満足度★★★
米山さんが描く「ホチキスボイルド」もっと、男臭いのかな?と思ったが、いつものふわっと涙腺攻撃テイストもありつつ、広告業界というか、企業の世界での男たちの熱いホンでした。
対比させる人物像を持たせて、一瞬合わせ鏡的な形だが、伏線を含ませつつ、それぞれがきちんと個々として浮き出ていた。
久々にちゃらい(誉め言葉・ダンスとても素敵でした)齋藤 陽介さんや、前半のほんわか立ち位置がいい味付けとなる村上誠基 さん、やはり、渋いけれど、笑いを落とす加藤 敦 さん。
齋藤 陽介さんは、かっこいいのに、何故か優しいオーラが出てしまうお人柄なので、キメても、なんとなく「ほんわか」とした祖母目線で見守ってしまうのです。
今作は、でも、とても、人情味があるのにそれをオープンに出来きれないとても、人間臭い役を演じてたと思います。
物凄く色んな人と人のつながりが、押しつけがましくなく、でも、力を合わせて物事を突き進める高揚感を感じられた。
不勉強で今作の客演のお若い方をあまり存じ上げてないのでしたが
丁度、ホチキスの俳優層と年齢の差が設定とうまくリンクしており、勿論
そこも考えた上でのホンではあると思う。
「会社」という組織内における
物語であったが、ちょっと、青春っぽさも感じた。
良い先輩と後輩たち。
そこにあるのは、一個の目標に向かって
力を合わせていく姿。
青春だ・・・。
こんな良い人たちばかりの企業だったら、なんて、ホワイトなんだろうと。
今の日本をある意味、皮肉っている気がした。
特に村上誠基さんの権力者への忠義心の表し方、そこからの
後半の変貌ぶり。
うまいし、やはり、この方の持っている飄々とした芝居が
そこをうまく出しているんだなと思った。
(某テーブルジョークでは、あれですが・・・)
(余談ですが、長尺の沖縄回が一番、村上さんのでは好きです)
齊藤美和子 さんの会社内情を網羅している綺麗なお局様がものすごく、キュートだった。
姑息に笑わせようとしないけど、つい「ふふふ」と笑ってしまうのが
この方のコメディエンヌの技量だと勝手に思ってる。
お顔が綺麗でめちゃタイプなのに、何故、面白いことをしてしまうのか・・・。
そして、今作演出として小玉久仁子さんが出演と両方で携わっていた。
小玉さんの存在感は今更、言語化しなくても、周知なことだと思うが
本当に発信力・発進力・爆発力が素敵だ。
あと、設定的に「母」という立場の役も多くしているが
きっと、世間一般の「母」のイメージを払拭意味合いでキャスティングされているのではないかとさえ、感じる。
逆にいえば、こんな「母」ってかっこいいし、目指したい。
少し、ホチキス観劇が何作か空いてしまい
久々だったが、楽しかった。