バルブはFB認証者優遇に反対!!の観てきた!クチコミ一覧

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『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

■武士編鑑賞/55分弱■
かなり騒々しく演出されている。奇声や変な動きで笑かそうとしたり、飛び道具的なギャグが多く、いたずらにふざけすぎていて、OL編より、また、以前観た時より、議論の流れが追いにくくなっている。
議論の概要がホワイトボードに整理されたりと、OL編のほうが議論劇としては観やすかったし、取っつきやすかった。

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

『忠臣蔵・武士編』『忠臣蔵・OL編』

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2022/01/04 (火) ~ 2022/01/18 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

■OL編鑑賞/50分強■
日本人の意志決定の在り方を描いた作品ということで、日本人の話し合いはこうなりがちという典型例を示すことに力点が置かれ、そもそも議論の面白さは志向されていないため、★★★がせいぜい。
山中志歩、西風生子ら新人が加わって新風が吹き込まれるかと期待もしたが、いかんせん作品が強すぎて、以前観た時と印象は変わらなかった。

君が忘れたダンスフェス

君が忘れたダンスフェス

シーユーインヘル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■「さよならをするためのプログラム」鑑賞/100分強(途中休憩込)■
詳細はネタバレにて。

ネタバレBOX

●IKKKKKI×Daoud bkdn
男の爪弾くギターに合わせて別の男がダンス。ダンスは少しマッチョ的。ダンサーの男が腰の低い好青年で、人間的魅力大。

●女屋理音×清太郎
男の奏するパーカッションに合わせて女性がダンス。ダンサーは小柄で可愛い感じの人。パーカッションにはエフェクトが掛けられ、美しい音色が場内を包み込んだ。

●大江麻美子×岡田玲奈『ロマン』
女性ダンサー2人、大江麻美子さんと岡田玲奈さんが共演。1人が1人の後ろに身を隠したり現れたりする趣向もあり、コンビであることを生かしたダンスで魅せる。同じ動きをするくだりはかなり動きが揃っている。
2人とも終始ポーカーフェイスで、無表情のまま激しく踊るのが時々クスクス笑いを誘う。
より無表情なほうが靴下についたゴミを場内をグルグル歩き回りながら取り去って捨てるくだりが、意図しない笑いを生んでいた。

●上村なおか『うたうたうたう』
長い黒髪が美しい、ほどほどに背の高い女らしい女性による優雅な印象のソロダンス。無音の場面も多いのに、堂々と力強く、それでいてたおやかに演じていた。
今プログラムにおける個人的ベスト!

●酩酊真東
女性ボーカルのバンド。どの曲も似たり寄ったりで食傷した。

君が忘れたダンスフェス

君が忘れたダンスフェス

シーユーインヘル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■Cプログラム鑑賞/約120分(2度の途中休憩込み)■
詳細はネタバレにて。

ネタバレBOX

●小林勇輝×吉田拓『Wooden Connection』

男2人。2人で木片を立てていき円状に並べるオープニングからラストまで、薪をフィーチュア。薪をまとめてロープで括って吊り上げたり、薪づくしな割には、その素材をパフォーマンスに生かしきれていない印象は否めず、1人が走りながらつんのめっていきドタンと倒れ、それに合わせてもう1人が台上の薪を倒しても、それが薪である必然性はそこにはない。終演後、客が戸惑いながら控えめな拍手を送っていたのは無理からぬこと。

●W/ union〈ウィズ ユニオン〉『向こう宙シーン』

山ガールのいでたちで揃えた若き女子4人が、継ぎ足して作った大きな布をみんなでかぶり、馬(?)もどきの動物という体で(1匹の馬になりきって)踊ったり、おふざけをふんだんにちりばめながらパフォーマンス。
それっぽい状況になったのにだるまさんが転んだを結局やらなかったり、煮え切らないおふざけ(お戯れ)の連打にフラストレーションが募りはするも、動きの揃ったキレのあるダンスを、4人が4人、笑顔でハツラツと心底楽しそうに踊っている姿は客席にまで楽しさを運んで、気がついたら頬が緩んでいた。

●KENTARO!!『さよならをするためのプログレス』

急遽の代演だったのに、しっかりと作り込んでパフォーマンス。自身の声を吹き込んだ録音素材に合わせての寸劇で笑わせ、一転、キレキレなダンスで魅了する。
無気力、後ろ向きを気取る割に、創作においては妥協のない人。

君が忘れたダンスフェス

君が忘れたダンスフェス

シーユーインヘル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■Bプログラム鑑賞/約80分■
詳細はネタバレにて。

ネタバレBOX

●水越朋×宮崎あかね×小茂田梨乃『めいめい』

女の子3人。みんな構えを低くして踊って四つ足生物(昆虫か動物)のよう。そういえばバックには虫の声。秋を感じさせる静謐な作品。
踊りも激しくなく基本スローモー、まるでモゾモゾと昆虫のように動くくだりが多々あって、不安定な態勢で動きを止めるストップモーションの多用ともども、目を引いた。
背中がV字に大きく開いたノースリーブ(だったような)の服にテラテラ素材の半ズボンという女の子らしい格好(3人そろい)が静謐でかわいくてコミカル(虫っぽい動きなど)な作品内容と合っていて、魅せる。
途中から虫の声は途絶え、電子レンジのチン音のような音からなる音響、静かな音楽などが流れるが、ひそやかでかわいらしい印象が全体を貫いており、一貫性があって好感。
体が触れ合うことがおそらく一度もなかったところにコロナ禍の今を感じた。

●yuki byeol『underwater…』

グラマラスで華やかな印象の女性がサテン地のパジャマのようないでたちで、カクカク、クネクネとしてスタッカートの効いたマイム様の動きでピンスポの差すなか(といっても最初だけ)華々しく激しく、威風堂々と踊るパフォーマンス。ワンマンショーのような印象で目はひくが、音楽ありきでそれに合わせて踊ってるだけという印象は拭えず、それを超える何かが欲しかった。

●MWMW×Von・noズ『ROBIN』

女の子2人に別の女の子2人(うち1人は高橋萌登)が加わり、時に2vs2で対立したりしながら、声を発しての寸劇など色んなおふざけをちりばめたパフォーマンスを展開。高橋萌登がシャリに見立てた別の子の背中にネタという体で乗っかって「寿司一丁!」とふざけ、また別の子が「へい、お待ち!」と応じたり、長い黒髪の子が舞台から急にはけたと思いきや、ほどなくお姫様みたいなきらびやかないでたちで2階に現れ「上手の人ー、見切れてるかもしれないけど」と呼び掛けながら客席に手を振ったり。
ただし、思いつきを脈絡なくちりばめただけで、それらが繋がって線を成す(点から線になる)ことがなく、散漫な印象は否めず。
格好は全員(だったか?)ズボンに裾出し長袖Yシャツという普段着。
おふざけを強く打ち出し過ぎてダンスが立っておらず、また、ダンスに統一性がなく、ダンス作品としてはあまり芳しくない出来映えだった。
ダンスは高橋萌登が得意とする、クネクネ系の踊りが多かったような。1組めと違い、密着、密接が多いのも特徴。
しかし、仮にタイトルをつけるとして、どんなタイトルをつけるのか?(『ROBIN』というタイトルがついていた…) それぐらい、とりとめのない一作。
時間長め。

君が忘れたダンスフェス

君が忘れたダンスフェス

シーユーインヘル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/09/11 (土) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■Aプログラム鑑賞/75分強(途中休憩込み)■
詳細はネタバレにて。

ネタバレBOX

全体的に硬め。ユーモラスなのが一つは欲しかったな。

●横山彰乃×34423『 / 』

女性DJと横山彰乃のコラボ。クネクネとカクカクが綯い交ぜのストリートダンスっぼいエレクトロックステアーズ的ダンスが基調も、背中を軸にして床の上をクルクル回る典型的ヒップホップダンスの反復が終わると、遠心力フル稼働でクルクルと激しく乱舞して狂乱状態に。が、せっかくそこまでいったのに、突き抜けきれないまま終わってしまった印象。フィニッシュ目前で寸止めを食わされたようなもどかしさが残った。
赤いズボンに青い半袖(だったような)シャツという、いかにもストリートダンサーないでたちでパフォーマンス。
冒頭、薄闇の中うずくまっていたシルエットだけの横山がプッチンされたてのプリンのようにプルプル震え出したすえ踊り出す演出は、得体の知れない生き物が命を吹き込まれた瞬間に立ち会ったような不気味さがあって、見入ってしまった。

●伊藤まこと『名前の家』

小柄で中性的な女の子のソロパフォーマンス。ボディコンシャスな黒ズボンに黒ビスチェというヘソ出しのセクシーないでたちで、ハツラツとした笑顔を振りまきながら、股割り、足あげなどが頻出する、柔軟な身体を生かした、移動域の広い華々しいダンスを披露。ただし、音楽に合わせて元気に踊ってるだけとも言え、凡庸な印象は否めず。
冒頭では薄闇の中、反復横跳びをアレンジしたようなダンスを披露。
その冒頭から舞台上にある2つの蝋燭を恭しく供え、祈るように踊る最後のダンスが意味不明。蛇足?

●池ヶ谷奏×鳥羽絢美×西澤真耶×林田海里『aim…』

女3、男1という特異な編成で、叙情的な音楽をバックに、裾出し白Yシャツにキャメル色ズボンという、全員揃いのいでたちで群舞。
突然の落下物に身を躱して上を見上げる日常的所作を発展させたダンス、激しい抱擁を変奏していくダンスなど、とっつきやすいものから始めていく構成が客を掴む。
あとは、思いのままに動こうとする女を3人で寄って集って制し、違う動きを強制したり、マンツーマンで一方が一方をお姫様抱っこして運んだり、そのあたり、「自由意志」の阻害がテーマなのかと思ったりも。
上記のように、コロナ禍もどこ吹く風の、密着、密接しまくりのダンスが目立つ一作。
全員の動きが揃うことはほぼなく、たとえば3人は同じで1人は別の動きをしていたり。3人でも全員でも、動きが綺麗に揃っていることはなく、その詰めの甘さが惹き付けられかけていた心を萎えさせる。
それっぽい音楽や照明の効果も手伝い、全体に荘厳、神聖、崇高な印象。このパフォーマンス全体が、神への祈り、捧げ物のようにも見える。
足上げの多用が全体に統一感を与えている。


ずっと正月

ずっと正月

ダウ90000

新宿シアタートップス(東京都)

2022/01/26 (水) ~ 2022/02/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

■100分強■
主宰が岸田賞候補になったとかで、ノミネート作『旅館じゃないんだからさ』の脚本を取り急ぎnoteで読んではいたものの、上演を観るのは初めての団体。
笑い押しの演劇を観て、ここまでジェネレーション・ギャップを感じたのは初めて。
誰も傷つかないユーモアが最上とされるお笑い新時代の申し子かってくらい、お行儀がよくて泥臭さがなく、もとより容姿イジりなんて皆無。せいぜいダサい奴やイタい奴が笑い物にされるくらいで、そいつらが如何にヤバいかが突拍子もない喩えなどを交えつつ言葉巧みに表現されて、客席を埋め尽くす若い観客がドッと笑う。
ただ、喩えとして持ってくるものが昭和世代には分からないものばかりで、その疎外感たるや…。
わたしが干支ふた回りほど若かったらもっとウケていたかもしれないが、いいトシの私は正直、あんまりノれなかった。
そうしたジェネレーション・ギャップは脇に置くとして、演出・演技が緩急に乏しく一本調子な上、キャラクターの切り分けがはっきりせず、見応えを削いでいると感じた。
それから、会場が爆笑に湧いている時に次なるギャグを放つのはよしたほうがいいのでは? ギャグ数が多いのは結構だが、笑い声でセリフが聞き取れず、無数のギャグを拾いそびれた。
ギャグをあんまり重ね過ぎず、演者が笑い待ちを覚えれば、喜劇としてもっとよくなると思う。

ネタバレBOX

女が男に「初めまして」と頭を下げ、しばしの間ののち暗転…。ラストはそれだけにとどめたほうが締まったのでは?
S.ストーリーズ

S.ストーリーズ

劇団かもめんたる

座・高円寺1(東京都)

2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

■約115分+カーテンコール■
7編から成る短編集。現実には起こりえない奇想モノが目立ち、もちろんそうしたものも面白いが、狂った人や意地悪な人たちが善良な市民を追い込んでいく作品群に岩崎う大の個性、岩崎う大ならではの面白さがより濃く出ていて、個人的には後者寄りの短編でより笑った。

ネタバレBOX

つまらないドッキリを面白いと信じ込んでやろうとしている若手YouTuber2人組「放課後フォーエバー」に、かつてお笑いだか劇団だかをやっていた喫茶店マスターう大と常連客・槇尾のコンビがダメ出しをしまくる一編が可笑し。
彼らのやろうとしている企画のつまらなさが絶妙というか、いかにもありそうなつまらなさで、そのつまらなさの匙加減の的確さはさすがう大。
『ウエア』『ハワワ』

『ウエア』『ハワワ』

スペースノットブランク

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度

■『ハワワ』鑑賞/約90分■
何なん?????

夏の砂の上

夏の砂の上

玉田企画

北千住BUoY(東京都)

2022/01/13 (木) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

■135分弱■
松田正隆作の長崎弁演劇を玉田真也が演出。
人生の色々が詰まっていて、沁みました…。
ただ、客席がやたら寒い上に上演時間が告知よりも長く、冷気に気を取られて終盤、集中力が切れそうに…。

ネタバレBOX

浜辺は一度も出てこないのに、このタイトルがしっくりくる劇。
劇中人物の服に汗ジミが作ってあったり、演出がじつにきめ細やかでした。
九十九龍城

九十九龍城

ヨーロッパ企画

本多劇場(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

■約120分■
香港の九龍城を文字った、九十九龍城の一角が舞台。うらぶれた感じとにおってくるような生活感、そして手作り感あふれるセットを見て思い出したのはドリフの長屋コント。ただし、各部屋の面々がお互いそう激しくは交わらず、ドリフと違って全室を巻き込んだ爆発的な笑いにまでは至らないのが寂しい。

ネタバレBOX

犯罪の巣窟である九十九龍城を二人の刑事が監視しているという設定のもと、非常識極まる住人たちの行動に刑事たちがコメンタリー的にツッコミを入れていく前半が愉快。
刑事たちが城に乗り込んで以降は、九十九龍城がRPGの舞台となって住人たちが竜と戦う夢オチの話があったりと、劇は荒唐無稽に過ぎる展開を見せ、興味が続かなかった。
『ウエア』『ハワワ』

『ウエア』『ハワワ』

スペースノットブランク

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/01/07 (金) ~ 2022/01/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

■『ウエア』鑑賞/70分強■
ラリった人の幻覚をまんま舞台化したような、かなり振り切れた一作。個々人のアイデンティティが溶解して相互浸透していくようなぶっコワれた物語を、近未来のレスキュー隊みたいな恰好した男女コンビが体を張って熱演。トガりすぎて先を行き過ぎた新手の漫才みたいで、まずまず楽しめた。
しかし、極めて脈絡のつかみにくいあんなホンを、よくぞ二人は最初から最後まで頭に叩き込んだもんだ。感心。
中盤あたりで投射されるサイケデリックな映像が、音楽ともどもすこぶる心地よかった。

ネタバレBOX

男女コンビが客席に向かって並び立ち、謝罪するところからスタート。あれは漫才師の立ち方であって、本作に漫才の影響が皆無だとは考えにくい。舞台狭しと動き回っている時間がほとんどでありながら、要所要所で2人は舞台中央に集い、客席に向かって並び立ち、これが2人の基本形なのだと思わせる。マヂカルラブリーのM-1優勝ネタが漫才と見なされるのなら、本作を広義の、すこぶる広義の漫才と捉えるのもあながち間違ってはいないはず。
おわれる

おわれる

イサカライティング

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/12/29 (水) ~ 2021/12/30 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

■65分弱■
最小限の美術でそれらしく表現された、金持ちっぽい家が舞台。そこで男と女がやり取りを繰り広げるうち、「鉄の女」という役名の女が絡んできて…という、会話劇。
家主である高貴そうな女に、男はどうやら匿われているらしい、ということがわかるのみで、2人の関係性はおろかそれぞれの素姓もよく分からないが、男が女に打ち明けるある“不安”が謎めいていて、なぜそんな不安に苦しめられているのか、それを憶測する面白さがある。
また、随所で唐突に鳴り出すクラシック音楽の異化効果にも惹きつけられる。
ただ、いかんせん、笑いが乏しい。もう少し強く押せば笑いが取れたのに…と思われるくだりがいくつかあって、勿体なく思われた。笑いがくると全てが台無しになってしまう、そんな類の劇作品もこの世には存在するが、本作については、笑いが起きても劇世界は瓦解しないと感じられた。
というか、私の観ていない回では笑いが起きていた可能性もある。

ネタバレBOX

海に追いかけられている気がする、というのが男の不安の中身。「鉄の女」は男に家族を殺されたと訴えて突然家に押し入り、刃物を構えて男への復讐を試みるが、女が素早く的確に対処して刃傷沙汰は回避される。
男は、人災という側面もある3.11の化身なのではないか、というのが私の見立て。3.11は原発事故を引き起こしていまだ汚染水を放出し続けており、“海に恨まれている”という思いが、海に追われているという不安を男の心に引き起こしているのではないか。
3.11は自殺者も生んでおり、「鉄の女」は殺された家族の敵討ちに来たのかもしれない。
GOOD WAR

GOOD WAR

ルサンチカ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/12/25 (土) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

■約50分■
映画でも演劇でも、説明的なセリフは批判されるが、説明が過小なのも、それはそれでいかがなものか。

モスクワの海

モスクワの海

スヌーヌー

ニュー風知空知(東京都)

2021/12/26 (日) ~ 2021/12/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■約70分■
ほぼ何もない空間で、小道具さえほとんど使わず、会話とモノローグと動きだけで劇世界を構築。それだけに観客は想像力を要され、意味を汲み取ろうと登場人物の一挙手一投足、発話の一つ一つを注意深く追いながら頭をフル回転させ、だんだんと彼らの置かれている境遇を知ることになる…。見えてくる境遇は、現代日本の看過できない暗部。非現実的でロマンティックにも思える展開は彼らの悲哀の裏返しのようで、かえって切なさを際立たせ、観ていて胸が焼けるようだった。
にもかかわらず、哀れさは極まると滑稽へと転じ、不謹慎にも、ところどころ笑いそうに…。
そんな反応を客から引き出す、“悲劇と喜劇は紙一重”を地でいく脚本・演出が見事。

ネタバレBOX

ラストの早ゼリフがよく聞き取れず、戸惑いを覚えながら拍手せざるをえなかったのが心残りっちゃあ心残り。
東京の一日

東京の一日

青年団若手自主企画 宮﨑企画

アトリエ春風舎(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■95分弱■
いくつもの場(一場、二場とかの「場」)が一つの舞台上にて共存する宮﨑流がさらに進化し、本作は4、5個の場が同時進行。全ての場に共通するのは、劇中人物たちが、なくなったものを探していること。
その喪失感をじわじわと観客に共有させ、客を感傷へといざなってくれるこの作風、好き。
ただ、東京でなくとも成立しそうな話ではあった。
アフタートークも観覧。主宰の宮﨑さんはとても穏やかで、クリエイター気取りの尖り方をしてないところに好感。

ネタバレBOX

何を言われても「しないほうがいいのですが」を繰り返し、住宅展示場に住み着く男のくだりが秀逸。『バートルビーズ』の翻案としてとてもよく出来ていた。
『水』/『青いポスト』

『水』/『青いポスト』

アマヤドリ

新宿シアタートップス(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

■『水』鑑賞/140分強■
水の妖美なイメージを強く打ち出した、ファンタスティックなラブ・ロマンス。舞台美術や小道具への依存を最小限にとどめ、ほぼほぼ言葉と動きだけで物語を紡いでいるのがすばらしい。
可愛くて純粋で一途なシトロネラ、やんちゃなバニラ……キャラクター造形も秀逸。
出番以外でも舞台上を飛び回るヒバリのバニラの、躍動的でありながらもたおやかな動きも魅せる。

ネタバレBOX

漫才師を殺さず、小さくしてカプセルに詰めるというアイデアもすばらしい。
サワ氏の仕業・特別編

サワ氏の仕業・特別編

劇団ジャブジャブサーキット

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

■約100分■
100%理解できる人は皆無であろう劇。謎めきを楽しんでくれということだろうが、全て理解できたところで、そこまで惹きつける話ではなさそうに私には思えた。

ネタバレBOX

一番わかりやすい、娘が賭け事で父を負かす話も、ああ親を超えましたか、ぐらいの感想しかない。
美談殺人

美談殺人

タカハ劇団

駅前劇場(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

■130分強■
話が大がかりな方向に行き過ぎた。

ネタバレBOX

舞台は、短命化が進み、特筆すべきことを何も為せないまま死にゆく人が増え、せめて死に様だけは劇的なものにしようとする人々相手に“美談ビジネス”が幅を利かせている近未来の日本。売れっ子の女性美談作家は、ホームレス出身の男性美談作家にこう話す。
「自分の人生には意味があった。そう思いたい欲望が人間にはある。その欲望に寄り添うように書きなさい」(大意)
この言葉から、人生論的な方向に話は進むのかと思いきや、物語は大がかりな展開をみせ、「お国のために死ぬ」という美談を餌にホームレスを徴兵して日本は戦争へと突き進む。
戦争は国家レベルの美談殺人、という皮肉なのかもしれないが、正直、この大がかりな展開があまり面白くない。
人生とは何か? 人間にとっての幸福とは何か? 美談ビジネスを取っ掛かりにしてそうしたテーマを地道に掘り下げていくお話にしてくれたほうが、少なくとも私はより惹きつけられたと思う。
『水』/『青いポスト』

『水』/『青いポスト』

アマヤドリ

新宿シアタートップス(東京都)

2021/12/16 (木) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■『青いポスト』鑑賞/約140分■
誰かが何かを為す場合、その動機というものが知りたくなる私のような人間には、隔靴掻痒の感が否めなかったが、逆説的でねじれたストーリー、美しい照明のもとハイセンスないでたちで演技する12人の女優たち、音楽とムーブメントの取り合わせの妙、等々に魅せられ、劇世界に没入。上演時間の告知を見てハァ?となったが、そこまで長くは感じなかった。
『すばらしい日だ金がいる』以来のアマヤドリだったが、豊かな時が過ごせた。

ネタバレBOX

定期的に悪人総選挙が開かれる架空の町が舞台。得票数1位の者は消されてしまうとかで、みんなイイ子ぶって生きているという設定が面白く、誰もが偽善者というところにフォーカスしたスピンオフが観たくなった。
それにしても、悪評高い姉を2位に押しやり予備選挙でまさかの1位となった極悪姉妹の妹が、不正を働いたら得票数に関係なく悪人オブザイヤーになるというルールを悪用(?)し、本選を戦わずして自分が消される道を選んだ理由は何だったのか? 理由は明示されないが、姉を救うための自己犠牲なのだとしたら、アマヤドリ版『泣いた赤鬼』か。

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