郎の師弟も!KATSUのブレイクダンス殺陣には、目を奪われる!岡村圭輔と藤島望のカップルの行く末が気になった…

戰御史 -Ikusaonsi-

戰御史 -Ikusaonsi-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2017/11/24 (金) ~ 2017/11/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

「五彩の神楽」で一番燃えた作品。大熊隆太郎のパントマイム!赤星マサノリの速さ!伊藤駿九郎の表情!ゲストもモブも武器も舞台装置も入り混じっての戦闘シーンは、スローモーションまで大迫力だった!
しかし赤星マサノリは色んな意味で人外…
10年後、今回のモブが殺陣芝居をするとしたら、ゲストの壱劇屋と一緒に彼もぴょんぴょんしてそう!
#壱劇屋

隣の芝生も。

隣の芝生も。

MONO

座・高円寺1(東京都)

2018/03/15 (木) ~ 2018/03/21 (水)公演終了

満足度★★★★★

定評のある京都の劇団と聞いて、初観劇しました。よく練れた脚本で、人物像が全員しっかりしているので、安心して観れました。ラストの謎の残し方もよかったです。観劇三昧で配信している、他の作品も観てみようと思いました。

『財団法人親父倶楽部』~死んだと思って生きてみる~

『財団法人親父倶楽部』~死んだと思って生きてみる~

工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10

小劇場B1(東京都)

2018/03/20 (火) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

手練親父4人に思いっきり笑かされました~若手2人の七変化も見所です。藤本陽子の声が特に好きです。1月に観た源八橋西詰再演は、大王が20代の脚本で、もっとダーク寄りでした。今回の新作は、テーマ重いのに楽しかった~こんなメンバーの、こんなに面白いお芝居が、こんなに小さな劇場で観れるなんて、とってもぜいたくです。25日(日)までなので、ぜひ見に行って下さい!

Story Seller  ストーリー・セラー

Story Seller ストーリー・セラー

スクランブルMAC

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2018/04/12 (木) ~ 2018/04/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

原作を大切にした舞台でした!
あの会話のやり取りを、生で聞けてうれしかったです!
そして両親や編集者の演技が、ファンタジーみたいな設定の物語に、リアリティーを与えてました。
土日勤務でダブルキャストの回が観れないのが、とても残念…いつか再演してほしいです。
ちなみに原作も、とってもオススメです~

ネタバレBOX

「仕事は辞められても、書くことは止められない」と切り出す前の、妻の表情がたまらなくて泣けました。
ラストの妻と夫の「すき」のリフレインは、原作を目で読んだ時より、耳で聴いた方が心にしみました。押さえた感じの自分のイメージも捨てがたいけど、原作のイメージが広がってよかったです。
そして全編通して、語り手の言葉が物語世界を支えているのを感じました。
さようなら

さようなら

オパンポン創造社

王子小劇場(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

DVDで観てあの結末を知っていたからこそ、始めからクモの糸のように張りめぐらされた伏線がたどれた。
小道具はイスだけなのに、どこかにいそうな普通の人々が、あまりにもリアルに存在していた。日常のくり返しがだれない演出も、見事だった。
脚本と演出と一人一人の演技、甲乙つけがたい。生で観れてよかったと思う。

ネタバレBOX

あまりにさりげなくて、DVDでは気付かなかった、末田がコンタクトにしていたシーン!末田の物問いたげな顔がたまらなかった。
二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

この「二ツ巴」は諸般の都合でDVD化されなかったが、もう一度観たいし、ぜひ多くの人に見てもらいたい作品である。「猩獣」以外の壱劇屋の殺陣芝居7作を生で観てきた上で、心から再演を願っている。なのでCoRich舞台芸術まつり!グランプリの審査を意識して、コメントしようと思う。

「脚本」
台詞はなくとも物語が伝わるからWordless×殺陣芝居はパフォーマンスではなく、演劇である。
作・演の竹村は、人の弱さや醜さからも目を背けず、それでも人を信じて物語を紡ぐ。殺陣をみせるのだけが目的ではない。
台詞がない分、想像の余地が広がり、観客の数だけ物語が生まれる。販売されている脚本を読んでもう一度観たとしても、受け取り方はひとりひとり微妙に違う。
観劇後に私の印象に一番強く残ったのは、ラストのそれでも生活を続けていくヒロインたちの笑顔と、それを見守る父の慈愛の表情だった。

また、この新しい切り口の演劇は、言葉の壁が無いので世界に発信しやすい。2年後の東京オリンピックの時期に再演して、海外の人の注目を集め、2013グランプリの「木ノ下歌舞伎」のようにパリ公演とかできたら、と夢見てしまう。

「演出」
迫力のある殺陣がもちろん、Wordless×殺陣芝居の最大の魅力だ。ダンスの様なきれいな殺陣ではなく、登場人物ごとに必然性のある動きや殺陣筋が感じられる。アイドルのヒロイン2名ともよくがんばっていたが、特に殺陣芝居2回目の久代梨奈の、初めて剣を手にした時の剣に操られるような動きには、目を奪われた。

人力CGや4Dと呼ばれた「水、川」や「矢」の表現は、生の演劇ならではの演出である。
今までも布を効果的に使った演出があったが、プロジェクションマッピングではなくビニールと照明で、こんな幻想的な「水、川」が表現できるとは、驚いた。「矢」が曲がりくねって飛ぶ場面も、エンターテインメントではあるが、生の演劇でしかできない表現である。
この人力CG・4Dは、ヒロイン2名と水神以外の全員が取り組んだ成果である。

「出演者」
演技賞に悪役の久沓をオススメする!
パントマイマーでもある主宰の大熊隆太郎の持ち味を、余すところなく生かした役どころで、操っている時の顔と手は怖いほどだった。

そしてアクションモブの成長にもふれておきたい。昨年8~12月の「五彩の神楽」を観てきたから、その切られっぷりとハケ方の上達がよく分かる。帽子や剣や農具といった最小限の小道具で、くるりと回って表情から動作まで兵士から農民に早変わりする。ビニールや矢で人力CGもやってのける。本当はこの影の立役者たちにも、演技賞をあげたいくらいだ。

「その他のおすすめポイント」
SNSを多用したPR体制、ファンを巻き込むイベントの数々を始め、小道具や衣装(二ツ巴は壱劇屋の安達ではなく植田昇明だが)や音響照明も、しっかりした路線を持っている。

今後も地方、関西から演劇を発信し続けようとしているところも、応援したくなる点である。

他ジャンルの客演を通じて演劇ファンの拡大を図ったり、ワークショップやアクションモブなどで若手の育成をしているところも好感がもてる。

6~7月 Wordless×殺陣芝居での初の三都市公演「独鬼(ひとりおに)」では、なんと枚数限定ながら高校生以下無料の試みに踏み切っている。これも話題性を求めているだけではなく、演劇ファンの裾野を広げるチャレンジでもある。

このコメントが審査員の目に留まって、何らかの参考になれば、幸いである。
そしてひとりでも多くの人が、こんなに力説するファンがいるなら壱劇屋を観てみようかな~と思ってくれたら、とてもうれしい。

宮川サキのキャラクター大図鑑2018

宮川サキのキャラクター大図鑑2018

宮川サキ

下北沢 Reading Cafe ピカイチ(東京都)

2018/06/09 (土) ~ 2018/06/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

夜の回を観ました。20分の3本立てなのに、若い男もおばさんも老女も存在感ありすぎて、前に観た記憶がしっかり残っていて、微妙な変化が分かるくらいだった。つい笑っちゃうのは、バカにしているのではなくて、いとおしいからなんだよね…初めてのキャラクターに会うのもいいけど、今回みたいに知っているキャラクターに再会するのもいいなぁと思う。連れていった友人たちも、「面白かった~10月も観たい」と言ってくれた。
明日の10日、13時はたっぷり、19時も少し、お席があるようです。お天気は雨ですが、お時間ある方は、ぜひ足をのばして下さい!でも、合間の応援寄席はなぜか満員御礼なので、あしからず…

【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

壱劇屋

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/07/12 (木) ~ 2018/07/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

劇団壱劇屋Wordless×殺陣芝居の初めての東京公演、「独鬼」を観てきました!CoRich舞台芸術まつり!2018演技賞の竹村晋太朗の作・演出・主演です。

1年半前の大阪初演より、演出がいろいろ整理されていて、ストーリーがより伝わってきました。初演と同じ役の人、初出演の人、モブから役付きになった人、役付きからモブになった人、モブ続行の人、それぞれの演技が重なり合って、とてもいいハーモニーを感じました。初演に引き続き鬼の笑顔には泣かされましたが、今回はさらに、各年代の女と男のいろんな表情が印象に残りました。特に客演の劇団☆新感線の村木よし子さんの笑顔は、心にしみました。

今回誘った友人たちも「台詞ないのに分かるし、気が付いたら涙が出ていた…」と言ってくれました。そして友人たちは、主役以上に、モブの運動量や一体感のある動きに驚いていました。アフタートークで村木よし子さんも「みんな本当に一生懸命で~尊い!」石原正一さんも「初演のころ出来なかった側転が、うまくなっていた子がいた…」などと、ほめてました。

末満健一さんのアフタートーク出演の効果もあり、おかげさまで初日は満席でした。平日の昼回もそれなりの観客が動員できたようです。もし、私の「観たい」クチコミも参考にして、予約された方がいらしたら、ありがとうございます。
でも再演を観て、やはり心ゆさぶられて、この「独鬼」をもっと多くの人に観てもらいたいという想いが、さらに強くなりました。迫力と感動の殺陣芝居が、大阪の半分の小さな劇場で、観劇というより体感できるチャンスです!どうかどうか、17日までに池袋に来れる方が1人でも多く、「独鬼」を観に来てくださいますように!

今回は予定が合わないくて残念…という方がいらしたら、来年7月にまたWord1ess×殺陣芝居の東京公演があるそうです。どうか劇団壱劇屋の名前を覚えておいてくださいね!

ネタバレBOX

友人たちも、「赤ちゃんが育つシーン」を羽織で表現する演出が面白かったようで「歩いてる、こけた、抱き上げたのが見るようだった」とのこと。アフタートークで竹村さんは「子役がいれば6世代で描きたかった」と言ってましたが、生の演劇としては、あれは秀逸な演出だと思うのですが…

各世代の女と男のシーンをより丁寧に描いたことで、ラストの「各世代の男が登場して4人で鬼に切りかかり、鬼が負けそうになったところで、各世代の女が登場してそれを助ける」シーンで、さらに胸がしめつけられました。

どちらも生の演劇ならではの演出だと思います!ぜひ観てほしいと思います!
マナナン・マクリルの羅針盤 2018

マナナン・マクリルの羅針盤 2018

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2018/08/11 (土) ~ 2018/08/16 (木)公演終了

満足度★★★★★

「マナナン・マクリルの羅針盤」は、素晴らしいエネルギーにあふれた一人芝居でした。大海原や闘う男たちが目に見えるようでした。これを1日3ステージは大変だと思います。

「謝意」「書簡」といった、耳で聞き取りにくい言葉をあえて使っていて、日本語字幕が役に立ちました。すぐ読み取れる量にするため、省略もあるようでしたが。

9月の次回作には予定があって行けませんが、機会があったらまた観たいと思いました。

ネタバレBOX

もぐもぐタイムは世界観に合わせて、ペットボトルをラム酒のびんに、おにぎりをパンに、バナナをリンゴにするのはどうでしょう?ラム酒はキャプテン・モルガンを希望します。
猫と針

猫と針

i-LIMIT

アトリエファンファーレ東新宿(東京都)

2018/09/04 (火) ~ 2018/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

恩田陸らしい密室心理サスペンスを、小バコで堪能しました。

ほんの少しの目線の上げ下げや、抑揚の変化、返答の間合いが、素直な反応なのかミスリードなのか、深読みをしてしまう…話をしている人だけではなく、聞いている人達が見せる表情が気になって、あちこち目を走らせてしまいました。
時折、間のよい台詞で笑えたので、疲れすぎずに心地よい緊張感が保たれました。

初演は見逃しましたが、初演出演の石原さんが同世代役者を集め、初演出演の久保田浩さんが演出した、今回の「猫と針」を観れて満足です。今やりたい芝居を、今やりたいメンバーでやるという企画、i-LIMITの静かな熱量が伝わりました。

そうそう、11年前に読んでうろ覚えの戯曲を、あえて読み返さずに観たのですが、再読が楽しみです。

椅子はパイプ椅子ですが、贅沢な大人向けのお芝居です。7日(金)の昼回までは、チケットがあるようなので、お時間のある方はぜひ❗️

ネタバレBOX

恩田陸ワールドなので、一応の解決はあっても、大団円のラストではありません。そこが初観劇者にはオススメしにくい点です…

役者さん達は、含みのある多面的な演技で、恩田陸らしい不穏な空気を醸し出してくれて、うれしかったです。
トップガールズ

トップガールズ

道頓堀セレブ

コフレリオ 新宿シアター(東京都)

2018/09/28 (金) ~ 2018/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

2016「楽屋」フェスティバルのために結成された、関西小劇団ユニット「道頓堀セレブ」がパワーアップして帰ってきた~

古今東西入り交じったガールズトークが炸裂する第1幕は、リアルを追及するため、あえて台詞がかぶさるように書かれた戯曲だと理解できたけど、初めは耳が足りない…と思った。次第に意識を集中した人の台詞が聞こえる事がわかったけど、全部聞き取りたくて迷った…
ちなみに、台詞を奪われた人の表情や動作も面白くて、目も足りなくなった。

主人公マーリーンの現実世界の第2幕は、働く女性が今よりずっと自由に生き辛かった時代を、コメディとシリアスを織り交ぜながら描いていた。現代にも通じる女性たちの叫びは、第1幕にもつながっていき、特に働く女性にオススメしたいなと思った。

女優たちの競演の熱量が半端なくて、すごいもん観たな~と感動した。みな膨大な台詞を滑舌よく語り、何気ない表情や動作で心情を描いていた。緩急はあれど緊張感が保たれているので、場のハーモニーが心地よかった。1人2役以上もいたけど、本当に別人みたいだった。ぜひ池袋演劇祭の大賞を取って、来年も「道頓堀セレブ」として公演をしてほしい!

衣装も素敵だから、物販は写真が豊富なパンフレットがお値打ちかも?ユニット4名の対談や年表は、知ってる訳者の知られざる過去がこと細かく載っていて、実に興味深かった。

このお芝居は映像化しないので、30日(日)13時がラストチャンス!お席はまだあるそうなので、迷っている方は、ぜひ新宿歌舞伎町へどうぞ!

ネタバレBOX

ともかく主人公マーリーンの存在感がすごかった。第1幕は彼女の妄想のようだが、ゲストのもてなしから、ウェイトレスのあしらいまで、見惚れた。

饗宴のゲスト一人一人の個性あふれる人生は、どれも聞き応えあったが、中でも法王の数奇な人生の語りは、ラテン語も含め圧巻だった。酔っ払った末の法王と二条のドタバタの中で、無言で給仕を続けていたウェイトレスが、残ったワインをあおる姿が印象的だった。

1幕のイザベラは、話はもちろんワインやステーキの咀嚼まで勢いがあって、いかにも女冒険家だった。2幕の姉役は別人で、マーリーンとの言い合いは、お互いの目まぐるしい感情の変化を、恐ろしく自然に演じていて、引き込まれた。春と秋に下北沢へ来る「宮川サキキャラクター大図鑑」は、練りに練った1人芝居で大好きなのだが、相手とせめぎ会う面白さもいいなと思う。

同じく、アンジーとキットの子ども同士の繊細なやり取りも、心に残った。

主人公の同僚2人が、要所々々で肩をすくめる姿が、とてもツボにはまった。

日替りゲストのキッド夫人は、日替りとは思えないほど座組みにはまっていた。個人的には、嫌いになれないタイプだった。劇団☆新感線の右近健一さんを始め、他のゲストも観てみたかったな…

終演後、ついスパークリングワインを頼んで、心の中でマーリーンの昇進と「道頓堀セレブ」に乾杯した。何年先になってもよいので、第3回公演も観たい!
逢いにいくの、雨だけど

逢いにいくの、雨だけど

iaku

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2018/11/29 (木) ~ 2018/12/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

iakuが好きなら、三鷹まで観に行く価値のある新作です。横山拓也脚本を観るのは4本目くらいですが、この角度からの光のあてかたは初めてで、胸がすくような気持ちになりました。
役者の演技も各々素敵で、調和のとれたハーモニーが響き合っているような、初演とは思えない完成度でした。
iakuは人間の割り切れない部分を、自然な会話と空気感で表現しているユニットだなあと感じていました。今回も、頭では「仕方ないこと」と理解できても、心が「受け入れられない」と拒否反応を起こす事態が、各人の表層と深層でズレを生じさせているように感じました。それが決定的な失言につながっても、誰も悪くないのにと、せつなくなりました。
三鷹での東京公演は12月8日まで、大阪公演は12月21日と22日、オススメです!

ネタバレBOX

元スポーツマンの類型的な行動に、現代のネット叩きの正義感を見たような気がしました。本来は、「加害者」を責めることができるのは「被害者」のはずなのに、当事者の意向を無視して怒りをぶつける…そして正義感故の親としての発言が、他者を傷つけていることを、指摘されるまで気付かない…人間は、自分の置かれている立場以外には、そのくらい鈍感なものかもしれません。
そして、27年の時を経て、幼なじみが再会する場面で、2人が視線を交わした瞬間に、空気がピンと張りつめるのが分かりました。2人が抱えてきたもの、のりこえてきた思いを感じて、泣けてきました。
マリーゴールド

マリーゴールド

ワタナベエンターテインメント

サンシャイン劇場(東京都)

2018/08/25 (土) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはり、打ちのめされました。
結末が分かっているから、グランギニョルほどの驚きはないけれども、そこに至る道筋をかみしめました。
物語、歌、演技、衣装、照明、ダンス、モブの群衆の動きまで…座組みの熱量と一体感が素晴らしい。こんな大きな劇場で、これほど圧倒的な舞台を観れるのは、本当にうれしいと感じました。

iaku演劇作品集

iaku演劇作品集

iaku

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/05/16 (水) ~ 2018/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

「梨の礫の梨」の主人公は、私にとって思い出すだけで泣けてくるベストスリーに入る劇中人物です。生きていってほしい…そう願っています。

ごんべい/ごんべい2

ごんべい/ごんべい2

ゲキバカ

吉祥寺シアター(東京都)

2019/01/12 (土) ~ 2019/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

「ごんべい」は日程が合わなかったので、観劇三昧の動画で観てから、「ごんべい2」に行きました。
全員から「芝居が楽しい!」という熱量が伝わってくる作品でした。(人数が多いからではない)
「民衆の歌」もどきは、ツボに入りました~
そして主役の菊池祐太が、10年前とほぼ変わらない姿で、ずっと存在感を増した演技を見せてくれたのが、とてもうれしかったです。

ネタバレBOX

たくさんの物語がからみあっているから、仕方ないけど…
黒猫の物語が気に入ったので、その心の葛藤を、もう少しじっくり味わいたかった。百万回生きていて忘れていたけど、今の恋人が昔の友だちを殺したと分り、でも恋人は記憶を失っていて、殺人の自覚が無い…憎みきれなくて、途方にくれると思う。
まあ黒猫は死神だから、現世の幸せに未練が無かったのかもしれないけど、私の好みとしては「逃げて2人でひっそり暮らす」ことに色々思いを巡らせてから、その上であの結末を選んで欲しかったな…

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