コントだョ!全員集合
ぽこぽこクラブ
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2019/05/23 (木) ~ 2019/05/26 (日)公演終了
満足度★★★★
ぽこぽこコントクラブ「コントだよ!全員集合その1」@下北沢亭マチネコント公演マチネ上映会「泡の国」コントときくと「お笑い」って普通イメージすると思う。私の中のコントは何個か種類があって、皮肉や、風刺的な意味合いを持たせたコントだったり、不条理なシチュエーションを楽しむコントだったりする。今回の「コント」は「臨場感のある、志村、うしろ!うしろ!」と観ている観客とある意味一緒に楽しむコント公演だったと初日を観て、おもった。コントって、一個、一個が塊のエネルギーが濃いので沢山あると、少しヘビーなイメージが個人的にはある。なので、今回のコント公演、あと、2項目減らした構成にしても良かったんではないかと感じた。色々「挑戦したい」という意気込みでこの構成となったと聞いたが。コントを文章で説明するのは、無粋な感じがするので、ある意味体感してもらったほうが勿論一番よい。ただ、少し初日を観たうえで・・。「笑われる」と「笑わせる」は違う。台詞の甘噛みや、演出意図とは違う事で起こる「笑い」は「笑われる」と思ってる。きちんと意図をもったものでのアクシデントは「笑わせる」コント公演の演目の中ではある演目(バイトねた)が個人的に構成、ネタ、演者のバランス、が良かった。徐々に弱→強のネタのボケ方が無理なく、面白かった。どうしても好きな俳優さん方がやっているとそれだけで面白いと思ってしまいがち。そこは観劇する自分も注意しなくてはいけない面だとおもう。今後、「コント」をやっていくのなら「段取り」を「段取り」にみえないくらいスムーズな芝居でコントをしてほしい。私がみていたドリフターズなどのコントは毎週公開観覧収録であのクオリティのコントをやっていた。今では有名な脚本家の方が多く、ホンを書いていたと聞く。そのホンを忙しいドリフターズの皆さんはきっちり仕上げている。勿論、長くやっていたので固定の設定キャラクター(いかりや長介さんのお母さんとか)もいるが、そこも、確かな実力でのコントがあの長寿番組を作ったのだと思う。プロとしての仕事をお茶の間へ届けてくれていたんだなーと、思った。ぽこぽこクラブも、目指すところはそこまでいけると嬉しいと思ってます。23日はゲストが小沢道成さん。良い感じに丸投げされた設定をパワーでかえしてました。物販も新しいTシャツなども登場してました。
5/24
コント公演マチネ
上映会『世界と戦う準備はできてるか?』
今回日替わりゲストが出演するが、24日は佃井皆美さん。
虚構の劇団公演に客演された際、拝見しているが
やはり、とてもキュートな俳優さん。
詳しくは存じ上げないが
「オン」と「オフ」のギャップなど、とても、身体を違った意味で張った客演だった。
23日初日とゲストが出演する項目がいくつか変わってたのも面白い。
今回のコント台本、60%が渡辺芳博さん、40%が三上陽永さんが書かれたとのこと。
ホンの特徴など、観ていると何となくわかるのかもしれない。
某演目の高橋玄太さんが演じるキャラクターが何度か観ていると「メンタル強くないと結構出来ない役だな~」と昨日思った。
上映会は『世界と戦う準備はできてるか?』。
この作品は陰影の効果に驚かされた公演だったなと観返しながら思った。
心理描写など当てている光の強弱や、その光によって生まれる「影」がもう一人の登場人物のように感じる場面がいくつもあった。
今までお茶らけていた兄が急に(兄としてはずっと、計画していたことだが)
テロリストに対しての攻撃を表明する場面。
徐々に兄の影が大きくなり、恐ろしい生き物を映し出すような照明だったのが
当時もとても印象に残った。
坂本さんと高橋さんのギターと歌を合わせる場面。
なんでもないごく普通の風景なのに
とても、大切な,温かい、場面で涙が出てきた。
他の場面がみんな、しんどい中生きてるから、あの時間が泣けてきたのかもしれない。
そして、ライブの場面。
今作は杉浦一輝さんが書いたものだが、アフタートークで
色んな実話を参考にして物語が紡がれていると話していた。
そんなことを数年たってから、改めて聴く機会があってよかった。
カケコミウッタエ
日本のラジオ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2019/05/25 (土) ~ 2019/06/02 (日)公演終了
日本のラジオ『カケコミウッタエ』@三鷹市芸術文化センター星のホール5/29マチネ観劇
太宰治の本、昔読んだ記憶があったが、観る前にもう一回読んでおけば良かった。
あと、登場人物に気持ちを置くことが難しい作品は、自分は苦手なんだとわかった。
距離を置いて観るには、自分的に準備が必要だった.
本公演は、初めてで、申し訳ない感じですが、何だろ。今日の私の体調というか、気持ちで観たのが良くなかったかも。俳優陣は、力ある人ばかりだった。舞台の流れを感じようとして自分も掴もうとしてるけど
掴めず、どんどん流れて、濁流になってぷくぷくと溺れた。
名瀬の人間ぽくない浮世感。
粕井の至極常識人の典型のような感じ。最初は。
後半の、崩れていく感じは、ぞくっとした。
嫌いではない。
可動する舞台美術。
動く俳優。
変化する感情。
もっと、私が
感じ取れたらよかったのにと。
最後、あの位置に名瀬が居るのは、張り付けられたからなのか?
何となく、そう見えた気がする
ゴドーを待ちながら
KAAT神奈川芸術劇場
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2019/06/12 (水) ~ 2019/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
面白かった!!!なんだか、飛び出す絵本のような、なんていうんだろう。ある種、「退屈」を俯瞰するところもある戯曲であるのに、「え?なんと!」とか、「こーきた?」とか、どきどきする演出だった。今回は、大高洋夫さんのご出演ということで、観劇を決めたが、演技も、演出も、訳も、舞台美術も、ある種、ベケットの戯曲を楽しんでやっている印象。
いやー、面白かった。
今回舞台が円形。それを取り囲むように客席。私たち、観客は俯瞰で観ながらも、ふとした瞬間にこの物語の中に溶け込む。舞台にいる二人からは観客の私たちも「待っている」なにかなのだと。ある意味簡素な舞台美術にみえるが、よくよく、観てほしい。コンクリートの隙間から延びる雑草、無遠慮に捨てられた吸い殻、誰かの旅を途中でやめた時に脱ぎ捨てられた靴、いろんな破片が散らばっている。好きな舞台美術だった。
演出上、あのようになったとは思うが。従来、ウラジミールとエストラゴンは年齢がいってるのだが、観ながら、時折少年のような小宮さんと大高さんのはつらつとしていて、尚且つ、ウラジミール(大高洋夫)のエストラゴン(小宮孝泰)への友情のような、母の愛のような、終始、嘆くエストラゴンをフォローする感じが優しいあたたかな空気を持っていて、大高さんの笑顔と一緒にとても素敵だった。より、二人の性格と関係性が浮かび上がる演技だったと思う。「待つこと」は「寂しい」でも、「待つこと」しかできない。誰が現れて、どうなるのか。明言されてないが、人は待ってしまうものなのかな?と改めて思った。自分で動くのは勇気が必要。文句を言いながら、待つことを選ぶ方が少し、楽なのかもしれない。来ないかもしれない「ゴドー」を待つ間は、退屈だけど、他者に責任をゆだねて自分の存在意義を確認できるのかも。私は誰を待ってるのかな?
そして、KAATの劇場スタッフの方は、いつも細やかな対応で気持ちがよい。
予想よりも、かなり、面白かったし、大高洋夫さんの素敵度数の高さに、倒れそうでした。
お怪我なく、楽まで善き公演になりますように。
もう一回、ジジや、ゴゴに逢いたくなってきた。
昭和・平成ver.を是非、観てほしい。
私が高校生時代に心打ちぬかれた大高洋夫さんがとても、素敵すぎる舞台だから。新訳も、演出も、共演者の皆様も、この舞台は凄い。kaat.jp/d/Godot
今回の翻訳は私が以前買ったものより、かなり、現代の言葉に近く
耳に入り易くなっていた。ただ、個人的にはラッキーの「考えろ」と言われて、突如朗々とあの長い台詞を言う場面は物足りなかった。
1つの部屋のいくつかの生活
オフィス上の空
吉祥寺シアター(東京都)
2019/04/06 (土) ~ 2019/04/14 (日)公演終了
満足度★★★
Straw&Berry『サイケデリック』60分。
どきどきしたし、涙もでたし、切ないし、綺麗だし、優しいし、ずるいし、遠いし、戻ってこないし、可愛いいし、キラキラしてるし、
だから、自分の下手くそな言葉で語りたくない物語だった。
新作・好き。
河西さんの「普通」の「会話」の「演出」が群を抜いてこの物語を作り出し、そこに応えた俳優陣。「ウロボロス」の時にもあったが、今作はダークさが無い。
初見で今作を観たら、本公演を観たくなると思った。だから、ずるいし、巧い。最後の場面、問いかける。ふたり(ひとり)の後ろ姿。その問いの答えは、私ならどう、答えるか?
アガリスクエンターテイメント『エクストリーム・シチュエーションコメディ(kcal)』
お・も・し・ろ・い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
きちんと、コメディー。この振り切り具合が中途半端なものは、ぐだぐだになってしまうので、本当に、コメディーで「面白い」ということは技量が必要だと観ながら思った。面白い!
鵺的『修羅』
この企画だから、この作品なのかと思うほど。初見のヒトにも劇団のカラーを拒否反応なく示した公演だった。勿論、俳優陣が巧いことは当たり前だが、緩まして、油断させて、毒を盛られるってイメージだった。
かわいいコンビニ店員飯田さん『我がために夜は明けぬ』
すみません。観終わって、「よくわからない」というのが第一印象。物語は追いながら「こうゆう設定かな?このひとはこんな立場かな?」と追うのが少し疲れてしまった。
わからない」というか「観客にまるっとなげて、舞台上はすすむよ、どこまでも」という感じ。普段あまり言わないが、出演者の方に「わからなかった」と言ってしまった。
伯爵のおるすばん
Mrs.fictions
吉祥寺シアター(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
Mrs.fictions『伯爵のおるすばん』 - すきなものあれこれ・・・。 https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37309819.html … #ブログ #日記
パラドックス定数第45項 「Das Orchester」
パラドックス定数
シアター風姿花伝(東京都)
2019/03/19 (火) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
パラドックス定数『Das Orchester』 - すきなものあれこれ・・・。
https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37309843.html … #ブログ #日記
喫茶ティファニー
ホエイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2019/04/11 (木) ~ 2019/04/21 (日)公演終了
満足度★★★
日常からある意味「非」日常を観ることが多いのが演劇だと思うが、今作は
なんというか、意識してない自分にありえる日常の物語。
私は何かしら、誰かしらに、「差別」という行為を無意識にしているのだと思った。「差別」ということを区別」という言葉に置き換えて。
出自にまつわることや、性別や、生活レベルの事や、様々な事柄で人は、自分は「差別」をしている。劇中に「あなたになにか迷惑をかけたのか?」という台詞があったが、そう、そこなのだ。「差別」する人に「差別」される人は何かしたか?そうではなく、「○○だから」という事だけで「人柄」「能力」関係なく始まるのが「差別」。105分、そこは想像の世界では無く、ごくありふれた世界。世の中には、差別が溢れていて、それが「良くないこと」と教えないと分からない世界になった。
わかったつもりで語るのも変だし、でも、確かに観たことでなにか、自分の中に思うことは増えたとおもう。
その町
コヒツジズ
OFF OFFシアター(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★
初見。120分。
「コント」と「演劇」を彷徨える集団とのフレーズにわくわくしながら観劇。
今公演は開演15分前には着席されたほうが、より楽しめると思う。
わくわく度数がもっとあがる。
「コント」と聞くと「お笑い」感が強いイメージだが、きちんと伏線を回収していき、「場面」としてちりばめられた事柄が「物語」となっていった。
ある意味、とても、観易い、作品となっている。
劇伴での立体映画館の池崎浩士さん。
素晴らしい。
今作初見の方ばかりだったが、「どらやき」が物凄くお気に入りです。
「コント」は難しい。私はシティボーイズが好きなのだが、「笑わせる」のは難しいと思う。
「笑われる」のではなく「笑わせる」。
きちんとしたものが無いと成立しないと思う。
今作は成立していた。
個々の配役の生きるホンとその具現化の俳優陣。そして、立体映画館の「音楽家」の池崎浩士さん。
三位一体でとても、面白かった。
17日まで公演中。
15分前からパフォーマンスをされている立体映画館(池崎浩士さん)本日は少し開演が押したので(でも3分くらい)客席と妙な一体感が生まれたのも楽しかったです。たかが、数分と思うけど、結構大変だなー。
あと、開演前の立体映画館(池崎浩士さん)演奏時、わずかですが、素敵な演奏に投げ銭させて頂きました。入れるタイミングが分からず、ずっと500円玉握りしめてた。人生初・投げ銭(LIVEとかで)音源購入。
劇中は、演奏の際に歌詞のあるものは、笛?ぶぃーぶぃーとなる楽器で、台詞を邪魔しないバランスの音量で歌っていたのが、考えられてるなーと、思った。
あくまでも、バランスが大事。絶妙。
遺作
江古田のガールズ
「劇」小劇場(東京都)
2019/01/09 (水) ~ 2019/01/13 (日)公演終了
満足度★★★★
今回山崎丸光さんご出演ということで観劇。劇団名はよくきいてたが、どんな感じなんだろう??と情報ないままでしたが、
要所、要所で「こーやるのか!」とある意味ぶちこんでくる感じだった。
笑うんだけど、結構、一般人の私でもなんだがこんなことあったら、やばい・・と変なリンクを感じた。すすむにつれて、どこが区切りなのかなんだが、どの「はなし」が本当なのかこんがらがってくる気もした。いやー、でも、面白かった。今年初観劇。良い観劇になった。昨年、いくつかの劇団でも起こった上演中止、延期などを観客側の私は思い返してしまう題材。作中にでてきた「責任」。確かに「期日までに収める(公演をキチンを行えるようにする)」ことは必須だとは思う。実際、自分も予定を調整し、チケットを買い、楽しみにしていた公演が中止や、延期になった時の気持ちは「怒り」もあり、「悲しみ」もある。その「怒り」をぶつける先は「きちんと納期を守らない人間」に向かってしまう。物凄く難しいが「良いものを作るために納得のいかないもの」を発表したくない。その気持ちも理解はできる。「追い込まれたプレッシャーで」とか勿論わかる。今作のラストは「自殺」と思われた主宰が実は「事故死」だったという形で終わるがそこにたどり着くまでの、間、間のトラップのような「演劇あるある」というか「演劇のあんまみちゃいけない部分」を観客である私はゆるいジェットコースターに乗ったようにアップダウンしながら観ているかんじだった。演劇は虚構。そんなことをもう一回認識したかんじのホンでもあった。作り上げては、公演がおわったら、波にさらわれた砂山みたいに綺麗に痕跡がない。虚構のかけらもそこには落ちてない。このホンはそんな気持ちに観終わって思わせた。こういうの、嫌いじゃないなと。考える、持ち帰る演劇も好きだけどこういったのも、悪くないし、好きだな。色んな劇団や、映画などの「オマージュ」(一応)は笑う人もいれば「なんて失礼なこと!」と嫌悪するひともいるかもだが私は笑ってしまった。某アマヤドリの場面は「ああ、初演バージョンでこの台詞はコロさんかな?」とか思ったり。サザエさんの場面は、ある意味、べたといえばべただがかなり、ずるい。こういったものも、上手い方々だと最高に面白い。タラちゃんの走る音の効果音探してしまった。最小限の舞台美術で展開されるのだが、あの上から首吊りの輪と、最後のあの骨壺、絶妙な配置にぞくっとした。
あと、ほのかに香のかおりがしたのは、私の気のせいかしら・・・。
あと観劇した際に
受付の女性スタッフの方がとても、感じがよかった。私はあまりきいたことが無くって新鮮だったのが当日券もあるということを劇場前に歩いてる人にもアピールしていた。ロビーの構造的に可能なかんじだったのだろう。
「あつまれ!『くろねこちゃんとベージュねこちゃん』まつり」
DULL-COLORED POP
サンモールスタジオ(東京都)
2019/02/14 (木) ~ 2019/02/24 (日)公演終了
満足度★★★
前回の再演を観ており、内容は知っていたが、「どぁあ!!」と心の声を漏らした。演出、演者で、変わる。井上まま、塚越ぱぱ、最強。
私は、女だが、前回公演も、お父さんに涙した。今回も、あかんかった。このホンは、凄いな。ほんに。
あー、ぐるぐる回ってしまう。反芻しよう。今回初めて春名風花さん拝見したのですが、いい意味で期待を裏切られたというか。どんな演技するのだろう?可愛い感じかな?と。でも、違った。結構、他の俳優にない。台詞を音にする際の空気の持たせ方、溜め方が絶妙だった。表情を見せなくても、その「音(台詞)」でその表情を伝えるような演技だった。うまく言えないけど。ぐっと、きた場面があった。とにもかくにも、劇団員のパワーを浴びたし、新しい俳優のいろ「色」も観ることができた、善き公演だった。
他も観たい・・。
ごんべい/ごんべい2
ゲキバカ
吉祥寺シアター(東京都)
2019/01/12 (土) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★
柿ノ木さんのホンは、「人がもつ感情の柔らかさ」を最後に感じる。
誰かを想い、想われる。そんな物語が常に感じるから、好きです。
ゲキバカの舞台はとても、観る私を楽しませてくれるエンターテイメントであるが、ただのお祭りで終わらない。本当の「悪」がもたらした「悪」の連鎖。でも、最初の「悪」もなりたくってなったわけではないはず。そして、「孤独」な中での触れた柔らかい気持ちがと、好きで、好きで、堪らないからこそ、選んでしまった最後なのかとも思った。
カーテンを閉じたまま
Ammo
シアター風姿花伝(東京都)
2019/02/14 (木) ~ 2019/02/19 (火)公演終了
満足度★★★
観たいと思っていた劇団。やっと、今回観劇。私が住んでいるのは日本。ごく普通の毎日を送っている。虐殺も、戦争も、革命も、貧困も、人種による差別や迫害も、ある意味隣り合わせでないし、深く考える事がない。そんな私が観た今作。大きな殺戮を行ったポルポトの若き日の話。ポルポト、名前は聞いたことあるけど、詳しくは知らない。ただ、確実に狂っている事。言い方があってるかどうかはわからないが、私はそう感じた。頭が良いのかもしれない。根底にある「平等で格差や階級のない社会、財は皆で分け合うもの」というのが共産主義の考え。それはひとつの考え方であってよいものだとおもう。しかし、極端なポルポトの政策はある種「自分に都合の良い人種を作り上げる」という感じがする。そう、今作のように「自分に都合の良い組織を作り上げる」恐怖を若き日のサロット・サル、のちのポルポトは行った。俯瞰で観る私からは「なぜ、あそこまで確固たる信念・思想がある人さえも洗脳出来えたのか?」疑問だった。実際のポルポトはそうだったのかもしれない。でも、少し今作ではその「なぜ?」を感じるまでのポルポトが私には伝わってこなかった。劇中の中でのポルポトが徐々に行う方法。私たちの身近でもあり得る。クラスでいじめにあったとき、主犯格はまず、私の周りの友人から私を引き離す。複数で私を中傷するような話をする。ただ、最終的に主犯格に服従させるか、させないか、そこが違う。いじめはあくまでもその対象者をいじめるだけ。イム・ソテア(前園あかり)が回想することで、すすむ今作。
私は、彼女の老いて、過去の区切りをつけたくてもつけられない
もう、やり直すことのできないあの時代を想い出す横顔に、最後の叫びに
ただ、苦しい気持ちが伝わり、悲しくなった。
重い題材だが、劇中劇の際のクアン・シパン(大原研二)の良いバランスの柔らかさの演技、弁護士としての真摯な演技。絶妙な味付けの大原さんだった。
初めてのAmmo。出来れば、また次も拝見したいとおもう。
ピルグリム2019
サードステージ
シアターサンモール(東京都)
2019/02/22 (金) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
遺作
江古田のガールズ
「劇」小劇場(東京都)
2019/01/09 (水) ~ 2019/01/13 (日)公演終了
満足度★★★★
今回山崎丸光さんご出演ということで観劇。
劇団名はよくきいてたが、どんな感じなんだろう??と情報ないままでしたが、
要所、要所で「こーやるのか!」とある意味ぶちこんでくる感じだった。
笑うんだけど、結構、一般人の私でもなんだが
こんなことあったら、やばい・・と変なリンクを感じた。
すすむにつれて、どこが区切りなのかなんだが、どの「はなし」が本当なのかこんがらがってくる気もした。
じわじわくるなんともいえない面白さと
瞬発力の高い面白さ。
あと、絶妙にその配置にその小道具でその照明って
すごくかんぐってしまうようなトラップが仕込まれてるような舞台だった。
いやー、でも、面白かった。
今年初観劇。良い観劇になった。
アンチカンポー・オペレーション
フジオモラル
王子小劇場(東京都)
2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
物凄くはじけて、笑って、ドキドキして、めちゃくちゃ面白かった。
丁寧に、丁寧に、面白さを詰め込んで、あの時間を爆発させてくれた2時間。
久々、敢えて「犬と串」観た!!と思った。
モラルさんのホンは、根底に「好きなことをしていいんだよ!がんばっていいんだよ!」って色んな変化球で伝えてくれると私は感じていて。今回、そのベースには、モラルさん自身に大きな応援をいつも送っていた人の存在があったのかなと勝手に思ってしまった。「頑張って!好きなこと、頑張ってやりなさい。いつも、応援してるよ」って。だから、あんなに面白いだって、今作観ながら考えた。はちゃめちゃなギャグが詰め込まれて、本当、やばい、2時間。
今回の俳優の皆様も、いい意味で飛んでます。久々に鈴木アメリさんの演技「ああ、反則だよおおお、その表情!!!」
あのスピード感と、重ねていくギャグに、ほんと、この座組はこの公演でしかありえないんだなと痛感。そして、以前風琴工房で拝見した田島亮さんが男前さんにして、結構ずるい面白さを発動してた。藤尾勘太郎さんが、また、今作、随所に色気と哀愁をだしまくっていて、ラスト近くの場面ほんと、このままその瞬間で永遠に止まってと思った。女優陣もかなり、振り切れていて観ていて、気持ちが良かった。さらば、変態(とも)よ。
美しいラストとともに、
赤い、紙吹雪が舞台上で舞い踊っていた。
終わりだけど
始まりでもある。
色んな人がこの戯曲はモラルさんから藤尾さんへのラブレターだと語っていた。確かにそうだとおもう。そして、こんな凄いラブレターを第三者である私が観てしまったということに改めて、どきどきしてしまう。この時間を共有できたことは、ある意味、奇跡でもある。私は以前犬と串「プラトニック・ギャグ」で号泣したことがある。犬と串で、泣くなんて無いと思っていた私は衝撃的だった。そして、フジオモラルでも泣いてしまった。ホン以外のバックボーンでも、堪えることが個人的に出来ず、恥ずかしながらお二人の前で泣いてしまった。くそっ、こんな凄い二人が破局するなんて、神様は気が利かねーなと思う。でも、事実は事実として、受け入れないと前には進めない。
愛しかない舞台だった。
蛇と天秤
パラドックス定数
シアター風姿花伝(東京都)
2018/10/10 (水) ~ 2018/10/15 (月)公演終了
満足度★★★★
何故人は嘘をつくのか?
正直って、なに?
嘘も、まかり通るのか。保身の為なら。
面白い公演だった。
そして、人間って怖いなって。
でも、特別なことではないんだな。
そう、誰でも、なる可能性は、ゼロではない。
一日経って、少し反芻。「731」の時も感じたのだが、「死」が存在していても、(言葉的におかしいが)そこに「物語」を持たせてないところが、パラドックス定数の凄いところではないかと、ふわふわ思う。18歳未満の子供が医薬、医学の発展のために「殺される」という「物語」があるのだが、そこにはなんていうんだろうか、「涙」「悲しみ」「苦しみ」といったパーツはあくまでも、パーツでしか無い。気持ちいいほどに「嫌な人間」が描かれている。本当に、この劇団の凄い魅力なんだろうなと感じた。劇中での医薬会社と病院との会話での滑稽さというか、化かしあいというか・・・。でも、そこが嘘っぽくないということがむしろ、怖さを増長させる。医学は人を助けるものであったのはずだが・・・。でも、突き詰めていくとある種、エゴが渦巻く世界であり、それはどの専門分野でも起こりえることだと思った。誰もが「その先」の世界を見たいのだ。そして、皆、自分はそれが出来ると思ってる。勘違いしてはいけない。人間は「神」にはなれないのだから。そう思うと、「ブロウクン・コンソート」の兄弟の物語は少し、異例だったのかもしれないと想いかえす。あの兄弟には、涙してしまったので。そして、やっと、39項~43項ホン、購入。
野がも
アマヤドリ
王子小劇場(東京都)
2018/09/20 (木) ~ 2018/10/01 (月)公演終了
満足度★★★
イプセンの本を読んでなく、どんな話なのかな~と。
結構、言葉は頭が悪い感じでいうと、昼メロになるような筋だなと。
ということは、昔も今も、国は違えど結構、同じなのだなとざっくり解釈しつつの、でも、そこは、アマヤドリ。
客演も含めて、個々の俳優陣が適材適所というか、とても良い。
男性陣は、かなり、皆ヤバイというか、下衆いというかなんていうか、病んでる役だなと。対象的に女性陣は、強く、純粋で、光あるイメージ。
父親と息子と息子の友人。
ここのトライアングルはあれだった・・。
自分の前しか見えてないのでは???と思える人々。
これは、かみ合わないでしょ。
しかし、これが結構「男性」の本質を表しているような気もする。
結局、自分が一番。
勝手に苦悩していてくださいね、と思ってしまった。
医者レリングの宮崎さんはあの中だと、真っ当なイメージだった。るかさんのギーナ・エクダル役は、芯がある演技で、物凄く、すき。不幸になる真実は、言わなくても良い時だってあるじやないのかなと思った。何故、女性ばかり責められるのか。納得出来ない。
野がもも、狩りで手追いになったのをおしつけ、自分が手を付けた女性も邪魔になったら押し付けて・・・。
ヴェルレって、ダメだな・・と劇中思ってしまった。(いや、大原研二さんはダンディーで物凄く素敵だった)
だから、野がも(一川幸恵さん)と、ヘドヴィク(東 理紗さん)
は表裏一体、同じような境遇同士だったのだなと。
それを考えると最後の場面は、あまりにも救いが無い。
翻訳ものだし、長尺だし、難しいんじゃないかしら?と思ってる方も、そうではないと私は、思ったので、是非、観劇してみてください。
PPTは、色々お話が聞けて楽しいです。
ケルベロス
ホチキス
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2018/08/07 (火) ~ 2018/08/12 (日)公演終了
満足度★★★
米山さんが描く「ホチキスボイルド」もっと、男臭いのかな?と思ったが、いつものふわっと涙腺攻撃テイストもありつつ、広告業界というか、企業の世界での男たちの熱いホンでした。
対比させる人物像を持たせて、一瞬合わせ鏡的な形だが、伏線を含ませつつ、それぞれがきちんと個々として浮き出ていた。
久々にちゃらい(誉め言葉・ダンスとても素敵でした)齋藤 陽介さんや、前半のほんわか立ち位置がいい味付けとなる村上誠基 さん、やはり、渋いけれど、笑いを落とす加藤 敦 さん。
齋藤 陽介さんは、かっこいいのに、何故か優しいオーラが出てしまうお人柄なので、キメても、なんとなく「ほんわか」とした祖母目線で見守ってしまうのです。
今作は、でも、とても、人情味があるのにそれをオープンに出来きれないとても、人間臭い役を演じてたと思います。
物凄く色んな人と人のつながりが、押しつけがましくなく、でも、力を合わせて物事を突き進める高揚感を感じられた。
不勉強で今作の客演のお若い方をあまり存じ上げてないのでしたが
丁度、ホチキスの俳優層と年齢の差が設定とうまくリンクしており、勿論
そこも考えた上でのホンではあると思う。
「会社」という組織内における
物語であったが、ちょっと、青春っぽさも感じた。
良い先輩と後輩たち。
そこにあるのは、一個の目標に向かって
力を合わせていく姿。
青春だ・・・。
こんな良い人たちばかりの企業だったら、なんて、ホワイトなんだろうと。
今の日本をある意味、皮肉っている気がした。
特に村上誠基さんの権力者への忠義心の表し方、そこからの
後半の変貌ぶり。
うまいし、やはり、この方の持っている飄々とした芝居が
そこをうまく出しているんだなと思った。
(某テーブルジョークでは、あれですが・・・)
(余談ですが、長尺の沖縄回が一番、村上さんのでは好きです)
齊藤美和子 さんの会社内情を網羅している綺麗なお局様がものすごく、キュートだった。
姑息に笑わせようとしないけど、つい「ふふふ」と笑ってしまうのが
この方のコメディエンヌの技量だと勝手に思ってる。
お顔が綺麗でめちゃタイプなのに、何故、面白いことをしてしまうのか・・・。
そして、今作演出として小玉久仁子さんが出演と両方で携わっていた。
小玉さんの存在感は今更、言語化しなくても、周知なことだと思うが
本当に発信力・発進力・爆発力が素敵だ。
あと、設定的に「母」という立場の役も多くしているが
きっと、世間一般の「母」のイメージを払拭意味合いでキャスティングされているのではないかとさえ、感じる。
逆にいえば、こんな「母」ってかっこいいし、目指したい。
少し、ホチキス観劇が何作か空いてしまい
久々だったが、楽しかった。
福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」
DULL-COLORED POP
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/07/21 (土) ~ 2018/08/05 (日)公演終了
満足度★★★★
やっと、観劇。なんだろう。観ていて、どこか、もやもやした悲しさのような、もどかしさのような、「未来はこうなってしまった」と声にならない声で心の中で何度も呟いてしまった。
あの時代の人々からしたら観劇している私は未来の人間なのか。
「故郷が無くなる」という言葉が今作で出てきた。
青年が都会で生きていきたいと決心して、家族へ伝える事に関して。
そして、この言葉は50年後、もっと、大きな意味を持って、「現実」の言葉となってしまった。反芻すれば、するほどぞくっとする谷 賢一さんのホン。
家で、フライヤー整理して「ああ、成る程。」あの場面、好きだなと感じたんだった。
「未来」を語る忠の台詞が蘇る。「何もない」自分たちの故郷を、明るい未来の故郷にしようと
小さな、でも、夢をもって語っていた場面。
桜の花は咲いたのだろうか。
咲いたとしても、桜並木の下を歩くことがもう、出来ない。
だれもが、未来を見ていたはず。
私でさえ、生まれる前の時代の話。1961年。
あの時、それぞれ自分の信じる正義を掲げて、「前」に進もうとしていた。
結果としての、福島を誰も想像すらしてない。
誰しもが、想像できないと思う。
誰だって、もっと、より良い未来を生きたいと思うから。
劇中のパワーバランスがとても、明確だった。
「家族」という社会のバランスや
「権力」という世界のバランス、「企業」や、「政治」、「国家」といった
それぞれの点と、点のつながりの中でのパワーバランスが
いやらしいほど、明確に伝わる。
「昔」の話と括れず、
劇中の様々な台詞が『1961年』と『2011年』そして、『2018年』を結びつけるような、それぞれに通じる台詞のように語られる。
印象に残った台詞で「国は福島を助けない」という言葉。
1961年においても、2018年においても、この台詞は重い。
起こった「悪」の事柄に、だれが責任を持つのだろうか。
昔も、今も、大きな組織であればあるほど、逃げるような気がした。
「悲しみ」は勿論感じる。
でも、その「悲しみ」は部外者である私にはリアルでは無い。
では、何故、もやもやと沸き起こるものがあるのか。
「怒り」のような、でも、その「怒り」に対して
何も行動しない自分の「諦め」にもやもやするのだろうか。
私は知っている。
2011年3月11日を。
でも、私は「福島」に対して、何もしてない。
そして、「福島」を知らない。
この公演は「福島」を知るために、必要なものなんだと感じ始めてる。
「知る」ために、必要なんだと。
雲をたぐって天まで飛ばそう。
perrot
王子小劇場(東京都)
2018/06/20 (水) ~ 2018/06/24 (日)公演終了
満足度★★
一言で言うと、好き嫌いは分かれる。
個人的には前公演でも、感じた「テイストは好きな部分があるけど、100%好き」とは断言できない、もどかしさを今回も感じた。
文語でやるとうたうのなら、もっと、きっちり仕上げて欲しいと今日(6/21マチネ)の公演をみて感じた。
文語の馴染みの無さを台詞を多く噛んでしまう場面が、
私が観劇した回に多く見受けられた。
「嘘」の世界を想像させたいのなら、現実に引き戻す様な失敗は有ってはいけないと思う。
物語は、ヒトの愚かさ、弱さ、そこから引き起こされる「戦争」の結末。
いつの時代も、権力者は多くの犠牲を生み出しても、なおも同じ過ちを繰り返す。
何もかも奪う悪魔の様な爆弾を落とす過ちもそうだ。
劇中、神というワードが多く出る。
神があの鳥かごを作ったのか?
神が権力の争いの行く末に
多くの犠牲を生み出したのか?
神はいないと思う。
全て、人間が引き起こす愚行なのだから。
物語は日ノ国のお話。
チヨとニニギのある種の悲恋。
幼き二人は日本でいうと宮家と将軍家のような立場で
互いに権力のある家の人間のよう。
チヨは自らの国に留まり
ニニギは兄弟や、家臣とともに亡命したようだった。
冒頭
二人はまた、再会する契りを交わす。
チヨは赤いまあるいペンダントヘッドをニニギに渡す。
そして、美しかったラストシーン。
そのペンダントは白いワンピースを着て
蘇ったチヨが首から下げるとまるで
主人公のチヨがまるで、たなびく某国の旗のように凛として、立つ。
白地に紅く、日の丸染めて。
想像してみよう。彼女がせめて、新しい国で笑顔になれるようになったとしたら少し、心が救われるような気がする。
劇中に「怒り」「悲しみ」など多く渦巻くが
私はそれを疑似体験することは無く、一つの立体的な絵巻物を
読み進めていくような感覚にもなった。
そう、物語を読むと
その紙のもう一枚むこう側に自分を配置して
その物語を読むことがあるみたいに
劇中の謎。
武器に見立てた傘の色が
白から赤へ、赤から黒へ変化していく。
この意味合いはなんだろうか?
特に意味はないのかしら。
白から赤へ変化したのはその色の分、人を殺めてしまった数が
増えていったのからなのかと、解釈。
その後、黒になったのは、何故だろう?
あと、劇中の閣下と仕える大臣たちは
ある意味息を抜くことが出来るポジション
もっと、笑っても良いと思える場面もあったが
消化不良なのだろうか。
裸の王様、がんばれ!
イワモトさんのテイストは好き。例えば色の意味の持たせ方とか。
きっと、草原の中に何個もトリックを仕掛けて観客がそれを見つけた時に「ふふふ」って笑うようなヒトじゃないかなって勝手に「想像」してみたり。
きっと、私が「これは、ダイスキ」と思うことが出来る
ホンや、公演がうまれると思うので
また、次回も観る事が出来たらいいなとおもう。