ハウザーの観てきた!クチコミ一覧

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Full Of Liars!

Full Of Liars!

劇団ICHIGEKI☆必殺

シアターブラッツ(東京都)

2015/07/02 (木) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★

サスペンスコメディ
ストーリー的にはサスペンスですが、コメディ要素も多く、気楽に楽しめる舞台でした。サスペンスですと、どうしても予想して観てしまいますが、今回は結構外れました(笑) だって、あんなにバッタバッタと死んじゃうとは思わなかったので。
ただ、私の理解力のせいかと思いますが、伏線も全部回収しきれなかったのではと思いました。
舛花さんの捻りには騙されましたし、ミラクルタイムは必見ですね。

最後の色々予想させる終わり方は好きですね。特に今作では。

ネタバレBOX

分からなかった点
当初、潤のストーカーが丁子かと思っておりました。途中で舛花があの子見た事あるというような台詞があったので。結局ストーカーは誰?舛花?

全員、名前が色だけど特に意味は無い?

契約変更は、男が女性を殺してもカウントされるように?

千秋楽を観たので、再度観て確認出来ないのが残念。
映日果-アンジール

映日果-アンジール

XZM

遊空間がざびぃ(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

それぞれの正義
13人の男性キャストだけの舞台。薄暗い照明の中で、舞台には何もなく、役者さんの演技だけで魅せる。ただただ、格好良い。音響、照明も実にフィットしており、舞台の醍醐味を味わえた作品でした。
ハードボイルドタッチではあるが、笑いの要素も散りばめられ、映画のような映像美も魅せられた。

脚本も素晴らしかったですが、実力派の役者さんが揃っており、またそれぞれが素晴らしく、極めて完成度が高かったです。
主人公含め登場人物誰もが清廉潔白という訳では無く、そこがまた人間らしくもありました。

同じ役者さんで是非続編も観てみたいと思う舞台でした。

デイドリーム

デイドリーム

劇団アルターエゴ

OFF OFFシアター(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★

家族への想い
☆チーム観劇。家族愛を感じる作品だが、複雑な想いと純粋な愛情に溢れ、見応えがありました。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

イギリスからのピアノ留学から戻った次女と家を守る長女、フリーターの末弟の家族を描いた作品。母親は既に亡くなっており、父も家を出て再婚している。最初、揃った姉妹と従妹の和やかな雰囲気と会話で静かに物語は進んでいく。だが、弟の詐欺被害事件と母親や父親の不倫等で急にドロドロした物語へと変貌した。だが、詰め込み過ぎた印象も少し感じてしまった。弟の詐欺被害事件なども登場してから急展開かつ即解決だったので(笑)
夢?で出てきた母親も直球で詐欺の事を話すので、少し含みを持たせて次女が気づく位の方がとも思ってしまった。DNA検査も飛躍したなと(笑)
だが、家族の形はそれぞれとも思うので、根底にある愛情を感じられたラストは感動的でした。

役者さんは、子供時代も見事に演じられた小野寺夏子役の堀口幸恵さん、強さと家族への思いに溢れた小野寺春花役の丸山彩智恵さん、明るく支える本田香役の小西有香さんが印象的でした。

リ:ライト

リ:ライト

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

今回もつながる
トツゲキ倶楽部さんは3回目の観劇となるが、今回も「人のつながり」を感じさせてくれる暖かい作品でした。今作では、化学反応と言った方が良いのかもしれませんが。
あの内容を、90分にまとめている脚本・演出は実にすごいと思います。
公演中なので以下、ネタバレで。

ネタバレBOX

アルツハイマーの治療薬を研究する大学の研究室が舞台であるが、恋人関係のもつれ、研究室を辞めようとしている者、皮肉にも自身が若年性のアルツハイマーになっている者等、当然だが様々な自身の問題を抱えている。
その中で、治療薬につながる実験が成功したのだが・・・。
この実験データを巡り騒動が起こる。回転数が安定しない遠心分離機、ゴミ箱に処分してしまった記録紙、データを消去してしまったPCファイル等々。
この辺りもそれぞれの人間関係が相互作用しており、これが面白い。
また、ある程度話が進んだところで、今まで起こった事が予知夢という形で巻き戻される。そして、タイトルの「リ:ライト」である書き換えが始まる。また、研究の言動力の一つに、研究員の治療も入っており、そこもまた、つながりを感じさせる。
いやぁ~、素晴らしい脚本です!

14人の登場人物がいるのですが、それぞれがキャラ立ちしており、また皆一様に良い人達なのでついつい応援したくなります。
複雑な心情が多く難役の星神沙織役の前田綾香さん、病気ながら明るく皆に愛される笠戸華役の佐竹リサさん、クールな優しさを魅せてくれた淡路玲子役の高橋優都子さん等の女優陣の活躍が印象的で、それを支える他の女優陣やコメディ要素が多かった男性陣、繋がりを感じるまさに化学反応でした。

次回公演も楽しみです。



金と銀の鬼─チェインソウル─

金と銀の鬼─チェインソウル─

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

確立した舞台
噂に聞いていた本劇団を初観劇。噂以上の舞台でした。
何も置いていない四角い舞台、またはその周りを縦横無尽に走り回り、殺陣にかなりの比重を置いており、そこに言葉遊びや笑いの要素も盛り込んだ舞台。リピーターのお客さんが多いのも納得の、「X-QUEST」として確立した舞台だと感じた。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

鬼の世界と桃太郎童話を軸にした世界。だが、通常の桃太郎とは異なり鬼側にスポットを当てている。最初にネタバレを書いてしまうが、鬼の王である金鬼は実は鬼子として捨てられた人間で、銀鬼が鬼として育てた。だが、自分の角を与えたせいか銀鬼の記憶が混乱し、金鬼の弟として行動している。
これに、鬼に故郷を襲われた緑丸と助佐(この二人の関係性が非常に良い)、桃太郎一行(なぜか蟹もいる(笑))、配下の鬼達のクーデターや飛行を夢見るライム兄弟も加わり、カオス的であるが上述の秘密に向け進んでいく。また、金鬼の生まれ変わりが桃太郎という時間軸の歪みなどもあり、よりカオス的。

だが、本舞台はストーリーもあるが何と言っても殺陣であろう。ストーリーに即した殺陣というより殺陣を中心に捉えているような舞台である。
この殺陣がより映えるのは、音響や照明の見事さであろう。
また、この世界観に笑いを随所にちりばめているのも流石だと感じた。
桃太郎の家来達の言動には何度も笑わされたが、今回は何と言っても桜満の妖刀「鬼切」のくだりの一人芝居であろう。これは必見である。

他にも見所が多く、多くの人がはまるのが分かりました。

ただ、個人的には少し人数が多すぎたのではと思い、また削れるシーンもあったのではないかとも思えた。(伏線回収が面白かったので、不要と思えるシーンもあり、少し時間が長く感じられた。)

公演後のファンサービスの撮影会は、良い企画だと思い、本劇団の人気の所以も改めて分かりました。

『リア王』他一編、…公演は無事終了いたしました。お越しの皆様、ありがとうございました。

『リア王』他一編、…公演は無事終了いたしました。お越しの皆様、ありがとうございました。

楽園王

pit北/区域(東京都)

2015/06/26 (金) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

満足度★★★

オリジナリティ溢れる作品
シェイクスピアの「リア王」、三島由紀夫の「火宅」を原作に主催の長堀氏が演出した2作品。「火宅」は原作を知らないが、「リア王」は過去観たことがある。結論から言えば、良い意味でオリジナル作品に近いと感じた。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

「火宅」~35分程度の作品で、家族崩壊が淡々と進む感じで個人的にとても見応えのある作品であった。感情の起伏はあまりないように思えるが、ちょっとした所作等に揺れを感じとれる。大里千代子役の大畑麻衣子さんの、能面を連想させるような無表情でかつ怒り、怯えているような演技が印象に残った。

「リア王」~子供を自殺で亡くし、夫との関係も壊れた妻が小説「リア王」の世界とシンクロしていくような舞台。リア王の娘達が何故は往年のアイドル楽曲で登場し、よりカオス感を高めていく。悲劇的な面は原作と共通するが、オリジナリティ溢れる演出。
やはり妻/リア王役の岩澤繭さんがオープニングのダンス含め印象に残った。

独特の世界観を持つ劇団で、次回は長堀氏のオリジナル作・演出作品を観てみたいと思った。


Mother

Mother

TEAM JACKPOT

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

起こりうる現実
余命一年の母。病気の為か、久しぶりに会う息子の顔も良く分からない。それでも最後の時を迎えるまで思い出を増やしながら生きていく。そしてラストの衝撃と役者さん達の熱演で身につまされる舞台でした。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

あらすじだけ見ると重苦しい内容ではあるが、余命宣告されている母親が、悲観的になりすぎず明るくふるまうのが良く、笑えるシーンも多く配してある。久しぶりに帰ってきた息子の影響でもあるが、息子の友人、息子の彼女と誕生日や昔の思い出話を軸に余命を過ごしていく。だが、最初に息子の顔が分からなかったのは、病気のせいでは無く、本当の息子ではないから。そして息子の友人や彼女もそう。
(息子は4年前に震災で亡くなっているが、母親はそれを受け入れられておらず、何度も携帯に電話している。)
息子は福祉課の人間であり、友人は医師、彼女は看護師だ。孤独死を迎える老人が多く、新しい福祉政策として導入されたモデルケースだという。
いわゆる衝撃のラストという展開だが、母親が残した日記にはそれが分かっており、その仕事だけではない優しさに付き合い騙されていたフリをしていたという二段オチ。
近未来には起こり得るかもしれない話ではあるが、最後母親が気づいていたという結末が個人的には非常に良かった。賛否両論あるとは思うが、気づかずに息子達と信じたまま亡くなったのではやはり寂しい気がするので。
正直いうと序盤のテレビのシーンで、ある程度の予測はしていたのですが、それでも魅せられたのは役者たちの熱演があればこそでした。

終演後に購入させて頂いたパンフレット(すいません、最初本公演に関するパンフレットかと思ってました。)に、本劇団の歴史等が書かれており、また応援したい劇団が一つ増えました。



脳しんとうのままで

脳しんとうのままで

GORE GORE GIRLS

王子スタジオ1(東京都)

2015/06/11 (木) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

純度100%のコメディ
全くの初見でしたが、100%のコメディで大変楽しませてもらいました。
近年、コメディではあるが良い話となる舞台も多いですが、本公演は最初から最後までコメディ一直線でした。最後、とってつけたように良い事言ってた気もしますが(笑)

基本的には、本人達が真面目に演じることで起こる周りとのギャップで笑いを誘う形でしたが、役者さんの演技力の高さ、演出の冴え等でつい笑ってしまう舞台でした。最初はややおとなしめに感じましたが、中盤から終盤はほぼ笑いっぱなしの60分間でした。個人的には、ゴミ袋での会話や耳を塞いでいるシーンがツボでした。

これから、ボランティアの方やゴミ袋を見る度に思い出してしまいそうです。



マインドファクトリー~丸める者たち~

マインドファクトリー~丸める者たち~

かわいいコンビニ店員 飯田さん

王子小劇場(東京都)

2015/06/10 (水) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

理不尽な現実
あまりに理不尽だが、恐らく多くの部分で作・演出の池内風氏の実体験であろう舞台。コメディ調ではあるが、高校の部活動について考えさせられる。
以下、ネタバレで。

ネタバレBOX

創立間もない高校野球部の話であるが、県大会で前年ベスト16まで進んだことで、今年度の部員たちにも多くの期待がかかる。
だが、野球部の顧問は自分の理論を元に部員たちに手をあげていた。
この理論があまりに理不尽であるが、周りの期待や悪い意味でチームワークを乱すと考えてしまい部員達は受け入れている。
多感な時期であるが、一方的な理論での考え方しか与えられなければ、善悪の判断も鈍るのであろうか。いや、田舎の野球部を強くした町の英雄である監督には絶対的な権限が与えられており、逆らう事は出来ないのであろう。両親の支えもあり、退部を決断するが最後は力つきてしまう田所主将はよくやったと褒めてあげたい。

この話で一番怖いのは、止めるべき周りの大人達がいない事だ。ともすれば、まるでそれが正当かと思ってしまっている。養護教諭や野球部部長、また最初の頃の徳原部員の父しかりだ。
他の先生方も治外法権的な野球部には深く関わろうとはしない。
また、監督も自分の理論が間違っているとは思っていないのであろう。
近年も同様の問題が報道されたが、その際も先生を擁護する声が多く聞かれた。マインドファクトリーとは良くつけた名前だと感じた。
(鶏のシーンもそうですね)

リアルな脚本と役者さん達の熱演により色々と考えさせられる舞台でした。個人的には、監督役の山森信太郎さん、田所主将役の杉浦一輝さん、養護教諭役の百花亜希さん、そして田所主将の母役の中島美紀さんが印象的でした。他の方も皆さん熱演で、オープニング前の応援シーンで本当に力をいれて手を振っているのが分かり、始まる前に本舞台の期待が高まったのも覚えております。

少し残念なのは他の方も書かれておりましたが、暗転の多さと公演時間が少し長過ぎると感じてしまいました。

コメディ調は残しながらも、前作とはうってかわった本劇団の次回公演が今から楽しみです。
いつも眠るまえに

いつも眠るまえに

Pityman

王子小劇場(東京都)

2015/05/27 (水) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

深く難しいテーマ
想像していたのは異なり、深く難しいテーマの舞台でした。
女性を中心に捉えている舞台ですが、出演されている女優さんが皆魅力的で、楽しめました。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

代理母出産をテーマにした舞台で、最初お金と子供が出来ない夫婦にとって良い事だという話で代理母を受け入れていた母親が徐々に育つお腹の中の子をの親権を持ちたいと思う話。
基本的に、淡々と徐々に重苦しくなっていく舞台で、惹き込まれる。
やはりこのテーマだけに観る人の考え方や視点により観える物が異なってくるとは思う。だが、こういう問題を考えさせられる良い機会になった。
最後の判決は、ベビーM事件になぞられていたが、現時点ではこの結果しか
出せないのかとも思う。
暗転時(完全には視界はなくならない)でも、赤ん坊を抱きかかえる所作にも気を使われていて好感が持てた。

魅力的な役者さんが多かったが、個人的には佐藤さん役の浅井裕子さん、古藤さん役の佐山花織さんが印象的でした。

観劇中、地震に見舞われましたが、劇団さんの対応が良く、特に混乱なく観ることが出来ました。
愛でもないし、youでもなくて、ジェイ。

愛でもないし、youでもなくて、ジェイ。

アナログスイッチ

シアター711(東京都)

2015/05/27 (水) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しく切ない
初観劇の劇団さんでしたが、楽しく切なくもある舞台で楽しめました。
等身大の役者さん達が多かったようで、少しオーバーな面もありましたが同窓生達の会話が自然で、また管理人さん夫婦が良いアクセントになっていて良かったです。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

タイトルと説明文から、ある程度 I、U、Jターンの事だと予想はしておりました。特別故郷という程の場所(現在も近郊住まいなので)を持たない私としては観る前はどうかと思いましたが、思ったよりすんなり入り込め、また恋愛や夫婦像などを絡めた話で、ある意味成長物語にも映りました。劇中のいくつかの台詞には共感を覚え、少なからず応援したい人達が多かったです。

舞台は、ロフトやバルコニーの作りも良く、またその場所を上手く使った演出も良かったです。

役者さんは等身大の役で皆さん上手くはまっておりましたが、演出かとも思いますが、少し地声が大きすぎる方も観られ、少し周りとのバランスが崩れていたようにも感じてしまいました。(それ程大きな劇場ではないですし。)
個人的には、千秋さん役の工藤さやさんと七海役の板橋優里さんが特に印象的でした。

次回公演が楽しみな劇団さんが増えました。
七人のふたり

七人のふたり

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/05/22 (金) ~ 2015/06/02 (火)公演終了

満足度★★★★

クロムモリブデンにしては・・・。
クロムモリブデン独特のブラックでカオス的な作品ではありました。
投稿動画で日本一を目指す各チーム(?)が面白かったです。
ただ、前作などに比べ何回も観たいと思わせる中毒的な面が少し薄れていたように思えました。
今までもっともっとブラックでカオスな舞台を魅せてくれていたせいかもしれませんが、少し毒素が足りないようにも感じてしまいました。
ファンなので既に中毒のせいかもしれませんが。


BARに灯ともるころ

BARに灯ともるころ

ZIPANGU Stage

萬劇場(東京都)

2015/05/20 (水) ~ 2015/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

コメディ+人情劇
コメディ劇団の王道のコメディでした。前半は初顔合わせの嘘が嘘を呼ぶドタバタコメディで、後半フランス帰りの方が戻られてからは、Barに集まる常連さんの団結力を見せた人情的な作品でした。

少し都合が良すぎる面もありましたが、楽しめました。
(最終的には、良い人ばかりでしたので。)
でも、権利書と実印取ろうとして、購入したエスプレッソマシーンどうする気だったの? ちょっと無理があるのでは・・・。

Barの舞台設置は実にお見事でした。

ジューリオ・チェーザレ (エジプトのジュリアス・シーザー)

ジューリオ・チェーザレ (エジプトのジュリアス・シーザー)

東京二期会

新国立劇場 中劇場(東京都)

2015/05/23 (土) ~ 2015/05/24 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しいオペラ
古典的なオペラですが、随所にコメディ的な要素を取り入れ楽しいオペラでした。
クレオパトラ役の田崎美香さんが特に素晴らしく、私的にはダントツでした。
(本日も公演がありますが、出演者は変わります。)
演奏のニューウェーブ・ バロック・オーケストラ・トウキョウも本公演を機に創設された、ピリオド・スタイルの管弦楽団との事でしたが、創設されたばかりとは思えない見事な演奏でした。
久しぶりの本格オペラでしたので、2度の休憩はありましたが、3時間50分はやはり長いですね(笑)
少し疲れましたが、楽しいオペラでした。

かべぎわのカレンダリオ

かべぎわのカレンダリオ

バンタムクラスステージ

シアターKASSAI(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

上質の舞台
A→B 両公演観劇。(この順がお勧めですね。)
ハードボイルドな復讐劇のA公演、スピンオフ的なラブコメディのB公演と
どちらも面白く、世界観が備わっている上質の舞台でした。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

A公演 「マレーネの晩秋」 
引退したギャングのボスの息子が舞い戻り、父を手始めに復讐を始める。
現在のボス、殺し屋、ギャングの手下がそれぞれの思惑で、この硝煙漂う復讐劇に身を投じていく。
死んだボスが守りたかった古い映画館とそこで働く愛娘もこの騒動に巻き込まれていく話。 各人物が実に良くキャラ立ちしており、恰好良い。
明るい映画館関連と、薄暗いギャング側周辺も照明、音響含めコントラストに描かれより世界観を出していて楽しめました。
主人公のカレンダーの幼少期の話なども含め奥深い素晴らしい脚本でした。

役者さんは皆好演でしたが、やはり陰影あるカレンダー役の福地教光さん、凛としたマレーネ役の宮島小百合さん、ヒステリックなボス役の土屋兼久さん、復讐にひた走るバラキ役の牧島進一さん、そして深みのあるピストーネ役の上杉逸平さんが印象的でした。

イタリア、ギャング、裏切り、硝煙、映画館と言葉だけでも先日の観劇が思い出されます。何度も観てみたいと思う上質の舞台でした。


B公演 「ラウラの夏」
A公演後に観たのですが、時間軸としては丁度「マレーネの晩秋」の序盤から中盤辺り。ギャング色がだいぶ薄まり、基本映画館が舞台。
ラウラの元先生であるダドリーニ先生の現在の教え子達に映画を見せてやりたいという話がマレーネ達の映画館を巻き込み展開する。
そこに、A公演ではすぐに消えてしまった(笑)サルディニアの死神の異名を持つ殺し屋モルテも加わりダーティな面も少し残してある。
ラウラの恋愛を助けようとするマレーネやアルフレド等の気遣いが暖かい。

あ、このシーンはそうか、こういう前振りがあったのか等、スピンオフ的に楽しめるので、観ると先の「マレーネの晩秋」がより楽しめる作品。
A公演では見れなかった、マレーネやカレンダーの少しコミカルな面に代表されるそれぞれの違う一面を観られるのが楽しい。

楽しい舞台で役者さんも楽しんでおられるようでしたが、B公演では大活躍のモルテ役の渡辺慎一郎さん、分かりやすい性格のジーナ役の緒方ちかさんが印象的でした。
そして、当日ゲストの平野勲人さんはだいぶ笑いを運んできてくれました!

A,B公演どちらも面白く、またスピンオフ的なものやそれぞれの続きが観てみたい作品でした。
消失点

消失点

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

重く、惹き込まれ、考えさせられる
急遽時間が取れ、色々迷ったが初観劇の本劇団作品を観劇。
重い!そして惹き込まれる!考えさせられる!
ネグレクトをテーマにした本作品は、既に事件として子供を死なせてしまった母親とその母親を取り調べる刑事を軸にされていた。だが、この刑事もネグレクトに近い生活を送っている。
本テーマは簡単に解決できるものではなく、また綺麗事で片づけられるものでもない。児童福祉課職員の方が持っていたブランドバックの指摘や何か出来る事はいう問いに、「お金」という現実な答えもあいまってより一層問題の奥深さを出している。
各人物が分かりやすく描かれているが、ある意味隣人でも状況によっては自分自身にも起こりうる事だとも思えた。
全編通して、重苦しい舞台であったが、警察署長と部下刑事の存在が少しだけ空気を緩めてくれたのが良かった。
子供を人形と声だけで演出したのも本舞台には合っていたと思いました。
重苦しかったですが、また次回公演も観てみたいと思う劇団です。






もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

月刊根本宗子という劇団
既に終演されており、また多くの方がコメントされているので、具体的な内容よりも全体の印象を書かせて頂きます。
本劇団の作品は、まだ数作品しか観ておりませんが、これぞ「月刊根本宗子」というカラーが出ていた作品に思えました。
あいかわらずのリアルな会話、計算されつくした演出、4分割された各部屋で行われる息の合った動き、それを実現させる役者陣のパフォーマンス。
それらが合わさった圧倒的パワー溢れる舞台でした。
改めて、根本宗子さんの脚本・演出のタレントを実感致しました。
役者さんは、皆さん好演でしたが特に女性陣では梨木智香さん、男性陣では小沢道成さんが目を惹きました。

皆さん大絶賛の大変楽しい舞台だったのですが、あえて辛目のコメントも少しだけ。
上記したリアルな会話や計算されつくした演出等、流石本劇団と思いましたが、観劇後の圧倒的な満足感や衝撃は味わえなかったです。
というのは、これらに近い舞台は以前に観ております。
具体的には他作品で「月刊根本宗子」を既に観ているからです。
確かに進化されており、勢いも感じる同劇団ですが、初見ではない為、
このように感じてしまいました。(初見の衝撃が忘れなれないので。)
勿論この作風が同劇団の特徴で、大変面白いとは思っているのですが・・・。
大好きな劇団だからこそ、もっともっとを求めてしまいます。
本作品のタイトル通りですね。
もっと超越した所へ!







Rabies2021

Rabies2021

メガバックスコレクション

キーノートシアター(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

緊迫感
βチーム観劇。流石、メガバックスという約120分間の緊迫感あふれる重厚な舞台でした。観劇後に心地よい疲れがあった程です(笑)
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

砂漠の真ん中にある軍事施設で発生した新種のウイルスとの戦いの舞台です。オープニングのウイルス発生、そして主人公である大学教授の登場シーンでの語り口等から序盤で期待感が膨らみました。
主人公の元妻である主任研究者、感染してしまった研究者でもある娘、現在の夫でもある施設の責任者、研究助手、そして人体実験用に連れてこられた死刑判決を受けた4人の囚人とそれぞれなかなか個性的でした。
常識とは真逆の考え方を持てる主人公が、自らをウイルスに感染させ対抗策を考えます。時間との戦いでもあり、周囲の人々の様々な思惑もあり、緊迫したシーンが続いていきます。いわゆる父が娘を助けるヒーローものですが、このヒーローの弱さや他の人々の内面なども徐々に出てきて、とても見応えのある舞台でした。最後の手紙シーン中に、うれしくて早く着き過ぎてしまう記述がありましたが、オープニングでの描写と重なり大変好きな個所でした。

作・演出の滝一也さん、役者としてのキリマンジェロ伊藤さんの多才さを改めて感じた作品でした。
ミルク役の山上広志さんも印象的でした。



パーフェクトマーダーケース

パーフェクトマーダーケース

劇団禄盟漢

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2015/05/03 (日) ~ 2015/05/05 (火)公演終了

満足度★★★★★

悲しいパーフェクトマーダーケース
三つのストーリーと大きな一つの物語とあったが、それぞれに様々な人物が絡み合い、ラストに向けて色々な伏線を回収しながら魅せていく脚本がまず面白い。そして役者さん達の熱演と相まって、実に見応えのある舞台でした。
5公演しか行われないのが勿体無いと思いました。
以下、公演中なのでネタバレで。

ネタバレBOX

事件後の取調室での、容疑者や目撃者の供述を回想シーンで見せて物語が進んでいく。薬の売人、ホームレス、孤独な少女、麻薬捜査官、そして別れた父子とそれぞれの関係性や考え方が、複雑に絡み合い、重厚で悲しい物語を構築しておりました。伏線の話にも感情を揺さぶられるシーンや台詞があり、2時間弱の舞台でしたが全く長く感じませんでした。

役者さん達は皆さん熱演で大変良かったのですが、特に優斗役の大山京香さんとバッカス役の木村深志さんが素晴らしく、印象に残りました。

次回公演も楽しみです。

追記)一つだけ、疑問なのはバッカスがあの場面で薬を飲む必要があるのかな?近くに優斗がいるのに。後で一人の時に飲むのではと思ってしまった。
未来を知る男

未来を知る男

かーんず企画

シアターブラッツ(東京都)

2015/05/02 (土) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★

可笑しくも切ない
初日観劇。未来から来たという男に翻弄される高校生とその教師達。
コメディではあるが、終盤以降の捻りが効いていて、確かに切なくもあるSFコメディーでした。
公演中なので、以下ネタバレで。

ネタバレBOX

進路が決まった高校生達が恩師と職員室で話している時に、未来から来たという男が現れる。未来で流行っている時空旅行で来たという。
未来の高校生達に会ったという男の話を、最初は皆信じていないが徐々に信じていき、自分達の将来を知りたがる。
最初、好意から色々と教えてくれていたと思われた未来から来た男だが、違う一面もあり、終盤切なくもなる。
未来を知りたいか等はやはり永遠のテーマなのかなと思った。
だが、ラストにもう一捻りがあり、大変救われた話となった。

コメディではあったが初日という事もあり、少し笑いは少なめであった。
また、職員室で勉強を続ける卒業生や時空の歪みから来た怪物等は必要であったのかと少し思ってしまった。



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