ストーン夫人のローマの春 公演情報 パルコ・プロデュース「ストーン夫人のローマの春」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ヒリヒリするような・・・
    テネシー・ウィリアムズでした、確かに。

    春というよりも陽の傾きかけた夏の午後
    石畳からの照り返しが眩しい陽炎立つような。
    人が奥深くにしまい込んだ熱情が炙り出されるような戯曲。
    またも麗しい人が奈落へと堕ちゆく話。

    この作家は美しくあろうとする人を
    引きずり下ろすのが好きなのか。



    カンパニーを率いることの大変さと面白さ
    どちらも感じて観たこれまでの3作品。
    客席で舞台を見つめていた演出家の
    大きな背中をポンと叩いてあげたくなった

    ネタバレBOX

    麻実れいあってこそ・・・
    そんな舞台を幾つ観ただろう。

    「サラ」、「黒蜥蜴」・・・・そしてこの舞台も。


    カレン・ストーン
    加護とでもいうのか、強く確かでゆるぎないパートナーからの愛情。
    それに支えられ華やかな舞台に立ち続けてきた女優。
    若さや美貌という羽根を纏って優雅にたゆとうように。

    そんな彼女も時の残酷な神にその支えを、羽根をも奪われ
    自分の行くべき方向を見失う。

    善意や真心、愛情といった
    それまでの心地良い真綿を剥ぎ取られ、
    自らの道標を見つけられず
    石畳の広場を、路地裏を、何かに追い立てられるように彷徨う
    暮れゆく年頃、色あせ始めた女性の痛々しさが見事に現されていた。

    圧倒的なゆるぎない愛情を求めて得られなかった彼女が
    ラスト、ハンカチに包んでバルコニーから放り出したのは
    哀しみ、渇いた怒り、踏みにじられたプライド。

    悲劇への賽は投げられた・・・
    彼女自身の手によって。


    思えばなんて象徴的なチラシ
    まるで目には見えない羽根をもがれたような彼女のうしろ姿

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    2009/03/17 03:22

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