らーらの観てきた!クチコミ一覧

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コネマラの骸骨

コネマラの骸骨

演劇集団円

ステージ円(東京都)

2009/10/09 (金) ~ 2009/10/21 (水)公演終了

満足度★★★★

作家と演出家の相性
作家の味わいを良い具合に引き出すって難しい。
しかもセンス良くってなるとソレは本当に大変だ。
当たり前だけど。
森さんという演出家は、その辺りの加減が巧いのだと思う。
過剰にならず抑えすぎていない気がする。
演出家の顔がチラついたり、ニオイが充満した舞台には辟易しているので、こうしたデリケートな程を識る人は素晴らしい。
こういう若手が増えて欲しいと切に願う。

転校生◆フェスティバル/トーキョー09春

転校生◆フェスティバル/トーキョー09春

フェスティバル/トーキョー実行委員会

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/03/26 (木) ~ 2009/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

命の箱船
種として生命のバトンを持っている女子の集合。
そこに異なるモノが入り込み見えてくる
輝きの期限と慈しむべきもの達の不確かなカタチ。

まとまりのない会話、烏合の衆のような様相の女子高生
自分にもその時代があったはずなのに
今では異星人かのように解らない存在になってしまってる?
そんな危うい時代の熱が懐かしく湧き上がりつつ始まり
異物にも柔軟に対応し取り込んでいく無垢な強さを感じ
ラストには彼女たちが愛おしくなってしまった自分がいた。

ネタバレBOX

オープニングとエンディングの時報といい
映像での演目タイトル見せ方、ラストの暗転
未来へのジャンプ・・・
飴屋さんの演出は大好きでした


ただ、他の方が書いてらっしゃるように
確かに会場の広さに出演者の声が負けていました。
もう少し言葉が聞き取れたら良かった
時々聞こえてくる言葉に笑ったり出来たので余計残念

もう一度って難しいかもしれませんが
もう一度もう少し小さいハコで見たいです。
ストーン夫人のローマの春

ストーン夫人のローマの春

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2009/02/28 (土) ~ 2009/03/22 (日)公演終了

満足度★★★

ヒリヒリするような・・・
テネシー・ウィリアムズでした、確かに。

春というよりも陽の傾きかけた夏の午後
石畳からの照り返しが眩しい陽炎立つような。
人が奥深くにしまい込んだ熱情が炙り出されるような戯曲。
またも麗しい人が奈落へと堕ちゆく話。

この作家は美しくあろうとする人を
引きずり下ろすのが好きなのか。



カンパニーを率いることの大変さと面白さ
どちらも感じて観たこれまでの3作品。
客席で舞台を見つめていた演出家の
大きな背中をポンと叩いてあげたくなった

ネタバレBOX

麻実れいあってこそ・・・
そんな舞台を幾つ観ただろう。

「サラ」、「黒蜥蜴」・・・・そしてこの舞台も。


カレン・ストーン
加護とでもいうのか、強く確かでゆるぎないパートナーからの愛情。
それに支えられ華やかな舞台に立ち続けてきた女優。
若さや美貌という羽根を纏って優雅にたゆとうように。

そんな彼女も時の残酷な神にその支えを、羽根をも奪われ
自分の行くべき方向を見失う。

善意や真心、愛情といった
それまでの心地良い真綿を剥ぎ取られ、
自らの道標を見つけられず
石畳の広場を、路地裏を、何かに追い立てられるように彷徨う
暮れゆく年頃、色あせ始めた女性の痛々しさが見事に現されていた。

圧倒的なゆるぎない愛情を求めて得られなかった彼女が
ラスト、ハンカチに包んでバルコニーから放り出したのは
哀しみ、渇いた怒り、踏みにじられたプライド。

悲劇への賽は投げられた・・・
彼女自身の手によって。


思えばなんて象徴的なチラシ
まるで目には見えない羽根をもがれたような彼女のうしろ姿

空の定義

空の定義

俳優座劇場

俳優座劇場(東京都)

2008/12/11 (木) ~ 2008/12/21 (日)公演終了

満足度★★★★

TVで再見
観劇後に感想を書き損ねていましたが
TV放映でつい先日再見

人の営み
ささやかな幸せとか
密やかな哀しさとか
求めても得られない
差し出しても受け入れられず
どうしても与うことが叶わない
そういう様々なものを包括して続く人生




何だかやっぱり作家の筆の確かさを再認識

軋み

軋み

ブラジル

新宿シアタートップス(東京都)

2008/12/10 (水) ~ 2008/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ココロの変遷
人って面倒だ

人が人と関わる時
結果、幸せだったりそうでもなかたり
いろいろなカタチでの触れあい
情を絡めた軋みを生み出していたりする
それは男女の生臭い業だったり
才能とか品格とかとの摩擦だったり

はずみだったのか、
起こって(起こして)しまったコトが口火となり
延焼していく人間関係
くすぶるように焼け付き焦げ広がる痛々しい傷口
その傷口から見えてくるココロの有り様
帰結するまでの変遷を会話で積み上げる


人って面倒で概ねアホだ
そして哀しい
そんなどうしょうもない生き物
だけど少し愛おしい
そう思わせてくれるのがこの作家の味


譲っていただいた席だったのですが最高でした

真っ正面の最前列、逃げ場無し(笑)

中川さん、反則でしょう(笑)
桑原さんはやはり女優として魅力的だと思う

あれから

あれから

キューブ

世田谷パブリックシアター(東京都)

2008/12/13 (土) ~ 2008/12/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

感慨
80年代のテクノ的なものやニューウェーブ的なモノ
同時代を生きてきたケラさんが彼風味でありながら
こんなにおもしろ可笑しくも誠実な機微を見せてくれて嬉しかった。


『これから』も観たいですね、ケラ作品。

スタンレーの魔女

スタンレーの魔女

サバダミカンダ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/12/11 (木) ~ 2008/12/23 (火)公演終了

満足度★★★

演劇的なモノ
原作の漫画が傑作なだけに
期待が大きくなりすぎてはダメと言い聞かせて観ました。


なるほど平面が立体化されるこうなるのか。


ネタバレBOX

ラストの主人公の演技、アレどうなんでしょうか。
ちょっとアレで泣けなくなりましたね、自分は。

あの主役の人、
確か同劇場で「絢爛とか~」でもそうでしたが
役に感情移入するのが過多というか
あまりに演技に熱入れ過ぎてコチラが冷めたってコトがありました。
しかも「絢爛とか~」は男女一度ずつ観てどちらも素晴らしくて
特に男子バージョンが良かったと思い
再度観に行った二回目でソレでした。
一度で止めておけば良かったかもと思った記憶があります。


はい。
素人の勝手な言いぐさです。

でも素人に伝えるコトってソレくらい匙加減が難しいです。
哀しいことがあって泣きたくても
近くにいた人が自分より激しく泣いていると涙が引っ込む感じといいますか。

自分は人前で演じたこと、勿論無いですが
観る側の心情として舞台の上で激しく演じすぎて
冷める・ひく・ガッカリするって実際何度も経験あるから。

原作の大ファンなだけに
時間が経てば経つほどあのラストに納得出来ない自分。

漫画の原作のように振り返って慟哭の方が自分は好きだ。

ま、ソレだけなんです。


更に加えると
エンドロール的な役目で下ろされた
包帯のような(?)縦ブラインドのような幕(?)
アレ、いらなかったかも。

映像でならわかるけど舞台では
取って付けたような大仰な感じで効果的というか
必要とは思えず。

観てくうちに感極まる人の居たのかな。

私はといえば、
ラストの号泣芝居からこの垂れ幕と

どんどん冷めてったのでした。
汝、隣人に声をかけよ

汝、隣人に声をかけよ

コマツ企画

王子小劇場(東京都)

2009/02/06 (金) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

声かけていいの?www
声かけたら後悔しそうなキャラも何人かw

オムニバスのような交響楽のような
何層にも重なる人の関わりと営み


何だろう
良く分からないけど解らなくてもいいかって(笑)
勢いが全てをOKにしたのかも。

とりあえず、また観てみたいと思います。

クロウズ

クロウズ

スロウライダー

新宿シアタートップス(東京都)

2009/02/07 (土) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

満足度★★

うーーーーーん;
公演も終わっているし団体も終焉ということでサクッと。



ラストがあっけなかった。


そんな終わり?って。

もっと捻りが欲しかったなぁ・・・・・・最後だったんだし。


スロウライダーの演目の中では
やっぱりダントツで『アダムスキー』がスキでした。
もう一度観たかったな。

パイパー

パイパー

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/01/04 (日) ~ 2009/02/28 (土)公演終了

満足度★★★

覗きたい
何だろう。
想像の枠を超えなかったのかな?

何故だろう。
思い返すと面白いことが散りばめられていたのに
想いの外楽しめなかった自分がいる。


ネタバレBOX

誰も指摘しているのを見ないので自分だけかもしれないけど
毎回出演者の中で、野田さんの台詞が一番聞き取りにくい。
特に今回は1回しか観ないから余計に聞き取れないまま。
声がスキじゃないから尚更なのかも。
早口でまくしたてたれると聞き取りにくいので諦めてしまう自分がいる。

友人は演出家が演じるということにおいて
野田さん以外は認めがたいというけど
自分は上記の理由から
野田さんには出来れば重要な役をやって欲しくない(苦笑)


聞き取りを諦めたから一層思ったのだけど
野田さんのアタマの中には
きっと私が受け取れた以上の面白さが詰まっているのだ
そう思うとまた野田さんのアタマの中が観てみたくなりました。

松×宮沢

真四角な生地×バイヤス裁ちの生地

伸びしろが大きい方がスキだな、自分は。
ビロクシー・ブルース

ビロクシー・ブルース

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2009/02/02 (月) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★

新演出かぁ・・・・・・
この戯曲にこの演出家は合わない。

ヒトコトでいうとそう感じた。

チラシでの面白そうな印象が全くといって良いほど消されてしまってて
コレが別の演出家であったらと何度も想ってしまった。

本の面白さ、行間の余韻みたいなモノが
重々しい表現で塗りつぶされてしまった感じ。

残念。


しかし役者は良かったですよ、ホント。
主役は想像した通りに、脇は思った以上に良かった。

注目していた忍成くん、良かった。
声も舞台に向いてると思ったし。
これからどんどん舞台に立って欲しいと思わせてくれた。

ネタバレBOX

回想で綴られる若き日の群像劇。
今までにも映画で何度も描かれた青春、
例えば「アメリカン・グラフティ」等を彷彿とさせる。

ブルースとあるだけに後味には苦みもあり
切なさやるせなさを残す。

だからといって、だからこそ
そこに帰結することを前提に演出しないで欲しかった。
光のきらめきが眩しいだけ影が濃くなるようにみせて欲しかったなぁ。


最初から陰影に注視し過ぎ
影をチラつかせ過ぎて効果薄くなったという印象。

個々の役者が良かっただけに残念としか言いようが無い。

しとやかな獣

しとやかな獣

オリガト・プラスティコ

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/01/29 (木) ~ 2009/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

清濁合わせ技
面白かった。
今コレを持ってくるセンスがスキです。

油断ならない人ばかりが出てくるので
狐と狸というと類型的過ぎかもしれませんが、その通り。

その大きさは違えど、女性陣が皆したたかで魅力的な悪女。
それでいてまたどこか憎めないのが素敵。

広岡さんの風に柳という感じの強さと軽妙さ、
すほうさんの無自覚の中の計算高さと若い故の軽さ。
そして緒川さんのペルシャ猫のような可愛いしたたかさ。

清濁合わせた人物のキャラがそれぞれきっちり描かれている
後味が痛快ともいえる脚本に忠実なトコロがまた面白かった。



うん、スキだコレ。

ネタバレBOX

しかし同じダンスシーンでも
近作で観た鴻上的なモノで感じた「こっ恥ずかしい」感が無いのは何故?

時代背景に合っていたから?
その時代の『型』に即していたから?


当時の不良的なモノの表現として許せたからですかね(苦笑)
グランド・フィナーレ

グランド・フィナーレ

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2009/02/10 (火) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

意欲
その地方から発信しようとする意欲を買います。

そして作品も意欲的。
内容のエグさが砂糖菓子にくるまれた気味悪さ。
共感出来ない主人公に付き合う辛さが。
コロス達による「ウザさ」にも付き合う辛さもあり。

それでもその意欲と野心的な姿勢には感動した。

床下のほら吹き男

床下のほら吹き男

MONO

吉祥寺シアター(東京都)

2009/02/06 (金) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

うまい
ウマイ・上手い・旨い・巧い。

巧い。


そうか、巧いし面白い。

でも今はもっとカタルシスが欲しいんだと自分の立ち位置が解りました。

トワイライツ

トワイライツ

モダンスイマーズ

吉祥寺シアター(東京都)

2009/02/19 (木) ~ 2009/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

メビウスの輪
まるでメビウスの輪が幾重にも重なったかのよう。

ネタバレBOX

これは宿命(さだめ)の物語でしょうか。

何度出会っても出会えても幾ら想っても想われても
それはボタンの掛け違いなんてモノじゃなく
ダメなものはダメと見せつけられた気がして
目の前で繰り返される人の想いの切なさが
時間を経て尚こうして重くなって来ている。

開演後しばらく「楽園」での
「・・・・で?」という感想に落ち着くかと思いつつ観ていたが
今回にはその想いの先があり
重くも面白かったという感想に至った。

松任谷由実の曲を思い出しました。



・・・・・・・どうしてなの?
今日に限って安いサンダルを履いてた

・・・・・・・・・今日解った
むなしいこと
結ばれぬ哀しいDestiny


メガネに騙された

メガネに騙された

箱庭円舞曲

OFF OFFシアター(東京都)

2009/02/18 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了

うーん・・・・・・;
内容が濃い・・・・・・・・?


しかし内容が濃くてもキャラが立っていても
そしてそれを現す役者がウマかったとしても



内容が濃いのと内容が詰まってるのは別。

描きたい発露の先が欲しかった。

流れる生活

流れる生活

ワワフラミンゴ

bar & lounge "greenz"(東京都)

2009/02/14 (土) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★

打ち寄せるアルファ~波
リラックス出来る不思議な空間。

目の前に立つ演者の発するポウっとしたオーラ(?)と
水面に刻まれる淡い波紋のような言葉のやりとりに
私のアルファ波は大潮のように。

地上8mmは浮いてそうな演者に導かれて自分の思考も
ふわっふわの真綿のようになってしまう。

ドリンクで選んだのはホットティー
アルコールでなかった

だから最後まで見届けられたけど
飲んでたら間違いなく
気持ち良くて何処かにストンと落ちちゃうな。

解らないけどスキなタイプでした。

舞台は夢 イリュージョン・コミック

舞台は夢 イリュージョン・コミック

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2008/12/03 (水) ~ 2008/12/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

400年経っても
面白かった。
タイトルとかチラシから受ける印象がイマイチ、
いや、イマ2だった為に期待を持てずにいたのだが
観て良かった。

板の上の役者と観客が
舞台の楽しさを共有したようなHAPPYな気分。

ネタバレBOX

オープニング、役者の声でスルッと洞窟の中に導かれる感覚。
劇場は特別な空間なのだと何度目かの再認識。
膨大な台詞、他者との掛合で積み重ね描き出す人物像。
喜劇といいつつも役者は己を削る思いかもしれない。
今作で自分の心に残ったのは高田サン演じるリーズ。
彼女が自分の人生を賭けて守ったモノは小さくて大きい。

そんなシリアスな感想も吹き飛ばす大団円、私は好き。
ドブネズミたちの眠り

ドブネズミたちの眠り

流山児★事務所

Space早稲田(東京都)

2008/11/29 (土) ~ 2008/12/14 (日)公演終了

満足度★★

えっ?!
私のお目当てのチバテツさんを始め
役者の皆さんスゴクうまい。
役者のチカラは存分に味わえる。
が、全体としてどうかといわれると・・・・・・・・

ネタバレBOX

とにかくラストが弱い、弱すぎると思う。

あの理由であそこまで引っ張られたのかと
納得出来ませんでしたよ、自分は。
正直拍子抜けしてしまった。

狭い空間で緊張感のある芝居で
ラストに期待し過ぎたのか?

いや、あの着地点ではソレまでの熱演に見合わないと思う。

怪人21面相

怪人21面相

パラドックス定数

SPACE EDGE(東京都)

2008/11/21 (金) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

想像以上の興奮(笑)
『少しは想像しろよ。興奮する話だろう。』
 
 
チラシに刷り込まれた言葉、まさに、その通り。
 
実録からここまで遊べる想像力こそ野木作品の魅力だと思います。
 
自分にとってはドストライクっていうんですか、
大好きだ、この劇団。

ネタバレBOX

パラ定、野木さんの作品を観るようになってまだ数作目ですが
今まで観たモノで個人的な好みからハズレた事が無いという
ものすごい確率で面白がらせてくれる劇団。

今回は「38℃」を観たハコでの観劇でした。
ハコといっても倉庫のようなものスゴク癖のある場所。
とはいえ癖のある場所を使われるのはお得意ですよね。
ココでの上演を設定しての台本なのかと思わせるくらい
チェスの話でも乱歩の話でも場所に合った演出をされてましたから。

実際にあった事件をこんな風に再構築してフィクションにするなんて
毎回ホント、その作品のチカラに唸ります。

眼鏡男子、好物なんですが
眼鏡無しでも良かったですね、ナンテ余計なことも思いつつ
次回作のチラシ探しちゃいました。

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