『たいない』
じおらま
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/05/19 (金) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★
■約100分■
散漫。現代的なテーマがいくつもちりばめられていながらどれ一つとして深掘りできておらず、食い足りない。断片を貼り合わせたようなああいう作り方じゃあ、そうなるのはむべなるかな。ポストドラマ演劇のわかりやすい失敗例。
アフタートークを毎回やるらしいけど、ゲストは感想言いづらそ…
よく生きろ!
小田尚稔の演劇
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/12/09 (金) ~ 2022/12/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★
素人感満々な一作。見せ方の稚拙さ、泥臭さに閉口。
同様の題材を面白く、洗練を伴って見せてくれる演劇人はいくらもいる。
こんなものに10日も費やすなら、笑の内閣が京都の劇場の人事問題を扱った東京未上演のアノ作品とか、掛けてほしかった。
最近のアゴラのプログラムはアート寄り演劇に傾きすぎてやしないか?
ブルー&スカイ『音楽家のベートーベン』、ブルドッキングヘッドロック『バカシティ』などの上演実績もあるアゴラ。そういうエンタメ寄りの楽しい劇もやってくれー! よろしくお願い♪
『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』
青年団
アトリエ春風舎(東京都)
2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
■武士編鑑賞/55分弱■
かなり騒々しく演出されている。奇声や変な動きで笑かそうとしたり、飛び道具的なギャグが多く、いたずらにふざけすぎていて、OL編より、また、以前観た時より、議論の流れが追いにくくなっている。
議論の概要がホワイトボードに整理されたりと、OL編のほうが議論劇としては観やすかったし、取っつきやすかった。
『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』
青年団
アトリエ春風舎(東京都)
2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
■OL編鑑賞/50分強■
日本人の意志決定の在り方を描いた作品ということで、日本人の話し合いはこうなりがちという典型例を示すことに力点が置かれ、そもそも議論の面白さは志向されていないため、★★★がせいぜい。
山中志歩、西風生子ら新人が加わって新風が吹き込まれるかと期待もしたが、いかんせん作品が強すぎて、以前観た時と印象は変わらなかった。
君が忘れたダンスフェス
シーユーインヘル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了
君が忘れたダンスフェス
シーユーインヘル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了
君が忘れたダンスフェス
シーユーインヘル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了
君が忘れたダンスフェス
シーユーインヘル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了
ずっと正月
ダウ90000
新宿シアタートップス(東京都)
2022/01/26 (水) ~ 2022/02/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
■100分強■
主宰が岸田賞候補になったとかで、ノミネート作『旅館じゃないんだからさ』の脚本を取り急ぎnoteで読んではいたものの、上演を観るのは初めての団体。
笑い押しの演劇を観て、ここまでジェネレーション・ギャップを感じたのは初めて。
誰も傷つかないユーモアが最上とされるお笑い新時代の申し子かってくらい、お行儀がよくて泥臭さがなく、もとより容姿イジりなんて皆無。せいぜいダサい奴やイタい奴が笑い物にされるくらいで、そいつらが如何にヤバいかが突拍子もない喩えなどを交えつつ言葉巧みに表現されて、客席を埋め尽くす若い観客がドッと笑う。
ただ、喩えとして持ってくるものが昭和世代には分からないものばかりで、その疎外感たるや…。
わたしが干支ふた回りほど若かったらもっとウケていたかもしれないが、いいトシの私は正直、あんまりノれなかった。
そうしたジェネレーション・ギャップは脇に置くとして、演出・演技が緩急に乏しく一本調子な上、キャラクターの切り分けがはっきりせず、見応えを削いでいると感じた。
それから、会場が爆笑に湧いている時に次なるギャグを放つのはよしたほうがいいのでは? ギャグ数が多いのは結構だが、笑い声でセリフが聞き取れず、無数のギャグを拾いそびれた。
ギャグをあんまり重ね過ぎず、演者が笑い待ちを覚えれば、喜劇としてもっとよくなると思う。
S.ストーリーズ
劇団かもめんたる
座・高円寺1(東京都)
2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
■約115分+カーテンコール■
7編から成る短編集。現実には起こりえない奇想モノが目立ち、もちろんそうしたものも面白いが、狂った人や意地悪な人たちが善良な市民を追い込んでいく作品群に岩崎う大の個性、岩崎う大ならではの面白さがより濃く出ていて、個人的には後者寄りの短編でより笑った。
『ウエア』『ハワワ』
小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了
夏の砂の上
玉田企画
北千住BUoY(東京都)
2022/01/13 (木) ~ 2022/01/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
■135分弱■
松田正隆作の長崎弁演劇を玉田真也が演出。
人生の色々が詰まっていて、沁みました…。
ただ、客席がやたら寒い上に上演時間が告知よりも長く、冷気に気を取られて終盤、集中力が切れそうに…。
九十九龍城
ヨーロッパ企画
本多劇場(東京都)
2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
■約120分■
香港の九龍城を文字った、九十九龍城の一角が舞台。うらぶれた感じとにおってくるような生活感、そして手作り感あふれるセットを見て思い出したのはドリフの長屋コント。ただし、各部屋の面々がお互いそう激しくは交わらず、ドリフと違って全室を巻き込んだ爆発的な笑いにまでは至らないのが寂しい。
『ウエア』『ハワワ』
小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
■『ウエア』鑑賞/70分強■
ラリった人の幻覚をまんま舞台化したような、かなり振り切れた一作。個々人のアイデンティティが溶解して相互浸透していくようなぶっコワれた物語を、近未来のレスキュー隊みたいな恰好した男女コンビが体を張って熱演。トガりすぎて先を行き過ぎた新手の漫才みたいで、まずまず楽しめた。
しかし、極めて脈絡のつかみにくいあんなホンを、よくぞ二人は最初から最後まで頭に叩き込んだもんだ。感心。
中盤あたりで投射されるサイケデリックな映像が、音楽ともどもすこぶる心地よかった。
おわれる
イサカライティング
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/12/29 (水) ~ 2021/12/30 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
■65分弱■
最小限の美術でそれらしく表現された、金持ちっぽい家が舞台。そこで男と女がやり取りを繰り広げるうち、「鉄の女」という役名の女が絡んできて…という、会話劇。
家主である高貴そうな女に、男はどうやら匿われているらしい、ということがわかるのみで、2人の関係性はおろかそれぞれの素姓もよく分からないが、男が女に打ち明けるある“不安”が謎めいていて、なぜそんな不安に苦しめられているのか、それを憶測する面白さがある。
また、随所で唐突に鳴り出すクラシック音楽の異化効果にも惹きつけられる。
ただ、いかんせん、笑いが乏しい。もう少し強く押せば笑いが取れたのに…と思われるくだりがいくつかあって、勿体なく思われた。笑いがくると全てが台無しになってしまう、そんな類の劇作品もこの世には存在するが、本作については、笑いが起きても劇世界は瓦解しないと感じられた。
というか、私の観ていない回では笑いが起きていた可能性もある。
GOOD WAR
ルサンチカ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/12/25 (土) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
モスクワの海
スヌーヌー
ニュー風知空知(東京都)
2021/12/26 (日) ~ 2021/12/28 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
■約70分■
ほぼ何もない空間で、小道具さえほとんど使わず、会話とモノローグと動きだけで劇世界を構築。それだけに観客は想像力を要され、意味を汲み取ろうと登場人物の一挙手一投足、発話の一つ一つを注意深く追いながら頭をフル回転させ、だんだんと彼らの置かれている境遇を知ることになる…。見えてくる境遇は、現代日本の看過できない暗部。非現実的でロマンティックにも思える展開は彼らの悲哀の裏返しのようで、かえって切なさを際立たせ、観ていて胸が焼けるようだった。
にもかかわらず、哀れさは極まると滑稽へと転じ、不謹慎にも、ところどころ笑いそうに…。
そんな反応を客から引き出す、“悲劇と喜劇は紙一重”を地でいく脚本・演出が見事。
東京の一日
青年団若手自主企画 宮﨑企画
アトリエ春風舎(東京都)
2021/12/16 (木) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
■95分弱■
いくつもの場(一場、二場とかの「場」)が一つの舞台上にて共存する宮﨑流がさらに進化し、本作は4、5個の場が同時進行。全ての場に共通するのは、劇中人物たちが、なくなったものを探していること。
その喪失感をじわじわと観客に共有させ、客を感傷へといざなってくれるこの作風、好き。
ただ、東京でなくとも成立しそうな話ではあった。
アフタートークも観覧。主宰の宮﨑さんはとても穏やかで、クリエイター気取りの尖り方をしてないところに好感。
『水』/『青いポスト』
アマヤドリ
新宿シアタートップス(東京都)
2021/12/16 (木) ~ 2021/12/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
■『水』鑑賞/140分強■
水の妖美なイメージを強く打ち出した、ファンタスティックなラブ・ロマンス。舞台美術や小道具への依存を最小限にとどめ、ほぼほぼ言葉と動きだけで物語を紡いでいるのがすばらしい。
可愛くて純粋で一途なシトロネラ、やんちゃなバニラ……キャラクター造形も秀逸。
出番以外でも舞台上を飛び回るヒバリのバニラの、躍動的でありながらもたおやかな動きも魅せる。
サワ氏の仕業・特別編
劇団ジャブジャブサーキット
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/12/16 (木) ~ 2021/12/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
■約100分■
100%理解できる人は皆無であろう劇。謎めきを楽しんでくれということだろうが、全て理解できたところで、そこまで惹きつける話ではなさそうに私には思えた。