実演鑑賞
満足度★★★
■100分強■
主宰が岸田賞候補になったとかで、ノミネート作『旅館じゃないんだからさ』の脚本を取り急ぎnoteで読んではいたものの、上演を観るのは初めての団体。
笑い押しの演劇を観て、ここまでジェネレーション・ギャップを感じたのは初めて。
誰も傷つかないユーモアが最上とされるお笑い新時代の申し子かってくらい、お行儀がよくて泥臭さがなく、もとより容姿イジりなんて皆無。せいぜいダサい奴やイタい奴が笑い物にされるくらいで、そいつらが如何にヤバいかが突拍子もない喩えなどを交えつつ言葉巧みに表現されて、客席を埋め尽くす若い観客がドッと笑う。
ただ、喩えとして持ってくるものが昭和世代には分からないものばかりで、その疎外感たるや…。
わたしが干支ふた回りほど若かったらもっとウケていたかもしれないが、いいトシの私は正直、あんまりノれなかった。
そうしたジェネレーション・ギャップは脇に置くとして、演出・演技が緩急に乏しく一本調子な上、キャラクターの切り分けがはっきりせず、見応えを削いでいると感じた。
それから、会場が爆笑に湧いている時に次なるギャグを放つのはよしたほうがいいのでは? ギャグ数が多いのは結構だが、笑い声でセリフが聞き取れず、無数のギャグを拾いそびれた。
ギャグをあんまり重ね過ぎず、演者が笑い待ちを覚えれば、喜劇としてもっとよくなると思う。