グレーテルの妹 公演情報 シアターノーチラス「グレーテルの妹」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ノーチラスさんの芝居の特徴。嫉妬、怒り、欲望、劣等感…誰もが有し、だが、誰もが普段は対人関係を慮(おもんぱか)って胸の奥に仕舞い込んでいるもの。そんな様々な負の感情が、ある「事件」を契機に一気に露にされていく様相を丁寧に淡々と描いていく…ってな作風なもんで、観ているヒトによって、好き嫌いがはっきり分かれる芝居です。なんたって、手放しのハッピーエンドで終わった試しがないんですから(笑)。でも、それがまた魅力なんです♪(以下、ネタバレboxにて)

    ネタバレBOX

    今回の『グレーテルの妹』での「事件」は、婚約者・純一が実はストーカーだった!
    という「謎の女」の告白。
    ある打算的理由から、綾香の結婚を望んでいた人間は、目論みが外れそうになって、思わず本音をオモテに出してしまいます。
    綾香の兄や、親友・佐和子の夫までもが、普段の温厚さからは想像もつかない怒りでその身を震わせています。
    ただ、そんな周囲の喧騒をよそに、ボケ症状の父親を探しに出掛けた、綾香の妹・有紗だけは、静かに成り行きを見守っていたのです。

    人喰い魔女の住む、お菓子の家に迷い込んだヘンゼルとグレーテル。魔女を退治した後、財宝を手にして、我が家に帰りました、とさ

    遠い昔、失踪したあげくに、森の奥で首を吊った姿で発見された綾香達の母親がいつも話してくれていた、「ヘンゼルとグレーテル」の寓話。
    母親から、ヘンゼル(兄)でも、グレーテル(綾香)でもない、「グレーテルの妹」と呼ばれていた、有紗が最後に語りかけます。
    たとえ魔女という大きな障害が待ちかまえていようとも、二人で手を取り合って、お菓子の家を目指して行こうよ!
    いうまでもなく、姉の綾香とその婚約者に向けたエールです。舞台はここで幕を降ろします。

    あれ~、ハッピーエンドとは無縁のはずのノーチラスさんの芝居なのに、ひょっとすると、綾香達はこの試練を乗り越えるんじゃないか?って、微かな希望が見えてきたぞぉ!

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    2017/02/28 23:11

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