リチャード三世
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2012/10/03 (水) ~ 2012/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
私でも観れた!!
シェイクスピアの「詩的」というか何というか・・・あの回りくどい科白が大嫌いで、いつも途中挫折。
そんなトラウマ持ちの私でも、途中挫折することなく観れた!!
一応、人物相関は予習して行ったからか、スルスルと状況が飲み込めたし。
長いドラマだが、それも感じなかった。
リッチモンド卿のイケメンに脱帽!!
「なーんだイケメン俳優かよ」とナメてたら、やってくれるじゃねぇーかよ!
「うらい けんじ」覚えましたっ!
演出は、感嘆ですな・・・
砂漠くらいなら、並の演出家でも思いつきそうですが、鵜山仁は違います。
舞台は、廻すわ、開けるわ、映写はするわ、ビニールで幕を張るわと使えるツールを駆使して、観客を寝かしません。
これからの演出家は、場面演出だけじゃダメなんだ、ここまでやれなきゃトップ走れないんだな・・・とこの世界の厳しさを痛感した次第です。
がんばれ、スーパー仁くんっ!!
頭痛肩こり樋口一葉
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2013/07/11 (木) ~ 2013/08/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんてったってキョンキョン!!
俳優、演出、舞台美術・・・総てにおいて「丁寧」な仕事っぷりに感動。
最近の舞台に言えることは、「雑」とか「粗い」というのではないけれど、どうも各セクションが分離・独立しすぎていて一体感がないと言うか何と言うか・・・
普段は別に気づいてないのだけれど、こういう舞台をみると「そうだったのか」とハァっとしちゃう。
すっごく「昔ながらの~」って感じがしました。
あたしだけかな・・・
今回の一番の楽しみは、連ドラ『あまちゃん』のヤサグレ感に「本物」を感じていた小泉今日子の演技。
叩き上げの舞台女優とは違う、独自の役との向き合い方をしているなと感じました。
要は、目的地にたどり着けば言い訳で、そこまでの行き方は俳優に任されている。どのルートを選択するかは俳優のセンスの問題。どの道を通るかでゴールの見え方も違ってくる。もちろん観客からの見え方も。
実力のある多彩な顔ぶれが揃う舞台って、ほんとに面白い!
いくら多彩でも「実力」が無いヤツは、駄目だけどね。
ハイカラ狂イ
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2012/09/07 (金) ~ 2012/09/08 (土)公演終了
満足度★★★★★
「笑い草」、効いてました!!
本当に新人か?と疑いたくなるほどの好演!
何よりも、若い彼らが力一杯に演じる姿に涙が出そうになる。
テンポ良く、役者同士の息もピッタリで、観ていて飽きることが無かった。
科白もそれを言うシチュエーションもまったく無駄がなく、素直に面白い。
これだけの逸材たちをどう活かすか、先輩たちは責任重大である。
俺を笑うな
早稲田大学演劇倶楽部
早稲田大学学生会館(東京都)
2013/03/21 (木) ~ 2013/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
学生演劇のレヴェルを超越!!
じつに「秀逸」な舞台。
話の展開も無駄が無く、役者の掛け合いもテンポ良く、観客の集中力をラストまで持続させる。これって凄いこと。
登場人物たちの会話もじつにウィットに富んでいて笑える。
家庭内の人物描写(主人公との関係性)が、もっと丁寧に描けていれば申し分なかった。
演劇って、キャリアじゃなくて「センス」なんだなぁ~ってつくづく思った。
いつも、観劇料4000円ちかくぼったくられた・・・と思うことが多いあたしにとって、久々に満足した舞台だった。
見尾田・伊藤彩奈の演技は、もう「異常」レベルに巧い!
ピーチボーイズ
Peachboys
シアター711(東京都)
2024/04/23 (火) ~ 2024/04/29 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
毎年、観終わると来年が待ち遠しくて仕方なかったです。
そんな公演って、ピーチボーイズだけでした。
12年も笑わせていただいたんですねー。
いち観客として、ほんとうに楽しませていただきました。
本当に、ありがとうございました!
最後にして気づいたのは、ピーチボーイズの魅力って「役者が活き活きしてる」ところだなぁ。
これほど俳優たちの活き活きしている姿を見られる公演って、そうそう無いよねー。
「活き活き」って、やろうと思って出来ることじゃない。
自身が愉しんでないと出てこない生理現象とでも言おうか…
観客も、俳優たちのそういう姿は観ていて気持ちがいい。
笑いにしても、ただ単に「可笑しい」んじゃなくて、そこに愛情があり体温がある。
でなきゃ、しっちゃかめっちゃかな宴会芸に2時間以上も付き合えませんよーwww
12年、ほんとうにお疲れさまでした。
俳優はじめ今まで公演に関わった皆さんの今後に、どうか幸多からんことをいち観客として願っております!
リーガルハイハイ
Peachboys
シアター711(東京都)
2014/04/21 (月) ~ 2014/04/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
ナイスですねぇ〜
✳︎評価★4.5
下ネタの使い方が、じつに巧み!
下ネタにつきまとうあの気恥ずかしさはなく、下ネタを凡て笑いの実弾に変換させているところは、よく練られている。
ちろうに検診
Peachboys
サンモールスタジオ(東京都)
2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/04/02 (土)
価格3,800円
宝塚歌劇と同じく、芝居とレヴューの二部構成。
毎年たのしみにしている舞台。
この人たちの演っていることは、一般的な舞台とは全く違う。だから、ここでしか体感できない。
よくありがちなテーマや主張、って言うか作品自体をブン投げて、個々の俳優の限界を晒してる感じ。
料理でいうと、かなりスパイスが効いてるんだけど、素材の味がちゃんと判るみたいな。
普通は、東出みたいなのが紛れ込んで味を悪くしちまうもんだけども…。
よくも、このメンバーを集めたものだと感心してます。
すんごいシュールで歳甲斐のないことを演ってんだけど、新国や帝劇あたりの「キザ」な舞台も霞む原始的な魅力がある。
毎回、どんな役とも、またどんな客席ともがっぷり四ツに組む攻めの姿勢は、いち観客として心から敬服しますね。
まだ完成度は低いけど、レヴューは将来的には強力な武器になりますよー。
せっかく階段があるなら、もっと活用しよう!
ヅカファンとしてのアドバイスは、レヴューやるならミラーボールを用意しよう!
あれ一個あるだけで、空気がガラッと変えられるから。なんなら芝居でも使えるし。
今回の殊勲賞は、馬場史子と島田雅之だね。
もはや恥の概念を完全に喪失している馬場と、舞台上のカロリー消費量が一番の島田。
毎回、付け合わせ的な立ち位置なんだけど、観客の集中力が逃げないようにしっかりアシストしていてお見事。
山田健太郎の「初心LOVE」も、沁みたなぁ〜。
オッサンが唄うと、なんだか若者への応援歌に聴こえるから不思議…
園田シンジは、中華人民共和国ならその場で射殺だね。
「中待合室にお入り下さい」を待ちながら
劇団「地蔵中毒」
新宿シアタートップス(東京都)
2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了
OJISAN'S4
はらぺこペンギン!
赤坂RED/THEATER(東京都)
2022/10/19 (水) ~ 2022/10/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
先ずは、
20周年おめでとうございます!
20年って、長いね…
オンギャーって産まれてきた赤ん坊が、ハタチの成人式ですよ。当たり前だけど。
その間、受験だの反抗期だの…と色々あるわけでさー。
この4人にも、山あり谷ありあったでしょう。
ただ、演劇を20年続けられるって、ほんとに幸せなことだと思う。
それも劇団としてさ。
20年もあると、多くは還俗しちゃうわけで…。
そう考えると、夢破れた元演劇人たちのヒーローとも言えるね。
名実ともに、かれらは「OJISAN’S 4」ってわけだ。
さて。
自覚の無いままに歳をとり、
いつの間にか社会から淘汰されてる存在。
それが、オジサン。
そんな4人のオジサン達が、持ち前の責任感と社会生活で培った処世術を武器に、とある都市を救う物語。
舞台が温ったまるまでに時間がかかっていた印象。
「死に間」が多く、テンポが悪い。
カミさんの浮気現場を目撃して「ウォォー」っと絶叫するシーンから、ようやっと芝居が動き出した。
動き出してからは、文句なしに面白い!
賑やかに大団円、勢いそのままにカーテンコール。
とっても明るい終わり方でした◎
エゲリア
文学座
吉祥寺シアター(東京都)
2012/09/07 (金) ~ 2012/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★
この親ありて、岡本太郎あり。
文学座若手女優・吉野美紗の大抜擢!!
老舗劇団にもなると、お歴々がたくさんいるから20代が主役になるのは、かなりの冒険だったろうと思う。
しかし、吉野美紗の演技は、立派にその大役を果たしたと思う。
粗い部分はあったが、かの子の持つ「こども成人」みたいな突拍子の無さがよく出てたと思う。
瀬戸口郁×西川信廣。
このコンビは、余ほど相性がいいとみえる。
やっぱり和物は、文学座がいい。
カクシンハン版 オセロー Black Or White
Theatre Company カクシンハン/株式会社トゥービー
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/04/29 (水) ~ 2015/05/04 (月)公演終了
満足度★★★★
行って良かった!!
〝白″を観劇。
3時間半の長丁場だったが、長く感じなかった。
これって、凄いこと。
出演者らの「集中力」の成すところが大きい。
しかし、各出演者のレベル差があり過ぎて、物語の世界に入り込むまでに時間がかかった。
アタシは、シェイクスピアは大の苦手…。
あの「修辞」のまどろっこしさにウンザリするのと、修辞が長くて「結局、何が言いたいんだっけ?」みたいな主張がぼやけるのが嫌い。
だけど、この公演は「修辞」を上手に処理していて実に秀逸であった!
舞台美術もよく練られていて、無駄がなく、徹底的に活用できる物を作っているところに感心!
照明と舞台美術を駆使して、舞台全体に表情を生み出していた。
演出としては、役者の出し入れが上手。
いつまでも舞台上に晒さずに、鮮度の落ちない内に上手に引っ込めてた。
シェイクスピアで面白い作品に出会えるのは貴重。
もう一回観たい作品。
約二十鬼夜行
劇団森
早稲田大学学生会館(東京都)
2012/09/21 (金) ~ 2012/09/23 (日)公演終了
ちょぼくれ花咲男
文月堂
座・高円寺1(東京都)
2015/06/10 (水) ~ 2015/06/14 (日)公演終了
満足度★★★
〝構成″勝ち!
話の持って行き方が、じつに巧い!
登場人物の身の上まで引っ括めて本筋に絡ませている点は、冗長になりがちな物語に表情を与え、じつに秀逸。
「階級」と「ことば」の関係に着目した点は、素晴らしいですね!
江戸弁や廓言葉などは、現代人に馴染みが無いだけに正しい運用かどうかは不明だけど、少なくとも俳優のレベル差を誤魔化すのには一役買っていたのは確か。
これだけ構成がしっかりしてると、誰が演ってもそれなりのクオリティは維持できると思う。
それだけに「俳優泣かせ」ではあるが……。
あんしんメトロ
早稲田大学劇団木霊
劇団木霊アトリエ(東京都)
2012/09/20 (木) ~ 2012/09/23 (日)公演終了
おのれナポレオン
東京芸術劇場
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2013/04/06 (土) ~ 2013/05/12 (日)公演終了
満足度★★★
芯が通っていない感じ・・・
説明文より
その存在のあまりの大きさゆえに、
その人間性のあまりの幼さゆえに、
あがめられ、
畏れられ、
愛され、
憎まれた男、ナポレオン。
んーっ・・・・・・
「歪められた」ってのを付け加える舞台でした。
面白いんですが、結局「三谷史劇」の枠を出ない作品。
もっと超越した所へ。
月刊「根本宗子」
ザ・スズナリ(東京都)
2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了
満足度★★★
敢えて〝批評″
✳︎美術 ★5
✳︎物語 ★3
上下四分割された舞台。
それぞれ部屋になってて、そこに住む4組の男女の話し。
まず、他人の部屋を覗き見してる様な造り込んだ舞台美術に感動!
舞台にシンクまであるのですっ!
「夢も、希望もなく。』の時もシンクに感動!
今回は、エアコンもある⁉︎
それも、2台も…ww
舞台美術で節約しようとする公演が多い中、ちゃんと造り込んでる舞台って「覚悟」が伝わって来るようでワクワクする!
もう、この舞台美術だけで星5つですよ。
物語が気に入らなくても、舞台美術を観に行ったと思えば元が取れるというか…
演劇というものをしっかり理解している稀有な例ですね。
立ちバック・トゥ・ザ・ティーチャー
Peachboys
ザ・ポケット(東京都)
2023/04/19 (水) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は時空を超える物語だけど、この人たちは「矩を踰え」てましたwww
物語の「筋」が弱かった印象。
それだけに各々の場面で、個々の俳優の力量に委ねるところが大きかった。
要は、シーンの出来にばらつきがある。
ぬれぎぬ
アマヤドリ
シアター風姿花伝(東京都)
2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了
音楽劇「それからのブンとフン」
こまつ座
天王洲 銀河劇場(東京都)
2013/10/03 (木) ~ 2013/10/15 (火)公演終了
満足度★★
不完全燃焼!!
市村さんは、イメージと違うな・・・
大友憤は、デブで不潔なイメージを想像していたので、市村さんではスマートすぎます。
でも、小学校とか行って演ったら、子供だったらケタケタ笑って喜んでくれると思います。
youが誰かもしらぬまま
ポーラは嘘をついた―Paralyzed Paula―
早稲田大学学生会館(東京都)
2012/11/29 (木) ~ 2012/12/02 (日)公演終了
満足度★★
背伸びした感あり
舞台の上では、たしかに俳優たちが何かを演じてはいるのだが、彼らが「何を伝えたいのか」「何をしたいのか」という芝居で一番重要な部分がまったくこちら(観客)側に伝わってこない。
「統計学の予想地点B’」だとか、フロイトだとか・・・そんなんじゃなくて、もっとベタベタでもいいから、筋のシッカリした作品が観たい。
この作品だと、演ってる俳優たちもちゃんと理解できて演ってるのか疑問。
作・演出の独りよがりで終わってる気がする。
ただ、照明と俳優のシルエットを意識した演出は、垢抜けてて並の学生劇団とは一線を画している。
それだけに惜しい!!
私は、この芝居に漂う空気感はとっても好きです。
新人公演以来ファンの伊藤・見尾田両人は、今回も好い芝居してたし。
だから次の公演も観には行くんだろうと思います。
言ってしまえば、あそこのレストランの料理は不味いけど、建物の佇まいや中の雰囲気が好きだからついつい行っちゃう・・・みたいな。
うまく脱皮して欲しいものです。