Dの観てきた!クチコミ一覧

161-180件 / 630件中
さめるお湯

さめるお湯

あひるなんちゃら

OFF OFFシアター(東京都)

2011/02/09 (水) ~ 2011/02/14 (月)公演終了

結局冷めなかった。
同じく劇中の温度も。あひるの空気感は普段からゆるーくぬるーいものの、今回はそれよりちょっとだけ熱かったかも。せいぜい1℃くらいだけど。前回が再演での今回新作だから気合入ってたのかな?とか思うけど、聞いたら『いや別に』って返されそうだ。そういう人達だ。
ツッコミ役になる事の多い異義田さんがボケ側に。っていうかいつもに増してボケが多かった気がする。ボケっぱなし。あとやさしい発明家だったのかどうかよく分からなかったけど、そのへんはどうでも良かった。
未見の方にどんな団体なのか伝わる様に補足すると、当日パンフレットに『携帯電話?PHS等の音の出る機器の電源は切っていただかなくてもかまいませんが、本番中に音が鳴った場合、役者が効果音と間違って、上演時間・内容等が変わってしまう場合がございます』とか書いてあります。そういうなんちゃら具合。
いつもいい仕事してるテーマ曲。今回のは個人的にかなり好きだった。

ネタバレBOX

あの焼きそば、ちゃんとソース絡んでるかなーとか気になった。スープも作るあれは北海道の文化ですよね。なんだっけ、おべんとセットみたいな名前の商品があったはず。名前がはっきり思い出せない。ランチパックがパンだというのはギリギリ思い出せる。
佐野さんのクレジットが舞台監督じゃなかった。
俺のお尻から優しい音楽

俺のお尻から優しい音楽

五反田団

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2011/02/04 (金) ~ 2011/02/13 (日)公演終了

日本国民みんな観れば良かったのに。
何度吹き出した事か。爆笑はしないのだけど、構って欲しい子どもがいちいち突っついてくる様なウざさ。ふざけやがって。本気でふざけてくれやがって。お前ら最高だ。
凄いなと思ったのが、脚本の作り自体はしっかりと王道の戯曲だった事。運命やら生死やら、ご都合主義を振り切る勢いの展開。小ネタをいくつか省いて英国人に演じさせたらシェイクスピアっぽくなるんじゃないか。なのに改めてあらすじを読んでみると「壊れそうなほど美しい少年大山」の時点で思い出し笑いをしてしまう。くそ。
個人的に大好きな木引優子さんと吉田亮さんを久々に見られて、しかもこんな演目で見てしまった。この気持ちどうしてくれる。ありがとう。

ネタバレBOX

カジヒデキとシラク大統領の名を短時間の内にあれだけ耳にするのは金輪際ないと思う。面白いからってわざわざ連呼させてくれやがって。面白かった。
いつもいつも行く度に空間の広さや高さに畏怖さえ覚えた星のホールが、学校のしょぼい体育館に見えたのは初めて。しかも舞台美術に「三鷹市芸術センター」って書いてあるのが丸見え。いや、丸見せ。絶対わざとだもん。気付かない人もいただろうに、むしろ気付いてない人のほうが多かったかもしれない。自分が気付いてしまった事に若干イラっとしました。完全にしてやられた。
ONBUって。
投げられやすい石

投げられやすい石

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/01/19 (水) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

ちょっとした恐怖。
久々に観られて良かった。やっぱり面白かった。
で、ちょっと迷っています。ハイバイが何で面白いのか観てない人になんて言えば伝わるのか上手い言葉が見付かりません。変なモンスターと出会ってしまった様な感覚。ただ強いだけなら「強いんだよ」と言えば済むものの、何がどう強いのかパラメーターが良く分かんない。理解を超えてちょっと怖くさえあります。
他者とのどうしようもない意識・感覚のズレ。謂れのない当て付けや気に掛けているはずなのに共通意識でなかった時の絶望。胸の内に苦いものを得ました。劇場を出て現実に戻った時の開放感たるや。

ネタバレBOX

安心したのはニットが落ち着かないあの場面が今でもやっぱり面白かった事。
あと、終演後に石が足元にあったので持って帰ろうかと思ったけど使い道がなかったので持って帰りませんでした。
【公演終了】B203【ご来場有難う御座いました】

【公演終了】B203【ご来場有難う御座いました】

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/17 (月)公演終了

死ぬなよ!殺すなよ!
出演者にも客席にも死人が出てもおかしくなかった。マジで。やってる内容はエッジが効き過ぎてます。でも、勧めたい。ただのバカだと思う人もいるかもしれない。いや、だとしてもこれだけ本気のバカを観た事があるか?
脚本クレジットが数人いるからオムニバスかと思ってたら…。しかもパンフレットではチラシから更に記載名が増えてた。みんなで話し合って作ったのか、リレー方式で書いたのか。後者かな? 後者な気がする。でもそういうは別にどうでもいい。もうなんか、構成とか流れとかじゃなかった。全箇所本気!の二時間強。濃すぎた。最近の暴れ団体っていうとバナナ学園にお株が根付きつつあるけれど、いやいやエンクラだって相当暴れてるぞと。やってやがるんですよB203で。

ネタバレBOX

マンドラゴラ、眼鏡、ババア。印象が強すぎて、ただの羅列でもこんなに面白おかしく思い返せる。いつも変化球なのか剛速球どストライクなのかよく分かんないんだけどとにかく印象に残る須賀さん。萩野さんの眼鏡が役に合わせてごついのになってたのがツボ。河合さんの役名、ババアって…。ずっと俯いてて顔が見えないけど損してない。初見なのか見逃してたのか、気になる役者もたくさん発見。また観に行かなきゃ。あと結局キューちゃんは誰!?
きっと大学だけで演劇を辞める人もいるでしょう。続ける人とはいつかまた何処かで会いたいと思うし、辞める人とは会える機会がほぼなくなる。それでも貴方が舞台上にいた姿はいつまでも覚えていたいです。
『Prism』

『Prism』

*rism

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

なるほど。自分はこういうのがかなり好きらしい。
まずはそれに気付かせてくれてありがとうです。
記念にやってみた、のレベルではない完成度。写真家として養われた「何処をどう見せれば可愛く見せられるのか」の目利きが演出家としても発動。可愛さの中の狂気も鈍く光っていたし、狂気の中の一途な可愛さも。
一つくらい面白くない脚本があるかもと思っていたのにみんな面白い。誰にも明かさずひっそり順位を付けようと思ったけど結局は同1位になった。それぞれの演目の繋ぎも上手く出来ていて、作品ごとは絶対的に各作家(しかもみんな銃刀法違反になりそうな武器を持ち込んでくるタイプ)の色が出ているのに観ていて流れが途中で途切れたりしなかった。
アンケートに次回公演ではどんな事をやって欲しいかという項目があって、個人的には方向性を変えずこのままやって欲しいですね。何回かやったらその中の何作かで再演ベスト版を劇場公演するとか。

ネタバレBOX

「可愛くてごめんなさい」はズルイ。こっちこそごめんなさいだ。
いつか床が見える伝説

いつか床が見える伝説

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田大学学生会館(東京都)

2010/10/15 (金) ~ 2010/10/17 (日)公演終了

ゆかでん。
度々エンクラで役者として目にしていた萩野さん。不思議な存在感な彼女がどんな作品を生み出すかと思いきや、とんでもないもん持ってきた。
最近のエンクラ作品は良い意味で共通した雑さと強さと熱を持っています。どうやって作ってるんだろう? エチュードから作る技法が確立されているのか、それとも集まってる人々がそもそも雑さと強さと熱を持っているのか。早稲田大学の施設の地下でこんなもんやってるなんてパブリックイメージは皆無だろ。みんな飛び込んで来いよ、って言いたくなる。
物語を端折ると、ゴミ山が山になる話。大幅に端折っています。

ネタバレBOX

大根って。
くちびるぱんつ

くちびるぱんつ

ぬいぐるみハンター

王子小劇場(東京都)

2011/01/27 (木) ~ 2011/01/31 (月)公演終了

すげーイージー。
難しい事は考えなくていいし集中力も使わずぼーっと観るのに最適。スポーツで例えるなら卓球だったかな。温泉に行った時にうっかりやっちゃう卓球。そういうテンション。娯楽。飲食店で例えると言うと、新メニューが出たばかりのファミレス。

ネタバレBOX

どうでもいいけど、猪股さんは台詞の半分がゴンタコスだったんじゃ…?
先に観た知人から物語がないって聞いてた。確かにそうなんです。観てて楽しいけど序盤からしばらくは「これがこうならないとこうだ」という最重要な本筋はないまま、色んな人達がきゃっきゃしてる状態。アトラクション好きに受けの良い演目な印象があった。でも2時間の演目だったらまず沈没してる。そういう意味で今回はベストな上演時間だったのでは。個人的には気楽に観られたし若くてポップで好き。だからこそ年長者の感想が知りたい。いっつも劇場で見かける観劇おじさんじゃなくて、彼らの親世代とかもっと上の方はどういう印象を得るんだろう。
それとはまた別の目線なんだけど、これだけ若さ溢れる座組みのこの演目をシニアの座組みでやったらどうなるのかも観てみたい。おじいちゃんおばあちゃんが「パンツパンツパンツ!」とかやってたらオレ絶対爆笑するわ。
王子小劇場新年会のダイジェストは実はきっちり首尾の抜粋だったのね。
雨と猫といくつかの嘘.

雨と猫といくつかの嘘.

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了

再演も輪廻。
感覚と記憶に訴えられながらの70分。の割には体感時間が長かった。間延びしてる訳ではなく、人生を巡る長い時間を見せてくれたので壮大さに中てられたのかも。ぎっしり。
人の生死は家族という枠組みの中で見れば始まりでも終わりでもなく長い長い繋がりの一部。血の繋がり。でも家族の始まりは血の繋がらない二人が一緒になる事。子孫繁栄の為であり、それだけではない集合体。
「演劇=嘘」という意味ではかなり大胆な嘘も手法も使いつつ。物語的に、物凄い真面目に本気でままごとをやったらこうなる気も。そう思うと大胆な様で実は原点。料理で言えばおにぎりか素うどん。有り触れたメニューと侮るなかれ、旨いやつは旨い。

ネタバレBOX

風太郎の背中を叩く遠藤の力が強かったのはそういう伏線もあったのか。
改めてラストシーンを思い返したら、違う捉え方が見付かりました。最初は単に穏やかな印象を得たので、風太郎が過去を回想した事によって家族との繋がりを思ってこの先ほんの少しだけ前向きになって過ごして行くのかと思った。でも誕生日からずっと彼にとって意味のある日に降っていた雨が止んだという事はいよいよもっての終わりかもしれなくて、そうなると実は死期の訪れだったのか?とも。そうなると孤独死の話。猫は死に際を見せないっていう本線もあった訳で、そうなるとあれは風太郎の…。一気に寂しくなる。
カップラーメンを食べる姿、切なかったなぁ。
準決勝

準決勝

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2011/09/02 (金) ~ 2011/09/06 (火)公演終了

何回目だろう。
あひるなんちゃらを観るのは何回目だろう。もしくは何匹目と数えるのか? いや、数え方とかホントどうでもいいや。あひるにはいつも感想らしい感想を持たない。いい意味で、初めから感想を持つ気がないままに席に着く。観劇というよりは近所の寄席にでも行く感覚なんだろうか。ウチの近所で寄席なんかやってないし、そもそも行った事ないけど。
いい大人がみんなふざけてて、すごくいい。日本がみんなこうなったらすごく平和だ。争いそうになったらじゃんけんで解決すればいい。きっと国力は滅茶苦茶下がるけど、平和だ。

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線異状ナシ(再演)/国道五十八号戦線異状アリ(友寄総市浪短編集)

国道五十八号戦線

サンモールスタジオ(東京都)

2010/12/08 (水) ~ 2010/12/13 (月)公演終了

以上、異常アリ。
これが58に対して最後の感想か。自分にとっても節目な気持ち。
自分が初めて彼らを見たのは明大活劇工房の新人公演だった訳で、その頃にハマカワさんが一人芝居をやっていたらさて観る気になっていたかどうか。しばらくの時間が過ぎて今。まぁ大丈夫だろ面白いだろと心から安心して観るに至りました。
不親切の二人が出ていなかったのは本当に残念。劇団員公演とか観てみたくはあったよね、やっぱ。
作家の帰還までどうにか繋ぎで活動していく姿なんか観たくなかったし、スパッと終わっちまえばいい。そしていつかまた始まる時があれば始めればいい。カッコいいバンドは絶頂で解散してカッコいいまま伝説になる。で、性懲りもなく再結成したりする。58にはそれがお似合い。しばらくは、さよなら。

ネタバレBOX

「さっき終わったはずの世界」
上演前にパンフレットでキャスティングが変わっている事に気付いて、小道具の写真立てに気付いてからはもうダメだった。笑うしかねーだろ。

「テンパッてる奴」
東谷さんがツッコミする姿とかカカフカカで観てた気がするんだけど、意外とそうでもなかった。これはもう爆発力の勝負か。でも器用さも相当に必要。悪ふざけは中途半端じゃただホントふざけてるだけになる。ここまでやればしてやったり。

「三鷹の男」
伊神さんこそTHE器用な役者、だと思っているのですけど。実際はどうなんだろ。本番を観る限りはそうとしか思えなかった。

「三鷹の女」
ハマカワさんの演技のみ。立派な看板女優だった。最後に観たのがこれで良かった。
いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校

ロロ

新宿眼科画廊(東京都)

2010/10/17 (日) ~ 2010/10/24 (日)公演終了

素敵やん。
作風は好みじゃないんです。でも、素敵だなとは思えたのです。
上演時間自体が短かったからか、過去に見たロロの中で最もやりたい事がまとまっていて観やすかった。別に時間がどうこうじゃないのかな。「ボーイ・ミーツ・ガール」のショートバージョンは全然響いて来なかったし。確立されてきたんだろうか。
ロロの武器はピュアさにある。あと5年したら彼らはどうなっているんだろう。そして10年後は? 今やれる事は今の内にハイペースでやってるみたいだから、きっと何か違う武器に変わっていくのかもしれない。

ネタバレBOX

好きだった子がいたのに他の子に乗り換えるっていうのは「ロミオとジュリエット」であり、確かに小学校の頃なんて好きな子しょっちゅう変わってたもんです。
ラストエンド遊園地

ラストエンド遊園地

新劇団松葉ステッキ

アミュゼ柏(千葉県)

2010/12/09 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

過去最高作。
そしてこれが頭打ち。
脚本的には今迄で一番まとまっているものの、あくまでまとまっているだけ。多すぎる登場人物に作品と直結しない見せ場を与えてパズルの様に組み合わせているから、物語に一貫した流れはない。結局のところ、メインであるはずの遊園地の閉演が何故そうなったらいけないのか全く共感出来ない。閉演しない様に頑張れ!と誰を応援する気にもならなかった。それでも、脚本は今まででは一番マシ。
問題は役者と演出。旗揚げ以降、ここで上手くなった役者が見当たらない。松葉ステッキ入団以降に初めて演技を始めた役者は少しは延びている。それは0が1か2になった話であって今後まだ成長はありえるが、それ以前から演技をしていた言わば10くらいだったであろう人々がいまだに10のままとかせいぜい11の状態なのは大問題。役者として後輩の手本になる様な人物がいない。だからいつまでも看板役者も育たない。作品を作る為の演出家の不在も痛いが、何より役者を育てられる演出家の不在が絶望的。
次回は再演らしい。作品的な質の向上は期待出来ないし、観に行かない事に決めた。

ネタバレBOX

2012年末までに千葉県で一番有名な劇団になるつもりだそうです。三条会とかの存在は知らないで言っているのが、可哀想。
EMPTYMAN

EMPTYMAN

たすいち

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2011/01/08 (土) ~ 2011/01/10 (月)公演終了

ようやく観た。
予想してた作風とドンピシャで、逆にちょっとびっくり。
主人公をもっと煮詰めたほうが良かったと思う。物語を牽引しない主人公だと目が行きにくいし、でも共感しやすいキャラには出来たはず。自信がないと後ろ向きだよねって部分でもうちょっと上手く観る側の気持ちを近付けさせる事が可能だったのでは。
アフタートークで演出家から『不細工すぎる』というダメ出しを受けていたのが明らかになったあに子さん。役柄的にそれはグッジョブでしょう。
ここしばらくなんかいつも見てる池田さんが今回もやっぱり良くて、彼を次にいつ観られるかも楽しみ。

ネタバレBOX

単純に間がもっと詰まれば観やすくなるはず。台詞としてはちょっと現実離れしたものが多いからそこは勢いで各個が乗り切って、その狭間が生まれない様に間髪入れなければもっと集中して観られた。
あと、ダンスとまで行かない振り付きの動きの部分。動きが単純なリピートになっていただけに少しずつ乱れが。見せ場にはなっていなかった感。
12ヶ月の最後にこれを再演して1年でどう変わったかを見せるってのも良いと思うのだけど。
メゾン・ド・ウィリアム

メゾン・ド・ウィリアム

劇団バッコスの祭

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/01/09 (日) ~ 2011/01/17 (月)公演終了

変えて来た印象。
賞を取っての再々演など先が決まっていたからか、これまでとちょっと違った事をして来た感じ。まず現代劇が久々だったか。
普段に比べると脚本的にはちょっと無茶もしてる気がしました。一貫させたものを内包してしっかり一歩ずつ進んでいくのがいつもだとしたら、今回はピース同士を繋ぎ合わせているというか。それだけに語られている内容だけ見ると前後の繋がりが弱い部分もありながら、挿入された殺陣が見所になっていてきっちり埋まっていた。これ、強みだと思います。あと、丹羽さんの演技。感情丸出しの彼の演技は迫ってくるものがあり過ぎてどんな気持ちで観ていようと説得させられてしまう。
新劇団員も魅力的。丹羽さん・辻さんが中心になる事が多かったけれど、今後は配置を換えて別の試みも観てみたい。その二人があえて脇で違う事をやる姿も観てみたいですし。

ネタバレBOX

ちょっと強引な物語展開と過去の傷と占い師の登場辺りにシェイクスピアっぽさを感じ、「自首」という言葉に違和感を。事件が明るみになっていると出頭になるはずで、はてこれはマジミスなのかそれとも実はちょいちょい変な文脈が混じったりするシェイクスピアオマージュなのかいやいや森山さんは迂闊な事をしなさそうだしマジミスじゃねーだろとか思ってたら終演後に配布された解説で正に触れられてました。観てる時にうっかり騙されて気付かなかったら巧みだったけど、気付いて引っ掛かりになっちゃったのが惜しく感じたり。
ありがちだけど、公岡自らがかつていじめっ子だったというほうが傷にも話にも深みが増した様な気も。
舞台版『千年女優』(大阪凱旋公演は5/11)

舞台版『千年女優』(大阪凱旋公演は5/11)

TAKE IT EASY!

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2011/02/17 (木) ~ 2011/02/21 (月)公演終了

充分。
映画未見で、当時にアニメ誌をぺら見して「多分こんな感じ」くらいの事前知識で観た今回。いやー、楽しめました。アニメ・演劇の双方のファンから高評価なのも嬉しい。要素は結構似てると思うし。
長い時を経てひたすらな思いを貫き通した千代子の姿と、舞台上を舞い踊り駆け抜けた5人の女優の姿とが見事にシンクロ。精神的にも肉体的にもきっと女性のほうが強いのだなと感じました。そしてそうある姿を目にすると、強さや逞しさに感銘。
配役ルールを根付かせる為とは思いましたが、序盤は「これもっと面白いよな?なんでこんなに安全運転してるんだろ。勿体無い」と思ったり。少し客を置き去りにするくらいでも良かった気が。観ていれば引き込まれるだけの吸引力はあったのだし。個人的には中盤以降から楽しめました。

ネタバレBOX

序盤の進行の丁寧さについてはアキラさんのネタバレBOX内でのご指摘にに共感。
カラフル3ではこの演目と一緒に柿喰う客「恋人としては無理」もやっていた訳で。同時期にこの似た配役ルールの演目を一緒に観てみたかった気持ちが沸きます。
りんごりらっぱんつ

りんごりらっぱんつ

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2010/11/12 (金) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

過去いち。
個人的にはこれまで観た競泳作品で一番好きだった。トレンディドラマの頃から物語の紡ぎ方は上手いと思いつつ、自分としては演劇に恋愛要素をあまり求めてなかったから。その点で焦点が今回は家族や上京に当てられていたのが自分の身に置き換えやすくて。いや別に恋愛だと自分の身に置き換えられない訳じゃないって訳でもないんだけど。個人同士の関係性よりももっと大きなもの。枠自体が大きくて、気持ち自体も。今になって「女ともだち」とか「NOT BAD HOLIDAY」が観たくなった。
川上さんと今村くんの異物感。周りが強固な分、あえての足元の危うさのハラハラ感が良かった。完璧すぎる人間とは接するの距離を感じて、欠点があったほうが親近感が沸くじゃないですか。この演目を人間に例えたらその欠点部分があの二人。愛せる様になる為に大切な欠点。役者力よりは配役の妙。

ネタバレBOX

始めは姉妹の配役が逆なんじゃないかと思ったんだけど、生きてる人間は亡くなった人間の年齢を追い越していく切なさ。
オーナーの奥さんが桃子さんなんだと思って観ていたのですが、どうやら違かったらしくて。同じ事を思った方、いませんか?
おまけの一人芝居も。ザ・おまけ。完成度がどうとかでなく、競泳を観に行ったからこそ観られるっていう。細野さん・大川さんでもやって欲しい。
俺の屍を越えていけ【無事に終了しました】

俺の屍を越えていけ【無事に終了しました】

七里ガ浜オールスターズ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2010/11/01 (月) ~ 2010/11/07 (日)公演終了

あの本だぞ、さて。
台本がしっかりしているのは分かっていた事。で、今回はどうもそれをなぞっていただけな感じがしました。それなりには面白かったけど、どうもそれは台本を音読した以上のものになっていなくて。各役者もっと色々な事が出来るのに、それぞれの一部分だけ使っていた様な。惜しい、あまりにも。

ネタバレBOX

須貝さんはラストの感情に訴えてくる様な芝居をもっと早くから見せて欲しかったし、佐藤さんは押し込めるよりも解放的な役柄のほうが合ってる気がする。
個人的趣向ですけど、ナレーションの時の葛木さんの声が可愛かった。色気のある演技をする方とは思っていたものの、良く聴くと声は艶よりもそっちだったんだなと。
Bプランズ

Bプランズ

.comet <ドットコメット>

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/11/03 (水) ~ 2010/11/08 (月)公演終了

変なの。
主人公がすっとぼけた感じというのが異色。普通物語っていうのは主人公が何かを成し遂げるまでの試練や成長を追いかけるものじゃないですか。少なくとも自分はそういうもんだと思ってたんですけど。で、この主人公にそういう信念がない。それもそのはず。彼らはBチームなのだから。AチームになりたがっているBチームならまた別の信念があるんだけど、それもなかった。都会と地方くらいの温度差。

ネタバレBOX

こなれて来てるからなのかな。前に見た時と同じくらい動いてるだろうし熱量がこもってるはずなのに伝わってくるものが弱かった。こういう作風なら勝負はそこだろ。その勝負方法でやらかしてくれる団体が個人的に好きなのです。
殺陣がスローになるところとか、ベタだけどストロボ使えば良かったのでは?
金色の鳥

金色の鳥

立教大学演劇研究会

立教大学 池袋キャンパス・ウィリアムズホール(東京都)

2010/10/29 (金) ~ 2010/11/01 (月)公演終了

ウィリアムズホールの階段は登る時に緊張する。
久々に立ち入った立教大学。作・演出の担当が代わっても歴史物をやるとまず外れがないのが立教劇研。今回もそれに漏れず。平等院が鳳凰堂と呼ばれる様になった経緯についての話。
その世界で何が起きているかについては大風呂敷を広げつつ、劇中の肝は世界よりも人々に置いたのが大正解。色んな事を考えさせながらも主人公の「あいつはなんであろうとあいつだ!オレの友達だ!」みたいなストレートな訴えがちゃんと伝わってきた。
立教劇研がすげーなと思うのは、以前からずっと無料って事。対価を貰う気持ちは持たずひたすら「観てもらう」って部分にモチベーションを置いてる訳で。むしろ払いたくなります。

ネタバレBOX

「実は女装していた侍でした」って役を女性が演じてるんだけど、流石に無理があったよね。だって女性だもの。女装していたほうが本物なんだもの。漫画や小説でなら成立するけど、現実にやると難しいと思った。逆に主人公の男の子役を女性がやったのはちゃんと信じられた。演じるっていう時点でフィルターが一枚掛かってる訳で、女性を演じてる男性を女性が演じるっていうのはメタ構造過ぎて騙されてあげられなかった。
ゼガヒデモ

ゼガヒデモ

Guesspell Project

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/03/27 (水) ~ 2013/03/31 (日)公演終了

14:30。
後ほど。

このページのQRコードです。

拡大