満足度★★★★★
芝居と現実の距離ゼロ。まさに「目撃」
別団体でバー公演やカフェ公演は何度か観たことがありますが、
今回のように
バーをバーとして使う形の公演は珍しかったです。
(上演の都合上席は多少移動していたようですが)
上演時間95分。
ワンドリンク込だったので、
開演までゆっくり飲み物を飲んで落ち着けました。
(上演中も飲んで良かった)
会場時間からすでに「登場人物」となって場内いる数名の役者さん、
机の上にある「ドーピングの光と闇」を象徴するような飾り
(錠剤シートが詰められたグラスの上に置いてある花)などが
開演前から作品世界と現実の距離を詰めてきていました。
開演前の主宰さんのご挨拶で
「目撃する」「ゼロ距離芝居」などのフレーズが出てきて、
現実にありそうな内容だったり、
役者さんとの距離だったり、
上記のような開演前の演出だったり、
そしてあえて芝居がかってない
「聞き取りづらい」セリフのやりとりなどが、
まさにその現場を見ているような感覚を与えてくれて、
とても面白かったです。
※一部の「聞き取りづらい」は、わざとそうしているのがわかるので不快感はなかったです。
(「声にならない言葉」のような感じ。
行動や表情が何を言わんとしているのか語っていました)
ラストも、
終わったんだけど終わった感じがなくて、
作中時間的にはまだ未来(2020年)の話で、
でもすでに今も起きてる事かも知れなくて、
終演の挨拶として主宰さんが前に出てくるまでずっとはりつめていて、
自分の拍手の音でやっと安心した感じでした。