グレーテルの妹 公演情報 グレーテルの妹」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    ノーチラスさんの芝居の特徴。嫉妬、怒り、欲望、劣等感…誰もが有し、だが、誰もが普段は対人関係を慮(おもんぱか)って胸の奥に仕舞い込んでいるもの。そんな様々な負の感情が、ある「事件」を契機に一気に露にされていく様相を丁寧に淡々と描いていく…ってな作風なもんで、観ているヒトによって、好き嫌いがはっきり分かれる芝居です。なんたって、手放しのハッピーエンドで終わった試しがないんですから(笑)。でも、それがまた魅力なんです♪(以下、ネタバレboxにて)

    ネタバレBOX

    今回の『グレーテルの妹』での「事件」は、婚約者・純一が実はストーカーだった!
    という「謎の女」の告白。
    ある打算的理由から、綾香の結婚を望んでいた人間は、目論みが外れそうになって、思わず本音をオモテに出してしまいます。
    綾香の兄や、親友・佐和子の夫までもが、普段の温厚さからは想像もつかない怒りでその身を震わせています。
    ただ、そんな周囲の喧騒をよそに、ボケ症状の父親を探しに出掛けた、綾香の妹・有紗だけは、静かに成り行きを見守っていたのです。

    人喰い魔女の住む、お菓子の家に迷い込んだヘンゼルとグレーテル。魔女を退治した後、財宝を手にして、我が家に帰りました、とさ

    遠い昔、失踪したあげくに、森の奥で首を吊った姿で発見された綾香達の母親がいつも話してくれていた、「ヘンゼルとグレーテル」の寓話。
    母親から、ヘンゼル(兄)でも、グレーテル(綾香)でもない、「グレーテルの妹」と呼ばれていた、有紗が最後に語りかけます。
    たとえ魔女という大きな障害が待ちかまえていようとも、二人で手を取り合って、お菓子の家を目指して行こうよ!
    いうまでもなく、姉の綾香とその婚約者に向けたエールです。舞台はここで幕を降ろします。

    あれ~、ハッピーエンドとは無縁のはずのノーチラスさんの芝居なのに、ひょっとすると、綾香達はこの試練を乗り越えるんじゃないか?って、微かな希望が見えてきたぞぉ!
  • うーん
    感情移入といくか、
    ここの劇団のイメージの中に入り込めなかった。

  • 満足度★★★★

    少し中途半端かも
    結婚をまじかに控えた女性宅に謎の女性が…。
    女3人の黒い思惑が透けて見え、そのキッカケを作ったのも謎の女

    という設定だから、女性は怖い。芝居は、女性達の思惑・誤解・食い違いによって炙り出される本性・・・、厭らしいブラック・コメディのようで面白かった。
     また別の筋として“家族とは” という恒久的な問いかけも描かれていると思うが、車の両輪のごとく、何時まで経っても“女性の思惑” と “家族とは” が明確な意思をもって交わらず、中途半端な演出になった感がある。

    ネタバレBOX

    結婚を控えた女性宅。
    そこに兄夫婦、ウエディングドレスを作ってくれる親友女性とその主人。
    そこに謎の女性がスルッと入り込み、とめどのない話を始めた。
    そのうち、今度結婚する女性のフィアンセがストーカーだと言い始める。

    知り合ったキッカケ、付き合いだした経過、ストーカーされて怖い思いをしている現状を説明する。この闖入者(ちんにゅうしゃ)のごとき謎の女性の言葉に狼狽え、フィアンセに対する疑心暗鬼が生まれる。一方、義姉は自分が年下ということもあり、小姑に家を出て欲しい。親友女性は、夫がかつて主人公と付き合っていたことを知っており、早く結婚してくれないと安心できない。そして、謎の女の目的は・・・分からない。

     一方、認知症を患っていると思われる主人公の父親の存在。街中を散策(その昔は森であったようだが)し、独り言をポツリポツリ。この徘徊のような行動の直接的な意味はなにか。

     結局、フィアンセに問いただすが、ストーカーの認識はなく、自殺しようとした(謎)女性を見守るうちにストーカーと勘違いされたと・・・。ストーカーの被害者と行為者の意識の違い、そして 「許嫁(いいなずけ)を本当に愛しているのか?」という問いに対する答えが 「分からない」 という虚しさ。その分からない感覚が自分にも伝染したのだろうか、実に不思議な公演であった。
  • 満足度★★★★

    最終日に拝見
     いつもながら、日常の何気ない些事に鋭く深く丁寧なタッチで切りこんでくる、シアターノーチラスの冴えが光る。この劇団の持ち味は、しみじみ考え込ませるような作品を毎回練り上げてくることで、大した力量である。今後とも見続けたい劇団の一つだ。もう一つ、話題性を獲得する為に、社会的事件と絡める手法を取り入れれば、ブレイクするは必定。(ネタバレ追記後送)

    ネタバレBOX

     ヘンゼルとグレーテルは、1度目に森に入った時は、道しるべに小石を落としていったのに、2度目は何故、小鳥に食べられてしまうパン屑を撒いていったのか? いきなり鋭い問い掛けが為されて、物語は始まる。この問いと答えは、妹が出すのだが、認知症の初期段階にある父は、最近では、毎日、森に出掛けるのである。行く場所は、決まっているので、捜索に手間取ることは無いのだが、失踪した母を探して、毎日森を彷徨い歩くのが、日課になっていたのだ。
  • 満足度★★★★

    今後も注目
    木村香織さんがやはり、前作の美術教師役に次ぎ本作でも見事な存在感を発揮していた。宮島えみさんも見事に嫌な女を好演していたし栗山佑さんのとぼっけぷりなど各々の演技は見応えがあった。
    しかし、ぶつ切りのような構成に時折集中力が途切れてしまい、私はもう一つ引き込まれなかった。その点、前作の方が観やすい作りで最後まで集中して楽しめた。

  • 満足度★★★★★

    素晴らしい心理描写
    女の戦い、権謀術数に恐れ入りました。

    ネタバレBOX

    子育てに自信がなくて森で自殺したお母さん、惚け始めたのか、惚けたときの練習をしているのか、毎日森へ出掛けるお父さんの話は置いておいて、長女の結婚式を前にして、女友達と長男の妻の心理がいやらしいほど克明に描かれていて驚嘆しました。

    婚約者にストーカー疑惑が生じても、小姑を追い出したい長男の妻は結婚式を挙げさせるように夫に働き掛けます。女友達も自分の夫が彼女に対して抱いているであろう未練に引導を渡すため、ウェディングドレスを作るという行為で退路を断ったと思っていましたが、もしかしたら婚約破棄になるのではないかと心配します。この辺りの描写が素敵でした。

    長男の妻の小柄な体から発せられたオフレコの本音の叫びには夫もたじたじでした。素晴らしかったです。
  • 満足度★★★★

    んんー・・・
    サクッとまとめてしまえばなんでもないお話なのですが、
    人間のこころの奥底にあるおぞましい、なにか。
    日常の隙間から這い出る心の闇をシビアに描いていました。
    個々の心情の噛み合わなさもそれを引き立てていたと思います。

  • 満足度★★★★

    慎重にでも思い切りが大事!
    行動だけでは誤解を生み、見方によってはとんでもないことに・・・。
    女性への愛は言葉で表現することが大事であり、結婚には思い切りが必要、結婚後、願いをかなえる為には困難が待ち構えているので協力して人生を歩んでいきましょう。具体的な芝居の中に時折混ぜる抽象的な件を交える奇抜な演出。

    ネタバレBOX

    長男の妻恵理の笑いが何とも言えない含みをもたらす。
    ストーカー被害をうけて剃刀で手首をきりかけたと言いはる被害妄想の謎の女と心配だから遠くから監視していたと言う主人公の婚約者の小野田純一の件りは興味深かった。
  • 満足度★★★★

    お菓子の家を探すコトにひっかけた物語
    何ともいえない雰囲気の芝居であったと感じました

    話の内容は単純ともとれるのですが・・・・。
    これは見てみないと判断し難いかなぁって思えた1時間50分程。

    ネタバレBOX

    平たく物語を話すと、結婚を1ヵ月後に控えた女性が、知らなかった情報を聞き及び周囲の人間ともども悩む話。 かな・・・。

    入り組んだ人間関係が錯綜する群像劇とも云えますでしょうか・・・・

    3~4棟あるらしい集合住宅内の一室のリビング→舞台としては白い長方形のテーブルに青色の椅子が5つあるだけのシンプルなセットでした。

    15年前に母が失踪した家庭=長男とその奥さん&長女(1ヵ月後に結婚を控えて親友がウエディングドレスを縫ってくれている)&次女(母の読んでくれた童話に+して、この彼女が「グレーテルの妹」と母に呼ばれていた)&ボケているのか?森を巡るといって住宅周囲を徘徊する父。
    この家庭を外から見つめていた女を長女と同級だった親友の夫が連れてきてしまい、話を聞く羽目になる。話とは長女の結婚相手は自分が以前付き合っていた男性で、今ではストーカー化して怖いというものであった。
    この話から端を発して、人は何処までその人物を理解してるのか?といった心理的な哲学的な話も垣間みられる展開に感じたデス。

    この劇団さんは物語を明確に結論着けることはしないで、話の行方は観客に任せるといった感じですね。 なので物事がハッキリしないと気持ち悪いとか思う方にはお奨めはできないです(-_-;)。 

    まぁ自分、結構この話は気に入りました。 会話は解り易いんですが、積み上げた物語は難しいものになったという感じです。

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