やまぐちの観てきた!クチコミ一覧

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うちの犬はサイコロを振るのをやめた

うちの犬はサイコロを振るのをやめた

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2016/07/23 (土) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

2年ぶりの再会
もともと初演が大好きなので、贔屓目はあると思いますが、やはりこの作品が私は大好きです。
喜怒哀楽の全てがそこにある、豊かな作品です。

初演から2年、追加された要素と、演出家や役者・劇団全体のレベルアップにより、キャラクター達の魅力が増し、物語自体にも深み増したように思います。
アウグストゥス(野口オリジナルさん)と正田主任参謀(岡田達也さん)は特に初演から変わったキャラクターです。
初演で伝説的だった珍太郎(サイショモンドダスト★さん)の戦闘シーンも健在です。健在どころか長くなりました(笑)
他のキャラクター達も、皆初演より更に魅力的になっています!
という訳で、初めての人には勿論、初演を観た人にも楽しめる再演でした。

劇場が大きくなったことで、キャバレーのシーンがより華やかになり、特にラストナンバーは初演よりぐっと輝きが増しています。キラキラしている!
あのシーンは輝いていれば輝いているほど切なくなるので、とても良いです。輝くシヅ子(増田赤カブトさん)と、輝きの向こう側のゴルバチョフ(加藤慎吾さん)の二人の表情が涙を誘います。
そもそも、劇場が大きくなったことにより、客席で感じられる熱量が薄くなってしまうということが無かったのが良かったです。

そして相変わらず、開場中パフォーマンスの問題作(笑)に始まり、唐突に客席を巻き込んできたり、唐突に投げられるサインボール、そして個性的な物販等々、作品だけでなくいろんな部分で十二分に観客を楽しませてくれる劇団です。

パワーアップしたこの作品にまた出会えて、本当に嬉しい。

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2015/02/22 (日) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

明日誰かに話したくなる復讐劇
ポップンマッシュルームチキン野郎の紡ぎだす物語は、いつだって愛にあふれている。

今回、渡辺徹さんという、誰もが知っているスターを主演にしての公演でしたが、それでもポップンマッシュルームチキン野郎はポップンマッシュルームチキン野郎でした。
公演を積み重ね、どんどん新しいものに挑戦しながらも、良いところは残していっている感じがします。

それをまず感じたのが、舞台装置。
『銀色の蛸は五番目の手で握手する』のスライド舞台と、『うちの犬はサイコロを振るのをやめた』の回転舞台。それらを上手く組み合わせブラッシュアップさせた舞台のように思いました。
ブルース・レッドフィールドという男の半生を描いているため、場面も良く変わりますし、時間も結構流れますが、その舞台装置を上手く使い、暗転を最小限におさえながらも、場面の移り変わりをわかりやすくしていたのが良かったです。

また、客入れパフォーマンスも健在ですし、プレミア席S席A席でそれぞれ前方後方選べたり…本編の内容だけでなく(内容だけでも十分勝負出来るとは思いますが)、公演全体で客を楽しませようとする姿勢が本当に素晴らしいと思います。

今後もその進化に魅せられていたい。

ネタバレBOX

今回も、個性的なキャラクター達は健在でした。
サボテンをはじめ、謎のフランス人やサソリやナップサックや馬…。
CR岡本物語さん、高田淳さん、古舘佑太郎さんのジャンゴ三兄弟のバランスがとても良くて、ブルースの物語ながらも、彼らの物語もしっかり描かれていたのが嬉しかった。
そういう意味では、サボテンジョー(サイショモンドダスト★さん)とフランソワ(小岩崎小恵さん)、マック(野口オリジナルさん)にももう少し、それぞれの特徴を活かした目立った活躍があったら良かったなぁと思いました。
(マックは活躍の場が無くは無かったのですが、やはりちょっと地味だったので)
特に、サボテンジョーが…個人的に凄くお気に入りだったので…。
ただ、この物語はあくまでブルース・レッドフィールドの物語であるので、あれ以上、別のキャラクターの物語を描いてしまうと、多分まとまりが悪くなってしまっただろうとも思います…難しい。
なので、そこまで目立った活躍の場が無い中でも、愛おしく思えるキャラクター達だったということで。
今後、スピンオフの物語が作られることを期待します。

渡辺徹さんのブルース・レッドフィールドと2人で物語の中心を担っていたヌータウこと加藤慎吾さんですが、最後の復讐のシーンなどは特に、渡辺徹さんにしっかりと付いて行っていたように思います。
作中、彼は2度しか笑いませんが、その2回が本当に印象にのこりました。
加藤さんの泣きそうな笑顔は、こちらの胸を鷲掴みにします。
また、スタンレイ・ボガード(横尾下下さん)も良かった。横尾さんは『犬コロ』に引き続き、主人公に真実を告げるとても重要なキャラクターを演じられていますが、それまでの楽しい雰囲気から一気に哀しい真実に連れて行ってくれる切な演技をされるので、とても好きです。
「見事な復讐だ」という台詞がとても印象に残っています。

そしてやっぱり、脚本が良い。目一杯笑わせながらも、最後には泣ける。
泣けるから良いという訳ではありませんが、PMC野郎は観た人の心に"なにか"を残して行きます。
たくさんの感情を揺さぶって行きます。
「復讐劇」と言えば、最後は復讐を果たす物が多いと思いますが、その結果は、新たな復讐を生み出すか、虚しい孤独を得るかのどちらかだと思います。
この作品は、復讐劇ながらも、復讐を遂げないラストを選んだのが本当に良かった。
「善人になりたい」と言いながらも、人を殺めるという選択を簡単にしてしまう、不器用で自分勝手な極悪人たち。一言で切り捨ててしまうのならば、自業自得だと思います。
でも、そんな悪人たちでも、愛を知り、許しあうことが出来れば、新たな憎しみを止めることが出来るのかもしれないと思わせてくれました。
最後には記憶を失うことを選びまた「一人ぼっち」になったブルース・レッドフィールドですが、彼は決して「独りぼっち」にはならなかったのです。

復讐劇であると同時に、家族との、仲間との、そして友との愛の物語だった。
悲しみや憎しみの連鎖を断ち切る事の出来る物があるとしたら、それはやっぱり、愛なのかもしれません。
軽い重箱

軽い重箱

殿様ランチ

新宿眼科画廊(東京都)

2015/01/11 (日) ~ 2015/01/21 (水)公演終了

満足度★★★

Aチームを観劇
投稿が随分と遅くなってしまいましたが、Aチームを観劇しました。

3つの短篇からなるこの作品ですが、タイトルにも『"軽い"重箱』とあるように、軽い感じで楽しめたと思います。
どの作品もゆったりと気楽に笑えました。杉岡あきこさんと橘麦さんが印象的。

ただ、オチがもやっとしたままの作品が多かったので、もしかしたらBチームも観ると、その辺りがハッキリとして更に面白くなったのかなと…。
日程が合わずBチームが観られなかったのでその辺りがわからず、残念でした。

「だいなし」/「本日昔噺」

「だいなし」/「本日昔噺」

劇団ウミダ

王子小劇場(東京都)

2015/01/08 (木) ~ 2015/01/12 (月)公演終了

満足度★★★

俺がやらなきゃ誰がやる
『本日昔噺』→『だいなし』の順で観劇しました。
『本日昔噺』だけでしたら、ちょっと中途半端で物足りないと感じる部分もありながらも、ドエンタメであんまり難しく考えずに楽しめばいい感じなんだなと思いましたが、『だいなし』の方も観ると、なんだか印象が変わりました。

2本合わせて、劇団ウミダによる『俺がやらなきゃ誰がやる企画』という公演、だったのではないでしょうか。
作品それぞれの内容というよりも、そういう作りになっているというところで、面白いものを観た、と思いました。

ただ、これはもう二度と出来ない作品でしょう。
この公演を経て、第二回公演以降、どのような作品をつくり上げるのかが気になります。それによって、今回の公演の印象も変わるのではないでしょうか。
次回に期待しています。

『ろりえ』

『ろりえ』

ろりえ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/12/26 (金) ~ 2014/12/30 (火)公演終了

満足度★★★★

ひとつの解答例
話自体は夏の頃の話でしたが、年の瀬の雰囲気になんだかぴったりな作品でした。
少しだけごちゃごちゃしすぎかなとも思いましたが、それでも全編通してどこか切ない空気があり、穏やかにしんみりとしてしまいました。
とは言え、笑いの方向性も私のツボで、たくさん笑えたので、観劇納めにぴったりだったなと思います。
どの劇団も、今後こんなことが無いとは言い切れない状況。それに対するひとつの解答例だったのかな、なんて。

舞台美術が、大きな飛び出す絵本→それを倒して舞台にする、というもので、チケットが図書館の貸し出しカード風なのも合わせて凄く良かったです。
そして、ろりえの4人が、それぞれとても魅力的で、惹かれずにいられなかった!

ネタバレBOX

「死んだ奴より、生きている私たちの方が偉いので」という言葉が、なんだかとても印象的でした。
(ニュアンスは合ってると思いますが、細かいところはうろ覚えですみません。)
マスターズラン

マスターズラン

ホチキス

劇場MOMO(東京都)

2014/12/23 (火) ~ 2014/12/28 (日)公演終了

満足度★★★★

ごちそうさまでした。
高田淳さんがゲストの回を観劇。
コメディからラブストーリー、サスペンスと色々な短編が楽しめましたが、どの話にも基本的には笑いが込められていたのが印象的でした。
どちらかというとゆるく気楽に笑える感じで、心地よかったです。
舞台の上にのれんのようなものがあり、そこにタイトル等が映されていたのですが、位置が高すぎて見辛かったのが残念。
「食べさせたくて」と「ラブストーリーは筑前煮」が好きでした。

風雲!チキン野郎城Ⅳ~導かれし者たち~

風雲!チキン野郎城Ⅳ~導かれし者たち~

ポップンマッシュルームチキン野郎

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2014/12/15 (月) ~ 2014/12/16 (火)公演終了

大人の馬鹿騒ぎ
風雲!チキン野郎城はⅠから参加していますが、やはり今回も、とても楽しかったです。
たくさん笑って、1年の嫌なことや辛いことがどうでもよくなれた気がします。

毎回くだらないことを大真面目にやる大人達。(お客さんも含めて)
企画自体も面白いとは思いますが、それをちゃんと真面目にやっているからこその面白さだと思います。
他でやったら怒られるだろうなーということをやってはいますが、ちゃんとするところはちゃんとしているからこそ、安心して笑うことが出来ます。
全裸とは言え、股間は決して見せないとか(笑)
開演時間もしっかりしていて、5分程度の遅れでもきちんと言ってくれるところに好感。

今回は久しぶりにゲストの方がいましたが、司会というある意味一番安全な場所に置くことで、そのゲストのファンで、PMC野郎初心者の方にも楽しみやすくしていたんじゃないかな…。
西田シャトナーさんの「浮気切り抜け王」は、ちょっとした短篇を観た気分になれました!

シカク

シカク

企画演劇集団ボクラ団義

サンモールスタジオ(東京都)

2014/12/18 (木) ~ 2014/12/28 (日)公演終了

満足度★★★★

日本語の面白さ
20日マチネを観劇。
男A→竹石さん、男B→沖野さん、男C→中村さん、女→大友さんの回でした。
4人とも、なかなかぴったりな配役に思えたので、別の回だとどうなってしまうのかが気になるところ。

メインの登場人物はほぼ4人で、その会話によってストーリーが進んでいくが、よく計算されていて、謎がどんどんと解けていくのがとても面白かったです。
面白かった、と軽く言ってしまうには、重すぎる気もしますが…。

ただ、台詞を噛んだり、一瞬飛ばしたりということがほんの少し多く感じられて気になってしまったのと、個人的にはストーリーのラストがいまいちスッキリしなかったのが残念でした。
とは言え、十二分に楽しめたと思います。

回によってキャストが違う、というこのスタイルは、とてもおもしろいものだったと思います。
ですが、やはり回によってクオリティに差が出てしまうと思いますし、何度も観るには体力と気力を使う話だったと思うので、役者の力量や見た目の印象など、もろもろを加味してキャスティングされ、そしてそれ一本に向けて稽古された「完全版」で観てみたい。

ネタバレBOX

登場人物達が口にする「シカク」が、どの変換の「シカク」なのかを考えながら観るととても面白いと思います。
日本語だからこその面白さだし、その日本語をしっかりと操ることができている久保田さんは流石。

たくさん貼られた伏線をきちんと回収し、序盤では「?」なシーンも、ちゃんと後で理解できてスッキリする、という見事な作りになっていました。

女の癖が、「確かにやってた…!」と思えるものであり、また、男Bが臓器移植をされていて記憶がある、ということの伏線がもう少し序盤から描かれていたら更に良かったかな、と思いますが、具体的には思いつかないので、それはすこしこちらの欲張りすぎかな。

上段にも書きましたが、ラストだけがイマイチすっきりしません。
男Bは結局何故死んだのか…。
「シカクが無い」と言いましたが、全てを理解した上での自殺…?
私の理解力が無いだけかもしれませんが…あのあたりの、4人の心情がイマイチ理解出来なかったので、その後の展開も「?」となってしまいました。
それまでがしっかりと「?」の部分もスッキリさせてくれていたからこそ、そこも納得がいくものにして欲しかったのかもしれません。

思い返してみると、四だけど、見方によっては五にも見えるし、でもやっぱり三のような気もする。
なんだか不思議な感覚です。
自己中カルテット

自己中カルテット

カミナリフラッシュバックスと、まの。

nakano f(東京都)

2014/12/11 (木) ~ 2014/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★

肉チーム
個性豊かだけれども、どこかにいそうな気もしなくはないキャラクター達がとても良かったです。
60分と短めの公演時間ですが、会話劇だけど飽きることなく、あっという間に時間が過ぎました。役者さんたちの勢いが上手く噛み合っていた感じ。

生きてゆくために、みんな自分勝手に嘘でつくった鎧を着て頑張っているんだなぁ、なんて、思ってみたり。
そういう意味では、登場人物たちのことはそんなに「自己中」だとは感じなかったかもしれません。

ネタバレBOX

冒頭のAVについてとサッカーについての会話が、何故か噛み合ってしまっているあたり。わりと始めのほうで「これはサッカーの話ではないな…?」と気がついたので、上手いなぁとにやにや聞いてしまいました。
そして、そのAVに詳しい客が、後々の伏線になっているとは…。

男性陣の自己中な秘密に比べ、女性陣の方の秘密がなかなかに重いのが印象的でした。
不倫だったり、AV出演だったり…。
亡き社長の妻・ようこの最後の「お金がたくさん入ってくる」という発言も、もしかしてそれを狙って…?と思わずにいられなかった。
女って怖い。(笑)
ミラージュ・イン・スチームパンク

ミラージュ・イン・スチームパンク

X-QUEST

王子小劇場(東京都)

2014/11/27 (木) ~ 2014/12/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

熱い蜃気楼
前作の『ベニクラゲマン』が初見で、その時には「殺陣やダンスは凄いけれどストーリーがわかりにくすぎる」と書いた覚えが有ります。
ですが、今作ではそのキレキレの殺陣やダンスに、しっかりと物語も伴っていました。そしてその物語がとても好みでした!
衣装も全員の背中に羽根があったりと細かく作られていて観ていて楽しかったですし、音楽も好みでした。
熱く切なく、胸をぎゅっと掴まれる舞台だったと思います。もう一度別の席から観てみたかったです。

ネタバレBOX

初めのうちはやっぱりちょっとストーリーがわからないと思っていたのですが、そのまとめ方がとても上手かったと思います。
全ては主人公ピノキオの作り出した絵空事…。
ラストは、そのまま生き続け、シンキロウとの思い出を紡ぎ続けていくという終わり方…。バッドエンドではないと思いますが、ハッピーエンドとも言い切れない、良いビターエンドでした。そんな中で笑顔のピノキオとシンキロウが切なくて仕方がない…。
塩崎こうせいさんの演技は本当にいつも熱くて引きこまれます。
(あえて言うならば、ピノキオの衣装は前作のピノキオの衣装の方が好みだったなぁなんて思いました。スチームパンク感もあるし…)

登場人物の中では、大佐(高田淳さん)とビビアン(小玉久仁子さん)のコンビがとても好きでした。個人的にずっとツボで笑ってしまったのがブルーフェアリー(野地春秋さん)。

次回作は再演とのことですが、楽しみにしています。
喜劇王暗殺

喜劇王暗殺

トツゲキ倶楽部

d-倉庫(東京都)

2014/12/03 (水) ~ 2014/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

心温まるコメディ
五・一五事件をちょっとだけふまえたコメディ。
史実を改めてしっかり調べなくてはわからない、なんてこともなくしっかりと楽しめました。
まさに「もしかしたらこんなことがあったかも知れない」と思わせてくれる物語だったと思います。

ネタバレBOX

その時代を明るく生きていた人たちなんだな、と登場人物達が愛おしくなり、そしてとても心温まりました。
ゴダイ(佐竹リサさん)とイシハマ(前田彩香さん)の二人組が、映画がすきだったり占いが好きだったりな「ちょっとミーハーな女子」という感じが出ていて、とても良かったです。
出演者の皆さんの演技力も安定していて、すごく安心できて観やすい作品だったと思います。

あとはもう個人的な好みなのですが、よく出来ていてスッと入ってきた分、あまり残らずにスッと終わってしまった感じがして、少しだけ物足りなかった気が…。
でもそれだけ「実際にあったかもしれない」という意味で、リアルにクオリティが高かったのかとも思います。
狂犬百景

狂犬百景

MU

Vacant(東京都)

2014/11/23 (日) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★

非日常が日常に変わる
狂犬に囲まれた東京を舞台に繰り広げられる4つの物語。
「町に狂犬があふれている」という非日常的な状況のはずなのに、登場人物からそこまでの「非日常感」を感じなかったのが凄く印象的でした。
すべて室内の物語でしたが、外の状況がなんとなく把握できます。1話から4話の間にじわじわと状況が変わっていたのですが、それぞれその状態に適応してしまっているというか…。
いくら狂犬であろうと、結局は犬だから、なのかもしれません。「人間は犬より優位に立っている」という無意識の認識が、そうさせているのか…などといろいろ考えさせてもらえました。面白かったです。

ただ、やはりちょっと長かったので、もう少しコンパクトに纏めて欲しかった。
開演前と休憩時間が凄く押したので、私が行った回は、結局終演が30分位押しました。
トイレの少ない会場ですし、もう少し短めにして、休憩時間無しにした方が良かったのでは無いでしょうか。

ネタバレBOX

3話の4人組が好きでした。
彼らだけが、自分が狂っているという認識をもっていたからです。
格好つけの「狂っている」かもしれませんが、他の登場人物たちも、こちらから見たらどこかしら狂っているように感じられたのです。
やってることは酷いかもしれないけれど、愛護をうたいながら故意に犬を狂犬病にしている人たちよりは、自覚があるだけマシなんじゃないかなと。

それから、余談ですが、2話で井神沙恵さんが演じられていた凛みたいな女性は、男性にモテるんだろうなぁなどと思いました。
小さな楽園

小さな楽園

ケムリノケムリ

遊空間がざびぃ(東京都)

2014/11/06 (木) ~ 2014/11/09 (日)公演終了

満足度★★★

共感は出来なかったけれども
あまり「子どもがほしい」という願望がないタイプなため、「子どもがほしい」と願うナミにあまり共感は出来ませんでした。むしろ、男性陣の考えに共感してしまったくらい。
でも逆に、「こういう風に考えている人もいるんだな」と自然に納得が出来て、共感できなかったからつまらなかった、ということはなかったと思います。
ナミをPMC野郎の小岩崎小恵さんが演じられていましたが、本当に子どもを作ることに拘っている子に見えて、正直ぞっとしました(笑)
そして、主演の瀬川ももえさんが、本当に身体が大きいだけの小学生に感じられた。

座席が、奥の方に入ってしまうと出るのに凄く一苦労な席があり、自由席なのに奥の方に詰めるように言われてしまったのが、仕方がないとは言え、なんとなく引っかかりました。

ネタバレBOX

最終的には良い話だったと思いますが、ナミとその現在の夫の馴れ初めが、正直引っかかりました。
子どもを持てれば、別段愛している相手じゃなくても結婚できるものなのでしょうか…。
子どもがいれば、愛はあとからついてくるという事?
人それぞれだろうとは思いますが、なんとなく、怖かったです。
Blue fish

Blue fish

男〆天魚

劇場MOMO(東京都)

2014/10/21 (火) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★

貫く格好良さ
観劇から、随分と間が空いてしまいすみません。

夢を追い続ける男(おっさん)達の、ダサい格好良さを描いていました。
過去の栄光を忘れられない不格好な男たちでしたが、不格好さも貫けば格好良くなるんだなと…。
その不格好さを、男〆天魚のお三方がうまく演じられていたと思う。
ただ、どちらかと言うと、男たちのその後が少しだけでも描かれていた方が好みでした。
結局、そのまま一時の輝きを忘れられずにいるのか、それともすっぱり諦めたのか…。

メインは男三人ですが、女性キャラがみんなそれぞれはっきりとキャラ立ちしていて、それを女優さん達がしっかりと演じられていたのが印象的でした。

ネタバレBOX

タイトルのBlue fishはどこから来ているのかが気になりました。
Blue fish→青魚→鰯→サーディンズ?
ハッピーちゃん

ハッピーちゃん

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★

ストーリーが物足りない
オープニングやエンディングのダンスや、全体的にワイワイと明るい感じが、「コメディ」感にあふれていて良かったと思います。
役者たちの熱量も感じられました。

でも、肝心のストーリーが物足りなかった。
以下、ネタバレにて。

ネタバレBOX

本来ならば重要なポイントであろう「何故お掃除ロボットを憎むのか」などが、一瞬台詞で説明される程度できちんと描かれません。
「コメディだから細かいことはいいんだ!」ということなのかもしれませんが、個人的にはそういうのはあまり好みではありませんし、だったらもう「生理的に受け付けない」とかそういう理由でも良かったのではないでしょうか。

最後の早口で今後の展開を説明するという部分が、蛇足だと思うのです。
全体的にテンションが高く楽しそうだったのですが、結局何が描きたかったのかわかりませんでした。

それから、ここからは好みの問題になるかと思いますが、ラストで「ハッピーちゃん」が日高ゆいさんの姿になってしまうのが、凄く残念でした。
それが笑いどころなんだとは理解出来ますが、そこまで観てきて、観客としても愛着が湧いてきていたのは小早島モルさんの「ハッピーちゃん」だったので…。
I LOVE LIFE

I LOVE LIFE

空飛ぶ猫☆魂

小劇場B1(東京都)

2014/10/11 (土) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★

雨のち、奇跡
絡み合った4つの短篇で構成された物語。
最後まで観ることで、初めのうちの物語での行動などが、「こういうことだったのか」とわかってくるという作りはとても好きなので、そういう意味では楽しかったです。
物語の大筋も、よても良い話で好みでした。

ただ、初めの方の話が特にテンポが悪く感じました。
わざとそういう演出にしているのかもしれませんが、イマイチ盛り上がりに欠けていたため、観ていてダレます。(ちょっと眠くなる…)
4話はテンポがよくて、観ていて面白かったので、それに救われていたように思いました。

日替わりゲストに関しては、自由度が高く、それぞれのゲストごとの色を出しやすい感じでした。
なので、その分少しふわふわしてしまっていましたし、ゲスト劇団のことが好きな人は楽しめますが、ゲスト劇団を知らない人からしたらポカーンだったかも…。

ネタバレBOX

1~3話は雨がやむ前の「人生に期待しない」ところまでで終わり、4話で、その裏で起こっていたことが描かれ、そしてその先の、雨が上がり、奇跡が起こるところまでが描かれます。
しかし、2話だけ、奇跡の先まで描かれてしまっていました。
4話で全てをまとめるのは難しかったのかとも思いますが、そこは2話も雨がやむ前までで一度切ってあったほうが、最終的なまとまり具合も良かったのではないかと思いました。

「神様」こと邦岡(吹原幸太さん)とその監視役・後藤(福地教光さん)の掛け合いがとても良かったです。
テンポが良く、観ていてすごく楽しかった。お二人の共演がまた観てみたいです。
U&D&O

U&D&O

おぼんろ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★

ベッドサイド・コメディ
「ベッド・サイドコメディ」というジャンルにふさわしい優しい物語だったように思います。

こちらの劇団も、「コメディフェスティバル」ということに限って観てしまうと、笑える要素は物足りなかったように思います。
むしろ、その笑いを目指して入れた要素が、物語の邪魔をしてしまっているように感じました。
ですが、ストーリーは本当に優しくて美しいものでしたし、お二人共とても良い演技をされていました。とくにわかばやしさんが素晴らしかったです。
心に残る物語でした。

今回のフェスティバルで一番「本公演を観てみたい」と思ったのは、おぼんろかもしれません。

シャンタンスープ

シャンタンスープ

バンタムクラスステージ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

安定した役者力
コメディかどうかは一旦おいておいて、純粋にひとつの作品として面白かった。バンタムさんの作品を観るのはまだ3本目程度ですが、今のところ一番すきです。
出ている役者さん達がみんな力のある方だなと感じました。安心して観ることが出来ます。

ネタバレBOX

お笑いのネタがどうにもひとつも合わなかったため、笑えたかどうかと言われれば笑えなかったんですが、見応えがあって面白かったです。
「コンゴじゃなくて〜」のくだりの台詞がピンと来なかったため、終わり方がなんとなくふわっとしてたかな…という印象は受けましたが。

出演者が良かったと書きましたが、その中でもマネージャー役の土屋兼久さんが抜群に良かった。あのウザさと冷酷さの絶妙なバランスは最高です。
前作の『Jack moment.』にも出演されていましたが、その時の役とはまた全然違っていたので、そこギャップも含めて凄い。

バンタムさんには「なんとなく洋画っぽい」というイメージしか持てていなかったのですが、今回コメディに初挑戦してくれたおかげで、新しい魅力に気付けた気がします。今後の作品に、更に期待しています。
出会わなければよかったふたり

出会わなければよかったふたり

Aga-risk Entertainment

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★

よくまとまっている
時間移動ものだけど、日常から離れすぎずに、一発ギャグ的ではない笑いで笑わせる…という感じで、凄く賢い方が脚本を書いているんだなととても思いました。
全体的によくまとまっていたなと思います。
ただ、よくも悪くも無難だなーという印象をうけました。

ネタバレBOX

よく出来ているなと思いながらも、主人公の恋愛観?に全く共感が出来なかったし、元々「男女の恋愛」を大きなメインに掲げている物語が好みでないため、そこまで楽しめませんでした。
ぐだぐだやってないで、最初から「タイムスリップして来ている」と伝えてしまえば良かったじゃないかと思ってしまうのです。元も子もないのですが。
それに、20歳と29歳なら、見た目にも結構変化がありそうなものですが、それには一切触れないのが気になります。さっきまで会っていた彼氏が一気に9歳も老けて気にならないものなんでしょうか?
キャラクター達もなんだかそれぞれにあまり特徴がなくて、印象が薄い。

ただ、この辺りは完全に、好みの問題なんだろうと思います。
申し訳ないですが、同じ時間移動でも『時をかける稽古場』の方が好みでした。

良い話なんだろうなーとは思いますが、なんだかこう、物足りなかったです。
ゲキバカ・ディスティニーランド

ゲキバカ・ディスティニーランド

ゲキバカ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★

雑さを感じました
申し訳ないのですが、全く笑えませんでした…。
笑わせようとしているのはわかるのですが、なんとなくその笑いがクドいというか、一発ギャグを散りばめている、という感じで、演劇としておもしろいとは思いません。
脚本等になんとなく雑さを感じてしまいました。

ネタバレBOX

下ネタが多いという事自体は別に良いと思いますが、笑いのポイントのほとんどがそうなのはちょっと…。
主人公の顔のメイクにも必要を感じませんでした。
なんとなく、「コメディ」というよりも「コント」だと思います。
話の大筋は最後はしんみりする感じで良い話でしたし、出演者のお三方はそれぞれ熱演していたので、もったいない…。

クリスマスソングとして『フォアローゼス』の時のオリジナル曲を使っていましたが、あれは探偵同士だし、実は世界観が繋がっていた、なんて裏設定があったりするのでしょうか?
そうでないのなら、探偵である必要もあまり感じなかったかな…。
(そうだとしても、あまり活きている設定ではないと思いましたが)

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