byassistの観てきた!クチコミ一覧

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ゆた

ゆた

乱痴気STARTER

池袋GEKIBA(東京都)

2011/02/16 (水) ~ 2011/02/20 (日)公演終了

満足度★★★

初期の作品の再演だそうで、なるほど、話が青臭い・真っすぐに過ぎる…と感じつつも、作品が帯びる(作者の)パッション、知らず知らずのうちに伝染してきたようです。技術的には、間違いなく、近年の作品の方が優れているのですが、こうした「処女作?」の持つ情熱、何物にも代えがたい、尊いものだと実感いたしました。

歴史これくしょん〜歴これ〜

歴史これくしょん〜歴これ〜

乱痴気STARTER

Geki地下Liberty(東京都)

2016/09/13 (火) ~ 2016/09/18 (日)公演終了

満足度★★★

「エジプトの、両手が右手の老婆」(☜某アニメのキャラ流用かな?笑)から手に入れた弓と矢で相手を射ると、その人間に「歴史上の偉人」の魂が乗り移る…片田舎のショッピングセンターを舞台に「偉人の魂を持つ者」達が巻き起こすドタバタコメディーなんですけど、よくこんなこと思いつくなぁ(笑)とまずは感心!
そして、このアイデアだけで、よくも、ここまでおはなしを膨らませたもんだなぁ!2時間弱の上演時間、あっという間に過ぎました♪

芝居自体とは別に、少し危惧したこと。エジソン、ナイチンゲール、キュリー夫人、アインシュタイン、チャップリン、最後から二番目に登場したヒト(※)、最後に登場したヒト(※)あたりは大丈夫だったとして(※はネタバレなもんで名前は伏せます)、ノーベル、フォード(☜米国の自動車王)、ムッソリーニ、スターリン…会場の若い観客の反応がやや薄い…ひょっとして今のヒトたちは知らないのかも?
ポプラ社刊「世界の偉人伝」、子供の頃にさんざん読んだのに、結局、偉人さんになれなかった(涙)オッサンに言えた義理じゃないのは承知の上で、基本的知識を有する度合いが幅広い?!層の観客のためにも、登場する偉人たちの紹介プロフィール、ぺーパーで配っておいた方が、より愉しめるんじゃないかなぁ?

坊's WAR頭2〜神々のオフ会〜

坊's WAR頭2〜神々のオフ会〜

乱痴気STARTER

Geki地下Liberty(東京都)

2015/09/18 (金) ~ 2015/09/23 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2015/09/18 (金)

本作は、観終わっても、悟りを開く可能性はゼロ!かえって煩悩が増すばかりの、おバカ・コメディです(笑)。お坊さんが出て来るお話なのに、心の平安…一向に訪れません(キッパリ)!
その代わり、胸ん中の悩みもモヤモヤも笑いと元気で吹き飛んでしまう1時間45分でした。

さて、登場人物?のうち、カーリー神は、その化身も含めて、3人の女優さんが担当されましたが、カーリー神・本体を演じたのが、坂本ともこさん。何度か舞台、拝見している女優さんなんですが、シヴァ神以下の男優さん達相手に大立ち回り…良い意味(笑)での、はっちゃけた演技に、今まででイチバン彼女の魅力が出ていたと思います。

げき★えん2

げき★えん2

アフリカ座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/11/27 (金) ~ 2015/12/01 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2015/11/28 (土)

今回は開場時の雑感をばっ!
受付と物販のデスクには、アフリカ座さんの別ユニット・乱痴気STARTERさんの舞台で見覚えのある男優さん(コックだったり・お坊さんだったり)に女優さん(料理評論家だったり、死神のバイト!だったり)が笑顔で応対。通路の要所要所に立つ、若い女優さんも快活な笑顔。
でぇ、会場に入った途端「いらっしゃいませぇ!」…場内案内の男性陣、元気溌剌!オロナミンCのお値段高めの「ロイヤルポリス」クラスのど迫力☆お出迎えコール!芝居が始まる前から、実に爽快な気分にさせてもらいました♪

でぇ、いざ芝居が始まってみると、主演クラスを初め、具体的な役名のある役者さんはもちろんのこと、「生徒A」とか「演劇部女子部員」とかいったアンサンブル(その他大勢)の若い役者さん達が、板の上で、弾ける・弾ける!
正直言うと、下北沢で拝見した乱痴気STARTERとしての過去2作品のように大爆笑の連続とはいきませんでしたが、あり余るほどの元気と若さ、頂戴しました。
愉しい時を過ごせた2時間弱でした、とさ♪

「むぎ ~永遠の創作物~」

「むぎ ~永遠の創作物~」

アフリカ座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/11/20 (木) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★

『宇宙のステルヴィア』『蒼穹のファフナー』…ロボット・アニメのようなんですが、何のことやら、さっぱりわかりません。オッサンのオイラの守備範囲、『マジンガーZ』~最初の『ガンダム』までなもんでぇ(汗)
でっ、この『宇宙の…』等の作家・鷲尾直広さんとおっしゃる方が、早川書房の「SFマガジン」で発表された原作を基にした舞台である本作。編集者のユカリの語りで、おはなしは進行します。
ユカリ役は篠原恵美さん。オイラは存じ上げないんですが、セーラームーンのセーラージュピター、演じられていた篠原さんの声は、理知的で、かつ温かみに満ちています。おかげで、すんなりと物語の世界に入っていくことができました。
出演者は若い役者さんと、それ相応のキャリアを積まれたベテランさんの他、森永チョコボールのカラスとセサミストリートに出て来るキャラ達の合いの子みたいな宇宙人!まで出て来ます。
そんな皆さん?による1時間45分の舞台、メリハリの効いたセリフ回しに、合い間合い間に展開される振付…耳も目も満足いたしました。
このお芝居、ストーリーもよく練られてます。最後のオチなぞ、特に…(ネタバレ厳禁!)。ハートウォーミングなSFファンタジーでした、とさ♪

劇中、少女ムギの通う学校の先生役でエラい立ち姿が絵になるなあ~と思っていたら、宝塚のご出身と知り、納得の葛城七穂さん。
どこか声に聞き覚えがあるなあ~と思っていたら、以前、三鷹で拝見した舞台でヒロインを演じておられた越智春奈さん。
このお二人の演技が大変印象に残りました。

君がいた星

君がいた星

アンティークス

「劇」小劇場(東京都)

2015/11/04 (水) ~ 2015/11/08 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2015/11/05 (木)

双子の兄弟を演じるのは、林龍三さ…おっと、この名優は天に召されたんでした。
正しくは林竜三さん。キャリアの長い、舞台中心に活躍されている役者さん。痩身・短髪の、刑事ドラマの犯人役がお似合いの容姿の方(失礼!)。
この林さんが、いわばジキルとハイド的な兄弟を、実に巧みに演じ分けておられました。
で、残忍な性格の弟も実は、最初から悪人だった訳ではなくてぇ…作品全体のトーンとして、潔いほどに、性善説が貫かれています。
また、作中、キーパースンとなる「ワタシは宇宙人」の不思議少女。
時の流れを止めたり・変えたり、人間を瞬間移動させたり、と八面六臂の大活躍。おはなしを進行させるにあたっての、ワイルドカード(万能カード)。見事なくらいの、ご都合主義です。
徹底した性善説に、力技のご都合主義…舞台演劇にリアルを求める、うるさ型の観客からは、小言の幾つかも聞こえてきそうですけど、まあ、そんなちっちぇえ事は置いといて(笑)ハートウォーミングな良い作品だったと、オッサンは思いました、とさ♪

「叫べ。」

「叫べ。」

human spice

高田馬場ラビネスト(東京都)

2017/02/23 (木) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/02/25 (土)

2日前のお昼過ぎ、「渡なべ」さんで「〝豊盃〟酒粕の蟹塩らーめん」を食べての帰り道。たまたま高田馬場ラビネストのそばを歩いていた際に目に入った、会場案内の若いお嬢さん。彼女の明るい表情に好感が持てたので、思わずフライヤー貰ってきた、human spiceさんの『叫べ。』。今日(25日)のソワレで女子校版を観て来ました。

明日までの公演ですので詳細は伏せますが、女子高の、とあるクラスを舞台に、女子高生たちや担任教師の、人間の弱さ・保身、その裏返しの攻撃性、後悔、諦め、愛情、性…をテーマにすえた本作、観客にとっては、かなりヘビーな内容です。

でぇ、終わっての感想は「オジサンも思わずはにかむ程の直球芝居」「チカラのこもった80分」。
転校生(演・田中日奈子さん)の転校の経緯に伏線を張った以外は、とても直線的な話の運び。ヘンにストーリーをこねくりまわす作劇が多い中、このストレートな構成は、意図されたか否かはさておき、多感な10代後半の登場人物達の心情を描くのに、とても効果的だったと思われます。
最後に、印象に残った役者さん…スイマセン!ひいき目100%なんですが、上述の「会場案内の若いお嬢さん」新田麻緒さん。ファーストインプレッションでは想像もつかない程の芸達者! 終演後、慌てて調べてみたら、ヒラタオフィスさんの所属…納得しました。

15 Minutes Made Volume12

15 Minutes Made Volume12

Mrs.fictions

王子小劇場(東京都)

2015/07/08 (水) ~ 2015/07/14 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2015/07/08 (水)

『ミセスフィクションズの祭りの準備』(Mrs.fictions)。
実は、団体名のfictions(フィクション)をfriction(摩擦、不和、衝突)と勘違いしてました。ですが、話の内容的には、まんざら的外れでもなかったようです。

『消えないで、ミラーボール』(20歳の国)。
直球ど真ん中の「青春グラフティ」。オッサンのオイラ、ちょい照れ臭い気分で拝見させてもらいました。女子マネ役の湯口光穂さん、親しみ深い雰囲気に好感が持てました。

『HNG』(MU)
下ネタ満載のおはなしでしたが…笑えました。役者さん達の確かな演技と、構成のしっかりしたホンのおかげで、ソフィスティケーテッド(洗練)されたワンシチュエーション・コメディ見ているような…「錯覚」に陥りました(苦笑)

『夏の灯り』(第27班)
サヤカのシーン、カズマのシーン…舞台上では、この2人のシーンが交互に展開され、それぞれに笑いを誘うのですが、ラストで一転…世俗の垢にまみれたオイラでさえ、胸にグッと来ました。今宵(8日)の観客席で、拍手がイチバン熱かったように思われました。

『私たちの考えた墓に入る日の前日のこと』(The end of companyジエン社)
死者が生者へ・生者が死者へ、一方的に・双方向にセリフを交わす・セリフが重なる、あるいは沈黙の時が流れて…ストーリーらしきモノがあるというよりも、汗ばむ夏の日の午後、畳み部屋で寝っ転がったまま、つげ義春なんかの頁をめくっている気分にさせられた15分間。個人的には6本中、最も印象に残った作品でした。

『性的人間 あるいは(鞭がもたらす予期せぬ奇跡)』(シンクロ少女)
田山花袋・大さじ1杯、江戸川乱歩・大さじ1.5杯、吉本新喜劇200ccを混ぜて、フードプロセッサーにかけたような作品。
ミツコ役の徳橋みのりさん、シアター風姿花伝で拝見して以来となりますが、美人さんだなあ♪と思いながら観てました。

以上、好みはヒトそれぞれかと思いますが、6作品とも、なかなかの高水準。
小劇場演劇の良質なエッセンス、味わってしまったお陰で、今後、観劇する舞台に求める「合格ライン」、一気に上がってしまったようです。全く困ったもんデス(苦笑)

許されざる者

許されざる者

シンクロ少女

OFF OFFシアター(東京都)

2016/05/17 (火) ~ 2016/05/24 (火)公演終了

満足度★★★

ハッピーエンドとバッドエンドの2バージョンある本作。観てきたのは前者の方なんで、最後は5人の男女、納まるべきところに納まる…かどうかは知りませんが、それなりの結末を迎えます。
2組の夫婦に前妻、キャラが立ってます。とりわけ個人的には、10歳以上も年上で、自分のせいで子供が授からないと考えている、町田サヤカの面倒臭い性格にとても惹かれました(現実の生活では勘弁してもらいたいですケド、笑)。
でもって、登場人物の各々がキャラが立っているからこそ、物凄く会話がイキてるんです!
まっ、夫婦交換の話なだけに、観るヒトによっては、どうかな~?って感じた方もおられたようですけど、オッサンのオイラからすれば、なんて愛おしいヒトたちなんだ!と彼ら彼女らと一緒になって(劇中のキーアイテムである)ドーナツかじりながら・珈琲すすって、愚痴話に付き合いたいなぁ♪などと思える雰囲気の作品でした。

ダージリン急行

ダージリン急行

シンクロ少女

スタジオ空洞(東京都)

2016/08/15 (月) ~ 2016/08/17 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/08/16 (火)

昨年の夏頃に15分尺の短編。今年の5月には2時間モノの本公演。と、なんだかんだで、今回、3公演目の観劇となるシンクロ少女さんなんですが、16日の晩に拝見した『ダージリン急行』(70分)、過去2作で抱いていた、この団体さんへのイメージを、それこそ、こっぱみじん(笑)に砕いてくれました。

同名のアメリカ映画にインスパイアされた?本作、それぞれに決してハッピーではない事情を抱えた、主人公である3兄弟達(長男…泉政宏さん、次男…横手慎太郎さん、三男…三瓶大介さん)が、列車での旅の途中、他の兄弟が辿ってきた人生の道のりを探り・探られ、の珍道中。3兄弟の掛け合いの妙に、観客席はクスクス・クスクス。
そこにさらに、列車内のサービス係・かきあげあゆみさん、長男の助手・中田麦平さんが絡んできて、これまた観客席はクスクス・クスクス。

さらに終盤、「ママ」役の堂本佳世さんがやっと登場するんですが、ここからが、まさに…!
芝居の用語に「序破急(じょはきゅう)」というのがあるんですが、似たようなコトバである「起承転結」とも合わせて説明すると、『ダージリン急行』は淡々としたタッチの「序(起承)」がしばらく続き、「ママ」が登場する終盤になって、いきなり「破(転)」「急(結)」が猛ダッシュで襲ってくる!といった、かなりチカラ技な構成になっています。

個人的印象なんですが、正体不明の香辛料を盛られた、怪しげなチャイを飲まされたような、摩訶不思議な魅力に富んだ70分。
理屈でストーリーを追う方はかなり面食らったことだろうと推察されますが、感覚に委ねて観劇された方にとっては格好のロードムービー+アルファ?(笑)だっただろうなぁ、と思いました、とさ♪

ゆびさきの半景

ゆびさきの半景

サカサマナコ

遊空間がざびぃ(東京都)

2016/03/31 (木) ~ 2016/04/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/03/31 (木)

リリックなセリフ廻しに、柔らか目の照明・劇伴。
ヒロイン・風子と、彼女の小学校時代の同級生を演じる、5人の女優さんが醸し出す雰囲気は、まさしく同世代の等身大の女性の佇まい。
ただノスタルジックなだけでなく、会場を包み込む作り手の温もりと言うか、観客への心づくしのおもてなし…そんな気持ちが伝わってくるような温かな舞台でした。

うぶ

うぶ

INUTOKUSHI

駅前劇場(東京都)

2014/12/19 (金) ~ 2014/12/28 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2014/12/25 (木)

ヒロインのクロミ役・石澤希代子さん。華奢な手足をブンブン振り回し、キュートな顔立ちを変幻自在させての熱演。不思議少女クロミに寄り添った彼女の演技は大変印象に残りました。
さて、おはなしのテーマは、ベタな言い方なんですけど、他人がどう思おうと自分が信じる道を歩んでいく尊さ。その「信じる道」とは、舞台上ではゴスロリ。でも、私には、世間一般的にはマイナーな小劇場演劇に賭けている作者の決意表明、として受け留めました。
視終わって、キラリと輝く大切なモン見つけた…そんな2時間でしたとさ♪

ココで筆を置けば、すごぉぉぉく「いい話」で終わるんですけど、犬と串さん、それでは済みません。以前、拝見した『プラトニック・ギャグ』では、何の脈絡も無く、ほぼ裸の男性陣を舞台上で徘徊させました(笑)。今回の『うぶ』における、お下劣担当は、クロミの兄・ダイゴ。「子供の頃から下ネタに触れようの会」の主宰者として、恋人まで巻き込んで、あちこちの公園で紙芝居を披露して回ります。その紙芝居の内容がぁ…(以下、自主規制)。おませな中学生が体育館の裏側で喋っているような、すごぉぉぉくレベルの低い絵とストーリー。私の隣りにいた女性客、背中を揺らして笑ってました。「子供の頃から下ネタに触れ」させるのが、一体、何の意味があるのか不明ですが、コレも、他人がどう思おうと自分が信じる道を歩んでいく尊さ、なのかなぁ?
先程述べた感想、キラリと輝く大切なモン見つけた…あれは錯覚だったかもしれませんね(苦笑)

バカから醒めたバカ

バカから醒めたバカ

INUTOKUSHI

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2016/03/05 (土) ~ 2016/03/11 (金)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/03/08 (火)

お下劣でナンセンスなドタバタコメディ。でも、腹を抱えて笑っていながら、最後はウソみたいにジーンとハートに来る…そんな作風の犬と串さん。
でぇ、今回の『バカから醒めたバカ』というとぉ、これでもかぁ!これでもかぁ!のシーンの連続とか、大笑いさせてもらったあげくに、最後はやっぱりジーンと…。
ただ、ただねっ!会場が公的施設だったせいか、過去、拝見させてもらった作品ほどには吹っ切れていない、というか自主規制がかかっている風にも感じられました。
とはいえ、途中休憩をはさんでいるとはいえ、2時間半の舞台、観客を全く飽きさせなかったのは大したもんだと思います。

Peach

Peach

INUTOKUSHI

シアター風姿花伝(東京都)

2017/02/22 (水) ~ 2017/02/27 (月)公演終了

満足度★★

鑑賞日2017/02/23 (木)

『プラトニック・ギャグ』『うぶ』『バカから醒めたバカ』と3作品を観て来た犬と串さん。ハチャメチャな設定・ストーリーだけど、最後にじぃーん(感涙)…作風もおおよそ理解したうえでの観劇だったのですが、ほぼ1年前の三鷹での舞台以降、私の頭が急速に固くなってしまったのか、観ているうちにどんどん表情も硬くなっていきました。
観劇後、しばらく考えているうちに理由がわかりました。藤尾姦太郎さんの演技がどうやら鼻についたようです。アノ主人公ならばアノ演技、ということは充分理解できるのですが、本来、聡明な方である藤尾さんの実と虚のアンビバレンスが随所に垣間見えた…ような気がします。大変、先入観と偏見に満ちた意見なんですけど、ド素人の戯言と笑って流してくれたら幸いです。
なお、個人的には、板倉武志さん、綾乃彩さん、土佐まりなさんの演技が印象に残りました。

アイドル♂怪盗レオノワール

アイドル♂怪盗レオノワール

レティクル東京座

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/02/22 (水) ~ 2017/02/27 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/22 (水)

評判はよく見聞きしていたレティクル東京座さん。以前から機会があれば!と願っていた反面、例の「白塗り」には抵抗もあって…
白塗りアングラ舞踏の大駱駝艦さんの舞台、観に行っといて、今さら、抵抗もなにもあるかよ~!ということでの初・レティクル東京座デス。

おはなしの内容は…まだ初日なのでサラッと流すと、タキシード仮面&男の子マンガのヒーロー物&近未来SF。
極めてわかりやすいストーリーと「タキシード仮面&…」っぽいセリフの数々。
白塗りも含めて登場人物たちの華美な衣装。
派手な大音響に照明・ムーブメント、キャッチーな劇伴。
アイドルのコンサートにでも来たような錯覚を覚えたオッサンでしたが、まぁ、確かに舞台全体がキラキラしていて、素直に惹きつけられます。実にすんなりと、おはなしの世界に入り込めます。
若いヒト達の中で熱狂的なファンが多いのも、うんちく語りたがり系の「観劇おじさん」の姿を客席であまり見かけないのも、どちらも納得できる、観客目線で作られた、良い意味でエンタの王道に徹した、サービス精神満載のコンテンツでした。

水棲のアリア s.v.

水棲のアリア s.v.

salty rock

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/06 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/06/05 (日)

5、6日の両日、阿佐ヶ谷で「体験」してきました。

この作品についての団体さんからのコメント、目を通してみましたが…よく訳わからん(汗)!
実際の舞台も、おはなしの背景に関する具体的説明セリフは無し。そのセリフ自身も散文詩的色彩の濃いもの。合わせて、コンテンポラリーダンスな豊かな身体表現と、女性5名・男性1名の出演者によるハミングやウィスパーボイスに近い重唱…といった感じ。
今回、他の方の感想にも目を通してみましたが、解釈は(好みも含めて)人それぞれ。
でぇ、ワタシはというとぉ…自殺を図ったヒロインの薄れゆく意識が、人間が誕生した源である水の中に漂い・浮遊している感覚で、過去の自分や恋人との出来事を追慕していくうちに…ってな風に理解しました。

saltyrockさんの舞台、ここ最近は「随分とわかり易くなったなぁ」と安堵?する反面、初期の頃の難解な作風の魅力、薄れてきたことを残念にも思っていました。
しかし、今回、作品世界の魅力をより芳醇に具現化することの出来る演出家(立夏さん)・主演女優(きえるさん)を迎えたことで、セリフの一つ一つがブクブクと息を「放出」し、ヒカリさえ帯びたように感じました。
まあ、二度も観ちまったんで、この舞台、もっとより高みまで行けるんじゃ?という我儘な欲求も出て来ましたが(笑)それは詮無き事…といいつつも、この座組での新たな作品、観てみたいな♪と8カ月経った今でも求めてやみません。

赤い竜と土の旅人

赤い竜と土の旅人

舞台芸術集団 地下空港

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/03/03 (木) ~ 2016/03/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/03/04 (金)

作者が英国ウェールズで取材した、ウェールズ国旗のデザインにもなっている、赤い竜の伝説
当地で建設が進められている原発プラント(日立や東芝が関係しています)への反対・推進両派の対立
を基に作られた寓話的音楽劇。

赤い竜は「大地の意思=自然」を、黒い竜は「原発に代表される、人々の暮らしに大いなる利便を与えつつも、一つ間違えればカタストロフィを招く人類の英知」を、象徴したもののようです。

最後、赤い竜・黒い竜は、もみ合いながら消滅していくのですが、(うがちすぎかもしれませんが)その姿は、大地の意思と、人類の英知とが、まるで手を合わせて未来のために祈っている…ように、私の目には映りました。

社会的に様々な意見のある問題ですが、対立ではなく、互いの意見を昇華した先の、未来への希望…勝手ながら、作者の意図をそのように解しました。

作品自体への感想。
メロディアスでノスタルジックでもある出演者たちの唄
荒波や放牧された牛などを表現していく、白い椅子を用いての巧みな描写
イギリス南部の貧しい住民そのものの衣装
2時間強の上演時間を感じさせない、テンポの良いストーリー展開
そして何よりも、活き活きと舞台で演じ・唄う出演者たち
2016年の個人的ベスト5にカウントさせて頂いた、素晴らしい舞台でした。

月の剥がれる

月の剥がれる

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2016/09/23 (金) ~ 2016/10/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/09/25 (日)

人々が命がけで生き抜いた激動の「過去」【散華パート】と、「怒り」という観念を放棄し、緊迫感皆無な、のどかな時代【授業パート】のシーンを行き来しながら、学校・家庭・戦争・平和・宗教・憲法などの社会的な主題を等身大の人々の、ささやかな暮らしから描き出す一大絵巻(2幕・2時間40分)。

なお、本作品は、政治的色彩を感じさせるメッセージが内在していますが、プロパガンダな演劇では決してありません。ですんで、ワタシ個人の政治的意見の開陳などという野暮もやりません。純粋に観劇レビューとして、以下、続けていきますね。

作品上の「現在」である【授業パート】と、その授業で「過去の出来事」として語られる【散華パート】、二つの世界を行き来する白い衣の女性(演・田中美甫さん)…平和の象徴・ハトをイメージしているのかなぁ?

【授業パート】に出て来る、何処か人物設定が曖昧な転校生(毛利悟巳さん)に、独りだけチマチョゴリ?巫女装束?を身にまとったクラス委員長(池田優香さん)

その時代を生きている、というリアル感を帯びた【散華パート】の登場人物たち

過去の歴史を遠目から眺めている、ゴルフ場のギャラリーのような【授業パート】の生徒たちと教師

(決して堅苦しくはなく、むしろ笑いも交えてですけど)虚実錯綜する人物たちの群像劇を通して、「命」とか「生きていることの意義」に関して、観客は自然と考えさせられていきます。
そして、私たちが「平和」というコトバから連想する最もポピュラーな文章、日本国憲法第9条第一項を模した「怒りの放棄」を【授業パート】の教師に語らせることで、作者のメッセージが明確に提示されます(とワタシは感じたんですがぁ…)。

ラストは、舞台上に伏していた演者たちが一人・また一人と起き上がって、『ボレロ』の各演奏楽器のごとく加わっていく群舞の波・波・波。その観客に訴えかけてくる迫力というかカタルシス! …ココロ震えました。

「平和がどうした・こうした」に、特段、関心のない方でも、胸に迫る思いを体感できる作品だと思います。

艶情☆夏の夜の夢

艶情☆夏の夜の夢

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2016/08/04 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/08/14 (日)

舞台セット・音楽・照明・振付・衣装・台詞回し…まさしく盆踊り大会の趣き♪
8人の女優さんが魅せる底抜けに明るい「ニッポンの夏」的シェークスピア喜劇には(おそらく、ですけど)観客の誰もが腹の底から笑い・愉しめた90分だっただろうと推察します。
とっても偏見なんですけど、エエカッコしいな観劇スタンスの方を多く目にする東京(注.弊社調べ)よりも、祝祭事を素直に受け入れる関西のお客さんの方が評価が高いのも頷ける、個人的にも、喜劇・悲劇のジャンルを問わず、2016年に観た中でイチバンの作品でした。

愛の技巧、または彷徨するヒト胎盤性ラクトーゲンのみる夢

愛の技巧、または彷徨するヒト胎盤性ラクトーゲンのみる夢

劇団肋骨蜜柑同好会

シアター風姿花伝(東京都)

2016/10/26 (水) ~ 2016/11/01 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/10/26 (水)

「見知らぬ女」のために、餌取(えとり)家の人々は一人づつ、精神的に追い詰められていきます。そのありさまが、観ている側(観客)にも、その場に居合わせるのがバツが悪過ぎたり、あまりの修羅場に皮膚感覚でヒリヒリしたり…。
とはいえ、どこか懐かしい、というか、家族・親族というものへの温もりが感じられて来るのは、登場人物と同じく田舎モンで、何度も家族の死出の旅路を見送ったことがあるからかなぁ。
そして、中盤、ある登場人物が「見知らぬ女」の正体に気づいた件(くだり)からは(非情さの裏返しでもある)この温もりが一層恋しいものになりました。
どうも作者の意図から離れた感想になったきらいは否めないのですが、個人的には、懐かしさと緊迫感と(作品の内容への)充足感がごちゃ混ぜに押し寄せてきたような2時間でした。

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