chibineko12の観てきた!クチコミ一覧

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贋作・好色一代男

贋作・好色一代男

少年社中

紀伊國屋ホール(東京都)

2014/02/04 (火) ~ 2014/02/11 (火)公演終了

満足度★★★★★

華やかなエンターテイメント♪
テーマがものすごくストレートに伝わり、音楽や照明、衣装も派手で肩肘張らずに楽しめるエンターテイメント♪

ストーリーはタイトルどおりの艶話、キャストの人数が多いわりに、人間関係がごちゃごちゃしてなくてわかりやすく。
台詞にも所作にも色事がたっぷりなのに、舞台ならではの表現もあり、少しも嫌らしく感じません。

世之介役の矢崎広さん、艶之丞役の鈴木拡樹さん、立ち姿も美しく華があって艶っぽく。
おまつ役のあずみれいかさん、色っぽくもあり、可愛らしくもあり。
夕霧太夫役の大野朱美さん、華があってお綺麗。
禿のちとり役の佐野まゆ香さん、ちょこまかと動きが可愛く。

ネタバレBOX

始まってすぐの唱和は人数が多いせいか、台詞がほとんど聞きとれませんでした。おそらく、当日パンフレットに載っている「閑吟集より」の「世間(よのなか)はちろりに過ぐる‥」だと思われますが。

「自分の辛さをわかってもらえるのは幸せ」
この台詞に全てが要約されているような。。
脚本・演出の毛利さんが手掛けた外部の舞台『る・フェア』での台詞、「価値のない人間などいない」を思い出したりして。
毛利さんは「とにかく存在を全肯定!」みたいなテーマがお好きなのかな。。?と、ふと思った次第。
私のダーリン

私のダーリン

東宝

シアタークリエ(東京都)

2013/03/26 (火) ~ 2013/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

ハートフルコメディ♪
玉野和紀さんの舞台、『DOWNTOWN FOLLIES』シリーズが大好きでしたし、NHKの舞台のようなドラマ、『ママさんバレーでつかまえて』の黒木瞳さんのコメディエンヌぶりも好きでしたので観劇に♪ あと、便利屋の若手さんたちも観たかったし♪

時間が行き来しますが、ストーリー自体は入れ子式の複雑な構造とかではないので、難しく考えずに素直に観ると楽しめるかと。歌あり、踊りあり、タップあり、笑いあり、最後にほろっとする文字どおりのハートフルコメディです。
観終わってから、玉野さんはとてもロマンチストな方なんだろうなぁ。。と思いました。黒木さんの弁ではないですが、一家に一人は欲しくなりますね「虎ちゃん」は♪ こんなに優しくて誠実で、寛容な自分だけをず~っと愛し続けてくれる男性はそうそういないでしょうけどね。

カーテンコールは2回。1回目は三方礼、2回目は全員で手をつないで。

ネタバレBOX

ストーリーはフライヤーの写真も伏線となっており、最後まで観ると、あぁそうだったのか。。という展開になっております。

客入れは静かなピアノ曲。
舞台美術はいたってシンプル。上手奥にクラシカルな街灯。中央奥に大きな噴水(実際に水が張ってある)。下手奥に生バンド(ここで生で演奏されます)。暗転後、これらの前方に、天井高ほどの窓や二階の寝室、キッチンが現れます。

冒頭から黒木さん演じる夢子と玉野さん演じる純一郎の出会いのシーンで、2人で噴水に落ちて全身ずぶ濡れに。この後も同様のシーンがあります。
実際に噴水の中に水を溜めてずぶ濡れになるとは。。黒木さんのアイデアだそうですがびっくりです! 
直後に出てくる錦鯉ダンサーズには、客席は笑っていいのかどうなのか戸惑い気味の様子でしたね。おもしろかったんですけどね~ちょっとびっくりしたのかも、元タカラジェンヌ娘役トップ 愛原実花さんまでが満面の笑みで麗しく踊っておられたので。
ほかにも、便利屋3人組に玉野さんが「テニスのサークルやってたんだって?」から始まるテニミュねたやら、日替わりらしい玉野さんの無茶ぶりコーナーやら、元タカラジェンヌ男役 愛音羽麗さんの便利屋3人組にレクチャーするホストの振る舞い方やら、そこから発展して元タカラジェンヌ娘役トップ 黒木瞳さんとの『ベルサイユのばら』やら、小ネタが満載です。ちなみに、この日の玉野さんからの便利屋3人組に対するお題は、「しゃくとり虫とだんご虫の戦いゲーム」でした。大河さんが審判役、だんご虫役が村井さん、しゃくとり虫役が古川さん、リアクション大のいい戦いっぷりでした。古川さんがしゃくとり虫の意味を間違えておられたようですけど(笑
アルテノのパン

アルテノのパン

ジェットラグ

赤坂RED/THEATER(東京都)

2013/06/05 (水) ~ 2013/06/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

小気味いい娯楽作品♪
懐かしいアメリカドラマのような味わい。
後半、ぐっ。。ときつつも、決して湿っぽくならないテイスト。
テンポよく、コミカルで後味がいい作品でした。

特に、アルテノの幼なじみ3人組(矢崎広さん、小橋めぐみさん、坂口辰平さん)がよいです♪

ネタバレBOX

個人的には、ベテランの三浦浩一さん演じるジャンが、本人確認のためにやらされるおかしなダンスと、矢崎広さん演じるアルテノが、無茶ぶりでやらされる気合十分な「す」の字がツボでした。

ジャンキー・ジャンク・ヌードット

ジャンキー・ジャンク・ヌードット

good morning N°5

駅前劇場(東京都)

2013/09/20 (金) ~ 2013/09/25 (水)公演終了

満足度★★★★★

昨年以上の笑劇な衝撃!
千秋楽を観劇。
昨年以上の笑劇な衝撃!
ストーリーはあまり気にせずとにかく笑える。
歌&ダンス&お芝居のエンターテイメント。
大の大人が大汗かいて、文字どおり体をはったさまが楽しい♪


ネタバレBOX

VIP席の方々へのサービスのため、サ○ウェイ方式のサンドイッチを野口かおる嬢扮する、“人間皿”からチョイスしたのは驚愕の極み。
非常の人 何ぞ非常に ~奇譚 平賀源内と杉田玄白~

非常の人 何ぞ非常に ~奇譚 平賀源内と杉田玄白~

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2013/07/08 (月) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★★

笑えてほろり。。
マキノノゾミさんご本人もおっしゃっておられるように、マキノ節全開のどストレートな芝居です。真っ向勝負の直球。熱いです! 
M.O.Pを彷彿とさせるような「男!漢!侍!」な感じ。
早すぎた天才と実直な秀才、モーツァルトとサリエリのような、男同士の友情の物語。

キャストさんは男性5人のみ。無駄にわちゃわちゃした感がなくてよいです。まとまりもあっていいカンパニーなんだなと。
奥田達士さんと篠井英介さんは役数が多く、それぞれの役のキャラクターを、短時間できちんと演じわけておられてすごいなぁ。。と。やっぱり上手いです。
小柳友さんは初めて観たのですが、菊千代(佐吉)の陰とか闇の部分がよく出ていてよかったです。お綺麗でしたし、大きいけど(笑

ネタバレBOX

第一幕は、元禄時代の洒脱な風情が感じられ、軽めの笑いが中心で気楽に観ていられます。第ニ幕は、平賀源内の歯車が狂っていくさまが描かれています。
天才なのに、不遇なまま生涯を終えることになった平賀源内が切なく哀しい。しかも最後は獄中死。
ラストシーン、杉田玄白の独白は少々、気恥ずかしくなるほどのどストレート。その直後の号泣にうるっと。。ときたところで、「えっ?!」という展開に。
ぽん!と洒落っぽく終演。小粋な終わり方だな~と。こういう感じ好きです♪

ふっくら!人間関係

ふっくら!人間関係

動物電気

駅前劇場(東京都)

2015/06/06 (土) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

懐かしい匂いの人情喜劇
初観劇の動物電気。
全体を流れるトーンは昭和の匂い。懐かしい夏休みを思い出す。
思春期真っ只中の中二病を、思いっきり引きずったままの中年男性たちが引き起こす人情喜劇。
大の大人が文字どおり、体をはってギャグをかまし笑いを繰り出す。
下ネタ(裸)多いので苦手な方は要注意(笑

ネタバレBOX

お約束?の胸毛焼き、ドロップキック、ふんどしからの全裸となんでもあり。
換気タイムでお客さま全員起立しての軽いストレッチ。換気タイムだけど、ドアを開けたほうがホールから煙草の匂いが流れこむという妙味も(笑
デカメロン21~或いは、男性の好きなスポーツ外伝~

デカメロン21~或いは、男性の好きなスポーツ外伝~

ナイロン100℃

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2013/02/22 (金) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

大人のためのドライなエロティックエンターテイメント
ケラさん曰く、「艶笑劇=エロティックコメディ」だそうなので、最初からそのつもりで観劇しました。エロティックだけれど不快でなく、サラッとしたドライな感じです。
倒錯愛はあるし、倫理的にも?は多いし、犯罪もあるのだけれど、そこはそれとして。いい悪いを追求するなんて野暮はしっこなし。ただそういうものを、ポンポン!と目の前に観せられ、それを楽しむ大人のエロティックエンターテイメント。
もちろん、これは好き嫌いがはっきりと分かれるところだと思うし、心身共に疲れているときや、親御さんモードの方にはおすすめできないかも。
観ていてつくづく思ったのは、役者さんが演じることって体を駆使することなのだなぁ。。と。人の体や動きって、見た目の美とかだけではない美しさがあると感じました。

映像、音楽、照明による演技のきっかけが多く、それがぴったりと合っていてとても効果的でした。ケラさんならではのスタイリッシュ感♪ やっぱりこのテイストは好きです♪
ただ、これをこなすスタッフさんやキャストさんはさぞかし大変だったろうと推察。少しでもきっかけがずれたら、間の抜けたものになってしまうし。

役者さんはみなさん上手いし、客演の方までもまるで劇団員のような自然な溶けこみ具合に驚きました。劇団員の若手さんなのか客演さんなのかよくわからないほど。
松永玲子さんは大人のエロが全開!いいですね、レイチェル♪ AGAPE STORE のときのサラ役での色っぽい怪演?を思い出しました。
新谷真弓さん演じるフィリップがもうとにかくかわいい♪ お持ち帰りしたくなるくらいのかわいさです。『東京のSF』のときの少年もかわいかったですが、今回はそれを上回るかわいさでした。

カーテンコールは1回。お忙しい中、ケラさん登壇。客演のみなさんをご紹介したのですが。。名前が出てこなかったりして(笑
あと、体調不良で開幕直前に降板されていた村岡希美さん、お元気なられて退院されたそうです。ご本人からその旨、連絡があったそうです。よかったです、お大事になさってください^^

ネタバレBOX

客入れは街中の雑踏の音。店のアナウンス、人々の喧騒。
美術はシンプル。背景と両サイドに、円形+フィンガービスケット状のものが交互に。中央に、フィンガービスケット状のものが6連に連なったパネル。真ん中から3連ずつに分かれる可動式(キャスター付き、後ろに人がいて人力で移動)。
時折、天井からスクリーンが降り映像が映しだされます。

今回の作品はDVDにはならないとのこと。演劇はもともと、消えものですものね~
「Walk oN!」~さあ、新しいキミに会いに行こう~

「Walk oN!」~さあ、新しいキミに会いに行こう~

Doris & Orega Collection

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/19 (火)公演終了

満足度★★★★

温かい気持ちになれる♪
今回で4回目のDoris & Orega。今まで観た中で一番難しそうな脚本かと。事件も起こらない、ミステリーでもない、ただ淡々と進むストーリー。
西村さん演じる遠藤満作だけが破天荒な人物。そのほかはいたって普通の市井の人々。
それぞれの人生に一歩踏み出す勇気を、遠藤が軽く、ときには背中を蹴るようにして押し出す。
そして、皆自分の人生を自分の価値観と自分の足で歩いていくことを決意する。
特に鈴木さん演じる恭子の台詞に共感しうるっとしてしまった。。
観終わって温かい気持ちになれて、またがんばろうって思える素敵な作品。
今回がお初な石井さんが好演されていて、また、る・ひまわりさんの年末お祭り舞台でも観たいなぁ~と思ったり。
初舞台の鈴木さんがとても自然で可愛い♪ もう、とにかく可愛い♥ こんな可愛い奥さんがいたら、何十年経っても旦那さんは「恭子ちゃん♪」と呼ぶよね。

ネタバレBOX

客入れは洋楽。
美術はシンプル。ベージュ、ブラウン、ダークブラウンに側面が塗られた木箱を積み木のように重ねてある。それらが屋外や室内のテーブル、イスなどになる。
途中からカラフルな木箱に転換される。
背景一杯に白いスクリーン。大きな満月が映し出されたりする。

下手側で遠藤宅リビングのシーンが進行中に、上手側の山田のアパートでは後ろ手に縛られたままの山田が。滑稽やら不憫やら。。
聖☆明治座・るの祭典 ~あんまりカブると怒られちゃうよ~ 「豊臣伝授手習鑑」

聖☆明治座・るの祭典 ~あんまりカブると怒られちゃうよ~ 「豊臣伝授手習鑑」

る・ひまわり

明治座(東京都)

2014/12/19 (金) ~ 2014/12/23 (火)公演終了

満足度★★★★

年末恒例お祭り舞台♪
る・ひまわりさん制作、年末恒例お祭り舞台シリーズ5作目。前々回の『ドリームジャンボ宝ぶね』以来の穴吹さん&板垣さんコンビの復活。
穴吹さんは、今年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に脚本協力されているというのに、いろいろ大丈夫なのかと余計な心配をしたり(笑
全体の印象は『大江戸鍋祭』とか『ドリームジャンボ宝ぶね』のようで懐かしい感じ。ほっとするね、重くなくて笑いがたっぷりで。
テーマは一応、「愛」かな。いろんな意味で。
とにかく初座長の小林且弥さんがいい!かっこいい♪ へたれで優しくて、でも強い。背負っていたと思う、いろんなものを。
辻元祐樹さんの必死な秀吉もよかったな。
小劇場の猛者たち:大堀こういちさん、小林健一さん、加藤啓さんの破壊力と芸達者ぶりに安心するし。カラテカの矢部さんも自然でおもしろいし。紘毅さんのオルガンティノも自分で「ティノ、ティノ」言っててかわいかったし。

ネタバレBOX

<第一部>
オープニング、まさかの全身白タイツで人文字。「MERRY CHRISTMAS」。プラカードを掲げたサンタクロース衣装で登場の黒田官兵衛。
ストーリーテラーはルイス・フロイスとオルガンティノ。宣教師というより芸能レポーターとカメラマン。最後のほうは徳川家康がストーリーテラーに。
キーパーソンは千利休。
一瞬だけ出てくる「テニミュ」と「弱ペダ」。B'z ultra soul やら、ほかにもいろいろとアレンジというかパロディに。
織田信長はまさかの地球外生物=宇宙人で耳が角状、名前はピロシキ。息子の信忠も耳が角状。
へたれでひきこもりの軍師・黒田官兵衛、母の形見だった「五」と書いてある赤い玉を大切にしていて、残りの6個も探している。ドラゴンボールね。
音楽劇『アルセーヌ・ルパン カリオストロ伯爵夫人』

音楽劇『アルセーヌ・ルパン カリオストロ伯爵夫人』

Studio Life(スタジオライフ)

シアターサンモール(東京都)

2013/07/04 (木) ~ 2013/07/21 (日)公演終了

満足度★★★★

ストレートプレイとミュージカルの融合♪
脚本・演出の倉田淳さんが「ストレートプレイ」と「ミュージカル」を合わせた「ストジカル」(造語)を目指し、「脚本、音楽、衣装も全部オリジナルでやりたい!」と倉田さんが熱望されたとか。
ミュージカルのようでミュージカルでなく、ストレートプレイでもない、変わった風味の舞台でした。
第一幕は聞きなれない地名、人物名とその関係性に集中して観ていたこともあり、少々単調な感は否めず。第二幕から物語がぐ~っと動き、登場人物の心情も大きく変化し、乱闘のシーンもありメリハリがきいていました。
テーマは「愛」と「憎しみ」。「愛してるんだ!」「愛しているのよ!」の応酬が続くのを観ながら、でもそれってエゴだよね、と。もともと、「愛」の発端は「自分ありきのエゴ」なのだし。。
Moiチームの初日ということもあり、全体に緊張感が感じられました。これから、もっと変化して進化していくのではないかと思います^^

客演のtekkanさんのソロは圧巻! 歌われると一瞬で空気が変わります。客席に訴えかけてくるパワーのある声量と表現力に圧倒されました。
ラウール・ダンドレジー役の岩崎大さん、素敵ですね~♪ 
ジョゼフィーヌ・バルサモ役の青木隆敏さん、どんどん心情が変化していくさまがよく出ていて、年齢不詳で稀代の悪女を好演されておりました。
この役は難しいですよね。ジョゼフィーヌが悪女として成り立っていないと、作品にならないと思われますし。

ネタバレBOX

ラウール・ダンドレジー役の岩崎大さん、女性役の成人男性を軽々とお姫さま抱っこされておりましたけど、本当は重かったんでしょうね。。? 
初日だからでしょうかね?1~2回噛んでおられましたけど。
あと、乱闘シーンでの必殺技の後で、「日本古来の技なんだ♪」と微笑まれておられましたけど、どう観ても某DBZの「カメハメハ~!」ですよね(笑 

この日は舞台挨拶がありまして、キャストさん全員のご挨拶。作曲の村井邦彦さんも、客席からご挨拶されておりました。
覚えているところを幾つか♪ うろ覚えなので、間違いはご容赦のほどを(笑
「身内だからですが、ジョゼフィーヌ役の青木が整形かっ!ってぐらい綺麗になってまして。メイクさんのお陰です」
「時間が経つと背が小さくなります」(ラウール・ダンドレジー)
「村井先生には、今回だけと言わず、これからも我々と共に茨の道を!」
この後、カーテンコール1回。
蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~

蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~

グループる・ばる

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/06/12 (金) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

しみじみとする
娘時代を戦争に奪われ、終戦を経験し、愛する夫とも早くに死別した女性の苦しさ、悲しみ、切なさがしみ出すように伝わってくる。一番辛いのは得られなかったものよりも、あったものがなくなる喪失感なのだろう。
少し不思議で、微かに怖さも感じつつ、哀しくて切ない。。それでも、最後の最後にほんのりと希望を感じさせてくれる作品。

る・ばるのお三方は、もうとにかくかわいらしくてチャーミング♥ なんでこんなにチャーミングなんだろう?
木野さんの佇まいも素敵♪
朴訥とした風情の小林さん、真面目だけどコミカルな感じの野添さんもいいなぁ~
岡田さんはやっぱり、悪ぶっている谷川俊太郎さんの役が一番はまっていたね。

ネタバレBOX

ノリコには気がかりなことがあり、亡くなった後も向こう岸に渡れずに幽霊となって自宅で暮らしている。そんな彼女は「気がかりさん」と呼ばれている。
自宅には、なぜかふらふらと居着いてしまった二人の幽霊の女性、管理人の保さんも一緒。
[終戦→お見合い→結婚→夫と死別→一人暮らし→最後の日]をこの四人で延々と繰り返している。
壁の掛け時計は午後5:23で止まったままだ。この時間に彼女は一人ベッドで死を迎えた。
やがて、ノリコは思い出す。自分の「気がかり」を。
そしてようやく、光差す彼岸へと渡ってゆくことができた。。
続・11人いる! 東の地平 西の永遠

続・11人いる! 東の地平 西の永遠

Studio Life(スタジオライフ)

紀伊國屋ホール(東京都)

2013/02/28 (木) ~ 2013/03/17 (日)公演終了

満足度★★★★

哀しみと希望
キャストさんたちはほぼ前作と同じです。新たに増えている役の方が追加になっております。なので、観ていて混乱せずによかったですね。
前半、アリトスカ・レとアリトスカ・ラの歴史、文化、現在の関係などを説明するために費やされ、原作に忠実ではあるのですがやや冗長感が否めず。正直、このテンポだとちょっと厳しいかも。。と思ったり。
オーセの殺害後から急速にテンポがよくなり、俄然おもしろくなりました。前作はミステリー、今回はサスペンスという感じです。

それぞれのキャストさんについて。
ローンとチュチュが原作のイメージに酷似していてびっくり! 特に、チュチュ役の関戸博一さんがいいです♪ 気が強く、真っ直ぐで、それでいてとても女の子らしいチュチュを好演されておりました。本当に女の子のようでしたもの。
フロルは前作からぐっと乙女になり、タダはフロルをせっせと世話焼きしていて健気。そして、とってもラブラブ♥ タダ役の松本慎也さんとフロル役の内藤大希さんはいい関係が築けているのだろうなぁ。。と。意外と大事ですものね、共演者の関係性ってどうしてもその空気感が出てしまいますから。
マヤ王バセスカ役の堀川剛史さん、かっこいいです♪ 前作よりもぐっと男らしく、王としての威厳に満ちておりました。くるっと踵を返して去っていくときの後ろ姿が凜として素敵です。
四世役の仲原裕之さん、友情、家族への愛情、自分自身の希望、それらの板挟みになり苦悩した挙句にとる決断、その姿には涙が出ました。熱演でした!
バパ大臣役の倉本徹さん、ベテランの巧さが際立っており、コミカルなところ、凄みをきかせるところ、苦しい心情を吐露するところなどがきちんと演じ分けられながらも、キャラにはぶれがないという凄さ。存在感も大。
ゾンブル長官役の笠原浩夫さん、悪くて胡散臭い感じが全開でよかったですね~ 敵役はくっきりとしていないと、ストーリーがふにゃっとなってしまいますから。
あと。。新人さんたちがときどき、観ていて、う~んとなってしまうのがままあり、これがなければさらによかったんですけど。

ネタバレBOX

印象に残ったシーンについて。
四世が苦渋の末に自殺する道を選ぶところ。
チュチュがバセスカに謝罪し、その頬にそっとキスするところ。
バセスカがバパ大臣に自殺用の白い水を渡すときに、「私はおまえが好きだった。。」とつぶやくように言うところ。
どれも観ていて胸にぐっとくるものがあり、涙が浮かんできました。

原作では最初に出てくるシーンがなくなっていて、はしょっちゃったかな?と思ったんですが。。 このシーン、意外なことにラストにもってきてありました。哀しみ、苦しみを乗り越えて前に進んでいこうとする彼らの気持ちを表したいがために、ラストにもっていったのかな。。と思いました。
それぞれの想い、それぞれの正義、哀しみと希望、それらを感じさせるいい作品でした。

ス・ワ・ン

ス・ワ・ン

3軒茶屋婦人会

本多劇場(東京都)

2015/07/03 (金) ~ 2015/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★

なんだかしみじみ。。
序盤は少々単調気味。武家の女性たちの言葉のせいかも。。?
中盤は現代ということもあり重め。後半からピッチが上がって笑いも多くなった。
最後も明るいハッピーエンドというのではないが、「それでも生きていくわよ!」という絶望の向こう側にある希望を感じさせてくれる。
男たちに振り回され、振り回した男たちはあっさりと死んでいく。振り回されたはずの女たちは、深く傷つきながらもしなやかにたくましく生きていく。
女性と男性の違い、関係性ってこういう感じかもね。。と、しみじみ思った。

ネタバレBOX

ストーリーは、3話のオムニバス形式で綴る女性3人の話。
<江戸時代のフィリピン・ルソン島(キリスト教の信仰) → 現代の中国 iPhone工場(お金) → 終戦後の赤坂(夢)> と時代と地域は違っても必死に生きる女性たち。
それぞれ、<はくちょう座 → スワン・ソング → スワン・シスターズ>と白鳥・スワンがキーワードとなって繋がっていく。
歳末明治座 る・フェア~年末だよ!みんな集合!!~

歳末明治座 る・フェア~年末だよ!みんな集合!!~

る・ひまわり

明治座(東京都)

2013/12/21 (土) ~ 2013/12/24 (火)公演終了

満足度★★★★

今年もやらかしてくれました♪
明治座『歳末明治座 る・フェア~年末だよ!みんな集合!!』東京千秋楽を観劇。
年末恒例る・ひまわりさんのお祭舞台♪
休憩込みの4時間があっという間のテンポ、歴史苦手な方にも親切設計のわかりやすいストーリー。
前半コメディで後半泣かして。
若手が元気で体を張り、ベテランががっちり芝居をこなす。

無茶ぶりで心が折れるキャストさん多数(笑

ネタバレBOX

第一部、始めから「明智」ならぬ「滝川クリステル」仕様のコバカツさん(笑
『大江戸鍋祭』から火消しのみなさん。
あと、やたらとkissが多いし(苦笑
義経くんは2回ほどワイヤーでフライイング。

第二部、始めの場繋ぎ?にDA2-DANZINのみなさん、モンゴルから来日。
オーフォーの範頼さまが最後もっていって、崩れ落ちるリーダー義経さま。
ライン(国境)の向こう【ご来場ありがとうございました!次回は秋!!】

ライン(国境)の向こう【ご来場ありがとうございました!次回は秋!!】

劇団チョコレートケーキ

水戸芸術館ACM劇場(茨城県)

2016/01/17 (日) ~ 2016/01/17 (日)公演終了

満足度★★★★

歴史に翻弄される人々の悲しみと逞しさ
戸田さん、高田さん、両女優陣は華があって上手いなぁ~♪
近藤さんは、安定感+お茶目な感じがおもしろく。
谷仲さん演じる次郎のキャラクターが好き♪ 結構、身内からひどい扱いなところが不憫、でも笑ってしまう。

カーテンコールは2回。2回目に近藤さんがご挨拶。
近藤さんから「自分から出たい!と言ってきた谷仲から~」と話をふられ、びっくりされつつ話をされる谷仲さん。
日大芸術学部出身だったとか、小劇場で活動しているので池袋とか下北沢とかにもいらしてくださいとか。

ネタバレBOX

某国の有様を彷彿とさせるようなシュチュエーション。
物語は淡々と農作業を中心に進み、北日軍から脱走してきた義男がひっそりと村に戻ってくるあたりから段々と、共同体でもあり親戚同士でもある人間関係が軋み始める。
北日軍と南日軍の兵士はやる気がなさそうに見え、その実、冷酷な任務を軍から命じられていて‥
時折、爆音で鳴り響く戦闘機の音が一層不安をかき立てる。
北と南、それぞれ相手国に持っている感情は、無知からくる不気味さや大きな怒りだったりする。それらが義男の脱走を期に、一気に吹き出していくさまが怖い。
やがて、二人の兵士が銃を持ち出し、一触即発の様相を呈したあたりから直視がきつくなってきた。
結果、幸い血は流れることなく、兵士たちはそれぞれの軍へと戻っていき、村には日常が戻ってくる。
そして迎えた終戦。一体、この戦争はなんだったのだろう、、?

ラスト近く、一郎が言い放つ「目の前にあることをやるだけだ!」。
諦念でもなく、希望を盲信しているのでもなく、ただ淡々と目の前にあることをやっていくこと。これこそが救いのような気がした。
盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-

盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2013/07/06 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了

満足度★★★

蜷川版ということで。。
笑いは多く、キャストさんたちはとても魅力的で、体をはって熱演されてよかったのですが、作品としては、唐十郎さんの世界観が描けていなかったように感じました。唐十郎さんのあの泥々とした独特な世界、粘着質な皮膚感覚が全くなかったので、正直、肩すかしをくらったような気がしました。
蜷川版といってしまえばそれまでなんですが。。
最終的に印象に残ったのは、銀杏を演じた宮沢りえさんの怪演ぶり。

宮沢りえさんは前述のとおり。文字どおり体をはってらっしゃいましたね。床にのたうち回り、四つん這いになり。
古田新太さんと木場勝己さんは安定の存在感。よく通る低い声も魅力的。
小出恵介さんのフーテン少年は、いまいち、キャラクターが固まっていないような。

ネタバレBOX

美術は背景が黒一色。人の背丈ほどのグレーなコインロッカーが舞台幅いっぱいにあり、マッチの火が灯ったり、扉がいっせいに開き犬の毛も模した白い糸状のものが舞ったりします。ほかにも、このコインロッカーにプロジェクションマッピングでモノクロの海が映しだされます。
音楽は冒頭にパイプオルガン、ラスト近くに第九が使われておりました。
全体に色味のない舞台に、銀杏の真っ赤なワンピースと、影破里夫が持つガスバーナーの青い炎だけが色彩として印象に残ります。このふたつを印象づけるために、わざとほかの色を排除したのではないかとさえ思われました。
あと、本物の犬(シェパード、雑種の子犬)が登場したのはびっくり!

古田新太さん演じる影破里夫の白いふんどし姿には、『押忍!!ふんどし部!』なのかと思ったり(笑
雨と夢のあとに

雨と夢のあとに

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/07/27 (土) ~ 2013/08/18 (日)公演終了

満足度★★★

やっぱりもにょもにょ。。
初演は2005年でそのときは観劇できず、その後にNHK「ミッドナイトステージ館」で放送されたものを観ておりました。今回は再演ということで、もう再々演はないだろうと観劇に。

朝晴や周囲の人たちが雨を想う心情には、ぐっときて涙がこぼれます。
ただ、こういう演出なんだろうとは思いますが、全体を通して台詞の言い回しが唐突で一本調子なので?となってしまい、感情移入ができないことが多いのが難点かと。たった一言で「○○なんだからわかってあげて!」みたいな台詞で片付けられても、観ているほうとしては「はい、そうですか」とは思えず、「それはないだろう~」と白けてしまうんですよね。。
キャラメルらしくテンポは抜群によいです。むしろよすぎて、観終わった後に疾風感しか残らないきらいがあります。
う~ん、なんだろうこのもにょもにょした感じは。。やっぱり私には、キャラメルキャラメルした作品はあまり合わないようです。ごめんなさい。

役者さんについては。。
客演の吉田里琴さんは初舞台とは思えないほど、すごく自然で伸び伸びしており、中学2年生のリアル感が出ていてよかったです。ただ、語尾が時折聞き取りにくいのが少々残念でした。
大内厚雄さんは本当にお父さんでした。娘の雨を想う優しい父そのもの。最後のほうは泣けましたよ。。

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