タッキーの観てきた!クチコミ一覧

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空飛ぶコーポレーション

空飛ぶコーポレーション

HiRunder

ザムザ阿佐谷(東京都)

2015/01/13 (火) ~ 2015/01/18 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しんだ!
「犯罪が必要とされる現場に人材を派遣する犯罪会社だった。」という説明文の通り、ダーク要素が強いのだが、観て楽しむ芝居としては好きだ。
人の身魂を震わす、深淵を覗くことや、鋭く社会問題にアプローチするような、いわゆる”通”の演劇鑑賞者には緩い感じがするだろう。しかし、表層だけでも観て楽しむ者、少なくとも自分は面白かった。
この犯罪会社が本当にあれば、それだけでも怖い存在であるが、究極的にはその会社で行うことは犯罪であり、社会正義に照らせば許されることはない。そこで働く社員(犯罪者)の人間としての場面ごとの選択を問うているところに興味を覚えた。
その選択とは…

ネタバレBOX

最終的には、犯罪会社(国家の認知があるらしい)が国家権力によって壊滅させられるわけだが、その組織もろとも働いていた社員を抹殺しようとした時、自分の命と向き合うことになる。ここからは、いろいろな事情が絡み最終的には正義感へ…予定調和であるが、それはそれで結末をつけなければならない。
ストーリー的には疑問符がいくつも付くが、そもそもが犯罪会社の存在が不思議なのだから、些細なことは拘らないことが楽しむコツかもしれない。

なお、初日のせいか演技はかたく、セリフの噛みもあった。しかし全体的に迫力・緊張感が感じられた好公演であった。

今後の公演にも期待しております。
ビリーバーズイントウキョウ

ビリーバーズイントウキョウ

ぷぐあんず企画

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2015/01/10 (土) ~ 2015/01/11 (日)公演終了

満足度★★

描き切れない
人生において、あの時こうしてい“たら” “れば”、を言っても無意味であろう。それこそ、時空間移動できるのであれば、話は別であるが。
そんな空想劇のようで、ネバーエンディングストーリーを想起した。最もそんな壮大な話ではなく、関西から東京へ活動の場所を移したい、という身近な事が発端のストーリーである。
その演出が、自分の好みに合わなかったが…。

ネタバレBOX

舞台は、上手・下手に折りたたみのパイプ椅子が3脚づつ合わせ鏡のように置かれ、その後ろに衣類が散乱している。上手は、現在の生活の延長線上を、下手が現状打破を目指した後日談といったところだろう。さらに、男女(アプローチは男)の愛情または恋愛に対する表現が、繰り返し行われる。この反復がイライラさせるほどしつこい。テンポも同じであるから、その意図するところが分からない。
上演時間が50分と短いことを考えると、勿体ないと思う。
要約した内容で、描き切れなかったのでしょうか。

次回公演を楽しみにしています。
タコの娘

タコの娘

ハイブリッド渾沌

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2015/01/09 (金) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★

物語の底流は…
「愛情表現」ということか。
さて、演劇ユニットのモットーは、“なるべくわざとらしくない極端な感情表現と不可思議な踊りっぽいもので、奇妙な世界の創造を目指す“…はよく現れていた。自分の父親がタコという無茶な設定で、オーソドックスな芝居を好む人には受け入れられないかも知れない。
もっとも最後のオチは…。

ネタバレBOX

自分の娘に父親がタコだった、と告白するところから物語が始まる。
擬態する方法を身に付け、家族のために身を粉にしてどころか、本当に身を削り(切り)守る…この件、「幸福な王子」(オスカー・ワイルド)を想起した。タコということで、8回の大きな支出(娘の学費等)を身を切って工面した。最後は…まさに家族のために犠牲になったかのようだ。
しかし、演出は暗くならず、不思議感を持ったまま公演は貫かれる。
さて、父親や娘を抱えた女が就いた仕事は、ストリップ嬢。生きる逞しさが救いだが…、最後に本当の父親は誰だったの、という問いで終わるところに女の強かさが見えた(母親の性癖への批判か)。

次回公演も期待しております。
月見草

月見草

劇団ヌカヅキ

北池袋 新生館シアター(東京都)

2015/01/08 (木) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★

時代背景が…
感じられなかった。説明文にある「大正」という時代を”虚ろな、幻影の時代”という魅力的な表現で紹介しているが、その雰囲気が感じられなかったのが残念である。
「大正時代」にはそれなりに恋愛事件もあり、それらを題材にした小説家の話かとも思ったが、ストーリーはあまりにストレートというか単純すぎて見せ場がなかった。
主宰側が描きたいことをキチンと持つことは大切であるが、一方、演劇は観てもらわなければ興行にならない。描きたい気持ちをどう観客に伝えるか、その努力の大きさが大切になると思う。

ネタバレBOX

「大正時代」を謳い文句にしている以上、そこを意識した演出をしなければ、今後の公演でも観客の期待を裏切りかねない。何事も相手に伝える時、多かれ少なかれ色々準備をすると思うが、公演にしても同様であろう。
旗揚げ公演で、色々経験したこと、アンケート等の感想・意見を真摯に受け止め、また次回公演に活かすという姿勢が大切だと思う。厳しい意見こそ、伸びしろがあると前向きに捉えては…。ここで、大切なのは継続して活動すること。

次回公演に期待しております。
「だいなし」/「本日昔噺」

「だいなし」/「本日昔噺」

劇団ウミダ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2015/01/08 (木) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★★

好みが分かれるかも…本日昔噺
旗揚げで2作品を同時上演するという、無謀と思える企画だ。しかし、少なくとも自分が観た「本日昔噺」は、著作権無視、人権を考慮したのか、というようなパロディのオンパレードであった。しかし、面白さはあった。ただ、その描こうとした内容は「新年の勢い付けに是非!」という威勢のよい謳い文句に隠れてしまった。旗揚げということから、少しは印象に残る公演にしなくても良かったのか、という疑問を持ち、一方、そう思わせることが目的であったのであれば成功かもしれない。

日程の都合で、「だいなし」が観られなかったのは残念であった。

ネタバレBOX

時代、場所も架空の設定であろう。前田前次郎=前田慶次(傾奇者)、マリー・インタアネット=マリーアントワネット、理研の小○方さん、映画「桐島、部活やめってよ」の桐島など、実在、架空人物から、国、時代背景など、まとめて俎上にして、古今東西の人間の欲望に対する貪欲さを描いた、と思われるが…。誰もが自由に解釈できるような設定(もしくは無設定)だから、観客がそれなりに楽しめたのなら、それで良しの世界であろう。ここが観客の好み、感性によって分かれるところだろう。

まぁ、当日パンフにある「劇団ウミダの次回! 次回はあるのか?! 次もやるのか?!」という一種自嘲気味な文字が気になる。

ぜひ、次回公演も期待している。
一句頂一萬句 -出延津記-

一句頂一萬句 -出延津記-

タイニイアリス

タイニイアリス(東京都)

2015/01/09 (金) ~ 2015/01/11 (日)公演終了

満足度★★★★

一萬言に優る表現力
競演 東西南北 AliceFestivalの一環として上海戯劇学院(国立演劇大学)を招聘し公演したもの。この作品は現代中国屈指の若手ベストセラー作家 劉震雲 氏の原作で、若い陳一諾 女史が90分の編劇にした。

本公演は、原語上演で字幕は映し出されない。その代わりに当日パンフに粗筋(プロローグ、エピローグ及び全12場)が記載された資料が配られる。もっとも「下層の庶民の言葉が通じない孤独、やるせない流浪感を描いて」いるのであるから、芝居に集中してみるのも一興かもしれない。

本内容は、原作者、編劇者、そして舞台監督・演者は皆若く、それこそ、新しい世代が身体と心で挑む!という謳い文句に恥じない素晴らしいものであった。

ネタバレBOX

原作者が劉震雲 氏(「温故一九四二」の作者だったと思う)というところが、日本受けしたのだろうか。舞台は同じ中国・河南省という設定で、汽車の中で働いている楊百利が本当と嘘の入り混じった話をするところから始まる。

その物語は、自宅を出奔し、放浪しながら人の善意、慈悲、裏切り、愛憎などいろいろな場面が展開される。その演出は素舞台に椅子、棒、などの小物と衣装(下手に吊るしてある)を場面に応じて着替えるというシンプルなもの。しかし、その表現は、言葉が分からなくとも十分に伝わるという不思議感覚を味わえる。またテンポもよく舞台に集中させる力量はさすがである。

今後もこのような機会が得られることを望んでおります。

Sの悲劇【全日程終了致しました。ご来場有難うございました!】

Sの悲劇【全日程終了致しました。ご来場有難うございました!】

Sun-mallstudio produce

サンモールスタジオ(東京都)

2015/01/07 (水) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

本格的推理演劇…
期待通りの素晴らしい公演である。本格的推理演劇の謳い文句に偽りはなかった。

まだ公演中のため、後日追記

は?

は?

艶∞ポリス

OFF OFFシアター(東京都)

2015/01/07 (水) ~ 2015/01/11 (日)公演終了

満足度★★★★

悲喜劇のような
”喜劇”ということだが、観方によっては喜劇・悲劇が同居しているような感じだ。いずれにしても人間関係の醜悪な面だけど…。

ネタバレBOX

舞台セットは、上手に売店カウンター、下手に社員の談話控え室、中央が廊下、という作りである。
デパ地下における売り子女性(派遣)の嫉妬など、あぁそうなんだと納得できそうなシチュエーションが面白い。このデフォルメ感が表層的には喜劇。しかし、新人(派遣)が男性の正社員に取り入って正社員になって立場が逆転してからの対応(観方によって)は粛清?のようで、雇用形態への皮肉、批判がチクリと見える。
さて、結末については、観客によっては評価が分かれるかもしれないが…

さて、公演はその女性という同性から観た鋭く、また厭らしい視点が随所に見られて面白い、その反面怖いとも思う。そのグイグイと引っ張っていくテンポのよい演出は見事である。そして、それを上手く体現させるキャスト陣も素晴らしい。
さらに、女性の苛め、噂的な様子をインターネットでリアル中継するところは、現代社会の情報拡散(虚実綯い交ぜ及び誇張)の怖さが見える。面白くも楽しい芝居の中にしっかり問題提起をする。
全体的にアイロニの利いた観応えのある公演であった。

次回の公演も期待しております。
すっとこどっこい大晦日スペシャル

すっとこどっこい大晦日スペシャル

大川興業

ザ・スズナリ(東京都)

2014/12/30 (火) ~ 2014/12/31 (水)公演終了

満足度★★★

初笑い
「大川の大忘年会2014」の「すっとこどっこい大晦日スペシャル」は、大晦日から年を越した深夜1時までの公演。実に多くの芸人が登場し、漫才、一人芝居等を観せてくれた。大川興業以外のゲストは、モロ師岡、清水宏、Wコロン、藤田記子など。会場は「ザ・スズナリ」であったが、隣接する劇場「シアター711」からも観客が途中入場し、一時は「ザ・スズナリ」は通路にまで観客が座り、一緒に笑いに興じた。
年越しカウントダウンは外に出て劇場前にスクリーン映像を見ながらクラッカーと歓声で一体感あり。最高の盛り上がりを見せた。
さすがに高校生以下の子供・学生はいないが、アベック、夫婦連れの姿もチラホラ見受けられる。
ここ2~3年はこんな年越しを、それから初詣へ…2015年も初笑いは満足した。

お笑い裁判の歩き方2014

お笑い裁判の歩き方2014

大川興業

ザ・スズナリ(東京都)

2014/12/30 (火) ~ 2014/12/31 (水)公演終了

満足度★★★

2014年の刑事裁判傍聴記
「大川の大忘年会2014」の一つ「お笑い裁判の歩き方2014」は、阿曽山大噴火 氏の刑事裁判傍聴記をイラストマンガのスライドを交えて面白おかしく聞くというもの。単にそれだけなのだが、なぜか聞き入ってしまい、アッという間に2時間が経つ。
毎月の面白そうな裁判ネタを取り上げて12カ月分を披瀝すらが、一応各月のトピックス的な話題も紹介する。ネタは、有名人などの話ではなく、一般人の起こした事件内容、とそれに関係した人物…裁判官、検察官、弁護士や被告当事者の人物描写が実に見事な笑いを誘う。
もっとも一番笑ったのは…

ネタバレBOX

阿曽山大噴火 氏 本人のこと。2014年は御嶽山の噴火があり、多大な犠牲者が出たが、それを想起させる名前でのメディア露出はできず、本名を使用せざるを得なかったらしい。芸名がアダになったようだ。
tHe End oF EveRyThing

tHe End oF EveRyThing

EgHOST

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2014/12/29 (月) ~ 2014/12/29 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しめた!
今回のイベント・公演は、劇団の忘年会を観客と一緒に楽しむこと。そして一夜限りの公演…。
会場は、新中野にあるライブハウスで、劇団関係者・友人で満席状態だった。飲みながらリラックスして芝居を楽しんだ。キャストと談笑して、気がついたら結構遅い時間まで居た。劇団関係者の盛り上げようとする心配りが嬉しかった。

さて公演は、特に舞台セットはなく、観客が座っている間を動きながら、少ない動作と台詞で状況説明をする。説明文にある「アインシュタインの相対性理論」「マルクスの資本論」「エンデの“モモ”」をほぼ順番通り説明していくが、これがまた面白く、見応えもあった。

ネタバレBOX

宇宙誕生という壮大な話から、恋愛という極めて身近な話へ繋げてくる。理論は、証明が出来れば納得性が得られる。一方、恋愛はその証明が出来ないし、その必要もない。当人同士がその気持になれば良いのだから…。ここまでが宇宙・地球と人間個人の関係が描かれている。さらに人間の能力には優劣があり、だから生産性(出来・仕上時間の差)が生じるという。短時間で作業が出来る優秀者が、劣者から時間を買い上げ、更に生産性を増す、という”資本論“と“モモの時間貯蓄銀行”が絡んでくる。最後は時間貯蓄も含め愛情で包み込む、というハッピーエンドになる。
面白い着想と話の展開は見事だった。

アンコールも手伝って?…会話劇に酔いしれた。
ただ、狭い客席の間を動き回るため、接触、怪我が気になったが。

楽しいひとときをありがとうございました。
うぶ

うぶ

INUTOKUSHI

駅前劇場(東京都)

2014/12/19 (金) ~ 2014/12/28 (日)公演終了

満足度★★★

笑いがあるが…
誰とも関わりたくない、一人でいる時のほうが心地よい。そんな無関心な人間が多くなったのだろうか。ある種の自己防衛であるが、逆に人間は一人で生きられないとも…そんなことをしたり顔で言われてもね~。

ネタバレBOX

主人公(女子高生)は愛らしく、外見はコスプレ紛いというギャップ感・奇抜さが印象強い。そして彼女を取り巻く人間関係が面白可笑しく描かれて、ほのぼのとした気持ちになる。タイトル「うぶ」は、人との関わりを持たない、ズバリ”純真で初々しい様子“を現しているのだろうか。ず~と続けられるか不安でもある。傍から見たらブーイングが聞こえてきそうだが…。
さて公演だが、随所に笑いがあるが、全体通じてみると印象が弱い気がする。公演の主張がデフォルメされた演出・演技で霞んだようだ。表層を面白くするのは良いが、テーマとのバランスも大切である。

突き抜けたコメディであれば、この演出・演技は受け入れ易いと思う。
今後の公演を楽しみにしております。
千と千尋の上石神井

千と千尋の上石神井

(裸)ミチコイスタンブール

OFF OFFシアター(東京都)

2014/12/26 (金) ~ 2014/12/29 (月)公演終了

満足度★★

消化不良
主人公のような人間は少なからずいると思う。これからどう展開していくのか見守っていたが…。描き方が中途半端に思えて残念である。

ネタバレBOX

学生時代から自我不在、優柔不断、緊張過敏で、先輩から誘われるままにバンドを結成するが、恋人から将来の生活不安を言われ脱退する。そしてサラリーマンになるが、対人関係は上手く築けず、ましてや営業職など勤まらない。失敗の連続で上司の叱責…どう責任を取るのか、という攻めの常套句に悩む毎日。
気弱な人間の対処方法は、人と関わりを持たないこと。自分一人になれる場所が上石神井の神社のようだ。なんともやるせないが、今後に展望があるのか、更なる失意が待っているのか気が揉めた。
バンド仲間に戻れず、サラリーマン生活に疲れ、妻(恋人だった)の浮気…これからの展開を楽しみにしたところで終幕。これからどうなるの?
これからの展開は観客の想像で、ということだろうか。もう少し描き込んでほしかった。

さて舞台セットは、たぶん上石神井にあるバー(上手にカウンターと椅子4脚、下手にボックス席)であるが、場面転換として、中央の壁部分が観音開きになり神社境内(フライヤーの絵は狐か?)が現れる仕組み。なお、終盤は、暗転が多く集中力を欠いた。

今後の公演に期待しております。

ジャングル ~柔和なジャングルの猛者~

ジャングル ~柔和なジャングルの猛者~

IQ5000

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/12/19 (金) ~ 2014/12/22 (月)公演終了

満足度★★★★

翔るような
舞台セットは無いに等しいから、キャストの演技力に状況説明がかかっているが、見事に広がりのある世界観をイメージさせてくれた。

ネタバレBOX

タイトルそのもので、ジャンル内をある目的のために駆けめぐる。その集団は色々な思惑が絡む国際組織で、冒頭、そのスケールの大きさを示す名前が列挙(紹介)される。ほぼ素舞台にキャストが駆け回る姿は、さもジャンルを疾風する様である。その間に民族平和、共存共栄、環境保全、資源保護…等という時事ネタ、世界情勢・問題の題材が炙り出され、観客へその問いを投げかけているようだ。
芝居はテンポよく進むが、いつも足が動き(野営の時だけが止まった)、緩急がなく一本調子になっていたと思う。もう少しメリハリを利かせた方が落ち着いて観られる。
なお、前説同様の諸注意は、本編では不要だと思うが。

今後の公演にも期待しております。
体夢-TIME

体夢-TIME

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2014/12/11 (木) ~ 2014/12/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

感じる…時間
普通、時間は過去から未来に向かって流れると思われる。しかし、屁理屈は承知の上で、例えば砂時計は、上部が未来、括れた所が現在、そして下部が過去として見れば、時間の流れは逆転している。
本公演は体夢(タイム)の悲惨な出生から物語が始まるが、9歳の時、15年後と初老期の自分が現れ、同時並行して存在する、という、通常の“時”の概念がない。将来から来た自分が告げる未来の姿とは…。

ネタバレBOX

”絶望“が暗示されながらも今を懸命に生きる…その姿が健気で愛おしい。社会がパンデミックに侵され人類滅亡の寸前…その世は作為の結果か、それとも無作為が原因か。人間の愚かな行動・活動や見てみぬふりをするような無責任な態度に対する警鐘・批判が込められた骨太な作品という印象である。
舞台セットは、奥行きを利用し、緞帳に代わる重層化した仕切りボードを開閉させる。その仕掛けで暗転に代わる状況転換を現し、さらに天井から役者が降下してくるという立体的な演出で、まさしく時空間を描いた。舞台全体が目に見えない“時“と”汚染”という抽象的なことを可視化できたと錯覚させたようだ。
余談だが「指サック人形」は、最近話題の映画「寄生獣」に出てくるVFX映像「ミギー」を模したような…。

今後の公演も楽しみにしております。

「あいのおはなし」

「あいのおはなし」

Succeed Project

博品館劇場(東京都)

2014/12/27 (土) ~ 2014/12/30 (火)公演終了

満足度★★★★

厳冬時にあたたかい話
銀座・博品館という、割と収容人数が多い客席のあちこちですすり泣きの
声、声…。哀しく暖かい“あいのはなし”という謳い文句のとおり、心を揺さぶる。

説明にあるように、主人公(アイ)が自らの命を絶とうとしたが、一命をとりとめ、この世とあの世の境にある”プレイハウス“で魂が体験する奇妙な出来事が哀しくもあたたかい。オーソドックスなストーリーだが、改めて“生きる”とは…。


ネタバレBOX

分かりやすいストーリーであるが、あまりにストレート過ぎた気がする。野球で言えば、場面ごとに速球を投げてくるが、豪速球ではない。たまには、捻り・変化球で楽しませてほしかった。打者としての観客(自分)を三振にとり唸らして(より感動させて)ほしいと思った。
父親一人で育ててもらい、小学生の時から良い子を知らず知らず演じてきた主人公の始めて思うように事は運ばない…現実・社会の厳しさに直面して戸惑いはあると思う。父親に心配をかけない、またその父親が再婚を考えていること、などの葛藤はあるにしても、事故か故意か判別出来ないが死に至る気持になるか?
当面の就職活動にしても、誰もが苦労すること。
ストーリーは分かりやすい反面、安直になっていたように思う。

今後の公演も期待しております。
ダキニ城の虜

ダキニ城の虜

舞台芸術集団 地下空港

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2014/12/16 (火) ~ 2014/12/22 (月)公演終了

満足度★★★★

色々なギャップが楽しい
究極な合理主義、資本至上主義への鋭い批判を描きながら、その演出は、シリアス・コメディと両面の様相を上手くミックスした稀有な感じだ。

また、テーマの着想が面白く、その観せ方にも工夫があり、最後まで飽きさせることがない。ほぼ素舞台を縦横無尽に動き回ることで、巨大ショッピングモールをイメージさせ、動作に緩急を持たせることで、隠蔽・逃避と緊迫している感じがよく表れていた。

芝居の底流にあるテーマとその描き方のギャップが面白いと思った。
一方、人間臭さ(母への思慕)ということが、動機…。

ますます、この芝居の制作思考が自由・柔軟であることに驚いた。
今後の公演にも期待しております。

ハムレット

ハムレット

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2014/12/23 (火) ~ 2014/12/25 (木)公演終了

満足度★★★★★

やはり素晴らしい!
シェイクスピア四大悲劇の1つ。時代を経ても、多くの劇団で上演している演目であり、それをどう演出するか、どう演じるかで印象も違う。逆に言えば有名なだけに、演出の良し悪しや役者の技量が一目瞭然となる。
本公演は全国の中学・高校を巡回公演をし、30ステージで若い観客に「ハムレット」の問いを投げかけた。そして、公演を現地の学生とともに作り上げている様子のパネル写真が、東京演劇集団風の本拠地である劇場ラウンジに飾られていた。
この戯曲は、サブタイトルにある“to be or not to be”のセリフが有名であるが、その真意を制作側は上手く伝えられるか、観客はそれを読みとれるかが問題だ。
本公演はわかり易いだけでなく、その観せ方も強く印象付けるものであった。

ネタバレBOX

“to be or not to be”は、殺された父親の亡霊に復讐を示唆されたハムレットが、「神に代わって叔父を制裁するほどの正義が自分にあるのか」と躊躇し、なかなか復讐に踏み切れない…ということらしい。主人公は、何か一つの目標を目指して突き進もうとして、その一点にすべてを賭ける。余裕のない厳しい世界-それが「あれか、これか」の悲劇である。

さて、本公演でも見せ場は、衣装を着たままハムレットが水槽の中に沈み、観客を凝視する。そして数秒(分)間の後、水槽から半身を出し有名なセリフを…迫力満点である。
12月の夜公演で水中(それも氷まで入れる)へ、そして役者の鋭い眼光。水槽という物理的なもの、役者の凄まじい精神演技力、その両方が観客、少なくとも自分の背筋を凍らせた。

実に見事な芝居であった。
次回公演にも期待しております。
シカク

シカク

企画演劇集団ボクラ団義

サンモールスタジオ(東京都)

2014/12/18 (木) ~ 2014/12/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

ボクラ団義の新たな挑戦…お見事!
タイトル「シカク」…解説では『視覚』と『死角』が作り出す 出演者全回変わりの異形のほぼ四人芝居 『会話』と『静』が織り成すサスペンス超会話劇、という謳い文句。あらすじから犯罪絡みであることは容易に想像できよう。
言葉で紡いでみると、「罪」を犯せば「罰」を受ける、そしてその報いは「死」か「苦」…。生きながら責め苦を味わう恐ろしさ。そんな人間姿が炙り出される秀作。その描き方は、タイトルの文字列変更、つまり「シカク→カクシ」のとおり芝居のいたるところに伏線が隠されている。

ネタバレBOX

ボクラ団義は、「殺陣、ダンスパフォーマンス」、「群像劇」というイメージであった。それが、メイン4名による濃密な会話劇を展開したところに驚きを感じた。

しかし、公演の内容は素晴らしい!。ストーリーの展開で少し強引なところもあったが、総じて飛躍するが現実にありそうな…そんな微妙に納得するような筋書きが、キャストの確かな演技力で描ききれていた。

作・演出 久保田唱 氏の挨拶文では「ちょっと挑戦であるこの公演を番外公演ではなく『本公演』として銘打ってやりたかった。」とあるが、その意気込み、想いは十分表現されていたし、観客としての自分も満足させてもらった。

次回公演はどうなるのか、楽しみであり、期待もしております。
くれない博徒

くれない博徒

蜂寅企画

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/12/25 (木) ~ 2014/12/28 (日)公演終了

満足度★★★★

大衆演劇…面白い!
中尾知代氏の作・演出は「沈没のくれなゐ」(2012年)「氷のほむら」(2014年)の2公演しか知らないが、本公演も含め時代劇に対する想いとしっかりした取材に好感を持っている。
最近は反社会的勢力に対する取締り強化という背景もあり、昭和時代にあったようなヤクザ映画の上映もなくなっている。しかし、その時代に観た任侠映画を彷彿とさせるような雰囲気のある芝居は面白かった!

ネタバレBOX

2014年11月には日本を代表する男優2人が鬼籍に入った。その2人の代表的な作品は任侠映画(映像イメージは異なる)であり、当時の映画隆盛期にシリーズ化されたものもある。

さて本公演は、主人公の任侠鉄火な女(おりん)の復讐劇である。この復讐モチーフはシェイクスピアの四大悲劇の1つ「リア王」のようであるが…。

王であった時は自分が愚かで弱い存在であることを認めなかったリアは、彷徨して苦しんだ末、末娘の愛に救われ己の愚かさを悟る。リアに最初からその自覚があれば、悲劇は生まれなかった”はず”なのに。本劇中のセリフ「あの日までは…もし、たら、れば、は 博打と色恋にゃあ御法度!」と同様、仮定の話は無意味だろう。
しかし、シェイクスピアを例に、彼は悲劇・喜劇の両戯曲があり、多様な人間を描く「万の心を持つ」(ミリアド・マインデッド)とも言われ、彼の世界は「多声性」(ポリフォニー)に満ちており、価値は1つに定まらない。

多少、意味合いは違うが「くれない博徒」も観客の捉え方は様々であろうが、まだまだ”伸びシロ”が、いや蜂寅企画は中尾氏一人であったと思うので、”才能”というべきだろう(高い所からの言いようで、失礼)。

舞台美術・衣装は拘りが出ており素晴らしい。
今後の公演にも期待しております。

ちなみに、登場人物の「おりん」は「逃亡者おりん」(テレビ東京系列)、八重洲の銀次」は「素浪人月影兵庫」の旅連れ「焼津の半次」(現・テレビ朝日)に名が似ていますが…。

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