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Court Gort(コートゴート)

Court Gort(コートゴート)

PLAYunitむめむめ

アトリエファンファーレ東池袋(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/14 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/10/03 (木)

黒ヤギチームの初日、3日19時半開演回(2時間15分)を拝見。

ネタバレBOX

「模擬裁判なんて、まどろっこしいことせずに直接手を下せばいいのに?」
「『悪役』である彼(匿名希望?!)と彼女(同左)は、顔を合わせた瞬間、主催者側の何らかの意図を察して、逃げるのが普通じゃない?」
等々、突っ込みどころの多い本作、かなり無理無理な筋立てだとは思ったが…そんな野暮は言いっこなし!
話が進むにつれて、客席がグングン舞台に引き込まれていくさまが肌で感じられた135分だった。
色々と文句はあるものの、観終わった後の感想は「良い時間を過ごせた」。

とはいえ、上記のいちゃもん?!以外に気になった点も指摘しておきたい。
まず一つには、この内容ならばシリアスのまま進行させた方が良かったのでは?
話の流れからいけば自然だとはいえ、映画の撮影に見立てた殺害の再現シーンの「お笑い」パートには、それまでの緊迫感に水をさされた気分がした。
あと、もう一点。これはあくまでも個人の嗜好の問題かもしれないが、加害者・被害者・その家族や知人等に関して単純に善悪で判断しかねる「人間の弱さ」を描いていたのにも関わらず、あの人物だけ完全な『悪役』として処理してしまったのが、画竜点睛を欠くように思えてならなかった。作品の趣旨からいえば、あの人物でさえ…と描いて欲しかった。

でっ、演じ手で最も印象深かったのが「あの人物」を演じた役者さん。
憎々しいまでの「悪役」ぶりに一種の清々しささえ覚えたことを白状しようw

【配役】
模擬裁判の裁判長・望井(一人娘がいた)…白幡大介さん
模擬裁判の裁判官・星澤(望井の教え子だった)…石永健揚さん
模擬裁判の裁判官・鈴木(望井の教え子? 星澤の後輩)…渡辺晴香さん
模擬裁判の弁護士・巴(検察官の佐藤と付き合っている?)…武川美聡(たけかわ・みさと)さん
模擬裁判の検察官・佐藤…田中宏典さん
被告人・加賀美…平井泰成さん
模擬裁判ツアーガイド員・利木(穂高の知り合い。彼女の過去を知ったうえでツアーに誘った?)
…望月光さん
模擬裁判の裁判員・百瀬(フリーライター。穂高は昔のカノジョ?)…大久保茂行さん
模擬裁判の裁判員・木下(技術者。女性不信から独身)…込山弘一さん
模擬裁判の裁判員・与那嶺(世界を舞台にする営業ウーマン)…竹田真季さん
模擬裁判の裁判員・田中(常にクールなモノの考え方をする)…西藤東生(さいとう・のぼる)さん
模擬裁判の裁判員・小佐見(主婦。子供がいる)…安藤陽佳(あんどう・はるか)さん
模擬裁判の裁判員・井出(法学部生)…仲居凜さん
模擬裁判の補助裁判員・穂高(何かの理由で男性と接触することがへの恐怖症あり)…Sieさん
『わたしはザリガニになりたい』

『わたしはザリガニになりたい』

美貴ヲの劇

スタジオ空洞(東京都)

2019/10/02 (水) ~ 2019/10/06 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/10/02 (水)

初日の2日ソワレ(90分)を拝見。

昨年9月のオムニバス公演『セックスドラッグ花嫁修行』から各短編のエッセンスを抽出し、新たなアイデアを加えて一本の作品に再構成した90分。
本編、そして初日のイベント共、サービス精神満点の公演でした。

演じ手では、何と言っても、90分間、ほぼ出ずっぱりの、主演・藤崎詩織役の三森あかねさんに尽きるかなぁ。

ネタバレBOX

【配役】
藤崎詩織…三森あかねさん
元カレ小川/収容者1/ハラセン/シンデレラの王子様/ウサギ
…小川富行さん
支配人/BL女子2/シンデレラ
…金子優子さん
収容者・長谷川/キリストの花嫁3/キティさん/レジスタンスメンバー2
…長谷川栞さん
綺麗な長い髪の毛で際どい水着を着る収容者/BLリーダー/キリストの花嫁2/白田
…栗原雅美さん
上司/配達人/収容者・瀬川/警察/レジスタンス副リーダー・圭介
…瀬川圭介さん
メイド/BL女子3/キリストの花嫁1/ララ
…ハラグチリサさん
パン好きのサトモリ/収容者2/佐条/サトル・キリスト/白雪姫の王子
…サトモリサトルさん
FBI長友/シスター/ドロドロシナモン/レジスタンスメンバー1/アナウンサー
…長友美郷さん
収容者・彩加/BL女子2/彩加ウサギ/白雪姫/レジスタンス・リーダー
…真辺彩加さん
巌窟に眠る

巌窟に眠る

演劇ユニット「クロ・クロ」

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2019/09/26 (木) ~ 2019/09/30 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/29 (日)

29日17時開演回(2時間)を拝見。

近頃、珍しい「チカラのこもった熱演」型の舞台。観ていた側も、終演後、疲労感半端なく…とはいえ、作品のまさしく「劇的な」世界観に寄り添うセリフ&演技、そして後味の良い結末のおかげで、心地よい気分で会場を後にすることが出来た。

それにしても、開演から即、クライマックスに向かって、話の展開が・板の上の人物たちが一斉に駆け出していく…あの疾走感、身震いする程、好みでした。

ネタバレBOX

演じ手では
本作一番の特徴である、エドモン・ダンテスとモンテ・クリスト伯爵とを別々に演じられた‬
‪石原嵩志さん、アンディ本山さん‬
終始、ノーブルな気品と意思の強さを漂わせていた
木村優希さん‬
脇役だが、凛とした声質が作品の世界観によくマッチした
植松りかさん
‪の4人が特に印象に残った。‬


【配役】
モンテ・クリスト伯爵(自分を陥れた三人組への復讐を果たすためならば手段を選ばず!と誓ったのだが…)
… アンディ本山さん
エドモン・ダンテス(無実の罪で生涯、孤島の監獄に収監されている、モレル商会の一等航海士だった男)
… 石原嵩志さん

モレル商会社長/ダンテス父/ジェラール検事総長の父
… 内藤羊吉さん
マクシミリアン(モレルの息子。ヴァランティーヌと身分違いの恋に落ちる)
… 鈴木健太さん

ベルッチオ(伯爵の筆頭家令)
… あンな邦祐さん
エデ(フェルナンの裏切りで滅ぼされた国の王女。今は伯爵の奴隷。復讐とは別に伯爵を密かに慕っている)
… 木村優希さん
カドルッス(酔っ払い。エドモンを陥れた三人組の悪事を知っている)
… 水川准さん
ルイジ(かっての大盗賊。今は伯爵の忠実な部下)
… 大寄正典さん
テレザ(ルイジを尻に敷く妻)
… 荒木凪瑳さん
ペネデット(伯爵の部下のならず者。実は、危うく処分されかかった、若かり頃のジェラール検事総長の私生児)
… 末永全さん

ジェラール検事総長(反政府側だった父親のために出世の道が危うく閉ざされるところを… エドモンを陥れた三人組の一人)
… 中込博樹さん
ルネ(亡くなったジェラールの最愛の妻)
… 米山涼香さん
ヴァランティーヌ(ルネとの娘。密かにマクシミリアンと恋仲)
… 森下由美子さん
エロイーズ(今の妻。夫の心が未だにルネにあると思い悩んだ末、伯爵の計略に乗せられる)
… 田中佑依さん
エドワール(エロイーズとの息子)/幼い頃のマクシミリアン(エドモンに懐いていた)
… 森宮ゆずさん

フェルナン(一介の漁師から将軍にまで出世した男。エドモンの婚約者となったメルセデスを奪うため、エドモンを無実の罪に陥れた三人組の一人)
… 長瀬巧さん
メルセデス(エドモンのかっての婚約者。夫の陰謀を知らぬまま、幼なじみだったフェルナンの妻に)
…キジマチカさん
アルベール(フェルナン夫妻の息子。ユージェニーと婚約中。友人のマクシミリアンと違い、頼りない若者だったが…)
… 橋本蒼汰さん

ダングラール(モレル商会での使い込みがバレるのを恐れて、エドモンを陥れた三人組の一人。今は強欲な銀行頭取)
… 友利哲健さん
エルミーヌ(ダングラールのカネに汚い妻。夫への愛情は皆無だが、突き放しているように見えて、実は娘思い)
…植松りかさん
ユージェニー(ダングラール夫婦の娘。婚約者のアルベールのことを表面上は馬鹿にしつつも、実は内心、憎からく思っている)
…松本真菜実さん
フランドン農学校の豚

フランドン農学校の豚

座・高円寺

座・高円寺1(東京都)

2019/09/20 (金) ~ 2019/10/04 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/29 (日)

題材の豚肉料理にちなんで⁈
29日(肉の日)14時開演回(65分)を拝見。

座・高円寺の企画「あしたの劇場 劇場に行こう!」は、『旅とあいつとお姫さま』『ふたごの星』のシーズンに数回観ていたのだが、今の番組構成になってからは、今年が初めての観劇となる。

別班の『ピノッキオ』がオトナだけでも満足できる、洗練されたイタリアンレストランとすれば、本作は昭和の頃のデパートの大食堂で、親子連れで豚肉料理を楽しんで下さい!といった趣き。NHK「おかあさんといっしょ」の公開収録のノリに近いかなぁ。
でっ観終わっての感想は…
食材となった生き物の命の尊さを知り、感謝を込めて
「ご馳走様でした♪」

ネタバレBOX

演じ手では、先に『ピノッキオ』を観た際、本作の当パンに目を通して…アッ!
農学校の先生役・柴田美波さんは、過日拝見した、福島3部作の第3部『2011年:語られたがる言葉たち』で、若手のテレビ局員を演じられた役者さん。
一つの舞台で気に入った演じ手に、さほど時を経ず、別の舞台でまたお会いできるのは、つくづく観劇冥利に尽きるなぁと。

【配役】
校長/山猫A…宮島岳史さん(唄える役者さん)
生徒A/紳士A…塚本淳也さん
畜産学の先生の助手/猟師…山田宗一郎さん
生徒B/紳士B…小玉雄大さん
一年生/料理長…安川里奈さん
畜産学の先生/山猫B…柴田美波さん
some day

some day

オーストラ・マコンドー

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2019/09/20 (金) ~ 2019/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/28 (土)

28日19時開演回(130分)を拝見。

吉祥寺シアターでの『さらば箱舟』は特別として、浮間ベースの頃から、オーストラ・マコンドーの作風は充分承知しているつもりだったが、今回は、ガラス張りの一軒家のセットを活かした、巧みな照明の効果もあってか、舞台作品というよりも、ミニシアター系の映画館で、ちょっと以前に流行った邦画を観ている気分に陥った。

それから
あめぐらいの年代の少女の動かし方
(途中で絶対出るだろうと期待していた)「縦ノリ」
は、やっぱ、マコンドーのお家芸だなぁ!と。

ネタバレBOX

【配役】
西村朋ノ介範(かって少し売れたことのある俳優)
…後藤剛範(ごとう・たけのり)さん(舞台を拝見するのは、2014年の『さらば箱舟』以来?→【追記】ろりえ『桃テント』を忘れてたぁ!)
あめ(17年前、朋ノ介範と、りなとの間に出来た娘?)
…河合優実(かわい・ゆうみ)さん
りな(朋ノ介範が高校生の頃、付き合っていたカノジョ)
…井端珠里(いはた・じゅり)さん(『罠』、今夜みたいにピョンピョン跳ねてた『息が苦しくなるほどに跳ぶ』、『パル子の激情』で拝見した女優さん)
愛(朋ノ介範の現・カノジョ)
…冨手麻妙(とみて・あみ)さん(北千住BUoYでの『渇望』の現場でお見かけした方)
西村麻美(朋ノ介範の妹。密かに兄貴を慕っている?)
…梅舟惟永(うめふね・ありえい)さん(2014年の『さらば箱舟』で知り、オーストラ・マコンドー、ろりえ、自主企画と舞台を拝見してきた女優さん)
徳永幸三郎(朋ノ介範の事務所の社長)
…松永大輔さん(『千に晴れる』のスナフキンな旅人役の方)
やよい(絵本作家志望。朋ノ介範のセリフ稽古の相手)
清水みさとさん(『千に晴れる』のヒロインの妹役だった方)
サブ(朋ノ介範の付き人)
…松井薫平(まつい・くんぺい)さん(『ハイハイツ,タワーリングレジデンス』以来の方)
デリヘル嬢…河井つくしさん
デリヘル嬢…高橋佳子(たかはし・かこ)さん
家に住み居ついているギター弾き(斉木にしか見えない)
…豪起さん
斉木(朋ノ介範の親友)坂本真さん
病室

病室

劇団普通

スタジオ空洞(東京都)

2019/09/24 (火) ~ 2019/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/26 (木)

26日19時半回(2時間)を拝見。

ネタバレBOX

地方の病院で入院生活を送る4人の中高年男性とその家族、医療関係者を描いた群像劇。劇団普通にしては珍しく!取っつき易い作品。

全編茨城弁のセリフ、よそ者(私は福岡出身)にはトボけた味わいに聞こえ、日常感をいや増す効果を強く感じた。

また、家族を見舞う側も・見舞われる側も共に体験した身から観ても、患者や田舎の親族の言動の端々に、あるある!と頷くばかり。相部屋病室で長い一日を過ごす入院患者、その家族の心理を大変よく観察されておられるなぁ、と。
それにしても、こうした日常スケッチ中心で約2時間、観客に飽きさせず、更には、各々に「思い」を抱かせて帰路につかせただろう、作者の力量には敬服せざるを得ない。決して大向こう受けする訳ではないが、今年の私的ベスト10には数えられるだろう「逸品」だった。

なお、先に触れた通り
癌で入院した亡父のために毎週末、飛行機で東京から実家に戻っていた頃
数年前、私自身が1年の大半を病院暮らししていた頃
の記憶が上演中度々オーバラップされ、冷静に芝居を観るのがちょっと難しかったことを付記しておく。

演じ手に関しては
見舞い家族への素っ気ない対応も・スネるところも・実は寂しがり屋なところも、私の亡父そのものに映った、片岡役・澤唯(さわ・ゆい)さん
久しぶりに東京から帰省した娘に、これ幸いにと?! 延々と(娘は何の関心も無いだろう)地元の出来事を喋り続ける、片岡の妻役・松本みゆきさん
のお二方が特に印象に残った。

【配役】
入院患者・片岡(健常時は亭主関白。妻は従うのみ。娘は帰省して見舞い。息子とはうまくいっておらず、週末も見舞いに来ていない?)
…澤唯(さわ・ゆい)さん(『今度は背中が腫れている』以来の役者さん)
入院患者・佐竹(話好きで情は深い。妻が見舞いに来る。どうやら先は短いらしい)
…用松亮(もちまつ・りょう)さん(『シンクロ・ゴッサム・シティ』ぶりの役者さん)
入院患者・小林(今は仏のような穏やかな性格だが、健常時は暴君。妻子は見舞いに来ず?)
…渡辺裕也さん(『これは中型の犬ですか?』ぶりの役者さん)
入院患者・橋本(見舞いに来る娘は離婚の意思を…)/片岡を診る医師
…折原アキラさん
片岡広也(息子)/遠藤タケル(片岡を担当する理学療法士)
…函波窓(かんなみ・まど)さん(先月、同じスタジオ空洞での『ヘブンズサイン』で観たばかりの役者さん)
片岡あみ(娘。東京から見舞いのため帰省)/小林の娘(家族に高圧的な父親を非難)
…古田希美恵さん(『城』よりも『ツヤマジケン』での印象の方が強いかなぁ)
片岡の妻(夫に従うばかりの昔風の妻)
…松本みゆきさん(『これは中型の犬ですか?』『カーテン』よりも『城』での印象の方が強い女優さん。「海外戯曲を読む会」主催者)
橋本の娘(離婚覚悟で子供を連れて実家に戻ってきている)/小林担当の看護師(遠藤の恋人)
…小林未歩さん(お初の女優さん)
佐竹の妻/佐竹の担当看護師(妻や担当看護師の佐竹への接し方を見ると、一見ぶっきらぼうな彼が実は魅力ある人物だということが察せられる)
…石黒麻衣さん(白衣がホンモノの看護師みたいに似合う劇団主宰)
みんなのお葬式

みんなのお葬式

イマノカゲキ(BlackRomanceFilms)

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2019/09/25 (水) ~ 2019/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

25日19時開演回(2時間)を拝見。

生演奏をバックに、今日まで積み重ねてきた稽古に裏打ちされた、唄に・ダンスに!とサービス満点のミュージカルコメディ。 
ストーリーも、随所に笑いのタネを仕込みつつ、伏線を沢山張って、その全てをしっかり回収していく、かなり凝った仕上がり。
客観的な印象としては、とても「欲張りな」舞台だった。

ただ、個人的には、ちょっと内容盛り込み過ぎかなぁ、というのが正直な感想。
それから、作者の年齢、ないしは、想定している客層は40~50代以降なのだろうか?
細かなギャグや盛られた話題の幾つかは、若い方にはピンと来ないだろうなぁと思われた(もっとも、かくいう自分は悉くわかったんだがw)。

なお、演じ手では、主要キャラクターを演じる、森川梢さん、佐藤礼菜さんのお二人の、ドタバタシーンでも終始安定した演技とセリフの発声が抜群に巧く感じられた。

ネタバレBOX

【配役】
音無みらい(亡くなったロックスターの長女)…森川梢さん
音無弦(長女の夫?)…喜田康二郎(きた・こうじろう)さん
音無さやか(次女)…若海千尋(わかうみ・ちひろ)さん
音無あかり(三女)…百原みのり(ももはら・みのり)さん
日暮良太(親戚)…須田将伍さん
コンカナ・イパネマーナ53世(さやかの彼氏)…栗須亮平さん

葬儀場職員(チーフ)・煙崎…佐藤礼菜さん
葬儀場職員・黒鴉(煙崎の補佐役)…松永衣吹さん
葬儀場職員・境(亡くなったロックスターのファン)…山田大介さん
葬儀場職員・空井(役に立たない受付)…金城天志さん
葬儀場職員・渡(年配の男性)…山本健治さん
告別式司会者?・去来川翔子…赤谷早紀さん

女優・紅蛍カレン(亡くなったロックスターの恋人?)…ナカバシマリナさん
岸純平(雑誌記者。肝が細い。実は三姉妹の…)…守田紀一(もりた・きいち)さん
謎の三姉妹・豊子(長女)…小山友香里さん
謎の三姉妹・幸恵(次女)…関口美咲さん
謎の三姉妹・花子(三女)…藤本歌穂さん

宇宙葬儀社社長・天馬…青木愛さん
宇宙葬儀社秘書・霧山…夢咲乃(ゆきの)さん
弁護士・噺永弁次郎…久保田勇一郎さん

【追記】
とある役者さん。セリフも他の登場人物との絡みも少ないし、どうして舞台に立っているのだろう?と不思議に思っていたところ…最後の最後で、見事に一本取られましたw
大塚由祈子ひとり芝居「売り言葉」

大塚由祈子ひとり芝居「売り言葉」

サキクサ

ゆうど(東京都)

2019/09/20 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/09/23 (月)

23日13時開演回(95分)を拝見。

『智恵子抄』の高村智恵子の一生は承知しているし、演じ手である大塚由祈子さんの演技は幾度も拝見しているし…
予想の範囲を軽々と越えられました。
高尚で泥臭く・会場狭しと動き回る「大塚智恵子」に、大袈裟でなく、魂持っていかれました。

ワルツ

ワルツ

新宿公社

テアトルBONBON(東京都)

2019/09/18 (水) ~ 2019/09/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/22 (日)

22日16時開演回、大千穐楽の舞台を拝見(100分)。

何のご縁か、本公演はシアター風姿花伝での立ち上げから全て観ている団体さんだが、前回の番外公演『死ぬ気は無かった』あたりから、作劇上のリキミが取れたように感じられた。
そして本作。観るヒトによっては怒るかな?と思える程、現実性無視⁈の大呂敷を丁寧に広げたり、笑いを取るにしても少し度が過ぎるかなぁ?とも思われたりしたものの、だが、それ故にこそ、立ち上げ公演の生硬さから表現の幅を広げた点で、個人的には、公社さんのベストだと評価したい。

なお、演じ手では
鑑定医にしては感情の起伏があり過ぎだがw 真摯に真相を追い求める
千歳役・閃里まりなさん
場の雰囲気和らげメンバーの
山本周平さん、鈴木タケシさん、鈴木しゆうさん、青野竜平さん
シリアスパートを支える、袋小路林檎さん
が印象に残った。

ネタバレBOX

【配役】
石川千歳(精神鑑定医。今回の事件を依頼してきた検事の井ノ坂は元・婚約者)
…閃里まりな(ひかり・まりな)さん(旧・土佐まりなさん)
内海克也(千歳の上司にあたる精神鑑定医。実はオタク)
…山本周平さん
内海沙耶香(精神鑑定医。千歳の先輩。克也の年下妻)
…藤村聖子(ふじむら・しょうこ)さん
谷田部智志(精神鑑定医。千歳の後輩。密かに彼女に恋心を抱いている)
…久井正樹(ひさい・まさき)さん

成本春(高校生5人組のリーダー格。溺愛する母親をもてあまし気味。桜を殺害した容疑で精神鑑定中)
…工藤彩加さん
野宮優太(高校生。手先が器用で偽の鑑定書等を作成。英理子の彼氏)
…十代修介さん
大村英理子(高校生。優太のカノジョ。泣き虫で寂しがり屋)
…亀井理沙さん
伊藤桜(高校生。孤児で施設でいじめに遭っていた。春とは恋愛関係?)
…及川詩乃さん
吉野翔太(高校生。不登校。知識を利用してネット詐欺を立案・実行)
…天羽尚吾さん

成本紀子(春の通う高校の学年主任で、彼女の母親。過剰とも思える愛情を娘に注いでいる)
…袋小路林檎さん(新宿公社の立ち上げ・第三回本公演に第三回番外公演。さらに以前には劇団ズッキュン娘『愛のバカヤロウ!』で拝見している女優さん)
別府隆弘(春の通う高校のデモシカ?教師)…鈴木タケシさん
小森慎之介(春の通う高校の教師。別府先生とつるんでいる)…鈴木しゆうさん
東信幸(春の通う高校の音楽教師。外見は真面目で堅物。春たちに影響力がある)
…川本喬介さん

井ノ坂純太郎(融通の利かない検事。以前、千歳と婚約していた)
…飯智一達(いいとも・かずと)さん
長峰舞(別府たちが通うキャバクラのマリンちゃん)
…以織さん(旧・青木沙織さん)
小指田豆男(昔、春を診療していた精神科医。今はサブカル中心の人気フリーライター)
…青野竜平さん
先天性promise

先天性promise

こわっぱちゃん家

「劇」小劇場(東京都)

2019/09/20 (金) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/21 (土)

21日19時開演回(130分)を拝見。

ネタバレBOX

前作『いつもの致死量』に味を占めての観劇。だが、クラシカルなオープニング、目新しいAIの衣を被せたもののお馴染みの会議モノときて、内心、どうかなぁと…全くの杞憂に終わりました。
脚本と手練れの演じ手達の熱演に胸打たれました。
チケット代以上の充実した気分に浸れた130分でした。

役者陣。
16人の間で台詞のパスが停滞感なくスムーズに通り、穴の見当たらない座組。
とはいえ、個人的には
終盤、一瞬、エンディングかと勘違いする程、熱量のあるシーンを演じた
雅野友里恵さん、川口知夏さん
複雑な事情を抱えた若夫婦の心理を熱演の、瀧啓祐さん&岩﨑舞さん
この4人の役者さんがとりわけ印象に残った。

【配役】
三次郎(調査会社?の社員)
…瀧啓祐(たき・けいすけ)さん(前作『いつもの…』志田桜役の方)
水元(IT企業のエンジニア)
…トクダタクマさん(こわっぱちゃん家の主宰。『いつもの…』ケッチ役)
日向(逆行性健忘のため、自分が三次郎の妻であることも、娘がいることも記憶にない)
…岩﨑舞さん(『いつもの…』の他、多くの舞台で拝見してきた美人女優さん)
笠原(三次郎の部下。三次郎に上司以上の気持ちを抱いている?)
…鳴海真奈美さん(『いつもの…』以降、これで拝見するのは三作目。声と瞳が印象的な女優さん)
マリコ(ディスカッション参加者。気丈に振舞うも心の傷を抱えている)
…雅野友里恵さん(『ねくすぽすと』のミュージカルで知って、ストレートプレイを拝見するのは『いつもの…』に続いて2作目)
横山(ディスカッション参加者。かって恋人との間に子供ができたが…)
…川口知夏さん(『ニジイロ ニンゲン カガク』『ナイゲン2018』『モンストロ・メモリ』と来て、その後、暫く機会が合わなかったが、今回、漸く!)
はじめ(ディスカッション参加者。陽気な居酒屋店主。今回の体験から、妻への理解が深まる)
…小川タケルさん(内容的にリキミがちな観客の肩の力を抜いてくれる、コメディ役を好演)
良子(ディスカッション参加者。酸いも甘いも噛み締めた、はじめの妻)
…小山ごろーさん(『十二人の怒れる人々』以来、『クロノスコープ少女』『地大さん家の150年+』と観てきた、実力派の女優さん)
ハル(ディスカッション参加者。SFオタク。独身のようで既婚者)
…田中愛実さん(昨年末のミュージカル『ゲゲゲの鬼太郎』以来かぁ)
倉持(ディスカッション参加者。彼氏の裏切りを引きずる体育会系)
…金井愛さん(『いつもの…』『ミス・キャスト』そして今回と、出演舞台を拝見している女優さん)
マモル(ディスカッション参加者。漫画家志望だが一向に芽が出ない)
…杉浦雄介さん
プチト(ディスカッション参加者。彼氏であるマモルを絶対的に信頼している)
…大瀬さゆりさん(『いつもの…』ムーミン役の方)
佐々木(調査会社社員。三次郎とは同期)
…山田梨佳さん
琴子(ディスカッション参加者。内向的で気弱)
…鶴たけ子さん(役柄の違いなんだろうが、アンティークス『この星に生まれて』の時より、ずっと若く目に映った!)
畑中(ディスカッション参加者。理知的でリーダーシップもあるが、周囲と打ち解けられない性格が悩み)
…大数みほ(おおかず・みほ)さん
美月(ディスカッション参加者。良い意味でのフレンドリーな「聞き役」)
…星野李奈さん
誰そ彼

誰そ彼

浮世企画

駅前劇場(東京都)

2019/09/19 (木) ~ 2019/09/23 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/19 (木)

初日の19日19時半回(110分)を拝見。

ネタバレBOX

親の痴呆・介護・施設探し、田舎の実家の処分…誰もが現実で直面するかもしれないだろう部分と、お盆や年末、帰省先で祖父母に聞かされているような、物の怪や地縛霊等、土地の伝承的な部分とが、互いに境を越えて混じり合った末、最後の最後に、弟・誠司ががいくら説明しても、妻の慧以外の人々からは兄・眞一郎とは『誰そ彼(たそかれ)』?と存在したことさえ否定され…タイトルの意味合いを噛み締めさせられた110分だった。
何気に凄いモン、見せられたのかもしれない。

それにしても「見ようとしない者には見えない」…本作品の意図からは離れるかもしれないが、路上にうずくまるホームレスへのワタシたちの視線がまさにそうなのかなぁ、と観劇中、感慨を抱いたことを付記しておく。

演じ手では
私自身の生き方はまさしく兄側のヒトなんだが、劇中の様な田舎の後始末をこなしてきたせいか、急にしゃしゃり出てきた兄に猛反発する弟の肩をつい持ちがちに…
という訳で、眞一郎(演・松本亮さん)・誠司(田中博士さん)の兄弟のやり取りに、脚本の意図とは別に、ついつい前のめりになってしまったw

そんな原守兄弟役の松本亮さん・田中博士さんの他
以前から幾度か舞台を拝見している綾乃彩さんに鈴木アメリさん、舞台にいるだけで落ち着いて観ていられる佇まいは流石。
あと、どこかで見た記憶がぁ…の、成瀬志帆さんの存在感が目についた。

【配役】
原守眞一郎(兄。映画監督になるべく上京したが、結局はフリーター)
…松本亮さん
原守誠司(上昇志向・完璧主義者の弟。理想だった父親の呆けていく現実を認められなかった)
…田中博士(たんか・ひろし)さん(個人的には一番、「誠司」にシンパシーを覚えました)
原守慧(誠司の妻。今回の出来事で「見える」ようになった)
…綾乃彩さん(久しぶりの舞台だということで足を運びました)
九兵衛(ムジナ)…小野匠さん
サリー(鬼婆)…櫻井馨織(さくらい・かおり)さん
じいやん(ぬらりひょん)…本井博之(もとい・ひろゆき)さん
時計(付喪神)…成瀬志帆さん(昨年10月の『パンケーキ』、5月の『Fellow traveler』でお馴染みの方。ただ、今回は途中で成瀬さんだと気づきました)
平助(原守家の先祖。地縛霊)…松本D輔さん
小塚雅博(誠司の会社の部下。誠司に心酔)…高橋龍児さん
染谷美久(眞一郎の高校時代のカノジョ。弟が誠司と同級生)
…鈴木アメリさん(犬と串以来かなぁ?)
オーギソヨソヨ(茨城県古河市伝承の妖怪。何でも喰らう)…ぎたろーさん
原守幸映(眞一郎・誠司兄弟の母親。父・真とは離婚)
…今城文恵(いまぎ・ふみえ)さん(浮世企画さんの作品、FunIQさんとの合同企画『あいだヶ原のほおずき祭り』以来だなぁ)
半ライスのタテマエ

半ライスのタテマエ

Sky Theater PROJECT

「劇」小劇場(東京都)

2019/09/11 (水) ~ 2019/09/17 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/16 (月)

16日13時開演回(110分)を拝見。

ネタバレBOX

個人的には『エンゼルウイング シングルウイングズ』以来の、Sky Theater PROJECTさんの作品。
過日、拝見した別の団体の舞台のように、脚本に印字された文字列を唯言わされている?印象のものとは異なり、会話としても活きた言葉を、自然な間合いで交わしていき、「死者からのハガキ」以外は、ごく日常的な佇まいを崩さずにエンディングまで持ち込んだあたり、脚本・役者共に充分に練れているなぁと感心しきり。
笑いあり・しんみり有りの110分間、とても良い時間を過ごせた。

演じ手では
喜怒哀楽・激情と温和の演技の切り替えがスムーズだった、丸山小百合さん
朗らかに枯れた晩年の高齢者を見事に演じられた、参遊亭遊助さん
楽天的な「こじらせ系」を好演の、森かなみさん
そして、記憶喪失後のよく通る声(地声?)と、記憶が戻ってからの薄っすらドスの効いた声との対比に工夫を感じた、新行内啓太さん
の4人の役者さんが特に印象に残った。

【配役】
宮坂幸太郎(宮坂家の父親。高校の教頭。ヒトを驚かせる悪戯好き)
…参遊亭遊助さん(昨年11月の『十二人の怒れる人々』で陪審員9号だった方)
宮坂友昭(長男。後に野口千佳と結婚)
…石井卓真さん(娘ともみとのやり取りが微笑ましかった)
宮坂つぐみ(長女。とある出来事で知り合った高校の先輩・千佳と仲が良い。幸太郎の勤めた高校に勤務)
…品川絢華さん
宮坂克美(母親。幸太郎とは教師と生徒の頃からの知り合い)
…たきざわちえ象さん
野口千佳(幸太郎の高校出身。後に友昭と結婚。記憶喪失になる前の伸雄と昔、付き合っていた)
…丸山小百合さん(アレ、ひょっとしてして、両国での「陪審員7号」以来?!)
宮坂ともみ(友昭・千佳の娘。おてんば)
…森かなみさん(アレ、確か出てるハズなのに…と途中までハラハラさせられたw)
井上理(おさむ。僧名・浄恩。幸太郎の教え子で飲み友達。高校時代、宮坂克美に惚れていた)
…田中英樹さん(たぶん、この方が一番芸歴が長いのかな? 演技を演技と感じさせない巧みさ!)
井上林檎(理の長女。宮坂つぐみとは高校時代からの親友)
…池尾唯さん
井上法留(ぽうる。理の長男。あばれはっちゃくな性格なため、寺は継がず)
…西川大さん
井上乗司(じょうじ。理の次男。漫画家のアシスタント→寺を継ぎながらマンガも続ける。後に崇子と結婚)
…豆生田泰樹(まめうだ・たいき)さん
梅澤春(幸太郎たちが集う蕎麦屋の女将)
…石塚あつこさん
梅澤崇子(春の娘。幸太郎の勤める高校の保健教師。ある出来事で落ち込んでいるとき、乗司から告白される)
…長谷川未来さん
芝崎このみ(蕎麦屋の従業員。記憶喪失後の信雄のカノジョ)
…神崎ゆいさん
中田信雄(このみの同居人。実は記憶喪失前の千佳の彼氏。後に、頭に怪我を負った、ともみを高校まで送り届けた際、千佳と再会。さりげなく、記憶が戻っていることを明らかにする)
…新行内啓太(しんぎょううち・けいた)さん
ヘニーデ

ヘニーデ

AURYN

中野スタジオあくとれ(東京都)

2019/09/12 (木) ~ 2019/09/16 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/09/12 (木)

12日19時半回(105分)を拝見。

ネタバレBOX

場面を彩る劇伴と照明、適度な間隔での場転、その場転中に披露される出演者たちの「マジックコーナー」も合わさって、中盤まではテンポ良く進行。
だが、瀬名陽菜乃をキーパースンに、登場人物各自が自身の事情・心境を説明したり・されたりする終盤のシーンは(ミステリー物の2時間ドラマの解決篇みたいで)正直、クドく感じられた。
あと、中盤までの町田恵利から、終盤、瀬名陽菜乃に、ストーリーの芯となる実質的なヒロインが交代したのには唐突感さえ覚えた。開演前に配布された【ごあいさつ】からすれば、終始、瀬名陽菜乃を中心にストーリーを組み立てていった方が良かったのではないか?

とはいえ、以上はあくまでも個人的感想に過ぎない。
客観的にみれば、チケット代に充分見合う出来映えの105分だったのだろう。

演じ手では
前・中盤の町田恵利役・兒林美沙紀(こばやし・みさき)さん
終盤の瀬名陽菜乃役・小島望さん
それから、作品全体を通して
埴谷純子役・遠藤ちえさん、蓬沢啓汰役・高野憲太朗さん
の四人が特に印象に残った。

【配役】
菅生亮(バー・ゼウス常連客。マジック交流会幹事。SE。自己主張の苦手な繊細な心の持ち主)
…海田眞佑(うみだ・しんゆう)さん(『春に戦ぐ』『ノスタルギヤ』『人造カノジョ…』そして今回と重ねるうちに、2015年の王子小劇場で得た当初の印象が大修整?!された役者さん)
汐田智基(バー・ゼウス常連客。実花に惚れている。家電メーカー営業として味わった苦労の積み重ねから理想主義的な思考に否定的)
…岡慎一郎さん(『狂乱フリーク』『大型』『帰郷』と拝見してきた方)
江寺実花(マジック交流会参加者。OL。偏見なく物事をみれる性格)
…星澤美緒さん(たすいち、制作「山口ちはる」プロデュース、肋骨蜜柑同好会等々、何度も舞台を拝見している女優さん)
小渕恒徳(バー・ゼウスのマスター。周囲には、自身の身体が癌に蝕まれているらしいことを隠している。恵利の秘密に薄々気づいている)
…村山新さん(あまりのキャラの違いに、先月お会いした「有末ヒラオ」さんだとは気づかず、汗!)
町田恵利(バー・ゼウスの店員。有名な超能力少女だったときに味わった苦い思い出の数々がトラウマとなり、過去を封印していたのだが…)
…兒林美沙紀(こばやし・みさき)さん(個人的には、Maggie名義の頃も含めて、劇団肋骨蜜柑同好会以外の舞台で拝見するのは初めて)
川本広我(マジック交流会参加者。自分が貴ぶ努力を重ねずして事を成し遂げる天才に憎悪さえ抱く大学生)
…たかぐちさん
蓬沢啓汰(幼い頃の夢を親の期待のために捨てた姉の生き方に反発してユーチューバーに)
…高野憲太朗(たかの・けんたろう)さん(『狂乱フリーク』に出てた方なのかぁ)
虎尾みちる(脳神経学の大学教授。既婚。啓汰の姉)
…野澤文音(のざわ・あやね)さん(『センチメンタル・ジャーニーズ』幼少期の「剣のオカマ」だった方)
埴谷純子(心理学の大学准教授。恋愛には奥手な故に、心理学を通して、自身の人生を見据えていこうとしている)
…遠藤ちえさん(劇団鋼鉄村松、美貴ヲの劇でお馴染みの方)
烏丸真由美(バー・ゼウスの客。アパレル店員。実は、超有名女優で資産家の母親の娘)
…ひきのさつきさん(『辺境、どこまで行っても』、美貴ヲの劇でお馴染みの女優さん)
瀬名陽菜乃(テレパシーでヒトの心が読める超能力者であることを隠している、大学の事務職員)
…小島望さん(どんな作品世界でも安心して観ていられる女優さん)
ピノッキオ

ピノッキオ

座・高円寺

座・高円寺1(東京都)

2019/08/31 (土) ~ 2019/10/04 (金)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/08 (日)

8日14時開演回(70分)を拝見。

今年で4年目の『ピノッキオ』。
当パンで紹介された「レパートリー・システム」の継続性、とりわけ、KONTAさん、辻田暁さん、作・演のテレーサ・ルドヴィコさんと前作『旅とあいつとお姫さま』から続く座組みの蓄積は、お子さん向けの企画ながらも、オトナの鑑賞にも充分耐え得る、水晶の様に磨き上げられた逸品だった。

洗練された舞台美術、衣装と合わせて、演劇好きの方々に是非、観に来て頂きたいなぁ。

ネタバレBOX

【配役】
ジェペット、火食い親方、キツネ、殺し屋、ウサギ、オウム、少年、ロバ
…髙田恵篤(たかた・けいとく)さん
劇場の進行役、猫、殺し屋、小男、鮫
…KONTA(こんた)さん
ピノッキオ
…辻田暁(つじた・あき)さん(前作『旅と…』で、そのコンテンポラリーダンスな所作を観て以来の大ファンです♪)
女、コロンビーナ、給仕、青い髪の少女、オウム、水瓶を運ぶ女、少年、ロバ、青いほうきを持った女、仙女
…森ようこさん
男、モノを言うコウロギ、プルチネッラ、給仕、ウサギ、オウム、ルチーニュロ、マグロ
…髙橋優太さん
カタツムリ(☜この衣装が凄い好み!)、衛兵、バレリーナ、宿屋の主人、少年、ロバ
…田中真之(たなか・まさゆき)さん
雪の精、衛兵、アルレッキーノ、給仕、ウサギ、オウム、少年、ロバ、マグロ
…黒須育海(くろす・いくみ)さん
歌姫

歌姫

ことのはbox

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2019/09/05 (木) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/07 (土)

7日18時開演回(2時間)を拝見。

ネタバレBOX

メニュー(ストーリー)だけ取り上げれば、『心の旅路』を嚆矢とする、お馴染みの記憶喪失モノ。
しかし、レシピ(プロット)・素材(役者)・料理人(演出)を通して供された料理(作品)は、手堅く・丁寧に調理された一級品だった。ウン十年後のオリオン座で、太郎と鈴の孫同士が出逢い、恋に落ちる…という遊び心満載のラストシーン共々、よく練れた娯楽作品として愉しむことができた。

なお、演じ手では、なんといっても、南翔太さんと花房里枝さんの主演お二人の舞台映えに尽きるかなぁ。

【蛇足】
実は観劇中、四万十太郎役・長瀬智也でテレビドラマ化すればいいのに!とずっと考えていた。でっ、終演後に調べてみたら…大笑い!

【配役】
四万十太郎(オリオン座従業員。鈴を妹のように可愛がっていたが…)
/及川勇一(東大生から召集でゼロ戦乗り→記憶喪失となり、岸田家に拾われる)
…南翔太さん(TV版の長瀬智也よりも伊達で茶目っ気のある、若い頃の陣内孝則に近いイメージ。パンフレットを買って経歴を知りたいと思った程、魅力に富んだ演技)
岸田勝男(女性心理に徹底的に疎いオリオン座館主)
…親泊義朗(おやどまり・よしあき)さん(昨年11月の『クラッシュ・ワルツ』以来の方)
岸田浜子(勝男の妻)
…黒田貴子さん(生年月日を目にして「嘘ぉぉぉ!」…40代前半だとばかり思ってました、汗)
岸田鈴(勝男・浜子夫妻の次女。口には出さないが、勝男以外の周囲が皆気づく程、太郎を慕っている)
…花房里枝さん(とにかく透き通るような声が響く! 劇団ズッキュン娘さんでヒロインに起用されたのも納得)
小日向泉(勝男・浜子夫妻の長女。しっかり者)…船岡咲さん
小日向晋吉(泉の夫で教師。騒がしい)…佐藤ケンタさん
クロワッサンの松(前評判と違って実は弱虫。鈴に一目惚れしたのを機にヤクザ家業から足を洗う)
…橋本全一(はしもと・ぜんいつ)さん(「クロワッサンの松」の方が長瀬智也に寄ってたw)
ゲルマン(漁師のリーダー格。無骨だが好人物)
…天野きょうじさん(『草苅事件』の小田島記者役以来の方)
鯖子(旅館の主。強引グ・マイウェイ)…中村靖子さん(好演!)
メリー(バーのママ。そそっかしいところがある)…川田小百合さん
ロシア(メリーの情夫。ヒトはいいが自分本位)…西村尚恭さん
神宮寺くん(文学部の学生。映画『歌姫』の脚本も書いた、後の名脚本家・ジェームス太郎の若かりし頃の姿)
…松本祐一さん
相楽金蔵(市会議員。美和子の叔父)…氷室幸夫さん
及川美和子(学生結婚した及川勇一との間にできた一人娘を戦後10年育ててきた)
…篠田美沙子さん(ことのはboxさんの劇団員。安心して観ていられる女優さん)
小泉ひばり(勇一・美和子の一人娘。勇一等がモデルの映画『歌姫』を観るまで、父・勇一は自分のせいで鈴と別れた、自分のことを内心恨んでいたのではないか?と胸を痛めていた)
…長崎りえさん
小泉旭(ひばりの息子。名前の由来は小林旭)
…脚本上の理由があって配役表には未記入だったが、実は南翔太さんの2役
松中圭一郎(鈴と松中の息子。松中とは?w)…小倉卓さん
松中ルリ子(圭一郎の娘。名前の由来は浅丘ルリ子)
…脚本上の理由があって配役表には未記入だったが、実は花房里枝さんの2役
咲く

咲く

Rising Tiptoe

ザ・スズナリ(東京都)

2019/09/03 (火) ~ 2019/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/04 (水)

4日19時半開演「葉」チームの回(80分)を拝見。

ネタバレBOX

引っ越しのため更地になる予定の庭園に咲く花木、そこに集う虫や鳥など、そして庭木に亡父の面影を重ねる娘の心情を描いた80分。
私の観劇歴からしたら目新しい作風。ひとつ間違えれば「お子様ランチ」になりかねない内容を、「オトナの寓話」として成り立たせたのは作者と演じ手たちの力量のなせる技か。

演じ手では、小劇場系を主に観劇する者の耳には、若いヒトたちと主演の前田真里衣さんとの台詞の質感の違いに当初、大いに戸惑った。だが、その違いがやがて、庭園に生きる・集う者達の多様性(多年草と、芽が出るのもまだな若草)にも感じられ、終演時には、すっかり耳に馴染んでしまっていた。
それから、生前の父親との思い出が透けてみえるような、君江役・麻生美紀さんの佇まいに好感を覚えた。

【配役】
シングルキャスト
藤…前田真里衣さん(ビシッと着こなされた着物姿に、藤の花の「品格」さえ感じさせる)
薔薇…星野クニさん(誇りと茶目っ気と誠実さの薔薇を好演)
ユリ…神山武士さん
蜂…大浦孝明さん(蜂の健気さに泣けた)
球根2…髙辻知枝さん(球根1、2にはシンパシーを抱いた)
クンカ・クンカ(異国のお守りみたいな置物?)…瀬沼敦さん

葉チーム・キャスト
君江…麻生美紀さん
アヒルの置物…井吹俊信さん
球根1…小田切沙織さん
恵介…小森和紀さん
インコ…中島多朗さん
雀…古本みゆさん
久保(君江の幼馴染?)…前田幹生さん
関根(庭師)…森下さゆりさん
アゲハ蝶…るい乃あゆさん
ヘブンズサイン

ヘブンズサイン

ヒノカサの虜

スタジオ空洞(東京都)

2019/08/29 (木) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/08/30 (金)

30日ソワレ『ヘブンズサイン』(10分休憩込みの2時間40分)を拝見。
アングラ的な取っつきにくさを覚えつつも、その割には、スンナリと話の流れに入って行けたかなぁと。
オリジナル版を未見の身で言うのも何だが、今回のはかなりライトに仕上がっていたような気がした。

演じ手では
文字通り、カラダを張って頑張っておられた女優役・中谷真由美さんと
メイジ役・チカナガチサトさん
ドブス役・平野可里奈さん
のお三方が特に印象に残った。

ところでオープニングの出演者紹介で、急病のため降板した背広役・澤原剛生さんを「澤原剛生(役名の代わりに)病院!」とコール。
これには正直グッと来た。オジサン、こういうの、すぐに涙腺に来るんでマイっちまったw

【配役】
ユキ…大島萌さん
ユキの母親らしきヒト…佐藤蕗子さん
メイジ…チカナガチサトさん(『妥協点P』の宮武役とのギャップに驚く!)
マーサ内藤(保母)…稲葉佳那子さん
宇宙人…岡野桃子さん
山田(妻)…小川結子さん
山田(夫)…佐々木タケシさん
※精神病棟の患者グループよりも山田夫妻の方が病んでみえたなぁ
ユキの父…綱川敦さん
悲しい医師…長井健一さん
女優…中谷真由美さん
渋い医師…中村わかめさん
ドブス…平野可里奈さん
チョウノユメキチ…結城亜実さん
背広(澤原剛生さんから交代)/叔父…函波窓(かんなみ・まど)さん

空室

空室

青色遊船まもなく出航

OFF OFFシアター(東京都)

2019/08/29 (木) ~ 2019/09/01 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/09/01 (日)

1日13時開演のDinner篇(1時間50分)を拝見。

上手からカラオケ店・マンションの一室・塾の3か所でリレーしながらの進行。
その、ちまちまとした(←注.悪口ではなく、イメージですからネッ、汗!)昔のテレビドラマのスタジオ収録部分を想起させる「画面」と、丁寧に・丁寧にセリフをつないでいく作劇に、「昭和の観劇オジサン」は1970年代の山田太一ドラマを視ているような気分に陥った。
この作品、出来得れば、今でなく、来し方をしみじみと省みる年の暮れに観たかったかなぁ。

なお、演じ手では、齋藤有里さん、佐野みかげさんのお二人がとりわけ印象に残った。

【配役】
亀山賛(たすく)…齋藤雅樹さん
白鳥次美…齋藤有里さん(繊細な役柄を熱演!)
白鳥一美(次美の姉)…田口千尋さん
兎子(一美の親友・ファン)…佐野みかげさん(立ち位置の難しい役を好演)
モーちゃん(カラオケ店の同僚。賛を慕っている?)…褚(ちょ)さん

亀山好(このみ。賛の妹。植物人間となった親友・珠理のために、実力不足を承知で医学部を目指す)
…白野熊子さん
犬飼先生(人間的に出来過ぎた、塾の先生)…菊地智春さん
相馬(珠理の母親)…大多和愛子(おおたわ・あいこ)さん
龍巳(ドラゴン)先生(生徒の心理面まで見通す凄腕の家庭教師)…三井伸介さん

和虎(4浪?の大学受験生)…内田悠介さん
猿渡(和虎のカノジョ? ロッカー)…川島まゆかさん

※Breakfast篇(病院の待合室)
牛久…竹内さやかさん
相馬(珠理の姉)…風祭鈴音さん

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

DULL-COLORED POP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/08/08 (木) ~ 2019/08/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/28 (水)

DULL-COLORED POP 福島3部作の第3部『2011年:語られたがる言葉たち』(2時間)
28日の福島三部作通し上演で拝見。

ネタバレBOX

時間軸を3.11から同年末までに置き、特定の主張に与することなく、膨大な取材から得られた福島の人々の悲嘆・葛藤を紹介、そして再び歩み出して欲しいという作者の願いがこめられた2時間。
福島の地で生きていくと決意した、地元局の元・報道局長、そんな元・上司の後を継ぐ若手の女性局員の視点が、神々しいほどに尊く感じられた。

【配役】
穂積真(53歳。テレビュー福島の報道部長。福島県人としての理念と視聴率の合間で苦悩)
…井上裕朗(いのうえひろお)さん
塩崎(45歳。テレビュー福島の報道局のナンバー2。視聴率優先主義者)
…平吹敦史(ひらぶき・あつし)さん
不破(30歳。テレビュー福島の報道局員。どちらかというと視聴率優先)
…ホリユウキさん
小田真理(25歳。テレビュー福島の報道局員。福島県人としての理念を第一に行動する)
…柴田美波さん(役柄に惹かれたのもあるが、チカラのこもった声が強烈に印象に残った)
荒島(かっては双葉町で荒物屋を営んでいた。足が悪い。妻子を3.11の大津波で失う。パチンコで日々を過ごす)
…東谷英人(あずまや・えいと)さん(災害ではないが、妻と息子を失った実父のイメージが重なり、観ているのが辛かった)
飯島佳織(25歳。富岡町出身。妊娠三ヶ月ゆえ、放射能汚染に敏感)
…佐藤千夏さん
飯島貴彦(30歳。富岡町出身。元教師)
…森準人(もり・はやと)さん
※飯島夫妻は実在の多くの家庭と同様、出産後、別れてしまうのかなぁ…
宮永壮一(45歳。飯館村で牛の肥育農家を営んでいたが、出荷できず、現在、酒浸り)
…大原研二さん
宮永美月(17歳。壮一の娘。福島県の放射能汚染についてネットで配信→炎上)
…春名風花さん(リアルの春名さんと重なる部分に苦笑。真っ直ぐな役柄を熱演)
高坂美穂(20歳。浪江町出身。高校卒業後、地元でバイト中。疎開先の神奈川で「放射能」扱いされたことから、風評?を流す美月を憎悪)
…有田あん(「有田杏子」時代の『流砂ゑ堕つ』以来!)
謎の老人(実は3.11当時の双葉町町長・穂積忠69歳)
…山本亘(やまもと・せん)さん(山本三兄弟のぉ末弟さんだぁ!)
美弥(69歳。認知症?となった夫の病床に寄り添う、忠の妻)
…都築香弥子さん
幻のヒト(「謎の老人」が19歳・44歳・69歳だった世界を行き来する、老人だけに見える存在)
…渡邊りょうさん
第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

DULL-COLORED POP

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2019/08/08 (木) ~ 2019/08/28 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2019/08/28 (水)

DULL-COLORED POP 福島3部作の第2部『1986年:メビウスの輪』(2時間)
28日の福島三部作通し上演で拝見。

ネタバレBOX

チェルノブイリ原子力発電所事故を受けて、国内原発の安全性が問われた時期の話。
地方政治の生々しい部分を扱うためか、あるいは、3.11を知る現在の我々からの「神の視点」的糾弾を避けるためか、穂積家の飼い犬モモ(演・百花亜希さん)を語り部に置く手法を採用。
戯曲としては、三部作のうち、最も優れた出来栄えの作品だと思った。

【配役】
穂積忠(44歳。元県議会議員&原発反対派のリーダーだったが…)
…岸田研二さん(終盤、現実の立場と理念に挟まれて苦悩する町長の歪んだ表情が目に焼き付いた)
穂積美弥(かっては忠の兄・孝を慕っていたが、その後、おない歳の忠と結婚。今では久と成人の娘二人の母親)
… 木下祐子さん
穂積久(忠・美弥夫妻の末っ子。忠の反原発活動を良く思っていない高校2年生)
…宮地洸成(みやち・ひろなり)さん
モモ(穂積家の飼い犬。人間でいうと80歳の高齢。癌で亡くなった後も穂積家の人々を見守っている)
…百花亜希(ももか・あき)さん
丸富(旧・社会党の福島県議。忠を双葉町の町長選に担ぎ出す)
…藤川修二さん
吉岡(自民党所属の双葉町議。「福島県議会の平島さん」の秘書)
…古河耕史(ふるかわ・こうじ)さん(三部作唯一の「悪役」を好演)
徳田(忠・美弥夫妻の長女の婚約者。福岡県出身。東電社員)
…椎名一浩(しいな・かずひろ)さん

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