みくろの観てきた!クチコミ一覧

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「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演

「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演

Théâtre des Annales

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/03/02 (水) ~ 2016/03/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

五感と想像力を刺激されました
ツイッターの評判と、
やたら長いタイトルに興味をひかれて観劇を決めました。

最前列で観劇。
足元ぎりぎりまで役者が来るというので(実際そうだった)、
リーフレットごと鞄をスタッフに預けてしまったため、
登場人物の名前もさっぱりわからないままに観劇。
それでも何の不自由もありませんでした。

1時間50分程度、
閉塞感のある空間でありながら
同時に距離や時間を超えて無限の広がりも感じられるという
まさに演劇の醍醐味を楽しめました。

同時に、迫真の演技の役者さんたちを観て
「本当にこれはセリフなのだろうか、お芝居なのだろうか」
とも思ってしまいました…!

ネタバレBOX

ずっと真面目なシーンばかり続くのかと思っていたら、
本人達はまじめなんですけど肩の力が抜けるようなやりとりもあって
面白かったです。

部屋にあるもので地形をつくる際のウィトゲンシュタインたちの「気づき」や
空気を読んでないようで読んでるベルナルドの清涼感、
手紙を読み進める際に変化していくミヒャエルの表情や、
(あのシーンで「彼」が読むのが見せ方としてもすごく良かった)
ラストシーンのカミルの「存在」や、皆に背を向けた時の憤りと自己主張、
隊長の、空気を固めたり弛めたりする絶妙な間の取り方、
上官も上層部も、人間であり万能ではないこと、
作中の印象的なことを挙げていくと、きりがないです。

照明も使っているのはわかってはいるものの、
劇場の外に行けばお金を出して好きなものが食べられるのが
わかっているものの、
「ここにはこれしかない」感がすごくあって、
だからこそ言葉の無限性を感じられて、
それが高まったタイミングでの「闇」が、すごく想像力を突き刺してきました。

オパンポン☆ナイトvol.3 曖昧模糊

オパンポン☆ナイトvol.3 曖昧模糊

オパンポン創造社

王子小劇場(東京都)

2015/03/06 (金) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

豪快なようで、緻密につくりこまれてる!
4話オムニバスで、
どの作品も単品で楽しめつつ、
すべて観終わったあとのスッキリ感が格別でした。

「人間って、
 泣くのと笑うの同時にできるんだ!」
っていう体験ができます。

一回だけ観るのでも何の問題もないですが、
話し言葉の使い方、
登場人物達の心の動き、
それをこちらに伝える役者さん達の演技力
色々なモノが鮮やかすぎて、
何度も観たくなります。
(日曜の公演も観に行きます)

ドリームランド

ドリームランド

ロデオ★座★ヘヴン

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/10/08 (木) ~ 2015/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

めんどくさい人間たちが愛しくなります
ある田舎町の、パチンコ屋の看板爆破事件。
それをきっかけに動き出す人間模様。

上演時間、2時間5分くらい。

複数のチャプターで構成された話で、時系列で多少混乱したもの、
彼らの話を聞けば大体時系列は順に並べられるようになっていました。

中央が段になっているので、
座り芝居や寝転び芝居も後列からでも見やすそうです。

影が多めで、でもここぞという表情は自然と光が当たるようになっていて (発言者が移動したり、影になってた人がうまいこと退いたり)、
他にもいい演出だな、とおもうシーンがいくつもありました。

役者さんも
強烈な個性のキャラクターなのにとても現実的に演じていて、良かったです。

映写されるチャプター名が
前方席では役者にかぶって見えなかったり、
前述の時系列の事もあるので
台本、ほしかったなぁ…と思いました。


私が観た回は開演前にトラブルがあって客席照明が突然消えてしまったのですが、
「復旧まであと○分ほどいただきたく…」と
具体的に時間を言ってくれたこと、とても安心しました。

あと、出演はされない脚本演出の小栗氏の前説・諸注意も「自分の言葉で言ってる」感があって良かったです。

ナイゲン(全国版)

ナイゲン(全国版)

Aga-risk Entertainment

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2015/10/03 (土) ~ 2015/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

期待以上! 笑いまくりました!
アガリスク作品を観劇するのは3回目、
私にとっては初めての『ナイゲン』です。

過去に観た作品も
怒涛の展開でコメディとして完成度高いのに
全部アドリブに見えるというライブ感もりもりの作品でした。

で、代表作と謳われるこの作品を、せっかく東京2会場でやるのに
FACEの1回しか観ないのは、私はきっと後悔する…と思ったので、
試演会も行くことにしました。

キャスト写真と説明はサイトにも記載があり、
会場に配置された席にも作中での呼び名の名札が
あらかじめ席に置いてあったので、
お目当てキャストがいる初見の人にも優しい仕組みでした。

本物の教室(元・だけど)を使っているので、
臨場感も半端なかったです。

座席に置いてあった冊子(作中で使われるものと同じ)も、
懐かしさを感じる紙質で、筆跡や記載内容から想像が膨らんで
開演前も「ただ待っている」だけの時間にならずによかったです。

加速して加速して、一気にぱぁんとはじけて、
その破片が見事に組みあがってキレイな形になる、
鮮やかで楽しい120分でした。

京都公演を経て、大きな会場(新宿FACE)での『ナイゲン』も楽しみです。

ネタバレBOX



後半部の「花鳥風月」の表情が見えない席にいたので、
彼の背中から、どんな様子なのかなーと想像して補完しました。
後日、別角度から観た知人の話を聞いたところ
だいたいその通りだったようで、
背中の演技、すごいなぁと思いました。

台本があるとは思えないくらいのライブ感で、
廊下まで使った演出には、特に大笑いでした。あの声の響き!(笑
ちょくちょく笑いが巻き起こるのに、
セリフのタイミングが良いのか、
「笑い声でセリフが聞こえなかった」ということもなく、快適でした。

前半から中盤にかけてが動きまくりの展開(票も人も)だっただけに、
後半の、どさまわりがらみの押し殺された空気が引き立って
唾をのむのもためらうほどの緊張感でした。

トークショー&反省会も、
何作か『ナイゲン』観た人も初見の人も発言しやすい雰囲気で、
(前のバージョンについての補足説明が行き届いてた・など)
とても楽しかったです。
老人と怪物

老人と怪物

テノヒラサイズ

SPACE9(大阪府)

2015/10/02 (金) ~ 2015/10/05 (月)公演終了

満足度★★★★★

シリアス味の強めなテノヒラサイズ
19:30の回を奥から観劇しました。
上演時間120分。

全体的にシリアス調ですが、
ぽいっと入ってくる笑いが効いていて、
前半の、物語のたんたんとしたところも飽きずに観れました。

アリスが対決することになる「怪物」の正体とその姿、
その際の登場人物の様子に心が揺り動かされて、
自分でも何の感情かわからない涙が出てきました。

ガツンとくる良作でした。

ネタバレBOX

やってることはチラシのとおり。

てっきり、2つのストーリーが同時進行する
(客席側からは片方の物語のみがメインで見えるつくり)
のかと思っていて
「1回しか観れないの悔しいなぁ」と臨んだのですが
2つ目は1つ目の時代の回想録的な表現だったので、
どちらの客席からも2つのストーリーは視認できました(笑

役者さんの表情などで2回見たかった気持ちはありましたが、
ストーリーは1回で把握できる設計でよかったです。

基本はツナギで、そこにポイントで個性をつけて
「衣装」として魅せる方法はいつも上手いなぁ…とおもいます。

一人で複数の役をやっていますが、
どの登場人物も生き生きとしていて、見間違えることもなく、
役者さん各々の力量の高さが感じられて安心して観ていられます。

田所さんのかわいさと、謎めき年齢不詳感を生かした演技は
今回も目を引きました。
姿をほぼ変えてないのに別人になるさまが見事でした。
一方、姿かたちが違いすぎて、
(キャスト表を見ていたにもかかわらず)信じがたかったあだちさんの
メイン2役も見事でした。
女運の悪い青年の伊藤さん、
某老人に向ける彼の感情は「人間あるある」だなぁと。
わかりやす過ぎるくらいの彼の心の動き、朗らかさが、
話を重苦しくさせなくてよかったです。

川添さんの絵に描いたような「俗物」っぷりは恐ろしくもあり、
いっそ清清しく笑えるようでもあり、
湯浅さんのおびえきった姿は可哀想でもあり
もはや哀れを通り越して笑えてしまったり、
彼を翻弄する松木さんの揺ぎなさとその奥にある本心、
あと、別ストーリーで松木さんが演じてる彼の理不尽な心(←笑)など、
人間って面白いし怖いしやっぱり楽しい生き物だなと思いました。

涙を流すシーンで、どこから見ても「泣いている」とわかる木内さんと、
役柄上何が起きてもぜったいに泣いてはならないだろう上野さんの姿が
同じ場面だったわけではないけど大きく対比になっているように思えて、
ストーリー上で互いに果たす役割などもあって特に印象に残りました。

狂犬百景(2016)

狂犬百景(2016)

MU

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2016/10/01 (土) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

ゾンビ映画的設定で描かれる人間模様に、ニヤリ&ズシン
上演時間は約2時間10分。
受付は開演1時間前、
開場は30分前(チケット記載の整理番号順)。

本編もさることながら、
スタッフワークも劇場の椅子などの環境もよくて楽しかったです。
団体の公式ツイッターが公演前に
その日の当日券の有無、
開場時間等ツイートしてくれていて、
三鷹駅からのバスの乗り場と時刻表も書いてくれてるのがとても親切でした。

(以下、
自ツイート転載でしつれいします)



狂った犬がうろつく街に住む人々のあれこれ話。
男と女の面倒くささ、
人の本性が出て、それがピリピリするし滑稽。
上演時間は2時間10分だったけど、途中、
薄暗がりでの場面転換ありな連作短編なので、
肩の力を抜く時間あり。面白かった。

当日パンフに配役と各話のあらすじ&
登場人物のソコソコくわしめな説明が載ってそうだったので
ほとんど読まないで観劇。でも平気。
2話の暗転明けに女性が多めに出てたとき
区別つくか戸惑ったけど、
話始めたら各々個性的で
すぐ区別ついた。
前に観たことある方々も、わりとすぐに気づけた。

なんで今日マチソワじゃないんだろう(当日券買ったのに!)ってくらい
面白かったので、来週も来れたら来よう。
上演台本も販売。
値段は覚えてないけど高くはなかった筈。
早めに予約したから初演の台本データ送られてて、
聞くとなんか色々違うところあるらしいのですぐに読むのは勿体無いなぁ。

ネタバレBOX


「コウリュウ室」の漢字を、
最初違うほう(交流)をあてて聞いてて、その後、
あっちがうちがうそうじゃない(拘留か)…になったんだけど、
あれは作者の計算か私がバカなのか…

PMC野郎所属のNPO法人さんは、
全部人間の役。
メイクしてなくても演じ分ける役者っぷり。
そうそう、こういうの好き。
最後に出てくる役が特にインパクト強かったな。
前半の(役の)肩や手、呼吸と表情の細かさが印象強かったから余計。

古屋敷さんはナマでは3、4作くらい観てるかな? 
共通してまっすぐが暴走している感じで、
それが表に出るかフツフツしてるかっていう芝居の違い。
彼に限らずだけど、本筋スポットが当たってない時の反応や様子が細かい。

第一話の、 
コンビニの棚の品物を前に出す店員の手つきがやたらリアルだったな(笑)  
肩をすくめて気配消す感じとか、わかる。 
飛び越えて行われる会話を聞く
彼女の表情が好き。 
運命についてのことばが印象的。 

第二話の、 
女子アナみたいな(偏見)娘の、 
一見してすぐにわかる「あの感じ」すごい。 
彼女への「~で返事をするな!」が最高(笑) 
ラストの彼女の行為の意味に気づいて
スッとする。 

個人的に好きだけどエグいわ(精神的に)と思ったのが、
第三話の3人の「いつから」の話。 効果音とか無いんだけど、
空気が変わる音がするようだった。 
これは役の説明読まないで見てよかったな~。 
良心と残虐が
くるくると入れ替わって見える、 
なかなかそろわないトランプ神経衰弱みたい。 
志村さん(役名)と彼の関係が 
口に出される前に見ててわかる。 
なんでだろう。 
お互いの距離の取り方かしら? 

第四話は
全てが集束してくる感じにザワザワする。 
MUは前の時もそうだったけど、 
収まってるようで
別の部分の嵐が始まる感じ。 
男の「理解してる」感と
嫉妬丸出しの顔に
笑うかもやっとするかはこちらの心情次第だな。 
紙コップ男子がツボ。 

舞台装置の見えなそうで見える感じと 
奥の使い方が良かった… 
歌詞を覚えられない彼女の声が、 
ある意味サブリミナル効果だったな。 

想像力があると少しグロいのかも。 
現場はでないけど、血糊はあるから。 
橘さん(役名)の鞄から出てくるアレの破壊力。 

中田さんとおるすばん

中田さんとおるすばん

toi

吉祥寺CLOSET吉祥寺CLOSET(武蔵野市吉祥寺本町3-3-9 ,2F)(東京都)

2015/09/11 (金) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

18時の回を観ました
古民家リメイクの会場で、
膝を抱えて少人数で1時間ちょっと。
楽しい時間でした。

だいぶ時間がたってしまいましたが、感想をブログに書きました。

ネタバレBOX


http://maikuro96.blog90.fc2.com/blog-entry-1125.html
テノヒラサイズの人生大車輪'15

テノヒラサイズの人生大車輪'15

テノヒラサイズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/12/22 (火) ~ 2015/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

「あれ」でここまで魅せるとは!
テノヒラサイズは遠征して観にいく団体です。
何度か再演されているこの作品はまだ未見だったので、
東京で観られて嬉しいです。

チラシには「奇跡の90分」ですが、上演時間は1時間50分程度。
事前に告知があったので助かりました。

身近にある道具であそこまで様々な景色や物体を作り出す手腕、
ツナギのみで見た目もほぼ変えないのに
「さっきとは別人」とすぐにわかる役者さんたちの高い演技力、
ストーリーの鮮やかさに、ただただ食い入るように観ていました。

ネタバレBOX


バラバラだったものが収束する展開が見事でした。
椅子の使い方ではジェットコースターと逃亡劇が特に好きです。

私が観た回では
映画撮影のシーンをつくる際にモニターを模した椅子が崩れたのですが、
湯浅さんが自分のやっているキャラの演技を崩さずに対応して
まるで通常シーンの一つのようにしていて、
そういうところがすごいなぁと思いました。
客席を素に戻さない&戻ったとしてもすぐに作中に引き戻してもらえて
安心してわくわく観ていられます。

ガヤガヤしているシーンなど、
本筋に大きくは関わらない会話にも思わず笑えるやりとりがされていて、
どこを観ていても面白かったです。

プロポーズのシーン、
役者さんの雰囲気と言葉と役柄が合っていてときめきました。

「90分」は彼らが目覚めてからの作中の経過時間なのかなぁ…?
ムーア

ムーア

日本のラジオ

RAFT(東京都)

2016/10/06 (木) ~ 2016/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

めをつむるなんてもったいない
上演時間55分、濃密な作品でとても面白かったです。

受付のスタッフさんの対応も丁寧で、
当日パンフレットの裏面が台本(←全文掲載!)のことも
受け渡しの際に目を見て一人一人に言ってくださって、良いなと思いました。

新聞を模したようなデザインの当日パンフも雰囲気あって良かったし、
色みはないのに妙に圧迫感のある舞台美術や
役者の演技力を魅せる演じ分けや、
出ずっぱりの演出も見ごたえありました。

片時も目を離せない作品でした。



以下はツイート転載で失礼します。

ネタバレBOX


題材は、知らない人についてっちゃアカン的なアレと、
色々マイノリティな人のアレなんだけど
別にそんな「キモッ!」とかいう気持ちにはならなかった。
でも「かわいそう」とも思わなかったけど。
身につまされる部分のほうが多かった、というか。
小道具の使い方とか、役者のじわる変わり方とか…ゾクゾク

劇場出たら日常の風景、っていうこの立地がさらにクる話だなーと思った。
そんで、役者の表情とかが最後列でも視認できる
あの距離感もいいんだと思う。
東中野駅から会場のRAFTまで12分くらいか? 
歩く価値あった。
駅までのすれ違う人たちも、作品の一部みたいだった。

当日パンフに台本が載ってるの、
セリフ云々のパワーもあるけど
役者さんの演技でものいわせる系だからこその、
自信あっての行為なんだろうな…(まだ読んでない) 
安藤氏の視線と藤本さんの小道具の使い方と立ち姿、
横手さんの数種類の不気味さと
三澤さんの引きずり込み方と圧がスゴかった。

昼の(別作品)も、夜の日本のラジオも
床に靴底が当たる音すらたてるの憚られる緊張感ある景色で…
(別作品)は2回目だったから
どこでゆるみポイントがあるか把握できてたから良かったけど、
日本のラジオは次はどうなる、この止まった空気を誰が動かすのか…って
とてもヒリヒリした。


「OMG/風桶」

「OMG/風桶」

梅棒

吉祥寺シアター(東京都)

2016/01/16 (土) ~ 2016/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

『風桶』『OMG』観ました
マチネソワレで2作品いっきに観てしまったのを後悔するほどに、
両方とも面白かったです。

公演期間中にセットリストを公開してくれたのも嬉しかったです。
観る前にあらかじめ調べることができて、
知らない曲でも音楽&歌詞と登場人物たちのシンクロをより楽しめました。

作中ではほぼ声は出ないのですが、
役名と内容(曲や立ち位置など)の絡みもニヤリとさせられました。

梅棒は何度か拝見していますが、
いつもチケットがすぐに完売してしまうのも、
立ち見でも観たいという人が当日来るのも納得の公演だと思いました。

ネタバレBOX


『風桶』
一撃のときの傘に浮かぶシルエットや、
ランボルギーニに駆けてくる甘之丞を一瞬見せてからの暗転など、
ダンスの切れ味以外の部分も、細かく気を使って創っているのがわかって
すごいなぁと思いました。

荒くれ4人兄妹のネーミングと後半の武器に笑ってしまいました。
セットリストで曲を予習した時、某映画の曲が使われていると知り、
席について4人の役名見てニヤッとしました。
作中後半の武器もオマージュ効いてて好きです。


『OMG』
曲名のごとく、ストーリー途中で入ってくる
全員ダンス(+梅棒メンバーダンス)に、
一本道ストーリーだと思っていた自分はちょっと戸惑いましたが、
おいていかれること無く、すぐに復帰できました。

バスケチームの笑顔を絶やさない紅一点のサニングちゃんが、
モーガンが離れている時のみんなを力づける励ましが混じった笑顔、
復帰後の晴れ晴れとした心からの笑顔、
同じ笑顔でも全く違う雰囲気を表現していて素晴らしかったです。

また、作中のあちこちに登場するクラウンの、
シスターが亡くなった時の表情(体の動き含む)にとても切なくなりました。
ナイゲン(全国版)

ナイゲン(全国版)

Aga-risk Entertainment

新宿FACE(東京都)

2015/11/13 (金) ~ 2015/11/14 (土)公演終了

満足度★★★★★

机と椅子があれば、どこだってナイゲン
昼の回を観ました。

実際の教室のぎゅうぎゅうした感じは薄まったものの、
入場時のチカチカした明かりや音楽、
西日の入りかた(照明)、
登場人物たちの動きが空間を意識したものになっていて
魅せる作品寄りになっていたように思えました。
とても面白かったです。


ワンドリンク制で、場内でも観ながら飲めたのですが、
わら半紙の資料を、ドリンクを持ちながら見てるの大変そうでした…(笑)

慙愧

慙愧

643ノゲッツー

OFF OFFシアター(東京都)

2016/04/26 (火) ~ 2016/05/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

深く考えたら重いはずなんだけどつい笑っちゃう
初めて643ノゲッツー観ました。

会話のテンポもよく、
視点も自然と話題の中心人物に向くようになっていて快適だったし、
役者さん達が登場人物として生き生きとしていて面白かったです。

上演時間90分。
入り口にも貼ってありました。
劇場にお手洗いがひとつしかない旨を口頭でアナウンスしているのも、
親切だなと思いました。

ネタバレBOX


まさか、そこが繋がるの!? っていう世間の狭さが、
現実感薄いけど「ちょっとした奇跡」みたいで、いいなぁと思いました。
(私は、お芝居はちょっぴり夢があるのが好きなので…)

「犯人」はわりと分かりやすい行動や言動をしていて、
その動機にもとても共感できたので、そのあたりはシリアスな気持ちになりました。
でも他のシーンではシリアスな事情のところでも誰かしらボケてくるので、
暗くなりすぎずに楽しく観れました。
それも無理のない「笑い」への持って行き方だったので好みでした。
(考えようによっては、
笑いのなかに他人への興味の薄さとか、
熱しやすく冷めやすいミーハー精神みたいなうすら寒さもあるのかなぁ、などと思ったり…)

「先程気づきました」的なセリフがでてきたり、
話題の中心以外の人たちの動きも結構細かくて面白かったので、
そこを確かめるために2回観ても面白いだろうなと思わせる作品でした。

リピーター割引制度はありがたいです。
鈍色の水槽

鈍色の水槽

ロデオ★座★ヘヴン

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/02/09 (火) ~ 2016/02/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

人魚の正体は…!
上演時間105分。
受付&開場は開演の30分前。

チケット事前予約していたら、
その旨と劇場への道のり案内が書かれたメールが前日に届いていて、
親切でした。

ファンタジーと現実味が絶妙に混じりあっていて、あとをひきます。

ネタバレBOX

過去と現在がいわゆる「夢渡り」的に交錯しているのかと思いきや、
さらにもう一捻りしている演出にワクワクしながらの105分でした。
あっという間、とは思えませんでしたが、
長いなぁとも感じない、充足感と満足感のある体感時間でした。


オープニングの、ある登場人物をサイコメトリーしたかのような演出、
キャスト名の出現する際の映像効果の美しさに惚れ惚れしました。

ちょいちょいと笑える(内容はふざけてないけど)シーンもあり、
大人げない大人の大人げない姿も観られて楽しかったです。

封印とそれを解く人物の関係、
過去と未来の重なり、
言葉に反応する視界外の人物など
細かく作り込まれた見せ方で
1回でもガッツリ満足ですが
複数回観劇にも対応した作品だと思いました。

覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】

覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】

劇団ZTON

王子小劇場(東京都)

2016/09/22 (木) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

再演されるごとに洗練される、ZTON流三国志!
受付・開場は開演の30分前。
上演時間は、途中休憩なし2時間10分。

客席は横に広く、アクトエリアも上下左右に広く使った方式で、
迫力の殺陣と
キャラクターと世界観を一望できる「ACT」と呼ばれる一連のシーン、
大小さまざま散りばめられた伏線と格好いい見せ場、笑いどころなど
飽きることのない時間でした。


覇道泰平シリーズは2作だった初演から拝見しておりますが、
1作にまとまった2015年版の「そのまま再演」ではなく、
役者さんに合わせてキャラクターの性格が変化していたり、
セリフは同じなのに
語調や表情でまったく別の言葉のように聞こえるようになっていたり、
新たな楽しみがありました。


こりっちフォームから事前に予約していると
劇団から当日に案内メールが来るのですが、
席の種類や空調の具合、
当日の天候についての言及(傘立てがある等)もありとても親切でした。

自分は2公演予約しているのですが、
内容把握は1回で満足できる描かれ方です。
でも、どうにかもっと追加観劇できないかな? と思うくらいに
何度も味わいたい魅力的なキャラクターと世界観でした。

ネタバレBOX


今回は「劉曹編」と冠されている、劉備と曹操が主軸となる話。

劉備役と曹操役の役者さんの芝居力と客席に与えてくるイメージが
天秤…あるいはコインの裏表のようにバランスがとれていて
すごく良かったです。

若干、BGMの音量と役者さんのシャウトが混じって
不明瞭な部分もありました。


↓以下は自ツイートの転載↓

再演を重ねるごとに本当に文字通り研ぎ澄まされていく
為房さんをはじめとした皆さんの殺陣! 
あとキャラクターの掘り下げもどんどん深くなって、
見せ方もさりげなくとディープにとが混在してて楽しい、
ほんと東京でコレ観れて幸せ…!


平野くんは
全覇道泰平張飛のなかでいちばん(ピー【ネタばらし:おばか】)だよ!!!(笑
めっちゃ良いもの観た


黄龍ちゃん代々可愛いんだけど
「可愛いってこんなにいっぱい種類あるんだ!?」って感激した。
炎龍さま…白いすてらさん、美しすぎた。
某台詞、いままでの炎龍の印象とは決定的にちがう言い方だったなぁ。
董卓一行今回出てきた瞬間に惚れたわ。
同中(オナチュー)感ある関係性

ZTON、速さもあるけどそこに乗せたストーリー云々って感じのことを
開演前にツイートしたけど、速さもやっぱりすごかった。
今回、王子の舞台をとても広く使ってる…! 
ここの劇場は団体によって、
客席入った瞬間に方向感覚めっちゃくるうね。
前で迫力を体感するか、後ろで世界を楽しむか悩む

『覇道ナクシテ、泰平ヲミル【偽蝕劉曹編】』で
「知恵がまわるものが生き延びていくための術(すべ)」を観てほしい。
ほんと、今回の「彼」の生への執着を観てほしい。
まだ初日だから明かすの悩んだけど言っちゃうね。
後半の関羽の生き方。血が冷える。
(追記:劉備の話を聞いているとき、
両側の二人の疑念や怒りをおさえようとしてるような仕草、壮絶な笑顔)

初演再演を経ていろいろ追加要素があったり、
逆にスパッと、見せる部分を語りに変えたり他のキャラに託したり…
ブラッシュアップってこういう事なのね、と実感。
笑いどころも客席だいぶウケてて、
笑わせ方愛され方がどんどん巧くなってる。
張飛の某発言(追記:義勇軍のくだり)がツボにハマった。あれウマいわー!


作中の、龍達の舞からの一連のシーンは
ZTONでは「ACT」と呼ぶらしい。
今後の展開や、世界観などをぎゅっとおさめた見ごたえある部分。
今回は龍と各勢力の関係の中に、伏線や各キャラの心情が描かれる。
全体見るつもりだったのにうっかり董卓軍を注視してた(笑) 
呂布の表情、雄弁でした。

[再演版]東京ドーピング2020

[再演版]東京ドーピング2020

<火遊び>

Live Art akasaka(東京都)

2016/07/22 (金) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

芝居と現実の距離ゼロ。まさに「目撃」
別団体でバー公演やカフェ公演は何度か観たことがありますが、
今回のように
バーをバーとして使う形の公演は珍しかったです。
(上演の都合上席は多少移動していたようですが)

上演時間95分。
ワンドリンク込だったので、
開演までゆっくり飲み物を飲んで落ち着けました。
(上演中も飲んで良かった)

会場時間からすでに「登場人物」となって場内いる数名の役者さん、
机の上にある「ドーピングの光と闇」を象徴するような飾り
(錠剤シートが詰められたグラスの上に置いてある花)などが
開演前から作品世界と現実の距離を詰めてきていました。

開演前の主宰さんのご挨拶で
「目撃する」「ゼロ距離芝居」などのフレーズが出てきて、
現実にありそうな内容だったり、
役者さんとの距離だったり、
上記のような開演前の演出だったり、
そしてあえて芝居がかってない
「聞き取りづらい」セリフのやりとりなどが、
まさにその現場を見ているような感覚を与えてくれて、
とても面白かったです。

※一部の「聞き取りづらい」は、わざとそうしているのがわかるので不快感はなかったです。
(「声にならない言葉」のような感じ。
行動や表情が何を言わんとしているのか語っていました)

ラストも、
終わったんだけど終わった感じがなくて、 
作中時間的にはまだ未来(2020年)の話で、 
でもすでに今も起きてる事かも知れなくて、
終演の挨拶として主宰さんが前に出てくるまでずっとはりつめていて、 
自分の拍手の音でやっと安心した感じでした。 

やぶれた虹のなおしかた

やぶれた虹のなおしかた

こゆび侍

駅前劇場(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

感情移入しまくりました
奥側で観ました。

特殊なシチュエーションでも
「きっと自分もそう思ってしまうかもしれない」
「自分もこういう状況になったらそうするかもしれない」
と思わせるリアルな内容でした。

叶うならもう一度、手前側から観たかったです。

ネタバレBOX

詳しくはブログに書きました。

http://maikuro96.blog90.fc2.com/blog-entry-1107.html
エダニク

エダニク

iaku

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2016/06/03 (金) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

シリアスもモヤモヤもドタバタもピリピリも、とにかく上質
何度か上演されている作品とのことですが、初めて観劇。

上演時間105分。
(チラシ記載よりも実際のランタイムが延びた旨が、
メールで送られてきました。親切…!)

開場後は、団体からの予約での整理番号と、
劇場側で予約した時の整理番号で同時入場する方式でした。

椅子の背もたれにもクッション的な物がついていて、
背中に優しかったです。

「観劇後、肉が食べられなくなるような話なのかな…」
と思っていたのですが、杞憂でした。

役者さんたちも上手で、純粋に会話劇としても楽しいし、
力のある脚本なので、
作中に描かれていたテーマを深く掘り下げて
こちらに考えさせるきっかけとしても、上質だなぁと思いました。

ネタバレBOX


がっつりシリアス一辺倒な展開を想像していたのですが、
会話の中の自然な笑いや、
「本人たちは必死なのに傍目から観ると面白い」現象もあって
肩ひじはらずに入りこめました。

どの登場人物の主張も思考も理解できるけど、
お互いに納得できない立ち位置…という絶妙な位置取りで、
作中に出てくる「模範解答がない」問題も、
三者が同じくらい人間として丁寧に描かれているので
「誰かに肩入れさせて、客席側の思考を誘導する感じ」がまったく無くて、
そこがとても快適でした。

音楽も照明もほとんど変化のない中、
役者さんのまとう空気で、
雰囲気が硬くなったり柔らかくなったりする舞台上。
目が離せませんでした。



邪教

邪教

劇団YAX直線

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2015/07/02 (木) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

目の付け所が好きなのです
相変わらず当日リーフレットの文字数が半端ないです。

各登場人物の
バックホーンも(作中では語られない情報すら)書いてあるので、
読んでから観ると彼らの思考が受け入れやすくなります。

受付は開演の1時間前、開場は15分前。
上演時間は90分強。

ネタバレBOX

脳内会議の話があらすじにあったので
「あっちもこっちもタイムリーだな」と思って観劇に臨みましたら
当日リーフレットでそこに触れていました(笑

この物語の登場人物のような不毛な脳内会議は自分もやりがちなので
あのあたりの感情移入度は半端なかったです。

「小劇場でよくあるシリーズ」は、
特定の団体を指してるわけじゃないのでしょうけど
思い当たるような景色をあちこちの劇団で観たなぁ…と、
脚本家さんの観察眼に思わず笑ってしまいました。

劇中劇のプロジュエクト〇ックスと、
某時代劇がツボにはまって大笑いしました。
作中に出てくる「ご当地グルメ」「お茶」「たこ焼き器」のたとえも
親しみやすく、かつ分かりやすくて着眼点と言葉選びが見事だなぁ、と。

演技としては特に
星子役の須賀さんの
写真が流れていくような表情の変え方(りんごの話)や
三垣役のれんださんの堕天使の妖艶さ、
飛来矢役のChiRiさんの
「ヒモ力(ひもりょく)」トークの説得力と安定の体幹、
丹波役の冨岡さんの色気(まさに「ヒモ力」では…と思うほど)、
心平役の二川くんのくそまじめな熱さが印象的でした。


スケッチブックの使い方もここならでは…で、
書いてある言葉(彼らの発言)に心を揺さぶられます。
二者の発言を交互に見せるところでは、
一瞬どっちを観ればいいのか悩むので、
スケッチブックを掲げたり一歩前に出るとかの
視線誘導が欲しいかなと思いました。
(音楽に合わせる関係上、難しいのかもしれないなぁと思いつつ)


実はタイトルの「邪教」とチラシの空模様に
脳内で宗教的な話になるんだろうか…とドキドキしていたのですが、
「とにかく進もう」と思える力に変えてくれる使い方だったので
安心しつつ、元気になれました。

熱唱する原さんがカッコよかったです。
小さくこぶしを握りました。

金と銀の鬼─チェインソウル─

金と銀の鬼─チェインソウル─

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

所狭しと暴れる鬼たちに大興奮
4面囲みの、決して広いとは言えない舞台上で行われる
迫力のアクション、キャストそろってのダンス、
怒涛の展開に興奮しました。

今回1度しか観劇できないのですが、
1つの方向からだけでも
「本筋をほぼ見届けられた」という気持ちになったのは
役者さんの、全身に神経を張り巡らした演技と
囲み舞台を意識した演出のつけ方なんだろうなぁと思いました。

衣装も素敵だったので、
カーテンコールの撮影会がありがたかったです。


ネタバレBOX

緑丸と助佐のコンビが終始目をひき、
妖刀を手にした後に起きた変化で、さらに目が離せなくなりました。

銀鬼は、ライム兄弟とのふれあいや桜満とのやりとりで見せる表情と
後半の泣き叫ぶような表情のギャップがよかったです。

金鬼と、某人物との因果のくだりも「そういうことか!」 と納得して観れました。

「角」や「メッキ」などの、掛詞のような言葉の使い方も説得力があって
面白かったです。

ズーキーパーズ

ズーキーパーズ

ファルスシアター

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

どたばた動物園
主人公が「やる気のない新米園長」らしいけど、
物語にどうかかわるのかな…? と思っていたら、そういうことでしたか(笑

上演時間 1時間40分程度。


舞台の上のキャストは飼育員でツナギ、場内スタッフは前掛けで、
まさに動物園の場内キャストのようで面白いなと思いました。

ネタバレBOX

時事ねたというかパロディというか関連用語がナチュラルに入っていて、
あぁ現代日本だなぁというのを感じました。
登場人物の心情に寄り添う感じも、
コメディだけどただのアハハで終わらせてなくて、涙ぐみました。

当日パンフのキャスト紹介がイラストなのですが、
まず見て自分が名前と顔を把握している役者さんの
森田さん、佐藤さん、濱崎さん、矢吹さん、がそっくりで感動しました。

観終えてからイラスト見直したら、全員そっくり!

あと、ブラインドが透けてるなぁ、あれハケていく人が丸見えだなぁ…
と思っていたら、
終盤、それが必要なことだったのだと気づいて感動しました。

動物役を出さずに動物を出演させる技がさすがでした。

当日パンフに書いてあるけど、声の出演…? と思い返して、
「あ! あの声か!」と
終演後にクスッとしてしまったのも、作品のうちかなと思っています。

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