byassistの観てきた!クチコミ一覧

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まめ芝。その陸

まめ芝。その陸

まめ芝。事務局

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2014/01/24 (金) ~ 2014/02/02 (日)公演終了

満足度★★★

いろんな劇団さんや役者さん達が、30分の持ち時間で、お芝居やったり朗読したりする「まめ芝。」というイベント。日芸の地元、江古田まで観に行ってきました。
出し物は3本(後はネタバレboxで)

ネタバレBOX

蛻皮表演(だっぴひょうえん)の女優さんお二人が出られた『Q』。
ストーカーの相談相手が実はストーカーで、相談者のストーカーが狙った相手が相談相手…演者の奮闘!も相まって、素直に面白かったデス。

salty rockさんの『fermata(フェルマータ)』。
兎団のお二方の朗読2題。
演者の皆さんは私にとってはもうお馴染の方々。
良い意味で期待を裏切らなかったし、そうでない意味では既視感を抱く…ゴメンナサイ!今回は後者の印象の方が強かったかな~

いずれにしても、色んなモンを一度に観られるのは嬉しいこと。
次も機会が合えば行ってみたいと思います。
ミニチュア

ミニチュア

シアターノーチラス

新宿眼科画廊(東京都)

2016/09/23 (金) ~ 2016/09/27 (火)公演終了

満足度★★★★

シアターノーチラスさんは、結構、以前から存じ上げている団体さんなもんで、何か意味ありげな、あるいは、不用意な発言と、それらへの意外な、あるいは、過敏な反応とがもたらす、登場人物たちの緊迫感のある会話とか、常連の役者さんたち演ずる、この女優さんはこんな風な・あの男優さんはあんな風な性格設定のキャラクターだろうな、といった「お約束」を踏まえて、今回も拝見させて頂きました。

でもってぇ、序盤に張られた伏線のうち、サブストーリー的なものは適宜回収し、上演予定時間も終わりに近づいた頃…ようやく今回のキーパースン(主役)が誰だか、観客の前に明らかになります。そして、その人物が【街の模型】に向かって、つぶやいたひとこと…それまでの沈鬱なコトバの蓄積に、改めて光を当てられたような、ラストのセリフでした。

『スカイ』 次回ノーチラスは7/24(金)~29(水)

『スカイ』 次回ノーチラスは7/24(金)~29(水)

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★

率直に言って、この劇団さんの舞台で初めて、ハズした!と感じました。
いつもは後味の悪い(笑)ラストで締めくくる同劇団には珍しく、厚い雲に覆われた空の合間から微かに日の光が差し込んで来るようなエンディング…自体は決して悪くはないんです。
シリアスな設定を旨とするノーチラスさんにしては珍しい「UFOを呼ぶ会」。現代の寓話を狙った作品?ただ「UFOを呼ぶ会」という寓話的な設定に集う人々、「高い会費」を支払ってまで同会に参加する気持ちが、観客に(演じる役者さんにさえも)伝わって来ないように感じられました。
同会の主宰者である主人公、主人公に片思い?のアシスタント女性、同会の会費を払うため自分のバイト代を持ち逃げした彼氏を追ってやってきた女性、この3人を除いた登場人物には、リアルな人間の息遣い、最後まで聴こえて来ませんでした。

「群像劇」とは人間のドラマ。頭ん中でこしらえたキャラ、寄せ集めて出来るもんじゃない!
好演・熱演の役者さん達には申し訳ない出来栄えでした。残念です。

さっき、その席で誰かが

さっき、その席で誰かが

シアターノーチラス

THE GUIDE(東京都)

2010/05/08 (土) ~ 2010/05/09 (日)公演終了

満足度★★★★

気が遠くなるほど、久しぶりの観劇。
芝居は三部構成、休憩無しの80分。
で、それぞれの登場人物のみなさんはぁ~(以下、ネタバレbox)

ネタバレBOX

【第一話】
(アルミかスチール製の)長椅子1脚と…夫の葬儀を終えたばかりの妻。葬儀の手伝いに来た、夫の有能な部下である女性。

【第二話】
田舎のバス停にある椅子(を模した、折り畳み椅子)3脚と…その椅子に腰を下ろしてバスを待つ女性二人。後からバス停に辿り着いた女性編集者。

【第三話】
路上に置かれた背もたれ椅子1脚と…その椅子に座り続ける、同棲相手に逃げられた男性。通りすがりのサラリーマン。同棲相手だった妹の到着が遅いのを案じて、探しに来た姉。近所に住む女性(設定:翌日が資格試験の本番)。

どのお話でも、小道具であるはずの椅子が、無言の狂言回し(ストーリーの進行に終始に関わっている役柄)演じておられました。

観客席から間近な舞台。ですから、特に(登場人物全員が若い女性、という設定の)第二話なんぞは、職場のOLたちの言い争いを目の前で見ている、って感覚なんです。ひゃー、ビックラこいたぁ(笑)
この手のお芝居独特のセリフ回し、所作(しょさ)に、目と耳と、そして頭がつられてフル回転…終わった際は少々ヘバリ気味でした。ですが、それは心地よい疲れだったかもしれません。
グレーテルの妹

グレーテルの妹

シアターノーチラス

OFF OFFシアター(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★

ノーチラスさんの芝居の特徴。嫉妬、怒り、欲望、劣等感…誰もが有し、だが、誰もが普段は対人関係を慮(おもんぱか)って胸の奥に仕舞い込んでいるもの。そんな様々な負の感情が、ある「事件」を契機に一気に露にされていく様相を丁寧に淡々と描いていく…ってな作風なもんで、観ているヒトによって、好き嫌いがはっきり分かれる芝居です。なんたって、手放しのハッピーエンドで終わった試しがないんですから(笑)。でも、それがまた魅力なんです♪(以下、ネタバレboxにて)

ネタバレBOX

今回の『グレーテルの妹』での「事件」は、婚約者・純一が実はストーカーだった!
という「謎の女」の告白。
ある打算的理由から、綾香の結婚を望んでいた人間は、目論みが外れそうになって、思わず本音をオモテに出してしまいます。
綾香の兄や、親友・佐和子の夫までもが、普段の温厚さからは想像もつかない怒りでその身を震わせています。
ただ、そんな周囲の喧騒をよそに、ボケ症状の父親を探しに出掛けた、綾香の妹・有紗だけは、静かに成り行きを見守っていたのです。

人喰い魔女の住む、お菓子の家に迷い込んだヘンゼルとグレーテル。魔女を退治した後、財宝を手にして、我が家に帰りました、とさ

遠い昔、失踪したあげくに、森の奥で首を吊った姿で発見された綾香達の母親がいつも話してくれていた、「ヘンゼルとグレーテル」の寓話。
母親から、ヘンゼル(兄)でも、グレーテル(綾香)でもない、「グレーテルの妹」と呼ばれていた、有紗が最後に語りかけます。
たとえ魔女という大きな障害が待ちかまえていようとも、二人で手を取り合って、お菓子の家を目指して行こうよ!
いうまでもなく、姉の綾香とその婚約者に向けたエールです。舞台はここで幕を降ろします。

あれ~、ハッピーエンドとは無縁のはずのノーチラスさんの芝居なのに、ひょっとすると、綾香達はこの試練を乗り越えるんじゃないか?って、微かな希望が見えてきたぞぉ!
新任教師

新任教師

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2014/04/09 (水) ~ 2014/04/13 (日)公演終了

満足度★★★

ひと言でいえば、群像心理劇、です。
シアターノーチラスさんのお芝居、確か、これで4回目の観劇。でぇ、毎回、感じるんです。夏の陽射しに首筋の辺りを焦がされるような、背中の汗でワイシャツがへばりついたような、違和感・不快感・不調和音。なら、観なきゃいいだろ!と突っ込み、入れられそうですけど、何て言ったらいいのかなあ…そうっ!コーヒーみたいなもんです。苦み&渋み&酸味&香り…いろんなもんが合わさっての、自分の生き方・ヒト様の生きざま。そんなことを思い知らされるんですね、ノーチラスさんのお芝居。

その名はブルー

その名はブルー

シアターノーチラス

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2012/11/15 (木) ~ 2012/11/18 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2012/11/17 (土)

ミステリー仕立ての、上質な心理劇でした。
皆さん大変な熱演だったのですが、ヒロインの木村香織さん、謎の女性・丸山小百合さんの演技、とりわけ印象に残りました。

栢子(かやこ)の結婚

栢子(かやこ)の結婚

シアターノーチラス

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2012/07/13 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

夏いよいよ本番の日曜日。陽射しを遮る木陰ひとつない一軒家の庭を舞台にしたお芝居を観てきました。
『栢子の結婚』…栢子(かやこ)さんという、結婚直後に旦那さんに失踪された女性が、一応、ヒロインの物語。一応、と付け足したのは、このお芝居、栢子さんを励ましに集った様々な男女が、雀の様に騒がしく、何故か、自らの内面をさらけ出していく、アンサンブル・プレイ…群像劇なもんで、見方を変えれば、登場人物の誰もが主人公のように映るんです。

セリフ、なかなか聴かせます。総勢13名の登場人物の描き分けもきちんと出来ています。ホンの書き手の実力、数年前、別のお芝居で感じた凄さが、一層、研ぎ澄まされたなあ、と素人ながら感心しました。

のばらのばらのばら

のばらのばらのばら

ヅカ★ガール

新宿眼科画廊(東京都)

2015/06/05 (金) ~ 2015/06/10 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

自分は初見なんですが、評判の高かった作品の再演です。上演時間80分・出演者5名。会場はアットホームに狭い空間(笑)。小品です。
ですが…劇団の主宰でもある、飯塚未生さん演ずる「キリコ」。小劇場演劇の世界にいそうでいない、コケティッシュな魅力の、上埜(うえの)すみれさん演ずる「ミカちゃん」。このお二方の、友情と愛情と希望の入り混じった関係…正直言うと、途中でエンディングが読めたんですが、そんな些細なことなぞ、押し流してしまうほどの感動、ラストシーンで体感しました。ガサツなオッさんのハート、ちょいと震えました。セリフの一つ一つが、劇伴が、スクリーン越しに透ける影絵のようなシルエットが、滑らかで繊細でシルクのスカーフのような手触りの芝居でした。

サバト

サバト

ヅカ★ガール

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/09/09 (金) ~ 2016/09/13 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/09/11 (日)

新進画家と売春婦という、奇妙な関係の若い女性二人が、ふとしたきっかけから、悲劇の結末へと一気に転落していく…昨年6月に拝見した『のばらのばらのばら』という作品で、すっかりファンになってしまったヅカ★ガールさん。この『のばら…』と同じく、今回も作・演出は団体主宰の飯塚未生さん。そして…2時間弱ほどの上演時間中、「退屈」の二文字に付け入る隙を全く与えない、観客をグイグイと作品世界に引きずり込む彼女の腕力?もまた、前作同様、健在でした!

飯塚さんが丁寧に紡ぎ出した濃密な劇的時空間の中で、若い女優さん達は上演の最中にも役柄をどんどん昇華させていくように感じました。
反面、男性陣に関しては、役者さんお二人の熱演にも関わらず、彼らの描かれ方・葛藤が、今一つ、類型に過ぎるように、世俗にまみれたオッサンの目には映ったのが、少し不満ではありました。

卍珠沙華

卍珠沙華

ヅカ★ガール

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2017/02/12 (日) ~ 2017/02/15 (水)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/12 (日)

若尾文子&岸田今日子版、樋口可南子&高瀬春奈版…名作映画2本の影響で、年上の女優さんたちが演じる、何やら怪しげな禁断の世界!と子供ごころにも認識していた谷崎潤一郎の『卍』。それをウン十年後、自分よりはるか下の世代、しかも全キャスト女性の芝居で観ることになろとは!と期待半分・不安半分で臨んだヅカ★ガール版『卍』。
柿内園子・結崎あゆ花さん
徳光光子・片山歩美さん
柿内孝太郎・かまくらあやさん
先生・石黒徳子さん
の4人で臨まれた舞台は、観劇前に危惧していた「背伸びし過ぎの学芸会」に陥ることもなく、丹念に描かれた、でも進行自体はテンポ良く…大人の鑑賞に耐え得る60分でした。特に終盤、柿内夫妻と光子が●●●●を図るシーンでは、辺りが一瞬、極彩色に!(包まれた気がしました、笑)。
とはいえノー文句という訳でもありません。「先生」の文机の位置。狭い会場なもので、アクティングエリア前方の「文机」で座った姿勢で演ずる「先生」の姿は、後列におられるお客様にはさぞ見えづらかったろうと、座高の低いオッサンは上演中、他人事ながら案じる羽目に陥ったことは付記しておきますね。

月光町月光丁目三日月番地

月光町月光丁目三日月番地

藏下右京×渕上夏帆 二人芝居

小劇場 楽園(東京都)

2017/02/02 (木) ~ 2017/02/05 (日)公演終了

満足度★★★

唐十郎の初期の戯曲だが、唐作品特有のオドロオドロしさを感じさせない、詩のリーディングのような舞台。(私の誤解かもしれないが)若いお二人の演じ手の熱演には清々しささえ覚えた55分。

ひずむ月【本日千秋楽!当日券若干あり】

ひずむ月【本日千秋楽!当日券若干あり】

劇26.25団

OFF OFFシアター(東京都)

2016/10/12 (水) ~ 2016/10/17 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/10/17 (月)

異端の地震学者として、また、夫として・父として頑固実直な生き方を貫いた、実在の人物の半生を軸に、様々な苦難や不条理に直面する主人公や当時の人々の有り様を、ユーモアを交えつつも、丹念に描いた2時間です。

当時の地震学会の趨勢に逆らい、関東大震災発生の可能性を唱えた、今村博士役・石塚義髙さん。
今村の上司であり、彼の熱意を理解しつつも、いたずらに社会に不安をもたらす関東大震災・発生説には懐疑的だった、地震学の権威・大森房吉博士役の北川竜二さん。
2人の博士の出会いから対立、そして…までの骨太なやり取り、強い説得力をもって観客に迫ってきます。

また、今村博士の長男(青木絵璃さん)と、朝鮮飴売りの娘(林佳代さん)との微笑ましい交流の様子は、後の悲劇が如何に不条理なものかを観る者の胸に訴えかけてきます。

『ひずむ月』、可能ならば来年の9月1日にまた再演して欲しいなぁ…と思える作品でした。

Shoe Cage

Shoe Cage

電動夏子安置システム

OFF OFFシアター(東京都)

2016/10/20 (木) ~ 2016/10/24 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/10/24 (月)

監視カメラが街中の至る所だけでなく、家庭内にまで設置され、電話の通話も全て当局に把握されている「国民総監視体制」とも言うべき近未来社会。本作品は、そこに生きる人々の右往左往ぶりをコミカルに描いた、オムニバス形式のドタバタコメディ短編集です。

8つの短編に入れ替わり立ち替わり登場する9名の男女。彼ら・彼女らの言動は、登場回毎に、「設定」に縛られています。
いわく、片方の部屋とは相手の声は聞こえるが姿が見えず、もう一方の部屋では相手からは自分の姿が丸見えだが相手の声は自分には届かない…直角三角形の3つの角のような位置で連なった、そんな奇妙な独房に収監された3人の囚人、とか
(決められた場所以外では通話禁止なので)実は電話の相手と喋っているのに、そこらじゅうに設置された監視カメラを誤魔化すために、目の前にいる人間と会話しているフリを強いられる一般人、とか…。
もちろん、役者さんたちは台本に沿って演じているわけですけど、オッサンの目には、まるでエチュード(所与の条件以外は、その場で役者が考えて演じる即興劇)のような、一種の緊迫感さえ、体感させて貰いました(もちろんドタバタコメディなんで、緊迫感だけでなく、爆笑の連続だったんですよ!)。

ということで、本作品、決して難解!という訳ではないんですが、観ている側も、上述の「設定」をしっかりグリップしていないと、ストーリーの進展についていけない…観客の脳みそに怠惰を許さない?!芝居でした。

ブレッチリーの啼かない鵞鳥たち

ブレッチリーの啼かない鵞鳥たち

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2016/04/20 (水) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★

タイトルから抱くイメージだと、めちゃシリアス!って感じですけど、実際はクドいほどのドタバタコメディー♪
笑いの沸点、決して低い方ではない自分も、声をあげて笑い転げる2時間でした。
でぇ、登場人物の全てがコメディーリリーフ的役割を担っていましたが、とりわけ、初見の渡辺美弥子さん、拝見するの確か3度目の犬井のぞみさん、劇団ひとりさん的雰囲気の岩田裕耳(ゆうじ)さん、が個人的には印象に残りました。

とはいえ、おはなしのベースに横たわっているのは、当時の政治的情勢とかのサスペンス的要素。コンテンツとしては、小劇場演劇の世界ではあまりお目にかからない熟年層のオトナの方の鑑賞にも十二分に堪え得る作品でした。

ただ、なもんでぇ、ちょこっとだけネタバレになりますが、最後のシーンに出て来るコートの裏地が意味するもの。年配の方には周知のモノですが、果たしてミリタリーオタク以外の20代の観客にわかるかなぁ?とオジサン、少しだけ心配になりました。観客に理解されてこその「オチ」なんですから。

量子的な彼女

量子的な彼女

NICE STALKER

王子小劇場(東京都)

2016/11/19 (土) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2016/11/20 (日)

『猟奇的な彼…もとい!『量子的な彼女』、まずは舞台セットが、わぁ~♪って感じ。
でぇ、夢見がちな舞台で活躍するのが、ヒロインの藤本紗也香さん(☜芸名がそのまま役名に! 以下、同)、キーパースンの池田萌子さん、そして、藤本海咲さん、吉田ちひろさんの4人のオカルト研究部員。意識してキャスティングされたのかなぁ?そろいもそろって小柄で、キャピキャピ(☜死語、笑)。オトナとコドモの中間点な高校の下級生の感じがよく出ていて、オッサンのオイラ、観ているうちに、いにしえの我が高校時代に思いが至る「遠い目」状態に!とりわけ池田萌子さんのキラキラした笑顔と、藤本紗也香さんのシャイな表情が、とても印象的でした。

おはなし自体は(事例が古くてスイマセン、汗)テレビアニメ『うる星やつら』を想起させる、テンポの良いシュールな会話と突っ込みにクスクス笑えて、ちょいセピア色な気分にも浸れる90分。もう一度、観たいと思える、愉しい作品でした。

これでおわりではない~2017ver.~

これでおわりではない~2017ver.~

アンティークス

「劇」小劇場(東京都)

2017/02/22 (水) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/02/26 (日)

『君がいた星』以来のアンティークスさん。『君が…』に比べると、ストーリー進行上のご都合主義的な無理も感じず、素直におはなしに乗れたと思う。

ヒロイン・岬(演・金原詩歩さん)と実体験で重なる部分があるため、過度に感情移入しているとは思うが、父母・兄妹の家族との「再会」「団らん」「別れ」の描写はダイレクトに涙腺に来てしまい、観劇中、こらえるのに、かなり難儀した。「下町の、貧しくとも・つつましく・幸せに暮らしていた一家」という風情、ヒロインのみならず、家族を演じた4人の役者さんの力量が寄与するところも大だと評価する。

また、設定がトリプルのパラレルワールドなため、他の方のコメントを拝見すると、頻繁な場転について来れない観客もおられたようだが、この辺りは(大変失礼な言い方で恐縮だが)観客個々の読解力のレベルの問題かと考える。

気になった点。本作の脚本家さん、『君が…』のときもだが、「宇宙人」に何かこだわりがあるようで、それがストーリーのキーワードであった『君が…』ならばともかく、本作においての「宇宙人」が絡む一連のセリフには、終始、違和感を覚えた。必要でしたか、「宇宙人」?

時をかける稽古場

時をかける稽古場

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2014/06/07 (土) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

演劇用語なんですが、事前に舞台の床面にテープを貼ることで、役者さんの立ち位置とか、小道具の置き位置とかの目印を付けておくことを「バミる」と申します。
この「バミる」作業が、どういう理屈か、公演2週間前の小劇団の劇団員を、公演前日の自分自身と入れ替える「タイムマシン」の作用を呼び起こしたのだから、さあ大変!
そんな一風変わったコメディが、Aga-risk Entertainmentさん『時をかける稽古場』です。

タイムトリップ物って、もうすっかり手垢のついたアイデアだと思っていました。
ところがどっこい!現代と未来の劇団員たち、それぞれが抱えた事情や思惑…こんな要素が幾つも重なっていくうち、(それも「笑い」のスパイスをまぶして)時をかける「笑」撃波が!何度も何度も観客席を襲って来たんです。クスッ、どころではありません。本気で腹を抱えて笑い転げました。笑い過ぎて、涙、出ました。払った木戸銭だけでは申し訳ない…それほど満足のいった芝居でした。

紅白旗合戦

紅白旗合戦

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

劇場入り口、手前の教師側・奥の生徒側の代表が一同に会して、卒業式の式次第について互いの案を通すため激論を戦わせます。
議論はいたって真剣…なんですけど、一つ一つのセリフ、どこかトボケたところがあって、笑わせます。
議題はいたって真面目…なんですけど、テーブルの下では陰謀・脅し・買収と、ありとあらゆる手練手管が繰り出され、その都度、うろたえ・慌てだす出席者の様子が爆笑を誘います。

あっ、ポスターに「国旗と国歌で泥試合」とありますが、これは単なるおはなしの「きっかけ」に過ぎません。政治色の殆ど無いドタバタコメディですからネッ!

2時間の上演時間、ほぼノンストップで笑わせる、それもギャグでなくセリフとストーリーで笑わせるコメディでありながら、中立の議長・副議長を含めて、出席者の人数が12名!
互いに意見を出し合いながらラストの表決の際、決して全員一致ではないものの、一つの結論を導き出していく様…うがち過ぎかもしれませんが、往年の名作映画『12人の怒れる男』連想しました。

場所は新宿・午後7時半開演ということもあってか、小劇場演劇の世界では、あまり目にしない20代後半~40代前半?の背広・ネクタイ姿の方もちらほら。そんな「オトナ」の観賞にも充分耐え得る作品、でした。

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

七人の語らい(ワイフ・ゴーズ・オン)/笑の太字

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★

『七人の…』は、主演の矢吹ジャンプさん以外は、皆さん、おなじみの面々。でぇ、その矢吹さんを初め、ベタな(笑)ドタバタを繰り広げる役者陣の演技は、まさに、お見事!のひとこと。

『笑の太字』はAチームの回を拝見しましたが、コメディでありつつ、シリアスな会話劇の熱も帯びた熊谷有芳さん・前田友里子さんのやりとり…わぁ~、これぞ演劇、観てんなぁ~♪と充足感に浸らせてもらいました。

ってなことで、ワタシだけでなく、ワタシが密かに重んじている「観劇巧者」の皆さんも全員が絶賛!の公演、ではあったんですけど…アガリスクさん初体験の『時をかける稽古場』(2014)、2番目に観た『紅白旗合戦』(2015)、実は今回の公演と同じく会場は新宿・サンモールスタジオなんですけど、上掲2作品のときと比べて、笑いの「質」はさておき、笑いの「量」が、今回、エラく少なかったように「体感」しました。会場全体がドォォォと湧き返り、途切れることなく笑いのウェーブが押し寄せる…ってな感じが、今回はなかったんです。
勿論、ウケてるヒトも大勢おられましたが、少なくともワタシやワタシの席の隣りの女性・前列のカップルから笑い声を耳にする回数、そんなに多くはなかったかと。
他の観客はいざ知らず、個人的な感想としては、理が勝ち過ぎ。頭では笑い処だと理解しても、カラダが反応しない場面、多々あったように思われます。

終演後、受付で見かけた笑顔の愛くるしい方。『時かけ』に出ておられた榎並夕起(えなみ・ゆき)さんかな? この度、正式にアガリスクさんの構成員になられた彼女も出演なされるだろう次回作に期待したいなと思いました、とさ♪

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