tetsucoの観てきた!クチコミ一覧

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ビョードロ 終演いたしました!総動員2097人!どうもありがとうございました!

ビョードロ 終演いたしました!総動員2097人!どうもありがとうございました!

おぼんろ

d-倉庫(東京都)

2013/05/29 (水) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

出会ってほしいです
人って、その短い一生の中でいろんなものや人に出会うんだと思うけれども、その中でも「出会い続けたい」と思えるものに出会えることは、そんなに多くない。そう思えるものに出会えるってのは、わりと奇跡に近いんじゃないかとも思う。
劇団おぼんろの『ビョードロ〜月色の森で抱き寄せて』に参加して、そう思った。
観る前に「泣けます!」「感動しました!」とか言われると醒める質なのだけれども、劇場の隅っこの暗がりで眼鏡外してサラリーマンがハンカチ探してたり、桟敷の女の子の濡れた頬が照明に照らされてキラキラ光っている。終演後も立ち上がれないで、桟敷席で茫然としている人がいる。そういう彼らは「出会えたんだろうなあ」と思う。
語り部の演技や脚本の凄さは、多くの人が語っているからあえて書かないし、是非「参加者」として体感してほしい。
語り部たちは客を「参加者」と呼ぶ。伊達や酔狂でそう読んでいるのではないことが、参加すればわかる。
例えば『ビョードロ』中盤、登場人物リペンの台詞で劇場内の空気がガラリと変わる場面があるが、その空気を作り出すのが台詞を受け取った参加者の表情。この表情の変化が無ければ、後半への道筋が見えてこないってくらい重要(その前にジョウキゲンの一瞬見せる表情で布石はなされているけれど)。
「一緒に物語りを紡いでください」と末原主宰がいつも言うように、「参加者」の役割は大きい。

彼らに、そして多くの「参加者」に出会ってほしいと、切に願います。

~メタモルリバース~

~メタモルリバース~

おぼんろ

新宿眼科画廊(東京都)

2013/03/01 (金) ~ 2013/03/06 (水)公演終了

満足度★★★★★

一番好きな作品
人によっては、難解かもしれない。つかみ所がない世界を拾い集めるようなもどかしさがあるようでもあり。参加者として試されているような気もした。
その実はとても緻密に繊細に構築された世界だった。物語られる深い孤独と、その中に射す一条の光。
一般に広く受け入れられ消費されていく芝居とは一線を画す覚悟を感じた。それでも、その覚悟が自己弁護的にならないのは、この『メタモルリバース』の世界を理解するための材料が充分に与えられていたから。
素晴らしい脚本とそれを視覚化する力を持つ語り部の表情、動き、声、三浦麻旅子氏の写真に融け込むそれらが、全てを示唆してくれる。
ラストシーンの絶望と希望に参加者を連れて行ってくれる。

一時間、この場にいる自分に集中して参加してみてください。
見たもの、感じたものがこの先もずっと自分の中に在り続ける体験になるはずです。

捨て犬の報酬(チケット完売!→増席しました!!)

捨て犬の報酬(チケット完売!→増席しました!!)

おぼんろ

野方スタジオ(東京都)

2013/01/18 (金) ~ 2013/01/19 (土)公演終了

満足度★★★★★

再演希望
18.19両日観た。
19日高橋倫平さんの『捨て犬の報酬』
終演後鳴り止まない拍手。自分は絶対やらないだろうとおもっていたスタンディングオベーションちゅうやつをやらかしてしまいました。
愛情と憎しみが交錯する捨て犬『ポチ』の内面をここまで表現できるの!?なんで?
高橋倫平の凄さはそれだけじゃなかった。ポチの中に一貫して在ったもうひとつの感情を確実に描き出していたこと。でも、これは内緒(再演希望だから)

18日の末原主宰の『捨て犬の報酬』
この人は、スタートがかかると中身が丸ごと変わる。役が入るんだけれども、18日は、役以外の何かが彼の中に入り込んで、それを制御し切れていなかった感じがした。
それが、いつもと違う色合いの表現となって、それはそれで貴重だったけれども、もう一度演じてほしいと思った。次はベストコンディションで。

『ゴベリンドンの沼』が、としもり目線で観ると、全く違う物語りの側面を見せたように、『捨て犬の報酬』も大五郎サイドから描かれたら、別のストーリーになるのだろうな。
想像力の足りない私は、大五郎の意図を読みきれなかったから、それも希望!
いろいろ要求多くてすみません。

捨て犬の報酬

捨て犬の報酬

おぼんろ

レンタルスペース+カフェ 兎亭(東京都)

2013/01/12 (土) ~ 2013/01/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

私を忘れないで、という思い
凄い芝居を観た後は、いつもその場でアンケートに感想を書くなどということが出来ない。おまけに昨日の『捨て犬の報酬』は、続いた次の団体の芝居を観ることも出来なかった。暫くの間、何も目に映らないくらいの衝撃でした。
忘れ去られた者の深い深い深い悲しみと声に出来ないままの慟哭。それを、絶対に安い自己憐憫に丸めてしまわないで描く脚本の力。その脚本を(これは演者の解釈も含めて)表現する語り部の凄み。
なんで30分でこれが出来る?!この劇団の持つ力って、どこまで底知れないのかと思いました。
ほんと、芝居観て泣くとか、そういうの安くて嫌だとか言ってごめんなさい。終演後トイレに駆け込んでわーわー泣いた。
もしかしたら、この作品と『ゆめみるふぃーゆ』をセットにして『まめ芝。』イベントに参加したのが意図的だったとしたら、すごい策士だし、たまたまだったとしたら「なんかそういう人」の加護をこの劇団は受けてるよ。
二つの作品には共通したテーマがある。そのテーマが多角的に語られます。ぜひとも『ゆめみるふぃーゆ』と『捨て犬の報酬』両方参加してください。極上です。

ゆめみるふぃーゆ

ゆめみるふぃーゆ

おぼんろ

ワンズスタジオ(東京都)

2013/01/11 (金) ~ 2013/01/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

ゆめ・みる・ふぃーゆ
舞台上に印象的なシーン、切り取って持って帰りたいシーンというのを仕込むことをある程度は意識して、芝居は作られるのだろうけれど、作り手の思惑通りにいかないことも多い。もしも、芝居の神様、わかんないけどなんかそういう人、が居たとして、そういうシーンの数を決めてるとしたら、思惑通りにいかないのはきっと劇団おぼんろがその数のほとんどを持って行ってしまってるからだな。そんな気にさせる舞台でした。30分で泣いちゃうほど安直な入れ込み方はしないように気をつけていたけれど、そうやって溢れ出ることもちょっと難しいくらいの痛みを、観るものの胸に刻み込む作品でした。とても世界が深い。

『ひとりじゃできねえもん3』追加公演決定!!

『ひとりじゃできねえもん3』追加公演決定!!

おぼんろ

決定しました!公演詳細をご覧ください。(東京都)

2012/12/14 (金) ~ 2012/12/15 (土)公演終了

満足度★★★★★

イマジネーション
詩人が詠む言葉によって頭の中にイメージされるものが、自分の中から外に出て、目の前に映像として浮かぶ、という体験をしました。
その映像があまりに鮮やかだったために、確かに目の前にいる詩人の姿は見えなくなり、その声だけが映像の向こう側から聞こえる。そんな感じ。
クスリ効きすぎましたかね。

観てよかった。参加してよかったです。

『ひとりじゃできねえもん3』追加公演決定!!

『ひとりじゃできねえもん3』追加公演決定!!

おぼんろ

決定しました!公演詳細をご覧ください。(東京都)

2012/12/14 (金) ~ 2012/12/15 (土)公演終了

満足度★★★★

魅せるということ
多分、末原拓馬にしか出来ない芝居。末原拓馬だから、出来た芝居。
『ゴベリンドンの沼』は、彼の中でこのように熟成されて、そして類稀なメンバーたちと共にあの完成形になったのだな、ということがよくわかった。
最も恐れるのは、優しいお客さんが多いこと。優しい人は、何をやっても認めてくれ、許してくれる。その居心地のよい包囲網から抜け出すこと、それはコクーンへ行く上で不可欠だと感じた。

アクト青山の舞台裏スペースに退く時に、舞台上とは全く異なる一瞬見せた末原拓馬の厳しい横顔が印象的だった。
客も育たないとね。

ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

おぼんろ

ゴベリンドン特設劇場(東京都)

2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

ことばに出来ない
自分がこれからも生きていく先を、この作品が彩ってくれる。なんてラッキーなことか。
この作品の参加者になろうと決めて、豊洲まで暑いじゃねーかこのやろーと出かけ、あの場所に座って見た開演前の劇場内に回れ右して帰らなかった自分を、もうめちゃくちゃに褒めちぎりたい。

劇場内がですね、語り部たちが語り始めると、森になるんです。ほんまに。
客は森の立木になったり沼の底に揺れる藻になったり、風になったりする自分を感じる。

物語の最初から語り部たちが劇場内のあちこちに落としていく伏線を、
客は注意深く広い集めておくといいですよ。後半一気に全てがひとつに繋がります。

フライヤーの写真がなぜあの写真でなければならなかったかを知り、化粧が全落ちするくらい泣きました。

素晴らしかった。ほんとうに。

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