もっと超越した所へ。 公演情報 月刊「根本宗子」「もっと超越した所へ。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    敢えて〝批評″
    ✳︎美術 ★5
    ✳︎物語 ★3

    上下四分割された舞台。
    それぞれ部屋になってて、そこに住む4組の男女の話し。

    まず、他人の部屋を覗き見してる様な造り込んだ舞台美術に感動!
    舞台にシンクまであるのですっ!
    「夢も、希望もなく。』の時もシンクに感動!
    今回は、エアコンもある⁉︎
    それも、2台も…ww
    舞台美術で節約しようとする公演が多い中、ちゃんと造り込んでる舞台って「覚悟」が伝わって来るようでワクワクする!
    もう、この舞台美術だけで星5つですよ。
    物語が気に入らなくても、舞台美術を観に行ったと思えば元が取れるというか…
    演劇というものをしっかり理解している稀有な例ですね。

    ネタバレBOX


    ダメンズに振り回され、救い用のない状態まで堕とされた女が、ダメンズという「障害」をどう乗り越えてゆくのか…

    これは、ネモシュウの作品の共通点なのでしょう。
    今回も、最終的にダメンズに女がキレて「出てって!」ってなる。
    男女の喧嘩はリアルで堂に入ったものだが、それを4組分も見せられるのにウンザリ…。
    「いつまで喧嘩すんだよ〜」「もう勘弁してよ〜」と気持ち悪くなっちゃった。

    んで、けっきょく彼女たちが選択したのは、ダメンズでもいないよりはいた方がマシっていう「妥協」でしょ。
    これじゃあ、観客としてはスッキリしないよ!

    これがさ、悪い男でも金だけは稼いで来るとか、器はちっちゃいけど売れてる俳優とか…女のために何か一つくらいできる事のある男なら、彼女たちの「妥協」も理解できる。
    そうすれば、男より一枚も二枚も女の方が上わ手だねって方向に持って行けたし、そっちの方が観やすかったと思う。

    でも、これに出てきた男たちは、逆さにしても、裸にしても、何も出てこないサイテー男どもなワケ。
    そんな男どもと撚りを戻したって、苦労するの目に見えてるし。
    スモーク焚いて時間を戻しても、資生堂〝TSUBAKI″真似ても、ダメンズはダメンズ…。
    誤魔化せないよ!
    これじゃあ、彼女たちの「妥協」という選択をまったく肯定できないでしょ!腑に落ちないよ!

    ま、クズ男どもを棄てずに受け入れるという「悟り」にも似た広い心を彼女たちは手に入れたと考えれば、『もっと超越した所へ。』いうタイトル通りなんでしょうけどね…。
    でも、アタシは妥協だと思うし、彼女らの負けだと思った…。

    役者については、男優陣のテンションが最初から最後まで全部同じなのが残念。

    右下のセリカ棒男子。
    初めて訪問した女の部屋で、フツーにベッドに座るか?
    添い寝後の暗転あけから、ベッドに座るなら解る。

    あと、せっかく「覗き見」舞台なのに、ウケ狙いという程ではないが客席意識の台詞や演技は必要だったのか?
    4部屋の物語が淡々と進む。
    だけど、上下でシンクロしちゃってるよwみたいなんが良い感じがした。

    他劇団の公演と比べれば「別格」も過言でない出来。
    だが、この公演単体では、それほどでもない印象。

    絶賛の中、こんなこと書いてすんません…。

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    2015/05/14 10:53

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