満足度★★★★
鑑賞日2016/08/16 (火)
昨年の夏頃に15分尺の短編。今年の5月には2時間モノの本公演。と、なんだかんだで、今回、3公演目の観劇となるシンクロ少女さんなんですが、16日の晩に拝見した『ダージリン急行』(70分)、過去2作で抱いていた、この団体さんへのイメージを、それこそ、こっぱみじん(笑)に砕いてくれました。
同名のアメリカ映画にインスパイアされた?本作、それぞれに決してハッピーではない事情を抱えた、主人公である3兄弟達(長男…泉政宏さん、次男…横手慎太郎さん、三男…三瓶大介さん)が、列車での旅の途中、他の兄弟が辿ってきた人生の道のりを探り・探られ、の珍道中。3兄弟の掛け合いの妙に、観客席はクスクス・クスクス。
そこにさらに、列車内のサービス係・かきあげあゆみさん、長男の助手・中田麦平さんが絡んできて、これまた観客席はクスクス・クスクス。
さらに終盤、「ママ」役の堂本佳世さんがやっと登場するんですが、ここからが、まさに…!
芝居の用語に「序破急(じょはきゅう)」というのがあるんですが、似たようなコトバである「起承転結」とも合わせて説明すると、『ダージリン急行』は淡々としたタッチの「序(起承)」がしばらく続き、「ママ」が登場する終盤になって、いきなり「破(転)」「急(結)」が猛ダッシュで襲ってくる!といった、かなりチカラ技な構成になっています。
個人的印象なんですが、正体不明の香辛料を盛られた、怪しげなチャイを飲まされたような、摩訶不思議な魅力に富んだ70分。
理屈でストーリーを追う方はかなり面食らったことだろうと推察されますが、感覚に委ねて観劇された方にとっては格好のロードムービー+アルファ?(笑)だっただろうなぁ、と思いました、とさ♪